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『住宅用家屋証明書』とは何か⁉ 何に必要か⁉ わかりやすく解説!

更新日2021-06-14 (月) 02:35:28 公開日2021-6-13

不動産購入時には多くの書類が介在します。
その中で減税を受けるための書類は数点有りますが、『住宅用家屋証明書』もその中のひとつです。
ここでは、この『住宅用家屋証明書』とはなにか、何に必要か⁉について解説します。

★目 次★『住宅用家屋証明書』とは何か⁉ 何に必要か⁉ わかりやすく解説!


『住宅用家屋証明書』とは⁉

個人が、一定の要件にあてはまる住宅用家屋を購入した際に行う不動産登記にかかる登録免許税の軽減(租税特別措置法に基づいて不動産登記にかかる登録免許税の減免)を受けるために必要な市区町村長の証明を受けた書類を『住宅用家屋証明書』と言います。

住宅用家屋証明の制度は、個人がマイホームを取得したり、購入するときに、税金を減免することによって消費者が安心して良質な住宅取得促進の後押しになるものとして設けられた制度なのです。

なお、所得税の確定申告における、住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税の特例)等の添付書類としても使用します。

住宅用家屋証明書で減免される租税特別措置法で不動産登記時の登録免許税・一覧



〇 住宅用家屋の所有権保存登記
〇 住宅用家屋の所有権移転登記(取得原因は売買・競落に限る)
〇 新築・未使用・既使用住宅用家屋の取得・増築等に際して受ける貸付け等に係る抵当権設定登記

住宅取得の際の負担を軽減するとともに、良質な住宅ストックを形成し、その流通の促進を図るため、住宅用家屋の所有権の保存登記、住宅用家屋の所有権移転登記(取得原因は売買・競落に限る)、新築・未使用・既使用住宅用家屋の取得・増築等に際して受ける貸付け等に係る抵当権設定登記についての登録免許税の税率を次のとおり軽減する制度です。(適用期限:令和4年3月31日)

つまり、建物部分の登録免許税が軽減されるために住宅用家屋証明の適用を受け、その証明書を取得する必要があるのです。


なお、新築の認定長期優良住宅や新築の認定低炭素住宅、買取再販で扱われる住宅については、それぞれについて特例措置が設けてあります。

不動産登記時の登録免許税・軽減税率



軽減税率票
※(注)建築後使用されたことがないものに限ります。

この減税は、個人にのみ適用され、法人には適用されません。
また外国人や共有持分の場合であっても、その共有持ち分取得者が個人であれば適用は可能です。
但し、登記(移転登記、抵当権設定登記)後には適用されませんので注意しましょう。

取得方法

住宅用家屋証明書は、各市区町村役所の税務課や課税課、資産税課、東京23区の場合は建築課、横浜市は情報相談課、さいたま市の場合くらし応援室で取得することができ、多くの市区町村が即日交付しています。

発行手数料は1件1,300円程度が多く現金や各市区町村発行の収入証紙で支払います。

具体的には、まず、取得しようとする家屋が所在する行政区(市区町村)の窓口で備付けの住宅用家屋証明申請書で申請取得します。
誰でも代理申請取得できますが、申請名義は登記を受けようとする個人となります。
取得に必要な書類がそろっていれば、委任状は不要な場合が多いです。但し事前に確認しましょう。

なお代理人が有償で行う場合や、無償であっても業として行う場合は、司法書士、弁護士、建築士、土地家屋調査士が業としても行うことができます。但し行政書士は業として行うことはできません。

また、取得に必要な書類及び来庁する人の印鑑(認印可)が必要になります。
郵送申請も可能な市区町村が多いですので、事前に電話等でご確認ください。

なお、取得場所はグーグルやYahoo!で『住宅用家屋証明書 あなたの取得したい市区町村名』で検索すると出てきます。

住宅用家屋証明書発行要件

そもそも、不動産登記時の登録免許税減免は、国税に関する特例を定めた日本の法律『租税特別措置法』でその要件が決まっていて、各都道府県や市区町村で決めているわけではありません。

故に、納税を減免するには、日本全国同一の有る一定の約束事、要件をクリアする必要が有るのです。

租税特別措置法で不動産登記時の登録免許税が減免されるには、この住宅用家屋証明書が必要ですが、家屋であれば何でも取得できるわけではなく、絶対条件が ‷ 住宅用家屋であること ‷ で、基本要件が下記の通りになります。

●基本要件

まずは、以下の基本要件をクリアする必要があります。

〇個人が自己の居住用に使用する新築又は取得した家屋であること
〇登記簿上の種類が「居宅」であり、登記簿に記載された床面積が50平方メートル以上であること。
〇区分建物の場合は、建築基準法上耐火又は準耐火構造建築物であること
〇所有権の移転登記の場合、取得原因は「売買」又は「競落」であること。
〇中古住宅については、次のいずれかに該当すること。
(1)耐火、準耐火建築物(鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、コンクリート造、石造、れんが造)の場合、取得の日以前25年以内に建築された家屋であること。
(2)構造が上記以外の建物の場合、取得の日以前20年以内に建築された家屋であること。
(3)上記1及び2を除く建物の場合、新耐震基準を満たす証明書があること。
〇新築または取得後、1年以内に登記を受けるものであること。
※他人に貸すために取得した家屋等、自分が居住しない家屋については該当になりません。
※店舗、事務所等との併用住宅の場合は、家屋の総床面積のうち90%以上が居宅部分である必要があります。
※セカンドハウスは住宅用家屋であっても認められません。

また、租税特別措置法で不動産登記時の登録免許税を減免してもらには、この一定の約束事・要件をクリアするための必要な書類で確認する必要があります。
この必要書類は、住宅用家屋の種類によって異なりますので、注意が必要になります。

●申請に必要な書類

住宅用家屋証明書取得に必要な書類等については、神奈川県横浜市のホームページがとてもよく分かりやすくできているので、そちらを参照いただいた方が良いと存じます。


☛ 横浜市HP 住宅用家屋証明書 必要書類等フローチャート

まとめ

住宅用家屋証明書について解説してきましたが、如何でしょう、よく理解できましたでしょうか⁉

もう一度言いますが、住宅用家屋証明書は、個人がマイホームを取得したり、購入するときに、税金を減免することによって消費者が安心して良質な住宅取得促進の後押しになるものとして設けられた制度『租税特別措置法・不動産登記時の登録免許税の減免制度』に必要な書面ということです。

住宅用家屋証明書は、所得税の住宅借入金等特別控除等(住宅ローン減税の特例)の適用を受ける場合に、確定申告をする際の提出書類の一つとしても必要になります。

もし、マイホームを所得したり、購入された方は、ぜひそのときにお世話になった不動産会社の担当者にご相談してみてください。
きっとわかりやすい案内をしてくれると思いますから。

この記事を書いた人
大久保一馬 宅地建物取引士・不動産売買のプロフェッショナル・不動産コンサルタント
不動産業界歴30年。地番と住所との関係を把握して仕事に役立てる司法書士事務所、弁護士事務所に従事。その後不動産会社を設立。現在はコーラル株式会社の顧問。また一般社団法人結い円滑支援機構の事務局長を務める。
その間5000人以上の不動産売買者への相談経験を元に、不動産市場への本質的な情報発信を開始。幸せな生活における不動産の関係についての専門家のような存在を目指し、某有名週刊誌にも不動産市況についてのコメント多数。多数の不動産系書籍の監修も行っている。