変な形の部屋ってそんなに住みにくいの?
皆さん、こんにちは!
転勤族の旦那さんとおじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです!
さて、皆さんがお部屋を選ぶとき、お部屋の形についてどれくらい意識されているでしょうか?
私は・・・実はあんまり意識していませんでした(笑)
というか、そもそも巡り合う部屋がわりとどの家も長方形だったり正方形だったりの四角形のお部屋が多かったからです。
しかし、世の中にはいろいろな形の部屋が存在します。
外壁が丸いために、部屋の片方の辺が湾曲していたり。
片方の辺はまっすぐなのに、もう片方の辺が斜めになった台形のような形だったり。
玄関から居室までまっすぐに行けない、L字型の家だったり。
はたまた、三角形の部屋だったり。
日テレで放送中の私の大好きなバラエティー「幸せボンビーガール!」の上京ガールのコーナーでもときどき、
「な、なんだ?この形は?!」
と思うような間取りのお部屋が出てきます。
そんなお部屋が出てくるとき、やっぱり最初に、
「住みにくそう・・・・」
と感じてしまいます。
お部屋は四角形が基本、と刷り込まれてしまっているからなのでしょうか。
ちなみに、そうした変形住宅ってなんとなく単身者向けマンションに多い気がします。
ファミリータイプのマンションにはそんな変な形はあんまりないような。
建物の中を細かく区切り、できるだけ部屋数を取ろうとするとそんな形ができてしまうのか。
それぞれの建物の事情もあるでしょうが、「なぜにその形?」という疑問を感じる物件も案外ありますよね。
しかし、実際のところ、変形住宅ってそんなに「住みにくい」のか。
ということで本日は、
変形住宅ってそんなに住みにくいの?について考えてみたいと思います!
1. 変形住宅が敬遠されるわけ
うちの旦那さんに試しに、
「好きな図形は?」
という疑問を投げかけてみました。
旦那さん
「俺?俺はやっぱり丸!丸が落ち着くわ〜。平和主義だからね」
私
「(平和主義ねえ・・・・)
じゃあ、お部屋の形はどんな形が理想?」
旦那さん
「なにその変な質問・・・。そりゃ、四角でしょ」
私
「丸は?」
旦那さん
「え~!嫌だよ、なんか落ち着かないよ」
丸が好き!と言ったくせに・・・。
ただ、この現象は旦那さんばかりじゃないんですよね。
私も実は好きな図形は「三角形」なんです。
日本人は数字なら「3」が好き、なんて話もありますが、その説が影響しているのかなんなのか、昔から三角形が好きです。
奇数角の図形ってなんか落ち着くんですよね~。
しかしこれが間取りになると話が違ってきます。
三角が大好きな私も三角形の部屋はちょっと遠慮しちゃうかも。
理由として第一に挙げられるのはやっぱりこれです!
・家具が置きづらくて仕方ない!
なぜにこれほどに家具が置きづらくなるのか。
考えていて気が付きました。
世の中には四角いものがとにかく多いことに!
勉強机だってそう、ベッドだってそう。
テレビだって、本棚だって、本棚の中に入る本だって、はたまた靴箱だってそう!
洗濯機だって冷蔵庫だって四角をベースにして作られていますよね。
みんな、四角なんですよ。
もちろん丸いダイニングテーブルだって存在しますし、世界中すべてのものが四角なわけではありません。
お皿は丸が多いですしね。
でも・・・・家具となると四角が主流になります。
それがどうしてなのか。
考えていてふと思い出しました。
昔、学校の授業で木工を習っていたとき、丸い形に木を切ろうとしてとても苦労したことを。
丸は四角より整形が面倒!
面倒であればあるほど、商品として売られるなら料金も上がります。技術料というものも加算されていきます。
丸や三角、あるいは四角以上の多角形はそれだけでコストがかかるため、必然的に世の中にあふれるものはシンプル、かつローコストで手に入る四角が多くなる、ということなのではないでしょうか。
世の中にあふれているものに四角が多ければ、そんな四角い家具を無理なくおける間取りが求められますから、あまりいびつな間取りの部屋は好まれなくなりますよね。
そしてまた、古くからの考えとしてこんなものがあります。
・風水、家相的にでこぼこした家は凶相になりがち
風水や家相といえば、よく耳にする言葉として「張り」「欠け」があります。
これらは間取りの吉相、凶相を判断するうえで重要な要素とされています。
・張り……建物の一部において出っ張っている部分
・欠け……建物の一部が引っ込んでいる部分
風水的にもっとも安定しているのは長方形、とされており、長方形で考えたときの出っ張りと引っ込みで判断するようです。
この張りや欠けは方位によって解釈が異なるので一概には言えませんが、総合的に「欠け」は凶相とされています。つまり引っ込んでいる状態ですね。
ここで考えたいのは長方形や正方形以外の形の間取り、つまり円だったり、L字だったり、三角だったりする場合です。
長方形がもっとも安定する、と考えると、それらの間取りは常にどこかが欠けている状態の図面となります。
特に三角については、風水や家相において、
「三角の間取りは凶相」と明言されています。
そう言われる理由は諸説あり、これだ!と断言できる唯一無二の答えは出ていないようですが、実際のところ、四角よりも三角は空気の流れも変則的になりがちで、汚れた空気や湿気が止まるエリアができてしまうことも多いために凶相とされやすいよう。
「凶相ってなんやねん!迷信だ!」
と、うちの旦那さんなどは一切信じようとしませんが、一方で古からの知恵にはそれなりの意味がある、と考え、風水を重んじていびつな形の物件を敬遠する方が多いのも事実です。
誰も好き好んで悪いことが起こる確率が高そうな家には住みたくありませんものね・・・。
また、いびつな形の部屋に住むと困ることとして、こんなこともあります。
・動線が確保しにくい
家具が置きづらいこととも通じるところで、実際頑張って家具を置いてみると、思った以上に部屋が狭くなるんですね。
たとえば、壁際にベッドを寄せて置こうとしても、壁が湾曲していれば、四角いベッドを壁に沿わせて配置はできません。なんとか壁に寄せたとしてもぴったりとは壁につかない分、部屋の中央部にベッドが張り出してしまいます。
張り出したベッドのせいで部屋は狭くなり、必然的に動ける部分が減ります。
同じようなことが三角形の家にもいえますね。四角い家具をなんとか三角形の部屋になじませようとしても、四角い部屋に四角い家具を配置するときよりスペース確保は難しく、結果、動線を邪魔する配置になりやすくなります。
また、L字型に折れている部屋の間取り(玄関入ってすぐ廊下、まっすぐ行って折れたところに居室、のような形態)についていえば、引っ越し時、特に不便を感じるはずです。
玄関からストレートに居室が展開する長方形の間取りであれば、大きな荷物を入れるのにもそれほど苦労はいりません。しかしL字に折れていると、大きな家具をそのまままっすぐ入れるというわけにはいかず、何度か切り返しながら搬入、搬出するしか術がないことになります。これはかなり大変。状況によっては家具が家に入らない、なんてことも・・・。
しなくて良い苦労をいびつな形の間取りではする羽目になりやすいようです・・・。
2. 変形住宅にだって四角住宅に負けない良さがある?
やっぱり変形住宅に住むのはちょっと・・・と思えてきましたが、変形住宅には本当にメリットはないのでしょうか?
いやいやそんなことはありません!
変形住宅にはこんなメリットがあると考えられます!
① 土地代や家賃が安く済む
② 変形を活かしてユニークな部屋作りが可能
では一つずつ見てみましょう!
① 土地代や家賃が安く済む
前項でお話した通り、変形住宅は敬遠されがちです。
確かに内見時に手持ちの家具をその部屋に置いた場合を想像し、「げ!」と思うこともありますから、あえて変形住宅に住もうとは思いにくいですよね。
つまり、多くの人にとって変形住宅は「価値が低い物件」となるわけです。
価値が低いとはいっても、なんとか買い手、借り手がほしいのがオーナーの気持ちというもの。
必然的に価格は低めで売り、貸しに出されるようになります。
ですからお部屋をなるべくローコストで探したい!という場合、変形住宅、変形間取りはかなりお得なのです。
確かに、駅に近い場所は土地が狭く、変形住宅を建てざるを得ない場合もあることから、変形であることに目を瞑りさえすれば、アクセスの良さや買い物のしやすさなどの強みを持った物件も多数存在します。
自分自身のライフスタイルと照らし合わせて考えたとき、部屋の形よりも利便性を取りたい、と思われる方にはもしかしたらぴったりなのかもしれません。
② 変形を活かしてユニークな部屋作りが可能
変な形、というのは言い換えればユニークな形である、ということです。
ユニーク、つまり二つとない個性がある部屋、ということになります。
四角い部屋を個性的な自分らしい部屋に作り直そうとすると、自分自身のセンスが100%必要になりますが、変形間取りならばその間取り自体が個性を手助けしてくれるため、全力を出さなくてもユニークな部屋作りができます。
たとえば、三角形の部屋の場合。
入口側が広く、奥に狭まっているような形であれば、奥に目を引くような花瓶やルームライト、飾り物等を配することで、ちょっとしたアート空間を演出できます。美術館などで角を利用して美術品を展示しているものを見かけますが、あれと同じような効果ですね。
三角の尖った部分を三角出窓にしている、なんておしゃれ物件もありますから、三角だから、と敬遠せず一度見てみるのも良いのでは!
また、壁面が湾曲しているような半円、円形の住宅の場合、円という形の持つ癒し効果を視覚から取り込めるお部屋になります。
四角い机より丸い机の方がなんとなく柔らかい気持ちになったりしませんか?
あれと同じことが間取りにおいても言えるわけです。
ですので、お部屋に癒しを!ということであれば、お部屋自身が癒しを上げてくれる半円、円形のお部屋を選ぶことをお勧めします。
L字型のお部屋は確かに動線が取りにくくもありますが、反面、メリハリがつけやすいとも言えます。
たとえば、L字の縦線の先と横線の先にそれぞれ人が立っているとしましょう。その場合、お互いの場所から相手の姿は見えません。
つまり、L字の部屋においては、部屋の入口と奥の間に目隠しがすでにあるような状況といえます。
玄関入ってすぐ部屋の中が見えないような作り。これは特に女性にとっては有り難いものではないでしょうか。
また、私の旦那さんがこんなことを言っていました。
「まあ、落ち着かないっていうのは言い換えれば刺激がある、ともいえるし、企画とかデザインとかアイディアを出す仕事をしている人だったら、そういうちょっと変わった形の部屋に住む方が発想力が刺激されて良いかもよ?」。
この言葉を聞いて思いだしたのは、トリックアート美術館です。
私が行ったのは高尾山口近くにあるトリックアート美術館ですが、いや~!ほんとに図形の妙を組み合わせて思わぬ視覚効果を狙う作品のオンパレードでとにかくわくわくしっぱなしでした!
作品だけでなく、美術館の作り自体がトリックアート満載で、落ち着く、というよりは興奮が止まらない!というか。
合理的ではないとか、住みにくそう、と感じる従来の感覚を脱ぎ捨てて変形住宅を眺めてみると、トリックアート美術館と同じわくわくが確かに変形住宅にもあるように感じます。
内装にこだわりがあるカフェで食事をしているときほど良いアイディアが浮かぶことと同様に、ただの四角い部屋の中にいるよりも、ちょっとユニークな形の部屋の中に身を置いている方が、面白いアイディアが浮かんでくるかもしれません。
3. 終わりに
変形住宅について考えてみた今回、一番感じたのは、「変形住宅には可能性がたくさん隠れている」という点でした。
確かに敬遠される要素は数多くあります。しかし、人とは全く違う新しい住み方を提供してくれる要素もまた同じくらいあるのです。
どんな形の間取りでも自分がカスタマイズして住居としての部屋が出来上がっていくのには変わりありませんが、四角の住宅に比べ、変形住宅は二つとして同じ部屋になりません。自分だけの自分らしい住まい。それを与えてくれるのが変形住宅なのです。
私も次のお引越しでは変形住宅も候補に入れてみようかな、と思えてきました。
そのときには、デッドスペースが生まれやすい変形住宅にも合うような家具を自分でDIYしてみるのも面白いかな、などと考えています。
皆さんはいかがでしょうか?
これからお部屋を探される方、変形住宅ゆえに買い手、借り手がつかないとお悩みのオーナー様に変形住宅のメリットが少しでも伝われば幸いです。