Top / QBlog / 2018-11-30

化粧しても中身が大事です!

あなたの好みはあなただけのものです。
建築時にお金をかけたからと訴えても、その訴え自体が売れない状況を作ることを分かってください。

最近都心の築後10年から15年ほどの中古マンションをいろいろ査定していると、所有者さんからよく言われことがあります。

今日はその話をしましょう。

どんなことかと言うと、「購入時に設備をオプションで導入しているから、その希少性分価格アップできますよね⁉」と言われるという事です。

特に高級一等地と言われる港区や渋谷区の物件にこの傾向が多いです。

一戸建ての場合、

「これは建築したときに特注で大工さんにお金をかけて作ってもらったんです。だからその分高く査定してください」
「これはドイツからお金をかけて輸入した高級品なんです。ドイツではとても人気で、これを付けている物件は高く売れるらしいんですよ」などなど。

たくさん物件を査定してきた私からすれば、言われなくてもすぐに海外製の希少なものであることは分かります。

でもそれは、建築当時の昔の話です。しかもあなた好みのあなた仕様なものです。
しかもここは日本でドイツではありません。
従って、買主さんにそれを言っても、高くは買ってくれません。
故に査定額もその設備品を評価して出しませんし、もしその設備分割り増して査定額を出してもほぼ間違いなく反響は無く、売れない期間が粛々と過ぎ去ってしまうだけになってしまうのです。

ある売主さんで、建築時リビングに特注で腰壁を貼ってもらったから、その分高く売りたいと言われたことがありますが、当時は高かったかもしれませんが、今では単なるべニア板にしか見えませんでした。
エアコンを付けたとか言われても、10年も前のエアコンではそろそろ壊れる時期でしかなく、エアコンなど最新式は10年前のエアコンの数分の一でもっと高機能になっていたりするのです。
従って、これからを考える買主さんにとっては全く意味がないどころか、その設備自体問題で邪魔でしかないときが有るのです。
 
それであれば、建築構造にお金をかけた物件のほうが良い印象になります。

つまり、設備はこれからますます古くなりますし、壊れる確率が高くなるのです。

「ドイツ製の高級高性能ランドリーを付けたからその分高く買ってくれ」と言う売主さんもいますが、買主さんにそれ伝えれば「ドイツ製のランドリーなんかいらないから、その分安くしてくれ」って言われるのです。
もしくは「逆に数年前のドイツ製ランドリーなんかその時は高性能だったかもしれないけど、そんな外国製よりやっぱり日本製の全自動洗濯機が良いので、それ邪魔でしかないんですよね。」 などと普通に回答されます。

セールスポイントどころか逆にマイナスな面なのです。
従って売主がいくら自分好みの設備が揃えているからとアピールされても、その設備を価格に転嫁することではありません。

あなたの好みはあなただめのものであり、他人はそんなもの押し付けられても迷惑なだけなのです。
それでも、もしアピールしたいということであれば、有一できるのは建築部分についてのみ、いわゆる建物構造体にお金をかけたということだけなのです。

中古物件を買うときの買主さんは、特に中古一戸建てを買う検討されている方は、表明的なことよりも構造的なことをとても気にします。

そのことから建築時、見えないところにお金をかけた人は正解なのです。

逆に見えるところだけお金をかけたのでは、将来的に結局古くなって価値がなくなるのです。

建売物件よりハウスメーカーや建築会社に直に注文して建築した物件の方が見えないところにお金をかけている場合が多いので、中古物件として価値があり高めに売れるのは後者の方なのです。

結婚で言えば、お化粧の上手な人よりも丈夫で健康的な人が好まれるということなのです。

表面はいくらでも手直しできます。
しかし、中身である躯体はそうそう変えられないことから、中身がしっかりしてる、手をかけている物件こそ中古物件を買う人は評価しているのです。
安普請は昔も今も嫌われちゃうわけです。また未来これからは尚更のこと、中身が無い、見せかけの表面だけ良い物件は売れ残るか、売買されても安い価格のまま取引なされることになるのです。
 
日本人は昔も今も新築が大好きです。
この傾向は、ほぼ日本だけの傾向みたいですが、しかしここ日本では中古物件自体を買う事も絶対嫌がる方もまだまだ多数なのです。
買主さんによっては、まだまだ中古物件を買うなんてことさえも否定されることもあります。
なので一概には言えませんが、過去、私が接してきた買主に建築時のことを話しても、特に際立った反応はありませんでした。
しかし、今、その過去の傾向は薄れ始めていて、売主さんが熱く語った建築時のことを高評価される方も見えられるようになってきているのです。

このように自宅を売るとき、売主と買主の気持ちには、かなり温度差があるように感じています。

まとめ
わたしはわたし、あなたはあなた、人はあなたと同じではありません。
売主と買主では価値観が違うことを理解しましょう。




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