摩訶不思議・・日本で木造マンションがふえている⁉
マンションというと鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造と思いますよね?
そんな常識はもう古くなるかもしれません。
近年は木造のマンションやビルが増えてきているのです。
鉄筋やコンクリートと違い燃える木材は弱いと思われがちですが、建築材料としては意外な実力があるのです。
① 強度(比強度)
木は軽くて強いという性質があります。
鉄筋コンクリートは、引っ張りに強い鉄と圧縮に強いコンクリートの特徴を組み合わせた性質がありますが、重量があるので自身の重さが負荷をかけます。
これに対して木は軽いので、重量を考慮した強度(比強度)として
・鉄の約4倍引っ張りに強く。
・コンクリートの約6倍圧縮に強い。
という建築材料ということになります。
② 断熱性
木は熱電度率が低い=熱を伝えにくいという性質も持っています。
・コンクリートの約10倍
・鉄の約500倍
断熱材に匹敵するほどです。
③ 耐火性
木は燃えた部分が炭化層となり、酸素供給を阻むことで燃え進みにくくなります。
表面は燃えても構造となる木は燃えない、という方法が可能です。
技術開発により耐火性や耐久性、強度を引き上げる建材ができるようになっています。イメージよりも、木は強い建築材料なのです。
また、建設時の二酸化炭素(CO2)排出量はコンクリート造の住宅より半分程度に減らせる見込みで脱炭素にも寄与するそうです。
先日完成した木造マンション
1階は鉄筋コンクリート造ですが、2~5階は木材を使用した枠組壁工法で建築され、住宅性能評価も取得されたそうです。
75~90年の耐用年数ということなので鉄筋コンクリート造とほぼ同等という事になります。
木造にしたことで断熱性が高まり、建物のエネルギー消費量は、一般の賃貸住宅より30%ほど削減できる見込みです。
CO2排出量もコンクリート造などと比べて半分程度になるそうです。
木造マンションには、木材の確保や施工監理などの人材育成などの乗り越えなければならない課題も多いということですが、これから木造マンションへの関心が高まっていきそうです。