九州全土を大きく上回るもの

日本には所有者が不明な土地(不動産登記簿などの公簿情報により調査してもなお所有者が判明しない、または判明しても連絡がつかない土地)が国土の約20%の約410万ヘクタールの面積が有ると推定されています。

これは九州全土(約367.5万ヘクタール)を大きく上回る広さとなっています。

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なぜこのような事が起こるのでしょうか?

【相続人がいないため】

子供や親族などの相続人がいない場合や消息不明の場合は所有者不明土地になる事が一般的です。今後、少子高齢化が進むと相続人が不明になることが増えると予想されます。

【相続人が名義変更をしていないため】

売買による所有権の移転であれば、高額のコストを負担している経済活動でもあるので登記しないということは一般に考えにくいですが、相続となると状況が変わります。

相続人が対象不動産に居住している場合は相続が発生しても、権利関係を他人に主張する必要がなければ実際に住み続けることが可能なので、登記しなくても実生活において支障をきたすことはほとんどありません。

また山林など、活用が困難な土地の相続の場合あえて名義を変えず放置した方が煩わされずに済むと考える方も多いようです。

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この様な問題点を解決する為に2021年4月に不動産登記法が改正されました。



【不動産登記法改正の概要】

今回の不動産登記法の改正では、相続登記・住所変更登記の手続の簡素化・合理化がパッケージで導入されることになりました。

① 相続登記・住所変更登記の申請義務化
改正法は、不動産を取得した相続人に、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付けました。

正当な理由のない申請漏れには10万円以下の過料が科されます。どういった場合に正当な理由なしと判断されるかは、法務省が近い将来通達を出す予定です。

また、改正法では、不動産を所有する人について住所や氏名の変更があった場合、住所等の変更日から2年以内にその変更登記の申請をすることを義務付けることになりました。

この場合も、正当な理由のない申請漏れには5万以下の過料が科されることになります。

② 相続登記・住所変更登記の手続の簡素化・合理化
ア 相続人申告登記(仮称)の新設
改正法では、相続登記の義務化と併せて、相続人が登記名義人の法定相続人である旨を申し出ることで、相続登記の申請義務を果たしたことにするという規定が設けられました。
この相続人申告登記は、相続人一人ひとりが単独で申告することができ、添付書面も簡略化されているため、相続登記の申請義務を簡易に履行することが可能になります。

イ 死亡情報等の公示
登記官が他の公的機関(住基ネットなど)から死亡等の情報を取得し、職権で登記に表示する仕組みが設けられました。
これにより、登記で登記名義人の死亡の有無の確認が可能になります。

理想的には、法定相続人まで登記に反映されればよかったのですが、情報連携の技術的な制約から死亡情報等に限定されています。

ウ 所有不動産記録証明制度の新設
「先代が所有していた不動産を相続人が知らない」 最近はこういったケースが増えています。

そこで、相続登記の際に、登記漏れを防止するために、所有不動産記録証明制度が創設されることになりました。

これは、いわゆる名寄せを可能にするもので、この制度により、特定の者が名義人となっている不動産の一覧を証明書として発行し、相続登記が必要な不動産を容易に把握することができるようになります。

エ 登記官による住所変更情報の反映
登記官が、生年月日等の「検索用情報」を用いて住民基本台帳ネットワークシステムに照会し、所有権の登記名義人の氏名・住所等の異動情報を取得し、それを不動産登記に反映する仕組みが設けられています。
これにより、転居や本店移転等に伴う住所等の変更が簡便な手続で登記に反映されることになります。



【まとめ】

登記がされていない、または相続放棄されたといった理由で所有者不明になった土地は、さまざまな悪影響を招きます。

本来、貴重な財産になるはずの土地が、所有者不明になることで個人の損失を招くだけでなく、地域社会のお荷物になってしまうことは避けたいものです。

あなたの所有する土地が複数人の相続人で構成されている場合は、売却の妨げになる可能性もあります。
まずは法務局で権利に関する書類を確認し、所有者不明の土地になっていないか確認しましょう。

所有者不明の土地になっていた場合には、不在者財産管理人・相続財産管理人を立てて、売却を進めることができます。

所有者不明の土地になっていたとしても、国の設けた手だてを活用しながら土地の売却を成功させましょう。




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