ウナギの寝床ってだめなのか?

皆さん、こんにちは!
モデルルーム巡りが趣味の主婦、ヤマダです!

私はウナギが好きです。
しかし年々ウナギも値段が高くなってきて遠い存在になりつつあるようにも……。
そのウナギを用いた言葉にこんなものがあります。

「ウナギの寝床」。

ウナギといえば長くてぬるぬるしている。
けど、ぬるぬるは当然関係なくて(ぬるぬるしている家はさすがにメリットを見つけるのは難しいと私だって思う)。調べてみると、ウナギはその長い体に見合った場所を好むそうです。
たとえば岩陰のほそーい隙間。
だからウナギを捕まえるためには、ウナギが大好きな細い竹の筒をしかけてそれで捕まえるとか。
身の丈にあった場所で暮らすのが生き物にとっては幸せ、なんて言葉を目にしたことがありますが、ウナギはそれを実践している、という感じなのかもしれませんね。
そしてそんなウナギの住み方から生まれた言葉が、「ウナギの寝床」。
住宅の形を表す言葉で、入り口が狭くて奥行が広いタイプの家のことをこのように言います。
昔ながらのウナギの寝床のような長屋、なんて表現が小説でされているのを目にしたこともあるくらい、一般的に使われている言葉ですよね。
ただ、私の感覚だと、住みやすい間取りに向けて使われるイメージがあまりないような気もして……。
本当にウナギの寝床のような住まいはデメリット多しなのか!
ちゃんと調べてみたくなりました。
ということで、本日のテーマは「ウナギの寝床のような住まいは本当に住みにくいのか?」です。

寝床



1. ウナギの寝床が駄目と言われる理由

なぜ、ウナギの寝床と評される家は住みにくいとされるのか。
考えられる原因として以下が挙げられます。

・通風、採光に難あり
・家具配置が限定的になる
・大きな家具を入れるとき厄介
・建物が揺れやすい
・通路、入り口などで渋滞しやすい

では一つずつみてみましょう。

・通風、採光に難あり
風、光を快適に通すためにはひとつ以上の通り道があると良いとされています。しかし、ウナギの寝床とされる物件だと、部屋が縦つなぎに繋がっている状態になるため、光や風を取り込んでも一方向へしか流せません。集合住宅で部屋と部屋に挟まれたお部屋の場合は特にそう。
実は昔、内見に行ったお部屋にまさにウナギの寝床というようなお部屋がありまして。北側に玄関、一番広いリビングになりそうなお部屋が南側に配置されていました。南側のお部屋はとっても気持ちよくて過ごしやすそうでちょっと心が動きましたが、北側の玄関と南側のお部屋に挟まれたもう一室がなんとも窮屈そうな上に、プライバシーの面で難があると感じてしまったのです。
廊下がなく、お部屋同士を通り抜けして行き来するタイプの間取りだったことを考えると、部屋同士を仕切る扉はあっても、風や光を通すため、多分開け放したままになるんですよね。一応ふたりで居住が可能な物件ではありましたが、そうなってくると、ひとりになりたいと思ってもそれは難しいなあと。プライバシーってやつがトイレとお風呂にしか求められないというのはなかなかにハードな状態では、と……。結局、内見はしたものの住みませんでした。

寝床2

・家具配置が限定的になる
縦に長いお部屋ですから、廊下がお部屋の横に沿ってまっすぐに伸びた物件か、あるいは廊下がなく、部屋を突っ切って進むタイプの物件か、はたまた両側にお部屋があって真ん中にお団子の串のように廊下が配置された間取りか、になるのでは、と思われます。
そんな物件の場合、基本的にメインとなるリビングタイプのお部屋は採光の観点から考えられているけれど、それ以外は消去法で決まってしまうイメージがあります。部屋の使用用途が限定されれば、必然的に家具の配置も限定的になりますよね……。間取りも縦に繋がれた状態の部屋配置ですから、どの部屋も似た形に配置する状態になりますし……。引っ越しのわくわく感がやや半減という気もします……。

・大きな家具を入れるとき厄介
ウナギの寝床なんて名前がついているだけあって、入り口が狭いのもまたこのタイプの物件の大きな特徴。ですから巨大な家具、たとえば、ソファーとかベッドとか入れるとき苦労することは想像に難くありません。なんというか、車の車庫入れに近い気がしますよね。まっすぐには入れられる。しかし、方向転換するため切り返そうとしてもスペースがないから、何度も何度も切り返さないと向きを変えられない! そう考えると、通常の引っ越しのように入口からすべての荷物を入れる、ということが難しくなり、窓からの搬入も検討しなければならなくなります。クレーンのような機材を使っての搬入は、別料金がかかるので、引っ越し費用が余分にかかる場合も……。
内見のとき、一番大きな家具はなにか、この間取りであの家具はスムーズに搬入できるか、シミュレーションすることが大切ですね。

・建物が揺れやすい
なるほど、と思ったのがこれです。確かに細長い積み木と立方体のサイコロ、ふたつ並べて置いた状態で机を揺らした場合、細長く、机と接する面が小さい積み木の方がよく揺れるし、倒れやすいです。立方体に比べれば安定感が落ちることは仕方ないのかもしれませんね。

・通路、入り口などで渋滞しやすい
これも理解できます。ウナギの寝床タイプの間取りだと動線が限定的になります。回遊動線のようにぐるっと部屋を回れるようなタイプの動線ではなく、直線的な動線になりやすいからです。そうなると家族同士、行きたい場所が同じになったとき、あるいは双方向から人が歩いてきたときなどかち合う確率は高くなります。わりと最近多いな、と思う間取りは廊下の狭さによる不便さを取り除いた、廊下がなく部屋同士くるくる回れるような回遊動線を意識した間取りです。そのタイプの間取りと比べると確かに自由度は少なく見えます。

うーん。マイナス面を考えてみると案外多いですね。
しかし、すべての人にとってマイナスがマイナスで終わるものでもない、と私は考えています。
ウナギの寝床と言われるタイプの物件であっても、それを活かす使い方やメリットがあるはず!
ということで次章、調べてみました!



2. ウナギの寝床だってこんなに良いところがある!

大好きなウナギ(食べる方だけど!)が不名誉なままなのも悲しい! ということで、長所を探してみました!

・購入価格、賃料が押さえられる
・奥行きがあるので広く見える
・間取りによってライフスタイルに唯一無二の付加価値が
ひとつずつみてみましょう。

・購入価格、賃料が押さえられる
調べていて真っ先に出てくるのがこの辺りでした。でもそれも頷けます。ウナギの寝床って良い意味で使われていない印象が私もあるくらい、デメリットの方が目立ってしまう……。つまり住みにくいと思われている物件といえると思います。ゆえに売り手側も価格を下げる傾向があるよう。購入額を押さえて家を持ちたい、と考えた場合、選択肢の一つとしてウナギの寝床のような物件をあえて選択するというのもありかもしれません。家を建てる場合も、三角形の土地のようにいびつな形の土地に建てるよりは、ウナギの寝床は長方形ということで、建築難易度は思ったより高くないみたいです。
生活にびしびし跳ね返ってくるお金の面でメリットがあるというのはすごく有り難いなあ、と感じました!

寝床3

・奥行きがあるので広く見える
間口が狭く、縦に長い。
これを聞いていて思い出しました。
トリックアート美術館で見た遠近法を使ったアート作品を。
奥になればなるほど小さく描かれたモチーフを。
実際には遠くなんてなくてすぐ近くの壁に書かれているのに、一枚の絵の中でさえ、広さを感じたあの瞬間を。
つまり縦に長いということはそれだけ入口から遠く小さくなる、ということ。
当たり前の原理だけれど、ウナギの寝床は絵ではなく立体であるため、リアルに広い!リアルに入口から遠い!抜け感がすごい!
これは一般的な正方形の間取りではなかなか手に入れられないひとつの付加価値だと感じます。
何度かお話しておりますが、私、間取りにおいてたいていのことは我慢できるほうと思っています。しかし絶対に譲れないこともあって。それが広さと日当たり!
古くても汚くてもいいんです。ただ広さはほしいと思ってしまう……。狭い場所でこそこそ本を読んだり、文章を書いたりするのは好きなくせに、ずっと狭いところは嫌という……。わがままかよ!という感じですが、どこかで抜け感を求めてしまう。
その意味でウナギの寝床物件は、ありかもしれない。問題なのは日当たりですが、天窓が設けられているような物件であれば、採光面もクリアでき、流行の間取りとは違う、独自の空気を持つ部屋になるのでは、と感じました。

寝床4

・間取りによってライフスタイルに唯一無二の付加価値が
ウナギの寝床のデメリットとされる理由が、ダイレクトにその部屋に向かえない遠さ。リビングからトイレに行こうとした場合など、動線に特化している回遊動線のお部屋ならば、すばやくコンパクトな動線で移動できるのに、ウナギの寝床物件はそれが難しいです。
確かに……。トイレが玄関寄りにあり、リビングが一番奥にある場合、超特急でトイレに入りたいのにめっちゃ遠い!ってなりそうです。
行きたいところにすぐに行けない。これってデメリット以外になにがあるんだ?と思ったのですが、遠いをメリットに転じる考え方もあるのでは、と思った出来事がありました。
以前、リビングに隣接する形でトイレがある家に住んでいたことがあるのです。あれはよくなかった。なぜならトイレの音が結構、部屋に響くのです。その点、響いてほしくない音や臭いをウナギの寝床タイプの物件なら部屋の配置次第で遠ざけることができる! これは大きなメリットではないでしょうか。私、こうして文字を書く時や読書をする時はなるべく閉じこもりたいので、その意味でも家の中において距離を感じられるのはいいなあと思います。
そもそもですが、ウナギの寝床物件は開口部が少ないこともあり、外部からの騒音も届きにくい構造にあります。じっくり静かに過ごしたい方にとってはウナギの寝床のような物件はむしろ住みやすいのではないでしょうか。
また、円ではなく線で部屋が繋がるウナギの寝床の場合、部屋ごとの順番を意識することで快適な生活ができることも。
たとえば、玄関近くにバンドリーなど物置的なものを配置。その先に台所、その先にリビングダイニングのような形で順繰りに行動ができる配置になっている。あるいはクローゼットが入口近くにあってその先に寝室、リビング、だったら? 玄関近くに保管庫がある状態の方が買ってきたものを収納しやすいですし、お米の予備なども運びやすくなります。また、寝室の手前にウォークインクローゼットがあり、そこで身支度して出た先にリビングダイニングがある、という形にすれば、一連の動作に無駄がなくて時間短縮にも繋がります。
さらに、これは遠ざけたいものを遠ざけやすい、と相反する要素だとも思ったのですが、ウナギの寝床のようにすべての部屋が縦で一続きになっているタイプならば、見通しがよくなって家族同士の交流もしやすい、という部分があるよう。確かにこれはそうかもしれない、と感じます。動線がある程度固定される状態ですし、誰がどんな動きをしているのか、把握はしやすすくなりますものね。お年寄りやお子さんがいらっしゃるお宅はむしろ、このウナギの寝床のような間取りはありかもと感じました。



3. 終わりに

ウナギの寝床は通り沿いに玄関口を多く並べることで町並みをにぎやかにしようとして生まれた間取りだそうです。確かに商店街を通るとき、間口が狭い店がたくさん並んでいる方が、店がたくさん出店されて見えて、活気があるように感じますものね。

寝床5

活気、という面を考えたとき、ふと浮かんだのは、子育てをしている世帯が固まってこうした間取りを活かした物件に住む、というのはどうだろう、という思いでした。
大家族で子どもを育てるのが一般的だった時代とは異なり、今は夫婦だけで共働きしながら子育てをされているご家庭が多いと思います。友人が話しておりました。そうした夫婦だけの育児はとても孤独だと。どちらかの親が近くにいてくれたら状況は違うかもしれません。しかし、相談ができる相手が近くにいない状況だと、正解が見えない育児に不安や行き詰まりを感じることも多いそうで……。
そうした不安を抱く人同士が寄り添って住むことがウナギの寝床を利用すればできるのでは、などと考えておりました。
昔ながらの間取りは、その時代に求められた用途から出てきた間取りですから現代に沿わないこともありますが、それでもその特徴を生かして生活に取り入れていくことで、悩みや不安が少しでも解消できるのではないか、と。
住まいは本当に奥深く、それこそなにが正解、と言い難いところも多いですが、それだけに可能性もたくさんあって、想像が広がりますね。
ということで本日はウナギの寝床について考えてみました。
今後ももっと住まいについて知っていけたらなあと思いますので、よろしければ次回の記事もぜひ、お読みいただければ幸いです。






コメント


認証コード7675

コメントは管理者の承認後に表示されます。