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住宅ローン審査に通らない理由と原因!15パターン!
更新日2021-10-28 (木) 16:10:25
マイホーム購入時に住宅ローンを組む人は多いです。
特にここ最近の史上最低の金利を背景に多くの人が金融機関からの融資、住宅ローンを利用してマイホームを買われています。
ただ実は、‴住宅ローンを借りようとしても借りれない人もいる‴ので、ここでは『住宅ローンの審査に落ちる理由と原因』について、宅地建物取引士 兼 住宅ローンアドバイザーの 井上朝陽 が解説していきます。
なお、住宅ローンの審査に通らない原因について、YouTube動画で加盟する一般社団法人 結い円滑支援機構(yuika)が解説していますので、読むのが面倒という方はそちらでご確認いただければと存じます。
もくじ
住宅ローン2つの審査
住宅ローンを借りる場合の審査には、事前審査(仮審査)と、本審査の2段階ありますが、そのどちらも借り入れを希望する人の提出する書類や、その人の信用情報で審査することとなります。
住宅ローンの審査に通るも落ちるも、借り入れを希望する人の属性(持っている背景)で決まり、その理由は様々です。
そこでここではまずは、住宅ローンの2つの審査について簡単に説明します。
事前審査(仮審査)
事前審査は、仮審査や簡易審査と呼ばれることもありますが、ここでは事前審査でご案内します。
事前審査とは、一般的に売買契約を結ぶ前に行われる審査をいいます。
・年収に対して年間の返済額の割合が条件を満たしているか
・他にローンなどの借入はないか
・信用情報に問題はないか
など、申込者に返済能力があるかどうかがチェックされます。
本審査
本審査とは、売買契約が終わった後に行われる審査をいいます。
申込者の細かい調査や、担保となる住宅の価値を調査し、判定などがおこなわれます。
必ず住宅ローンの審査で落とされる理由と原因
マイホーム購入時に住宅ローンを利用しようとするとき、売買契約締結前に事前審査(仮審査)を受けますが、この審査で必ず落とされるケースもあります。
まずは、どんなケースが落ちるのか確認してみましょう。
「異動」の登録が有る
日本には、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(日本信用情報機構)、JBA(全国銀行個人信用情報センター)という3つの指定信用情報機関があります。
これらの個人信用情報に「異動」と登録されている場合は、住宅ローンの審査はもちろん、クレジットカートやローンなども間違いなく通らないと言えます。
「異動」とは、支払いの遅れにより信用力を失っている状態を言います。
この「異動」を私たちはブラックリストと言い、金融機関では「事故情報」や「ブラック情報」と呼ばれることもあります。
「異動」はどんな時に登録されてしまうのでしょうか。
ローンの返済を1回または数日遅延した程度であれば、登録されることはありません。
「異動」に登録される原因には次の3つがあります。
1)返済延滞がある
返済日より61日以上もしくは3ヶ月以上の支払いの遅れがある、または、過去にそのような状態があった場合です。
たとえば、携帯電話端末の分割払いを延滞したときは、約3カ月の遅延で登録されるようです。
また、支払管理が厳しい消費者金融やクレジットカードの場合は、61日間支払いの確認が取れない場合は、即登録されます。
2)代位弁済を受けた
借りている本人に代わって保証会社が返済した場合です。
3)債務整理をした
任意整理、個人再生、特別調停、自己破産などを行った場合です。
状況により住宅ローンの審査で落とされる理由と原因
状況または組み合わせにより通らないケースもあります。
どのような場合が有るか見てみましょう。
申込可能年齢と完済年齢
どの金融機関でも「申込可能年齢」と「完済年齢」が定められているので、これにより返済期間を考え申し込みすることになります。
例えば、申込可能年齢が20歳以上65歳以下、完済時年齢が80歳未満だったとしましょう。
申込年齢が30歳であれば、住宅ローンは、最長35年で借入れることができるため、完済時年齢は65歳になります。
この例であれば完済時年齢については何も問題ありません。
しかし、申込年齢が65歳であれば、80歳未満で完済するためには15年未満で返済しなければいけなくなります。
期間が短くなれば当然、支払額は増えてしまいますよね。
また、現在は申込年齢が上昇傾向にあります。
このグラフは厚生労働省の「夫婦の平均初婚年齢の年次推移」です。
このように年齢が上昇している背景には晩婚化があります。
申込年齢が上昇しても完済年齢の条件をクリアしていたら問題ないように思いますが
完済時年齢が高くなると、終身雇用や年功序列の破壊、リストラ、退職金の減額など、老後破産のリスクが高まるのです。
消費者金融からの借り入れ
金融機関によって異なりますが、消費者金融から借入をした履歴があったり、現在も借入があるという場合は、その事実を重く見るケースがあります。
住宅ローン以外にもローンの借り入れがある
住宅ローンの借入れをするときは、自動車ローン、教育ローン、カードローンやキャッシングなど、その時点の借金について金融機関に申告する必要があります。
借金があれば必ず審査に落ちるというわけではありません。
ただし、借金の返済遅延額や借金の内容などがチェックされ、その結果によっては審査が通らなかったり、通ったとしても希望額より少ない額になるケースもあります。
キャッシング枠があるカード保有
VISAなどのクレジットカードには、キャッシング枠がついている場合があります。
このキャッシング枠は注意しなければいけません。
実際にキャッシングをしていなくても、カードを保有しているだけでキャッシング枠の金額を借りているとみなされてしまう可能性があるのです。
可能であれば、クレジットカードのキャッシング枠を、全て解約するか、仮審査の申し込みをする時に金融機関へクレジットカードの詳細を告知した方が良いと考えられます。
返済負担率が高すぎる
返済負担率とは、年収に対する年間の返済額の割合で、住宅ローンの審査ではとくに重要視されます。
返済負担率が一定の基準を超えると「住宅ローンの返済が難しい人」と金融機関が判断し、審査が通らない可能性があるのです。
住宅ローンの返済負担率は、「年収÷年間総返済額×100」で算出され、住宅ローンを組める上限は金融機関によってその基準は若干変わりますが、一般的には30~35%が上限基準といわれています。
例えば、年収500万円の人が年間返済額100万円で住宅ローンを組む場合、返済比率は20%とになりますから、この負担率で有れば上限基準を満たし審査パスするでしょう。
また、年収600万円の人が、毎月12万円ずつ返済する計画を立てた場合には、「144万円(12万円×12ヶ月)÷600=0.24」となり、返済負担率は24%となります。
(ただ、住宅ローン返済比率のみを考えた場合ですが。)
この借入額は、借金総額なので、住宅ローンと消費者金融だけを視て判断してはいけません。
銀行系カードローン、クレジットカードのキャッシング枠、多種多様なカードのリボ返済、携帯電話の分割払い、自動車ローン、奨学金などの借入など全ての合計額なのです。
この総額の返済負担率が問題になるのです。
金融機関側は住宅ローンを借りる人が本当に滞りなく返済してくれるかどうかさまざまな項目で審査しますが、この返済負担率が、金融機関で設けている上限比率を超過すると、他の条件が良くても通らないのです。
住宅金融支援機構の住宅ローン(フラット35)と、民間金融機関の住宅ローンで返済比率の基準が異なります。
フラット35の返済比率の基準は、一律で年収が400万円未満だと30%以下、400万円以上だと35%以下です。
これに対し、民間金融機関の住宅ローンの返済比率は各金融機関によって基準が異なり、一般的には年収100万円以上300万円未満は20%以下、300万円以上450万円未満は30%以下、600万円以上は35%以下などとなり、基準が細分化されているのが特徴です。
また、フラット35の場合は実際に借り入れる金利をもとに算出しますが、他の民間金融機関では、実際の融資金利ではなく、審査用の金利(審査金利)で融資可否を判断します。
ゆえに、どうしても住宅ローンを利用したいときは、不動産売買契約時に頭金(自己資金)を多くして借入額を抑え、返済負担率を借り入れをしたい金融機関の返済負担率上限以内に抑えるなどの対策すれば借入できるとも言えます。
運転免許証番号の最後一桁が4以上の数字
最後の一桁の数字は、免許証の再発行の回数です。
免許証の再発行が4回以上ある場合、金融機関の審査が厳しくなります。
4以上であれば、運転免許証ではなくパスポートなど他の写真付き身分証明書を提出した方が無難です。
健康保険証が国民健康保険
会社組織の場合、本来であれば社員を社会保険に加入させる義務があります。
しかし、国民健康保険で社員を雇用している会社は、審査する銀行からすると社会保険の加入義務を怠っている会社とみなし、審査が慎重になってしまうのです。
勤務年数が短い
勤続年数が短ければ審査ができないというわけではありませんが、1年未満であれば厳しいと言えます。
金融機関により異なりますが、基本的に住宅ローン審査申込資格は、勤続年数1年~3年以上と定められています。
雇用形態
契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなど正社員でない場合は、収入が不安定と判断されるケースがあります。しかし、年収、勤続年数など一定の条件を満たしていれば審査に通る可能性もあります。とくに健康保険証が社会保険であれば可能性は高くなります。
給与体系が歩合給
給与体系が歩合制の場合は毎月の収入が不安定であると判断する金融機関もあります。
一般的には、源泉徴収票だけで歩合給であると判断は出来ないのですが、勤務先によっては固定給と歩合給に分けて源泉徴収票を2つ発行する会社もあります。
事前審査には通ったのに本審査で落とされる理由と原因
事前審査に通ったからと言って安心はできません。
それは、事前審査に通っても本審査で落とされる場合も有るからです。
以下では、事前審査で通った後、本審査で落とされるケースについてみてみましょう。
税金や国民健康保険料の滞納
税金や国民健康保険料の滞納が有れば、住宅ローン本審査に通らなくなります。事前審査(仮審査)時には、この税金や国民健康保険料の納付状況を知らせる金融機関は少ないのですが、しかし、本審査時は必ず書面提出を求められます。
実は、税金や国民健康保険料の納付状況は個人信用情報機関に登録されるわけではありません。また、国や自治体が金融機関に情報を提供することもありません。ゆえに金融機関は本審査時に提出された書類(納税証明書過去2年分など)から納付状況を調べます。
会社員の場合、雇い主の会社が給与から天引きし税金や社会保険料の納付している為、ますは滞納は考えにくいため、源泉徴収票で所得税や社会保険料の金額を確認する程度です。ただ、派遣や契約社員などでは自分で納めている場合もあるので気をつけましょう。
自営業者の場合は税金の納付状況は納税証明書で確認します。納税証明書(その1)で納税すべき税額、納付した税額、未納税額等が、納税証明書(その2)で所得金額がわかります。
これら提出書類から税金や国民健康保険の滞納がわかった場合、住宅ローンはほぼ通らないと言えます。理由は、納税も年金への加入も国民の義務だからです。
もし税金や国民健康保険料の滞納がある人は本審査前に滞納解消しておきましょう。
団体信用生命保険に加入できない
住宅ローンを組むときは、団体信用生命保険(金融機関や不動産屋は『団信』と簡略化して言ったりします。)に加入する必要があります。
生命保険となるため、たとえば高血圧、糖尿病、緑内障などの疾患がある場合は、仮審査が通っていても本審査で落ちる可能性があります。
物件の担保価値に問題がある
審査では金融機関がそれぞれ異なる基準で、物件の担保価値を評価しています。
たとえば、違法建築物や築年数が古いなど、物件の担保価値として問題がある場合も本審査で落ちる可能性は大きいと言えます。
申込者本人の環境変化
仮審査から本審査行くまでに『転職した・新たな借入をした・虚偽の報告をした・遅延が発生した』のようなことがあれば本審査で落ちることがあります。
ここで注意点です。
住宅ローン特約とは?
万が一、本審査に通らなかったときのために住宅ローン特約があります。
売買契約締結時に「住宅ローンの本審査が通らなかった場合は、売買契約を白紙解除する」と言う条項を売買契約書に盛り込むことで契約を白紙撤回できるという特約です。白紙撤回となるため支払済の手付金や仲介手数料も返金されます。
しかし、申込者本人の環境変化が原因で本審査に通らなかった場合は、本人責任となるためローン特約が使えなく可能性が非常に高くなるのです。
ローン特約が使えない場合は、違約解除となります。
違約解除の場合どうなるのかを例を使ってご案内しますね。たとえば
(例)
売買価格4000万円
契約時の手付金200万円支払い済
契約違反による違約金(10%の場合)400万円
※契約違反による違約金の多くは、売買金額に対し10%~20%で設定されています。
この例の場合、買主予定者が売主へ違約金の400万円を支払うことになりますが、手付金として既に200万円支払っているため、差額の200万円を支払えば契約を解除することができます。
さらに、不動産業者への仲介手数料も全額支払いとなります。
このように、大変なことになりますので、十分注意が必要ですね。
まとめ
住宅ローンの審査に通るか通らないかのまず第一の基準は、利用する人に返済能力があるかどうかです。
ゆえに住宅ローンの審査では、借入時の年齢、完済時の年齢、返済負担率など、複数の観点から審査が行われます。
また、健康状態も審査基準の1つとなります。
審査に通らない原因はさまざまですが、最も基本的なポイントは、購入物件と年収などの条件が合っていることなどです。
住宅ローンは、その種類も銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫などの金融機関の数と同数あると言われ、その金融機関で住宅ローンを通すかは、事前に銀行等のホームぺージで比較し、あなたに合う住宅ローンにしましょう。
なおコーラルでは、住宅をご購入される方一人ひとりの条件にあわせて、最適なプランをご提案しています。
「わたしは審査に通らないだろう」と思ってあきらめていた方も、ぜひ一度はなまるコーラルにお問合せください。
どうしたら住宅ローンの審査が通るか、住宅ローンアドバイザーがアドバイスしています。
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記事監修
石井雄二 宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産売買専門仲介会社のコーラル㈱取締役として不動産売買や親族間売買時の住宅ローン借入に日夜尽力している住宅ローンの専門家。
既に約500件以上の案件で住宅ローン取付を導いています。