だらけられるくつろぎリビングのススメ

皆さん、こんにちは!
モデルルーム巡りが趣味の主婦、ヤマダです!

住みやすい家とはどういうものか、いつかはこんな家を持ってみたいなあ、と夢膨らませながらモデルルームを見学する夫と私。
けれどある日、夫がこんなことを言い出しました。


「なんかさあ、モデルルームって落ち着かないのな」

「落ち着かない?」

「お客さんが来る前提で作られている気がして、そこで家の人間がくつろいでる風景があんまり見えない気がするんだよね」

なるほど……。
言われてみるとちょっと思い当たるような気も……。
子ども部屋とか、キッチンとか、ワークスペースとか、そうしたところはね、使っている人の息吹が感じられるようなディスプレイが施されているなあ、と感じます。
しかし、リビングに関しては、お客様を迎える前提のような片付けられた感じが確かにします。
まあ、当然のことかもしれません。散らかった状態のリビングなんてモデルルームでみせられたら、家への夢とか希望が一気に打ち砕かれそうですもの。
でも、夫のいわんとすることもちょっとわかる気がするのです。
清潔で快適なリビング。けれどそのリビングに家族みんなでだらっとくつろいでいる絵がどうにも想像できないというか……。
そもそもなのですが、我が家は子どもがいないこともあり、来客が少ないです。普通、どれくらいの頻度で来客があるものなのか。
友人に聞いてみたところ、
「え、年に5回くらい、かな?」
「年に2回あればいいくらい?」
「年に……」
年に数回!という答えが私の周りでは多かったです。
そうなるとですよ。年にたった数回のために、余所行き顔のリビングで暮らすのはどうなのだ、という話になる気がする。
リビングは応接室的な役割も確かに担いますが、家族が集まってテレビを見たり、団らんしたりすることが主目的と思われます。
であるのなら、外で見せられないだらけた姿でいられる空間というものに、リビングはもっとなってもよいのではないかな、と。
じゃあ、だらけられるリビングって具体的にどんな形なのか。
ということで本日は、だらけられるリビング、について考えてみたいと思います!

リビング



1. だらけ方はそれぞれ 家族の趣味に合った形を目指す

人にとって楽な姿勢、くつろげる状態というものは異なるなあ、と結婚してから思います。
実家において、くつろぐ、というと、こたつに入って蜜柑を食べてテレビを見て、眠くなったらそのまま横になってすやすや……でした。
しかし、このスタイルが落ち着かない方だってきっといらっしゃると思います。床ではなく、ソファに寝転がることで落ち着く、という方もいらっしゃるはず。
事実、実家を出た我が家にはこたつはありません。あれほどこたつに依存していたにも関わらず、です。
となると、だらけられる、を考えるなら、過去の自分ではなく、現在の自分が家の中でどんな姿勢でいることが一番楽か、をまず考える必要がありますね。
さらに言うならば、家族それぞれがリビングの中で自分がどの場所にいるのが一番落ち着くのか、考えてみることも大事かな、と感じています。なぜこれを言うのかと言えば……リビングはみんなでくつろぎたいなあ、という思いが私にはあって、そんなとき、自分の席、といえるような場所をちゃんと各々が持てるような形にリビングを整えておかないと、どこに座っていいのかわからないなあ、と悩んでしまう気がして。
というのも、久しぶりに実家に帰ったとき、随分模様替えをされていて、これまで座っていた場所がなくなっていてどこに座っていいかわからなくなる……という経験をしたもので(汗)まあ、しばらくいなかったから仕方ないのですが、そのとき思ったのです。やっぱり、自分の場所、というものを持つというのは、家で安らぐうえで大事だなあと。
なので、まずは自分がどのスタイルだとのんびりできるか、主にいる場所はどのあたりなのか、を考えながらだらけられるリビングを考えていくべきかなあと感じました。
私だったらソファの前、夫だったらソファの上。うちのワンコは……壁とソファの、間?みんなソファ周辺ですから、この辺りをちゃんとだらけられるように作ればいい、ということになりますね。



2. 高さでだらけ方を考える

さて、自分なりのスタイル、を考えていて気づいたことがあります。
それは、だらける、に着目して考えた場合、床にこたつを置いて寝そべるにしても、ソファの上で横になる、にしても、かなり床と近くなるな、ということ。
つまるところ、だらけることがしやすいリビングというのは、床からの距離がそこそこ近い状態で体を休められる環境なのではないか、と。
その最たるものを先日、友人の家で見ました。
人を駄目にするソファ、という言葉をご存知の方も多いのではないでしょうか。さらりとした肌触りの布地でできたカバーの中に、細かいビーズを詰めてできたソファ、あるいはクッションで、ビーズソファ、ビーズクッション、という名前で各メーカーから発売されているものです。
このビーズクッション、さまざまなサイズがありますが、大きなものだと大人の男性が寝ころべるくらいの幅があります。そのタイプですと、直角に折ってソファのようにして座ることもできますし、伸ばして使って寝ころぶこともできます。身体の凹凸にしっかりフィットするようにできているので、すごく快適です。
そのだらけるための最強アイテムといってもいい、ビーズクッション、しかも特大サイズがふたつもある!
さっそく座らせてもらいましたが、もうやばかったです。立ち上がりたくなくなりました(笑)疲れがぐうっと吸い込まれる気がするんですもん。

リビング2

……と、ビーズクッションを猛烈にプッシュするための記事ではないのですが、つい興奮してしまった。
体感してみてやはり感じました。ビーズクッションのように床に直に置いて、横になれたり、ちょっと腰掛けられたりするようなタイプの家具は、基本、高さが低く、その低さゆえに安定感もあって、よりだらけられるな、と。
これはビーズクッションに限らず、だらけることができるソファの条件と通じるものがあるように感じます。
あくまで個人的な感想ではあるのですが、床面と座面が近いほうが動作に必要なパワーを押さえられるように感じます。座ったときの姿勢がまず違いますよね。
座面が床面から遠い場合、膝は曲がり、足の裏が床につく形になります。
しかし、座面が床面と近い場合だと、膝をまっすぐ伸ばし、足の力を抜いて座ることができます。より脱力した状態で腰掛けることが、高さが低いソファは可能といえるのではないでしょうか。
そう考えると、だらけられる=力を入れず、楽な姿勢で過ごせる、と定義することができ、床面から近い位置に座面を設けられる丈の低い椅子、ソファが、だらけるリビングのキーアイテムになるのでは、と考えられます。
拠点となる椅子、ソファの高さが低いとなると、それに付随するテーブル、テレビ台などもあまり背が高いものでないほうが落ち着きますね。
また、心理的な効果を考えた場合も背が高い家具よりも背が低い家具のほうが、リラックス効果には一役買いそうだ、と私は思っています。
感覚的な話ですが、図書館へ赴いたとき、自分の背より高い書架が並ぶ通路を歩いていると、わずかながら圧迫感を感じませんでしょうか。逆に、絵本などが並ぶコーナーで使われているような、自分の背丈よりも低い書架の傍に立ち、周囲を見回すと、ちょっとこう、開放感があるような。
家の家具においても大きい、背が高い、など自分の身体を越えるサイズのものが部屋にあると、部屋を少し狭く感じる、迫って来る感覚を覚えるということもありますよね。
以上のことから、だらけられるリビングを作ろうとした場合は、拠点となる椅子、ソファはなるべく床面に近いタイプを選び、なおかつ目に入る家具は背が低いものを設置したほうが、身体的にも心理的にもリラックスして過ごせるのではないか、と考えられます。



3. 広すぎると持て余すことも

前章で、背が低い家具は開放感があってだらけられるリビングには良き!とお話しましたが、この開放感というものについて考えていて、少し引っかかったことがあります。
モデルルームに伺ったとき、耳にすることが多いのです。この「開放感」という言葉。
開放感がある、吹き抜けがある玄関。
ものがごたつかず、開放感があるアイランドキッチン。
広々として開放感がある、リビング……。
写真にするとこういう感じでしょうか。広くて、素敵です!
そうなのです。なんというか、開放感は広いとセットで使われるイメージがありますね。

画像の説明

私は狭いところが苦手で、古くても汚くても広い家を選びたいと常々考えています。だから、開放感という言葉にはとにかく弱いです。
「広ければいいのか?! 体育館にでもお前は住めるのか?!」
と、夫には吠えられるくらい、広いとテンションが上がる、それが私。
ですが……ちょっと思ったのです。
広すぎる部屋というのは、だらけるにはちょっと不便だ、と。
なぜなら。
だらける=だらけた状態で完結したい、だから。
究極的に言うと、あの状態です。こたつに寝っ転がった姿勢ですべてのものに容易に手が届く環境であること。
その意味で、広すぎるリビングというのは、非常に都合が悪いと感じます。
ちょっと水を飲みたいからキッチンへ行きたい、と思ったとき。起き上がって歩いていく、その動作ですら面倒なのに、リビングとキッチンの距離が離れていたら。
くつろぎ気分も失せるというもの。
そう考えると、広々リビングも考えものだなあ、と。
ただ、広々リビングであってもだらけられる環境を作ることは可能だとも思っています。
たとえば、普段からよく使うもの、テッシュ類、電子機器のリモコン類、爪切り、常備薬、鼻毛抜き……(これはうちの夫には必須。テレビを見ながら鼻毛を抜かないとどうも調子が出ないらしい)などなど、座った状態でほしいものは、人によって千差万別とはいえ、そこそこあるもの。
それらを綺麗に収納できるような、大容量引き出しがついたテーブルがあったら。すごくいいですね!
また、お茶をいちいち淹れに立つのが面倒!という場合。電気ケトルやタンブラーを置けるような可動式ワゴンがテレビ周辺にあるとこれまた、だらけるのには都合が良いのではないでしょうか。
こういうことを考える方は意外と多いのではないか、と思うのは、家具屋を見ているときです。結構あるんですよね。テーブルに大容量の引き出しやらマガジンラックを備え付けた家具や、ソファのそばにコンパクトに設置できるサイドテーブルなどが。
映画館みたいだな!と思うようなドリンクホルダーがついたサイドテーブルもあって、めちゃくちゃ夢広がりました!
なんかもう、その家具ひとつを置くことでだらけライフがくっきりとイメージできるというか。
部屋の広さはいかんともしがたい部分ですが、家具を取り入れることで、自分の理想のだらけ生活を作っていける、というのはかなり魅力的ですね。

リビング3



4. 終わりに

だらける、と書くと、頑張らないといけないのに、頑張らないでいる状態、というような、少しの罪悪感を覚えます。が、決して悪いことではないと私は思っています。
人間はいつも同じ顔ができるわけではありません。仕事をしているときの顔、ご近所付き合いをしているときの顔、親戚へ向ける顔、友達へ向ける顔。……家族へ向ける顔。
さまざまな顔を使い分けて人間は社会生活を営んでいます。それはとても神経を使うことだし、神経を使えば体にも跳ね返ってきます。だからこそ、軟体動物のように体を休める、だらけることってとても大切だなあ、と思うのです。
せめて家でくらいは気を張らずに過ごしたいですものね。
今回、だらけられる住まいってどんなものかを考えていて、ふと感じたのは、だらけられる住まいって、歳を重ねてからこそ住みたい家だなあ、ということ。
歳を重ねれば、足腰の不調もあり、思ったように歩くことができなくなります。そんなとき、手の届く場所に、普段使いの日用品が収納されている机や棚があったら? なにか物を取りに行って転ぶ、という心配が減るようにも思ったからです。
また、床面から近い、低い場所に家具がある、という状態もいいですよね。高い場所にあるものを取ることは、とても身体に負担がかかりますから。
そう考えると、だらけられる家を作ることは、年月を越えて長く住める住まいを作ることに繋がっていくのでは、と思えてきます。

リビング4

今も大事。でもこの先、自分がどうなっていくのかを考えることも大事。
住まいづくりにはやはり様々な視点で臨んでいくべきだなあ、と感じさせていただける、機会となりました!
今後も、多角的な視点で住まいについて考えていけたらと思っていますので、どうぞ、よろしければお付き合いいただければ幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました!






コメント


認証コード5828

コメントは管理者の承認後に表示されます。