格子について思ったこと

皆さん、こんにちは!
転勤族の夫とおじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです!

物件探しをしていて、重視するのは内装、設備である私ですが、外観はなんでもいいかというと、もちろんそういうわけではありません。
できればパッと見て、明るい雰囲気の外観が良い、とかざっくりした希望はあります。反対に、これはちょっと、と敬遠するポイントもあります。
その敬遠ポイントのひとつが、格子、なのです。
理由は、格子を見ると冷たい印象を覚えるから。
私の実家は日本家屋なのですが、我が家の表玄関の横の窓、あと、風呂場、トイレの窓は格子で覆われていました。中から見てもそれほど嫌じゃなかった格子が、子どものころはなんだか私には冷たく見えて、嫌だなあ、と感じてしまっていました。
その気持ちは物件を見る機会が増えた今も続いていて、格子がある家を見ると身構えてしまうところがあります。
しかし、格子を設置する理由として、もっとも多いのは防犯目的でしょう。冷たいくらいじゃないと意味がないのかもしれません。外から見て誰でもウェルカムな空気を格子が醸し出していたら、よからぬことを企んでいる人まで入りやすくなってしまいますものね。
でも、そこで思ったのです。格子というのは、防犯目的だけのために備え付けられているのか、と。
ということで、今日は防犯目的だけじゃない、格子の世界について考えてみたいと思います。

格子



1. そもそも格子とは

当たり前のように格子と言っておりますが、そもそもこの格子とは一体どういうもので、いつごろから住まいに用いられているのか。
気になります。
ということで困ったときの辞書頼み。

1 細い角材や竹などを、碁盤の目のように組み合わせて作った建具。戸・窓などに用いる。
2 寝殿造りの建具である蔀しとみのこと。
3 「格子戸」の略。
4 「格子縞じま」の略。
5 ⇒グリッド“

引用:コトバンク 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
https://kotobank.jp/word/%E6%A0%BC%E5%AD%90-62140

やはり住まいにて使われている建具の意味が一番に出てきますね。
なお、辞書を調べていて驚いたのは、かなり古い文献においても格子の記載が見られるということです。
たとえば、日本最古の物語と言われる「竹取物語」にも「格子」の記載があります。
「格子どもも、人はなくして開きぬ」(人には開けないはずの格子が開いた)
竹取物語が生まれたのは平安時代初期とされています。つまり格子が住まいに取り入れられたのは竹取物語が生まれるより前ということになります。
調べてみると、現存する日本最古の格子とはあの法隆寺西院伽藍回廊の院連子窓だそう。そんな時代から日本には格子が存在し、今も使われ続けているんですね。
格子が連綿と使われ続ける背景には、格子を取り入れることによって得られるいくつかの効果があるためのようなのです。

・通気性がよい
・視線を遮ることができる
・防犯に力を発揮する

日本の夏は高温多湿になりやすいですよね。今年の夏も本当に暑かった……。格子が取り入れられ始めた飛鳥時代は、気温推移を調べると今よりもかなり寒かったようなのですが、その後の奈良時代、平安時代は気温が上昇し、暑かったとされています。現代のように冷房がない時代、頼りになるのは風ばかり。となれば、完全にオープンではなく、風を通せる格子は重宝したと思われます。エアコンがある現代は過去の時代よりはずっと過ごしやすいですが、それでも燃料費の高騰などで電気代が高くなってきた今、少しでも涼しく過ごすために、格子を窓や天井に上手に取り入れた住まいは賢い住まいと言えるのかも。

格子2

視線を遮ることができる、という点も納得ですね。現代でも格子が備え付けられた窓とそうではない窓を比べると、格子があるほうが、プライバシーが守られるように感じます。
(ちなみに、窓の外に付けられた格子のことを面格子といいます)
そして、最大の魅力はやはり、防犯能力の高さ。
空き巣の侵入口について以前、調べたことがあるのですが、侵入経路第一位は窓らしいです。
侵入方法は「無締り」もしくは「ガラス割り」。無締りってなんだろう?と思ってこれまた調べたところ、ようは鍵がかかっていない窓から入る、ということのようなのです。ガラス割りは、まあ、言わずもがなですね……。
特に、換気用の小さな窓がついている、トイレや浴室は狙われやすいそうです。確かに、こんな小さな窓からじゃあ、侵入できないだろう、と戸締りせずに出かけちゃったこと、私自身あるのです。が! よく猫は頭が入れば通り抜けられるなんて話がありますが、人間は頭と片方の肩が抜けちゃえば、通り抜けできちゃうとか。ちょっとうちの浴室の窓で試してみようかと思ったのですが、「ご近所の目があるからやめてくれ!」と夫に怒られたのでやめておきます……。実践はできなかったけれど、イメージはつきました。確かにいけそうです。となると、小さい窓だから平気!なんて甘い考えでトイレの窓を開けた状態で外出しているうちの実家は本気でまずい!お父さん、鍵をかけて!
しかし、ここに格子があると話が変わってきますね。さすがに格子を切って窓を破って侵入となると侵入する側も手間がかかります。空き巣、泥棒にとって人の目ほど嫌なものはなく、できるだけ短時間で侵入を果たしたいもの。その点から言って、格子というのは外部から侵入しようとする人にとってかなり嫌なものであるといえるのです。

では、格子にはメリットしかないのか?というと、やっぱりデメリットもあるようで。
特に住宅において家の外につけられる面格子についてのデメリットを上げさせていただきますね。

・窓の掃除がしにくい
・窓の外が見えにくい
・緊急時の避難経路として窓を使えなくなる

この辺りですね。窓の掃除がしにくい!ここ、激しく同意です!
ただでさえ、窓とは掃除がしにくいもの。特に外側はなかなか拭きづらく、歯がゆい思いをします。格子がなくてもそうなのです。格子があればなおのこと……。
我が家は書斎用のお部屋の窓に面格子がついているのですが、ここの掃除に関しては、トイレの便器を掃除するブラシのうち、スポンジ素材のもので拭くことにしています。これだと格子の隙間からブラシを入れて拭けて便利なんですよ。(もちろん、トイレで使用したものではなく、窓拭き専用にブラシを用意して、ですよ!)
と、掃除がしにくいは私の中で一番のデメリットですが、他のデメリット理由も納得です。まず、面格子がはまった窓からの景色は、ずばり悪い。ほんっとに悪いです。なんとなく昔から格子が苦手な私は、あまり格子が透けて見えないようなレースのカーテンを引いて、外を見ないようにすらしているくらい……。確かに外からの人の視線を遮るものではあるのですが、それは裏返せば中からの視線も遮れるということですものね。ここは大いなるデメリットかもしれません。
さらにもうひとつ。防犯面では絶大な力を発揮する格子ですが、火事など緊急時、脱出をしようとしたときの妨げになってしまうというのもデメリット。周囲を火に覆われ、そこからしか逃げられないというような状況にもしもなってしまったら……。そう考えると確かに怖いですね……。ただ、いざというときの脱出経路がそこしかない、追い詰められるというようなことがないように、住まいを選ぶときは開放部がなるべく多い部屋を選びたい!と感じました。ここが玄関ならおそらくこの格子窓には追い詰められまい、というように、いざというときのシミュレーションをしつつ内見するとよいかもしれませんね。

と、格子の歴史、メリット、デメリットをざっと見てきたのですが、私は実は家の外観から見た場合の格子の印象についても気になっていて。
というのも、格子、面格子にもいろいろな種類があり、受ける印象が様々だからです。

・縦格子
・横格子
・井桁格子
・ヒシクロス格子

縦格子。これは縦の棒によって形作られた格子です。面格子といえばこれ、とイメージされやすい形ですね。見た目イメージとしてはちょっと堅苦しいイメージが私にはあります。皆様はどうでしょうか?

格子3

横格子。言葉通り、横向きの格子ですね。我が家の書斎側の窓にはこの横格子があります。見た目的に、縦よりもマイルドに私には感じられます。よく縦縞の服と横縞の服だと縦縞の服の方が痩せて見える、という視覚効果が言われますね。格子にそれが当てはまるのか、そうした実験をされた資料は発見できなかったのですが、感覚として感じるのは、縦縞の壁紙が貼られた部屋は縦長に見えるということ、横縞の壁紙を使った部屋は横に広く感じられるということ。我が家のトイレには茶色と緑の横縞の壁紙が貼られているのですが、やたら広く感じるんですよね。こうした視覚効果が縦と横にあることを考えると、横格子の方が窓は大きく見えるように思います。
では井桁格子というとなにか。井桁。井戸の井。縦横に組み合わせられた格子ですね。見た目の効果としては和風のテイストを感じられる格子ですね。また防犯面においても、縦格子や横格子よりも高い効果が望めます。格子を切って侵入する、なんて荒業を使う空き巣もいますが、井桁格子だと切るのにも苦労しそうですものね。

ヒシクロス格子。急に来た、謎のカタカナ!と思ったら、縦と横の棒を斜めにクロスさせたデザイン。菱形クロス、でヒシクロスでした!なるほど!このタイプは洋風のお宅にもマッチすることもあり、デザイン性の高さが注目されています。また、井桁格子とも通じますが、防犯力にも優れているため、人気が高いようです。

格子4

ちなみに縦格子、横格子について、枠ありタイプと枠なしタイプがあるそう。枠、とは窓枠を覆う形で格子用の枠があって、その枠ごと窓を覆って格子が取りつけられたタイプです。枠なしは、縦格子なら縦棒に対し、横棒上下二本で取り付けていく形なので、枠ありより強度が落ちます。

格子にもさまざまな種類があるのですね……。



2. 格子の意外な利用法

さて、面格子、窓につけるタイプの格子については目隠しや、防犯目的で使われることが多いですが、格子のその特徴を生かし、住まいのデザイン力をアップする方法もあります。

たとえば。
・玄関の扉を格子調にすることで玄関の明るさアップ
古く日本では格子が使われていたことはお話しましたが、日本家屋によくあるガラス製の玄関扉。ガラスの上に格子が配されているタイプもよく見かけます。このタイプのなにが良いかといえば、玄関が明るくなる!ということ。一般的な集合住宅によくあるような一枚タイプのドアだと、人の視線は遮ることができて良いけれど、光も同時に遮ってしまって玄関が暗くなりがちですよね。けれどこのタイプはそれがないのが最大の魅力ではないでしょうか。

・間仕切りとして使う
居酒屋などで使われていることも多いですが、部屋と部屋を仕切る間仕切りとして格子戸を使うというアイデアです。完全な扉だと空気の流れも遮ってしまい、扉の中と外でエアコンの効きにも差が出てしまうケースもありますが、格子戸を利用するとその心配も少なくなります。光、風を自然な形で部屋と部屋の間で通すことができ、なおかつ、見た目にもおしゃれなため、とても魅力を感じました。

・階段の仕切り、手すりとして格子を使用
細かい感覚で仕切られた格子を、リビング内から上下移動するための階段の手すり部分に使用するという方法もモデルルームを見ていると時折あります。階段を覆う壁部分を格子にすることで、光が遮られず、開放感が出るために、通常だと暗くなりがちな階段が明るくなる効果があるみたいです。先日見たメゾネットタイプのマンションにて、上階に伸びていた螺旋階段を覆うように格子が使用されていたのですが、モダンな雰囲気があって、階段がひとつのインテリアのように感じられたほどでした。



3. 終わりに

古くから日本にある格子はすごく身近なもので、視界にするっと入ってくるものです。けれどあえて格子に着目して考えてみると、その能力は高く、機能性と共にデザイン性にも驚かされます。棒と棒の組み合わせで作られただけのものなのにすごい。
私自身はあまり格子が好きではなかったのですが、今回の記事を書くにあたり、格子を取り入れた間取りを持つモデルルームなどを調べ、格子によって醸し出される空気に感嘆いたしました。
格子が取り入れられるだけで、部屋がまったく新しい顔を持つことができる。洋風の中にほのかに和を足すこともでき、その足された和によって部屋にいながら、まんねり感から脱却し、ちょっとだけ旅気分になったりして。改めて意識してみると、格子を取り入れたデザインって、旅館に多く見られるように思います。それもまた、和のテイストによって感じる、郷愁を私たちにしっかり感じさせてくれるためのひとつの仕掛けなのかもしれませんね。

格子5

日本ならではの建築様式と現代の住まいについても、今後もっと調べてみたくなりました。
さて!最後までお読みいただき、ありがとうございました!
次回の記事でお目にかかれれば、この上ない幸いです!

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