不動産の所有・購入・売却と固定資産税、都市計画税

6月です。
都内にお住いの方は、固定資産税と併せて都市計画税も納めなくてはなりませんね。
準備の方はいかがでしょうか。
ここでは、都内に所有する土地や家屋及び償却資産に課税される固定資産税、それから都市計画税について、その算出方法などを中心に概説します


固定資産税

固定資産税は普通税に属し、23区内におきましては東京都が都税として課税されます。

<土地の固定資産税>

まず土地についてですが、以下の様な方法で決まります。
納税額=課税標準額×1.4%
ここで厄介なのが、課税標準額の算出方法です。
難しそうな言葉が頻出しますが、落ち着いてゆっくりと計算すれば大丈夫です。
尚、土地とは宅地を始め、田、畑、池沼、山林、原野などを言います。

< 住宅用地にある場合 >

始めに、土地が住宅用地にある場合を想定します。

予め、本則課税標準額を計算しておきます。

土地が、住宅一戸あたり200㎡までの小規模住宅用地にある場合は本年度価格×1/6を、それ以外の一般住宅用地ですと本年度価格×1/3を本則課税標準額とします。

続きまして、前年度課税標準額÷本則課税標準額の値を求めます。
この値が1以上ですと本則課税標準額が課税標準額となります。
1未満ならば課税標準額は、前年度課税標準額+(本則課税標準額×0.05)とします。

いずれの場合も本則課税標準額を上限とし、課税標準額が本則課税標準額の20%を下回ってしまう時には、本則課税標準額の20%を課税標準額とします。

< 商業地に在る場合 >

続きまして、土地が商業地にある場合を見てみます。
先ず、前年度課税標準額÷本年度価格の値を求め、これを負担水準とします。
負担水準が0.7を超える場合には、課税標準額は本年度価格×0.7となります。

負担水準が0.6以上0.7以下ですと、前年度課税標準額を課税標準額とします。
同様に0.6未満ですと、課税標準額は、前年度課税標準額+(本年度価格×0.05)の計算値となります。

但し23区内の場合ですと、商業地等の負担水準上限引き下げ条例減額が為されております。
これにより負担水準の上限が65%に引き下げられ、実質的には本年度価格の65%が課税標準額の上限になります。

< 農地に在る場合 >

最後に、土地が農地にある場合です。
土地が「保全する農地」、つまり生産緑地にありますと、課税標準額は
前年度課税標準額×負担調整率となります。
負担調整率は、負担水準の値によって決定されます。
負担水準が0.9以上ですと1.025。
0.8以上0.9未満ですと1.05.
0.7以上0.8未満ですと1.075。
0.7未満は1.1となります。
但し、本年度価格を上限とします。

次に、土地が「宅地並み課税の農地」、つまり市街化区域農地に在る場合です。
先ず、前年度課税標準額÷(本年度価格×1/3)を計算します。
この値が1以上ですと、本則課税標準額(本年度価格×1/3)が課税標準額となります。
反対に1未満ですと、前年度課税標準額+(本則課税標準額×0.05)の計算値が課税標準額となります。
但し、本則課税標準額を上限とし、課税標準額が本則課税標準額の20%を下回ってしまう場合には本則課税標準額の20%を課税標準額とします。

以上で、土地の課税標準額の算出法の説明が終わりました。

< 家屋の固定資産税 >

家屋の固定資産税は、(課税台帳に登録されている価格)×税率1.4%で求められます。
課税対象となる家屋には、一般的な住家のほか、事業用の店舗や工場、倉庫などがあります。
但し、床面積要件を満たしている新築の場合は新築住宅減額措置があり、今年度課税標準額×税率1.4%を計算した額の半分が相当税額となります。

床面積要件とは、以下に示す床面積が50㎡以上で280㎡以下の場合を満たしている事です。

●一戸建て住宅の床面積。

●店舗などが含まれる併用住宅の床面積。
但し、居住部分の床面積が全体の半分以上で有る事。

●アパートなど共同住宅につきましては、区画され独立した居住部分の床面積に、廊下や階段など共有部分の面積を案分して合算した床面積。

●マンションなど区分所有の住宅の場合は、専有する居住部分の床面積に、廊下、階段といった共有部分を案分して合算した床面積。
但し、専有部分に対する居住部分の割合が50%以上であることが条件です。

この床面積要件を満たす新築住宅は、課税される事となる翌年度から3年度分に限って、固定資産税額の半分が減額されます。

さらに、3階建て以上の耐火及び準耐火建築物につきましては減額措置が3年度分から5年度分に延長されます。

それから、新築住宅だけでなく、床面積要件を満たす認定長期優良住宅につきましても、新たに課税される年度から5年度分は、その住宅の固定資産税額が半分に減額されます。

さらに、3階建て以上の耐火及び準耐火建築物ですと、減額措置が5年度分から7年度分に延長されます。

但し、該当する新築及び認定長期優良住宅について、税の軽減が為されるのは一戸あたりの居住部分の内、120㎡までが限度とされますのでご注意ください。

< 3年に一度の評価替え >

土地、家屋の価格は3年に一度の割合で評価替えされます。
評価替えする年度を基準年度と呼び、今年度つまり平成30年度は基準年度に当たります。
基準年度の翌年を第二年度、翌々年を第三年度とし、価格は基準年度のものを採用します。
但し、家屋が新築、増改築されたり、土地の分合筆があるなどした場合には、概ね新たに評価が行われます。

  

< 資産譲渡があった場合 >

固定資産税の納税義務者は、賦課期日つまり毎年の1月1日現在に所有者として固定資産課税台帳に登録されている方です。
銘記すべきは、仮に資産譲渡が有った場合でも、納税義務者の変更は無いという事です。
所有権の移転から固定資産税を日割り計算などで精算している事例が見られますが、これは決して地方税法で規定されているものでは有りませんので注意が必要です。
税負担の精算は、あくまでも当事者間の合意によって行われます。
      

< 免税について >

同一区域内における土地の課税標準額の合計が30万円に満たない場合、それから家屋のそれが20万円に満たない場合には、固定資産税は課税されません。

         

< 償却資産の固定資産税 >

償却資産とは、法人税法上あるいは所得税法上で減価償却の対象となる資産を指します。
つまり規定された所得計算におきまして、損金もしくは必要経費として算入されるもので、
具体的には構築物、機械や装置、器具、船舶や航空機といった事業用資産を言います。

税額は、課税標準額×税率1.4%で算出します。
厄介なのが、課税標準額の算出です。
まず、所有の償却資産の評価額を一点ずつこまめに算出します。
評価額は、前年に取得したものにつきましては、取得価額×(半年分の減価残存率)で、前年より前に取得したものにつきましては、前年度評価額×(一年分の減価残存率)で算出
します。
減価残存率につきましては、東京都主税局のホームぺージなどから参照してください。
尚、算出した評価額が取得価額の5%を下回った時には、取得価額の5%を評価額とします。
各々の評価額を合算したものが課税標準額となります。
この時、償却資産を複数の区にわたって所有されている場合には、区ごとに評価額を合算して課税標準額を出します。
課税標準額が150万円に満たない場合は、税額はゼロとなります。

都市計画税

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画整理事業に充てられる目的税です。
都市計画法に基づく市街化区域内にある土地及び家屋について、毎年の1月1日現在で固定資産税台帳に登録されている方が納税義務者となります。
償却資産につきましては、課税の対象とはなりません。
固定資産税と同じく市町村税ですが、23区内では特例で都税扱いとなります。

< 税額の算出方法 >

それでは都市計画税はどのようにして算出されるのでしょうか。
まず土地についてですが、課税標準額×税率0.3%が税額です。
固定資産税の場合と同様に、課税標準額の算出がやや複雑です。
始めに、土地が小規模住宅用地にある場合です。
先ず、今年度価格×1/3の値を出し、これを本則課税標準額とします。
後は固定資産税の場合と同じやり方で、課税標準額を求めます。
但し、小規模住宅用地の場合には都税条例による軽減があり、課税標準額×税率0.3%を計算した額の半額が税額となります。

続いて一般住宅用地の場合は、今年度価格×2/3を本則課税標準額とします。
後は固定資産税の場合と同じやり方で、課税標準額を算出します。

家屋の相当税額は、(固定資産課税台帳に登録されている価格)×税率0.3%で算出します。

尚、平成32年度までは、都市計画税の税額は前年度の1.1倍を上限とします。
これは東京都独自の軽減措置ですので注意が必要です。

< 免税について >

固定資産税が課税されなければ、都市計画税も課税されません。