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不動産売買は、なぜ司法書士が必要なのか?司法書士の役割と重要性について!

更新日2021-06-28 (月) 18:05:50 公開日2021年6月28日

不動産売買時、その多くの取引でお世話になる司法書士。
あなたも「司法書士という名前は聞いたことがあるけど、実際には何をしている人かはよく分からない」なんて人もいるみたいですね。

ここでは、税理士や行政書士との区別もつきにくい司法書士について、不動産売買と司法書士の関係や必要性を基本的なことから、詳しく解説していきたいと思います。

なお、不動産売買でなぜ司法書士が必要なのか?司法書士の役割と重要性について!の解説動画をYouTubeにアップしておりますので、読むのに時間が無いと言う方はころらでも確認できます。


もくじ


司法書士とは

司法書士とは、裁判所や法務局などに提出する書類作成や、法務局(登記所ともいう)で登記手続きを行うにあたり専門的な知識を有した国家資格者を言います。

不動産売買と司法書士の役目

不動産売買契約においては、登記の名義を売主から買主に変更させるため、また銀行等金融機関から融資(住宅ローンなど)を受けたときに、抵当権設定登記をするために司法書士に申請手続きを委託します。

また司法書士はこれら登記だけでなく、不動産取引において、中立の立場を守りながら、取引自体が滞りなく安全円滑に進むように、全体が上手くいくために介在関与している専門家なのです。

司法書士が中立な立場の第三者として、また専門家としての介在があることによって、買主も売主も安心して手続きを進められるのです。

〇高額の現金がやりとりされる不動産取引では、司法書士の存在を抜きにしては成り立たない
〇金融機関がローンを貸し出す場合、司法書士が介在しないと実行しない。
〇売主本人が売却をする意思を明瞭に持ち合わせているかについて確認する。
〇不動産売買時に重要となる売主本人確認、買主本人確認も公的なもので司法書士が厳密に行う
〇司法書士は、不動産取引で売主の用意する書類等がしっかり揃っているか、また買主の用意する書類等が揃っているか確認する義務を負う
〇売主本人が売却をする意思を明瞭に持ち合わせているかについて確認する。

司法書士は、不動産移転登記に必要な書類、例えば売主の印鑑証明書と実印が用意されているか、住民票や戸籍の付票が必要な取引の場合、これが用意されているか、抵当権設定がされている場合、それを抹消できる書類も用意されているなどをチェックします。

実際の不動産売買の現場では登記識別情報通知(権利証)が偽造されたものでないか、本当に売主の実印なのかまでも印鑑証明書で確認します。
そしてこの印鑑証明書自体も偽造でないか、精巧なカラーコピーでないかを詳細に確認しているのです。

また、書類確認だけではなく、売主、買主が本人であるかの確認も、運転免許証やパスポートなどの公的身分証明書で行います。

身分証明書そのものが精緻に偽造されてないかどうかまでも確認します。

時には、怪しい取引などを排除するために、司法書士自身が持ち得る手段で売主と買主本人のチェック確認まで行っているのです。

この周到な確認作業によって、所有者を騙った詐欺行為や所有者が認知症だったために取引が無効になるといったトラブルを未然に防ぐことができるのです。
こんな重要な役目を担っているのが司法書士なのです。
ゆえに司法書士の役割は、不動産売買では非常に重要なのです。

◎ここでひとやすみ・売主が会社の時に注意すること
売主が会社(法人)で、その会社が有している不動産については、会社の実態や登記簿を調べてること。
所有者が休眠会社だった場合、代表取締役の印鑑証明書がとれない場合があるからですが、この印鑑証明書がとれない場合、所有権移転登記登記が出来ません。
この場合の救済処置はありますが、詳細については専門家(司法書士や弁護士)に確認することをお勧めいたします。


不動産売買に介在する司法書士は誰が用意する?

不動産売買に重要な役目として介在する司法書士は、さて、誰が用意すべきでしょう?
買主と売主、それとも仲介の不動産会社、はたまた住宅ローンを利用するならそれを貸し出す銀行などの金融機関なのでしょうか?

一般的には、不動産売買時に所有権移転(名義変更)登記や、住宅ローン借入で抵当権設定登記などを行う場合など、司法書士に依頼する場合は買主側が用意します。

理由は、不動産売買を行う目的を考えたら良く分かります。
不動産売買をしたら、売主から買主へ所有権の名義人が変える必要が有るのですから、所有権移転登記は買主が行うべき重要な手続きなのです。
売買しても、売主は登記の手続きを必ず行う必要性が無く、そのまま登記上の名義を放置していてもほぼ困りません。
ゆえに買主が用意することになるのです。

また、住宅ローンを利用する場合も、貸し出す銀行などの金融機関ではなく、あくまで利用者側(買主兼債務者)が用意する事になります。
理由は、金融機関がそう決めているからなのです。
※住宅ローンを利用する人を債務者、貸し出す金融機関側を債権者と言っています。


実際のケースでは、一般消費者である買主は司法書士などの知り合いもいないはずなので、実務的には不動産売買に介在する不動産会社で紹介するケースが圧倒的に多い状況ですが。

司法書士への報酬は誰が払う

登記費用は、その登記の性質や目的により売主と買主、それぞれ双方に発生しますので、目的に合った登記の費用をそれぞれが支払う必要があります。
ゆえに、不動産売買時に介在する司法書士は買主が用意しますが、ただし、売主責任の登記(抵当権抹消登記や名義人変更登記など)が必要な場合で、買主が用意した司法書士が嫌だと言う場合には、イレギュラーな事ではありますが売主ももう一人司法書士を用意して対処される場合も有るのです。

司法書士の費用相場

司法書士が不動産売買時に介在するときは、報酬が発生し支払う必要が有ります。

司法書士はその報酬を、通常、売主買主にわかりやすいようにそれぞれ売主用、買主用の費用明細として教えてくれますが、不動産売買時の司法書士の報酬は2つの項目に分かれており、1つは登録免許税や全部事項証明書などの取得費用などの登記費用と、もうひとつは司法書士への純粋な報酬で構成されています。

登録免許税や全部事項証明書などの取得費用は法務局に支払うものです。

では以下で売主が負担しなければならない費用と、買主が負担する費用について詳しくご紹介します。

買主負担の司法書士費用

買主が負担する司法書士費用は以下の通りです。

所有権移転登記費用

所有権移転登記は、名義を売主から買主に移す登記のことです。
不動産売買などそう多くある取引ではなく、売主と買主だけで申請するのは手間がかかるため、司法書士が双方から委任状を預かり手続きを進めるのが一般的です。

所有権移転登記を依頼する場合、基本的に「司法書士の報酬+登録免許税などの費用」を買主が負担します。
司法書士の報酬は、依頼する司法書士により異なりますが、相場は1~10万円程度でしょう。

登録免許税などの費用は、土地や建物の固定資産税評価額により決まっています。

抵当権設定登記費用

抵当権設定登記とは、買主が住宅ローンを組んで不動産を購入するとき、金融機関と結んだ金銭消費貸借契約を基にして行う抵当権の設定登記をいいます。

抵当権設定登記の費用は「司法書士報酬 2~6万円+登録免許税」が相場料金です。

売主負担の司法書士費用

売主が負担する司法書士費用をご紹介します。

抵当権抹消登記

売主が利用している住宅ローンなどが有る場合、売却対象不動産には抵当権設定がされていますので、この抵当権を抹消するために抵当権抹消登記をしなければなりません。

これにも費用が発生します。

費用は、「司法書士の報酬 1~3万円+登録免許税+その他実費」がおおよその費用相場です。

なお抵当権抹消登記の登録免許税は、土地、建物それぞれ1筆あたり1,000円と決められいます。
不動産売買では土地、建物それぞれに抵当権が付されている場合が多く、この場合2筆分の費用が必要になります。

登記名義人変更(住所変更、氏名変更)登記

売主が引越等で住所が変わったり、結婚等で姓が変わったりした場合、市区町村への届出により、その旨が戸籍や住民票に記載されますが、所有する不動産の登記簿の住所・氏名が自動的に書き換えられるということはなく、登記簿上の住所・氏名を変更するには法務局に登記名義人表示変更登記を申請する必要があります。

不動産売買する場合や、抵当権抹消登記をする場合などに、現在の住所・ 氏名が登記簿上の住所・氏名と相違しているときには、欠かすことのできない登記です。

この登記は、「司法書士の報酬 3~10万円+登録免許税」がおおよその相場です

海外在住者の不動産売却で重要な司法書士の役目

海外在住者の不動産売却では、『在留証明書』と『サイン証明書』という必要書類があり、居住先(滞在地)の最寄の在外公館(日本国大使館や日本国領事館)で手続きをすれば簡単に取得することが出来ます。

また、もうひとつ『代理権限委任状』という重要な書面も有ります。
これはインターネットでもひな形の取得は出来ますが、間違いがないように該当物件売買の為だけのものとして司法書士が作成したものの使用が一番良いので、あらかじめ司法書士に書面を作成してもらって郵送し、それを在外公館に持ち込むということになります。

また、売買決済には司法書士による意思確認も行うこととなりますので、海外在住者だからこその事前に用意周到な打ち合わせも必要となります。

ただ、司法書士など法律の専門家を代理人として選任し、売却手続きの代行を依頼する事で、海外にいながら不動産の売却が可能になるという解説をしているサイトを見かけますが、実は、司法書士にも得手不得手があり、海外在住者の代理は受けないという場合が多くあります。
また、司法書士でも不動産登記はやらないと言う司法書士もいます。

海外在住の所有者の売買はとても難しい確認事項が有り、海外在住の所有者の不動産取引における実績が少ない司法書士であれば、この確認事項のところで後手後手になったりもします。

また司法書士は登記費用が一律同額では有りません。割高になってしまう場合も多くあります。
仲介手数料が安い不動産業者に依頼しても、その他の諸費用が高くなってしまうのであれば考えものですよね。
不動産業者に売却を依頼する場合には、司法書士報酬等その他の費用についても事前に確認しておくべきなのです。
物件の査定評価額、売却を任せる不動産業者の選別と同じくらい、諸費用の比較は大切なのですから。

尚、コーラルは司法書士も海外在住の方の売却に手慣れた、経験豊富&費用も安い司法書士事務所と業務提携しており、万全な体制で臨んでいますのでご安心ください。

私共も推薦します。

司法書士法人プレッジ

海外在住の方の不動産売買は何かと心配なことばかりではないでしょうか。コーラル㈱は海外在住の方からの売買において安心と安全を命題とし、また売買取引において最大の効果を出すことを使命として地道に営業している会社だと思います。
また私たちの知る限りコーラルは、海外在住者から依頼された不動産売買経験がとても豊富です。私共も司法書士として登記手続きの多くを担って来ましたが、コーラルの売買事務手続きの正確さ、売買手法は私からもお勧めできる不動産会社です。
尚、各種登記手続きは司法書士法人プレッジへお任せ下さいませ。

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不動産売買での司法書士の必要性と役割と重要性について・まとめ

ここまで解説してきて、本当のことを言いますが、実は、不動産売買では絶対に司法書士の介在が必要かと言われるとそうではないと言いましょう。
そう、不動産取引では司法書士を遣うのは義務ではないのです。

ただしかし、実務上は司法書士が介在しない不動産取引は考えられないのです。

その理由としては、司法書士を介さないことでのリスクは莫大であり、しかも手続きは面倒で、安心安全に取引できないからなのです。
そう、不動産売買、不動産取引の安全の担保がなされないから、司法書士の介在無では事は全く進みません。

また司法書士は登記だけでなく、不動産取引において、中立の立場を守りながら、取引自体が滞りなく安全円滑に進むように、全体が上手くいくためにも重要な存在なのです。

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