不動産売買時の広告について!(意外な落し穴)

不動産売買時の広告について

不動産の販売広告には、景品表示法などによる規制があることについては多くの方がご存知だと思います。
しかし、法律で規制されていない用語を駆使した広告も不動産広告表示には多く使われている事をあなたはご存知でしょうか?
ぜひ、時間があるときに不動産会社からポスティングで配られている販売広告などをじっくり読んでみて下さい。
そうすると不思議な広告表示が見つかるかもしれません。

代表的な例が「間取り」の表記です。
ごく稀に「2LDK+S」というような表示を目にすると思います。
S=サービスルームや納戸の意味を持ちます。
納戸とは、建築基準法上の居室と言える基準まで達していないスペースのことを指しています。
※部屋の大きさに対しての採光や窓の大きさ等基準がありますがここでは割愛します。

実際に、納戸がある間取りの場合の表示としては、「2LDK+納戸」でもOKなのですが、ダサいので「2LDK+S」または、「2LDK+N」と表記している不動産会社がほとんどです。
これが、景品表示法では定められていない表示方法です。
では、実際の間取りをご覧頂くと2LDK+Sの間取りタイプは下記のような物件です。

間取り図

「え、3LDKじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実にその通り!
見た目だけでは分からないのがミソです。
実際に記事を書いている私も不動産業界に入る前まではあなたと全く同じ考えでした。
しかし、3LDKに見えるこの物件は実際の表記では3LDKじゃないお部屋なのです。
住むだけであれば3LDKも2LDK+Sも変わらないよとおっしゃる方がほとんどですが、不動産売買時の表記では大きく変わることをぜひこの機会に知って頂ければと思います。
そして、ここからが大切なことですが、不動産業界には、残念なことに、この3LDKと2LDK+Sを見た目だけでは判断できないことを逆手に利用し本来なら「2LDK+S」と表記しなくてはならないところを、あえて堂々と3LDKと表記している不動産業者が多発しているので気を付けてください。

悪徳な不動産会社

なぜ、あえて3LDKと表記するのか。
理由は、簡単です。3LDKの間取りタイプが一番売りやすいからです。
具体的には3LDKの間取りタイプは、最も万人受けし人気のあるオールマイティーな間取りタイプだからです。
それ故に「高く売れ、早く成約できる」ことになるわけですね。

例えば、あなたが家族4人用の物件を探していているとします。
あなたならどのようにスーモやアットホームで物件を調べますか?
もし私があなたと同じ家族構成なら、条件検索を利用し間取りタイプをまず設定すると思います。

検索

家族4人なら、3LDKから探し始めるのではないでしょうか?
従って、3LDKの場合、条件検索にも引っかかりやすい事がわかります。
では、2LDK+Sではどうでしょう?
実際2LDK+Sの物件の場合、条件検索を利用して間取りタイプを設定したら、2LDKと条件設定を行えば検索結果に表示がされることになります。
しかし、2LDKを検討している方は、単身暮らしだけど荷物が少し多く1LDKでは手狭なので、あえて2LDKとか、2人で住むことを考えている方が多く、そのような方からすると2LDK+Sは、少し広すぎると懸念されやすくなる傾向が考えられるのです。
また、通常の2LDKよりも専有面積が広くなることが2LDK+Sの場合考えられ、1㎡単価を市場価格に設定しても多少販売金額が高くなることが考えられます。
このことも要因となり、2LDK+Sは、3LDKと比べ売り辛さが出てくるのです。
しかし、実際に間取りだけの情報を確認するだけでは2LDK+Sも3LDKも変わらなく見える為、不動産会社の営業マンがあえて3LDKと表記している場合があるので注意が必要なのです。
もしあなたが購入者の立場なら、不動産会社の営業マンから嘘をつかれている事になるわけです。
また、仮にあなたが売主側の立場なら不動産会社の営業マンが行った事に対して、買主側から文句が出てきた場合、最悪のケースを考えると売主であるあなたにまで損害賠償請求を持ち掛けられることもあるのでしっかりとあなたが依頼した不動産会社が情報を虚偽せず出しているかを確認しておきましょう。
あなたの味方が意外な場所で敵になっている可能性がある事を改めて知ってください。

自分で簡単に間取りチェック♪
手元に間取りのパンフレットがあれば直ぐに確認が取れます。
新築時のパンフレットなどに挟まっている事が多々あります。
ぜひ一度ご自身の間取りタイプがどのタイプかを確認しておきましょう。

自分では調べられない時
不動産会社へ依頼してみましょう。
間取りが登録されている機関やサイトなどがWEB上に多くあります。
不動産会社であれば、登録していることが多く簡単に確認する事ができます。

コメント

  • 納戸

    納戸という表示はほとんど見たことがありませんが、サービスルームはあります。納戸と表示しないと、法律違反なのでしょうか?



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