雨を楽しむ家

皆さん、こんにちは!
モデルルーム巡りが大好きな主婦、ヤマダです!
さて、この記事を書かせていただいている今は4月。ここのところ感じるのは急激な天気の変化です。
気温もそう。昨日までめちゃくちゃ寒かったのに、今日はいきなり夏日になったりして、衣替えって6月くらいじゃなかったっけ? 4月だけどもうしないといけない感じ? とあわあわしています。エアコンも、試運転をするならこの時期、とニュースで言われるように、暑さが本気を出す前に準備が必要な模様で。
気候変動は当然お天気にも現れていて、雨と晴が交互にやってきますよね。先日は雷も鳴っていて、雷大嫌いな我が家のワンコが怯えるあまり、私の膝で踏み台昇降運動をしていました。
まあ、そんな具合で突然の雨も多いこの頃、ふと外を見ていて思い出した句があります。

春雨(はるさめ)を、待つとにしあらし、我がやどの、若木(わかき)の梅も、いまだふふめり

万葉集に収録されているこの句を詠んだのは、藤原久須麻呂(ふじわらのくずまろ)。
意味としては「春雨を待っているのでしょう、我が家の梅の花もつぼみのままです」というもので、梅の花は春の雨によって綻ぶなどと言われていることから春の訪れを待つ句とされています。
が、実はこの句には別の意味が隠されてもいます。この句を詠んだ藤原久須麻呂は、歌人として有名な大伴家持の娘を嫁にほしい、とお願いしていたそうです。しかし、家持は「娘はまだ幼いので」とやんわりと断り続けていました。そこで久須麻呂が「確かにまだお若いですね。うちの梅もまだつぼみですから」と、家持の娘の成長を待つ旨を込め、この句を返歌したとされています。
裏の意味を知ると、なんとも複雑な気持ちにもなりますが、それはひとまず置いておきましょう。感じたのは、奈良、平安と歌を詠みかわす文化が根付いていた時代、雨に思いをはせた句は多いなあと。雨に濡れて寒くてあなたを思い出す、や、雨がたくさん降ってくれれば、愛しいあの方の家で雨宿りができてうれしい、など現代の私が読んでも切なくなったり、どきどきしたり、と心を動かされるものが多く存在します。
こうした雨の句が詠まれた場所はそれぞれでしょうが、家の屋根の下から降り続く雨を眺め、筆を取るということも多かったのではないでしょうか。
そう考えると、部屋の中から雨を眺める行動が当時は実に自然なものだったのだなあ、と。
部屋から雨を眺める。
雨を楽しむ。
雨を待つ。
お部屋を選ぶ際、日当たりは重視します。しかし、雨を眺めるとか、雨を楽しむとか、雨目線でお部屋について考えたことはなかったなあ、と雨の句を眺めつつ感じました。
まあ、情緒はあれど、厄介なところが多いのも雨です。なかなか雨目線でお部屋を選ぶことは少ないかもしれませんが、雨と上手に付き合い、なおかつ楽しむ工夫を住まいに探してみるのも面白いかもしれません。
ということで、本日は雨を楽しむ家とはどんなものか、考えてみたいと思います。

雨



1. 雨を風景として楽しむ

小説やドラマ、映画を見ていて思います。雨というものは、心情を表すもののひとつとして現代でも多用されているなあ、と。
身も蓋もない言い方をするなら、雨とはただの自然現象であり、空から降って来るただの水です。しかしそれでも人の心に雨は訴えかけるものがあります。
少し、絵画を見ることに近い感覚かもしれませんね。絵画もそのときの気持ち次第で感じ方が変わります。雨も気持ちが沈んでいるときは陰鬱に、疲れているときは心に染みてきます。
そして、絵画といえば、額縁。住まいにおいて、額縁に当たるものはなんだろう、と考えていて気づいたのは、窓枠。
日本で窓枠、というと、窓自体が引き違い窓、右と左でそれぞれ引いて開けるタイプの窓が多いため、シンプルな形になります。雨が多い日本ゆえか、さびにくい金属製の窓枠が主流です。しかし海外の住宅ですと、飾り格子が入ったタイプの窓に、窓周りをおしゃれにデザインしたタイプの窓枠を備えた住宅が多く見られます。そうしたデザイン性の高い窓枠を備えた窓から見た景色は、通常の引き違い窓から見た風景と比べ、絵画の色合いが濃く感じられます。
また、窓の形の観点からも雨を楽しめるデザインがあるなあ、と思ったりします。横長の窓ももちろん風景画のようでいい。多くの風景画は横構図が多いですよね。横向きに描く方が、風景画の持つ静けさを活かせるともいわれています。反対に縦向きだと、動きがある絵になるそう。この論理でいくと、横長の窓から見た方が雨を静かに楽しめるようにも感じます。が、雨とはそこにただ存在する景色と違い、動きがあるものです。上から下へと流れていく、その動きをより楽しめるのは縦長の窓かもしれません。
実際、縦長の窓がある住まいで雨を眺めたことがあります。窓の向こうの雨を楽しむ場合、降っている様を眺めることももちろんなのですが、窓に付着した雨粒の流れを目で追うのもまた、趣があって素敵だなあと感じました。縦長の窓の場合、窓の上部についた水滴が、すうっと下へと流れ落ちていく様を長く楽しめて、とても豊かな気持ちになれます。とかく忙しい毎日を過ごす現代人にとって、雨を見て和歌を詠む余裕はなかなかないものではありますが、雨をより美しく、しっとりと楽しめる窓がある家で過ごすことで、息抜きにも繋がるのではないか、と思えました。

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2. 雨を楽しむためには、雨に邪魔されない雨どいを

雨は憂鬱。雨は鬱陶しい。雨は厄介。雨は……。
こんなイメージがあるのは、雨が私たちの生活を脅かすようなことも多々あるからなのでしょうね。
どんなことに脅かされているか。
ひとつに、屋根から流れ落ちてきた雨水に起因したトラブルです。
たとえば、建物の腐食。
水に長く触れた建材はどうしても傷みます。屋根も壁もそれは変わりません。しかも雨は高いところから低いところへ流れます。こちらできちんと道筋を作ってあげないと同じ場所ばかりを流れ、流れた部分の腐食を促してしまいます。
また、屋根から落ちた雨水によって巨大な水たまりができてしまったり、長く雫が当たり続けてしまったために、道路が抉れてしまったりといった、地形の変化を及ぼすことも考えられます。
そうしたことを防ぐために、必要なのが雨樋だそう。
よく物件を見に行くのは晴れの日が良い、なんていいますよね。これはそうだなあと私も思います。物件を選ぶ際、日当たりはやっぱりしっかり確認しておきたいチェック項目ですから。しかし、私は雨の日も内見をしておくことって大切だなあ、と感じます。
そう私が言う理由として、以前、住んでいた集合住宅での経験があります。その集合住宅は、日当たりも間取りも最高だったのですが……いかんせん、雨の日の雨水を逃がすための建材が不十分だったようなのです。結果、上手に排水できなかった雨水が住まいの共有部分に水たまりを作るようになってしまい、かび臭さの原因にもなっていたようで……。
その点。降ってきた雨水をしっかり集め、側溝など、排水路にしっかり流せる設備、雨樋がちゃんとしている建物はやっぱりこざっぱりしています。正直、雨樋なんてあまり気にしない設備ですよね。私はそうでした。しかし、雨で苦労をしてからは集合住宅でも、戸建てでも雨樋や雨水管を気にするようになりました。
ちなみに、調べていて知ったのですが、雨樋にも形態によってさまざまな名前があるようですね。
屋根の縁に横に伸びる形で雨水を集めるタイプの雨樋を、軒樋(のきどい)というそうです。その軒樋で集められた水を下に落とす樋の名称は、竪樋(たてどい)だとか。
物件をみるとき、間取りや設備にどうしても目が行くものですが、外部、雨樋を見ると、なんとなくその建物の管理状態がわかる気がします。管理が行き届いているところは、雨樋がしっかり固定されていますし、心もとなくなるほど破損もしていない。細かいところではあるものの、日本は雨の多い国です。その雨に対してもきちんと配慮されている建物はやはり安心があるなあ、と思ったりします。
楽しむ、という観点からは少しずれたかもしれませんが、雨を厄介者と思わずにいられる、雨をマイナスなイメージで考えずに済むような手助けをちゃんとできている住まいはやはりポイントが高いですね。

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3. 雨を憂鬱にさせない、水はけのよい家

私は雨を眺めるのは好きです。しかし……やはり、濡れるのはきつい。
建材は長く濡れると傷むけれど、人だってそうですよね。長く雨に当たったら風邪を引いてしまうし、濡れた服や鞄などをそのままにしておけば黴がはびこってしまう。吹き込んだ雨をカーテンに付着させた状態にしておいても然り。あっという間にカーテンは黴模様になってしまいます。
雨は趣があるけれど、ついた水滴を適切に処理できなければ、敵になりかねません。じゃあ、具体的にどんな住まい、設備であれば、雨を家内に入り込ませず、適度な距離を保って暮らせるのか、調べてみました。

・軒先が長く、深めに作られている
・雨に濡れずに乗り降りできる駐車、駐輪スペースがある
・土間の水はけがよい
・換気窓がしっかり備え付けられたクローゼットがある

ひとつずつ見てみましょう!

・軒先が長く、深めに作られている

現代の住宅は、日本家屋と比べ、軒がない住宅も多いように見受けられます。実際、私が住む集合住宅においても、軒に守られていない窓が存在します。そうした窓はやはり雨に弱い! 窓を開けたい日って晴れの日のイメージが確かにありますが、雨の日だって換気はしたいですよね。いいえ、むしろ湿気がこもる雨の日ほど、換気は必要かもしれません。しかし軒に守られていない窓を開けると高確率で雨が降り込むんですよね……。
デザイン的な観点、あるいは居住面積を広く取るためなどで軒がない家というのは多いと思います。確かに軒の存在なんて、雨が降らないとそうそう意識はしません。けれど軒がないことで雨は降り込むし、雨にさらされる壁の傷みも早くなります。
その点、軒が長く作られている家であれば、その辺りの被害を食い止められます。あまり、軒なんて意識してこなかったけれど、内見をする際、家の外に出てそれぞれの窓を守る形で軒が作られている物件か否か、確認することは大切だなと感じます。

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・雨に濡れずに乗り降りできる駐車、駐輪スペースがある

私が今暮らしている集合住宅に設けられている駐車場には屋根がありません。エントランスからぐるっと回って玄関の裏手に位置する駐車場へ向かう形になっています。このマンションはファミリータイプの間取り、特に小さなお子さんとご夫婦が暮らすのに適したサイズのタイプのマンションのため、ベビーカーを押したご夫婦ともよくすれ違うんですよね。とても微笑ましい光景だと思うのですが雨の日は本当に大変そうで……。晴れていればベビーカーを駐車場まで押していって畳んで、も簡単にできるのに、雨の日だとベビーカー自体使わず、抱っこひもで抱え、傘を差して駐車場まで向かわれる姿をよく見かけます。車に乗れば雨はしのげるけれどその間がどうしても濡れちゃうようで、とても大変そうです。この状況では雨を楽しむなんて到底できないだろうなあ……。
その点、駐車場、駐輪場に屋根が設置されている、エントランスから雨に濡れずに行けるようなルートが確保されている、そうした住宅であれば、雨を憂鬱に思わず楽しむこともできそうですね。

・土間の水はけがよい

結構大事だなあと思うのがここ。玄関は外界への出入り口です。ただ集合住宅において、玄関に窓がついていない物件は多く、空気がこもりやすい場所でもあると感じます。そうならないためには湿気が溜まらない工夫が施されている玄関である必要があります。

チェックする項目として、私は以下の二つを挙げたいです。

窓はなくても空気が抜けられるような通り道が確保されているかどうか。
もうひとつは、玄関の土間に使われている床材の水はけがよいか。

この床材について言及すると、一口に床材と言っても結構種類があるんですよね。タイル、コンクリート、モルタル、天然石……。それぞれにメリットデメリットあるようですが、コンクリートやモルタルだと、水分をため込んで染みになりやすいよう。我が家は今、まさにコンクリートなので、これを実感しています。雨の日だと水の染みが汚れみたいに見えちゃって……。乾けば元の色には戻るのですが、どうも水っぽい感じがしてテンションが下がります。タイルのような水が零れても吸わず、拭きとることができるような素材の床材のほうが、湿気がたまりにくくて良いかも。天然石の床材は高額ですが、色合いも美しく、デザイン性も高くてこれまたいいですね。

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・換気窓がしっかり備え付けられたクローゼットがある

雨と相性が悪いものといえば……クローゼット! と私は言いたい。梅雨時は湿気取りを設置するのですが、設置しても設置してもすぐに水が溜まってしまいますもの。
淀んだ空気は黴の温床にもなりますし、運気も下がりそうです。
その観点からすると、クローゼットの換気が手軽にできる工夫が必要だなと思います。
たとえば、人気の設備であるウォークインクローゼットであれば、換気用の小窓がついている。あるいは換気扇が備え付けられていると良さそうですね。



4. 終わりに

雨とうまく付き合うことができる住まいについて考えながらこの記事を書いていたころ、振り返ってみると雨が実に多かったです。
雨が続くと洗濯物は溜まるし、食材を買いに外に出ようにも荷物が濡れるし、どうしても厄介な部分に目が行くなあ、と思っていたのですが、ある日、夫にこんなことを言われました。
「雨だと、雨が音楽っぽく聴こえてよくないか?」と。
耳を澄まして驚きました。確かに、ベランダの手すりを雨が叩く音が音階めいて聴こえたのです。
ベランダの材質によっては雨音が騒音になる、なんていう話もありますが、音色によっては聴いていてほっこりする音色もあります。
次に部屋を探すときは雨の日にしよう。そして窓の外から聴こえてくる雨の音がどんなものか聴いてみよう。
そんなことを雨の音を聴きながら思いました。
内見は晴れの日がいい。でも、実は雨の日のほうが、その部屋のスペックや居心地が確認できるかも?
今日は、そんなお話でした♪
今後もさまざまな観点から住まいについて考えてみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!






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