おもしろ住宅のススメ?(タワーマンション編)

今日は、埼玉県にお住いのM・Iさんからの寄稿頂いた、タワーマンションに住んだ思い出について。

さて、早速どうぞ。




私は子供の頃から引っ越しが多い方だった。

今度する引越しを合わせると17回にも上る。

快適な家もあれば、とても不便極まりない家もあった。

現在お借りしている住宅は、後者の方の一つ。

しかし、考えようによっては「ナンバーワンおもしろ住宅」という名前を欲しいままにできる住宅だと言えるかもしれない。

現在のおもしろ住宅を紹介する前に、昨今、憧れる方の多いタワーマンションについての体験談をひとまずお話しします。

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※画像はイメージで本文とは関係ありません。

何も知らず、憧れだけで住み始めたタワーマンション。

コンシェルジュも居るし、外観も内観も高級ホテルのようなつくりで、不満の見つけようもない程の素敵っぷり!

友人たちが遊びに来ても、入った人たちが皆一様に天井を見上げ「こんなところに住んでみたい!」と、目にハートマークやら星キラキラマークを浮かべる、そんな超高級マンションでした。

お部屋の広さもかなり広く、南向きで日当たりもばっちり!

高層階でもあるので、虫も来ないし風の通りもいい。

世帯数が多いので、近所づきあいも面倒くさくない。

とにかく不満の見当たらない、駅近で便利なマンションでした。

早速、引越しのご挨拶も済ませて楽しいマンションライフが始まるはずでした。

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当時、4歳の娘がいた我が家。お子さんをお持ちの方は分かると思うのですが、子供の足音って、結構ドスドス響くんですよね。そのための対策として、二重床の造りになっているマンションが多い中、なんと、この高級マンションは外観ばかりに気をとられ、内装や構造には最低限のコストしかかけていなかったようです。それは後に分かったことでした。

この構造の甘さのせいで、憧れのマンション生活が恐怖のマンション生活へと一変しました。

ことの始まりは、一本の内線電話から始まります。

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こちらのマンション、ご近所さんのコミュニケーションツールとして、内線電話を標準装備していました。

お部屋番号を押すと、ダイレクトに目的のお家の内線電話が鳴ります。一緒の幼稚園のお友達との連絡ツールとして便利に活用していましたが、出ることをためらう程のめんどくさいツールに様変わりしたのです。

子供が、部屋の中を一歩でも歩こうものなら、下の階の住人さんから激怒の連絡が入ります。

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「子供の足音がうるさい。」「ガキを黙らせろ。」ただ歩くだけなのに、ほぼ毎回のように電話がかかってきます。しばらくは、娘を抱きかかえて生活をして我慢していましたが、さすがに毎日のこととなると、私の腰にも精神的にも負担がかかります。そのため娘を下に下ろそうもんなら電話が鳴る。もう、家に帰るのが恐怖になってきました。

ある時なんて、本当にひどいものでした。一週間ほど夏休みの旅行に行っていました。そして、帰ってきて玄関のドアを開け、冗談ではなく1歩家に入ったその瞬間に内線電話がサイレンのようにけたたましく鳴り響きました。

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さすがに我慢ならなくなった主人が一言「今帰って来たばかりなのに、いろいろ言われても困ります。そんなに毎日のように電話をいただいても、歩くだけでいろいろ言われるので対処のしようがありません。」なんと、その後すぐに下の階のご夫婦は我が家に乗り込んできました。

主人が対応してくれたのですが、下の階の方はこんなことを言っていたそうです。

「このマンションは造りが悪く、音がとても響きます。そのため、いつも警察沙汰になることが多いんです。
あなたの家のお隣さんも、バルコニーでバーベキューをしてクレームが入っていました。だからとにかく気をつけて欲しい。」

そんなことを言われても家の中で歩くことができないとなると、スパイダーマンのように壁を這うか、孫悟空のように雲で飛ぶしかないじゃないか!言いたくてもこの一言は言えなかった私。

「どうしてもと言うのであれば非常に不本意ですが、警察を呼びましょう。」

主人のこの一言で、その日は下の階の住人はお家へ戻って行かれました。

家の中へ入って恐怖のあまり泣いていた娘をなだめていました。

そこで一つ疑問が・・・なぜお隣さんのクレームという内部事情まで知っているのだ?本当は、おまえがクレーム入れたんじゃないんかい???

今となっては真相は闇の中ですが「マンションの造りの甘さ」と「音に超過敏な住人が下に住んでいる」という、二つの条件が素敵にマッチングすると、あなたの憧れのマンションライフも恐怖のマンションライフへと変貌してしまいます。

その後も、何度も何度も電話がありました。
もう、毎日の恒例行事、完全なる嫌がらせでした。
「警察を呼びましょうか?」との一言で一貫した対応をとりました。
下の階のご主人は、その昔こちらのマンションで会長さんをされたご経験があるようで、内心では警察沙汰にしたくなかったようです。
そのため、腹の虫が収まらない気持ちをイタ電という方向へ向けたのかもしれません。

騒音関係の代表格として挙げられる、そのお家の中身が全て分かるという事象もありました。

とにかく、斜め向かいのご夫婦の喧嘩が凄いんです。

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出てけ出ていかないから始まって、あまり子供には聞かせたくないようなプライベートなはずの女性問題まで、包み隠さず怒鳴り散らすもので、近所の住人はそのご夫婦の内情をみんな知ることになってしまいました。

知らぬは本人達ばかり。

ある時はご主人が、相当お家へ帰りたくないのか?玄関廊下の隅の方で携帯で誰かと連絡しています。ゴミ捨ての際にすれ違いざま、チラ見で携帯画面を覗き込むと❤️マークがありました。何となく、見てはいけないものを見てしまったような、そんな切なさを感じた覚えがあります。その後、いつの頃からか?奥様と2人のお子様の姿だけが見えなくなりました。

騒音はいろいろな問題につながるため本当に怖いものです。
しかし一番怖いのは、人間かもしれません。

騒音以外では、窓が開かない事件もありました。

急なゲリラ豪雨と暴風のため、私が洗濯物を取り込もうとした時です。「あれ?窓が動かない。」鍵を外したはずの窓が開きません。お気づきの方も多いと思いますが、風が強過ぎて風圧がテンションMAXまで上がり、窓が1ミリも動かなくなったのです。
ガラス越しには雨に濡れ風に煽られ、今にも飛んで行ってしまいそうな我が家のおパンツ軍団が。外からは見えないようにカバーをかけて干してあったのに、無残にも丸見えで、5月の鯉のぼりのように雨空を元気に泳いでいました。

このままではいけないと、窓の桟に足をかけて踏ん張り、何度も何度も窓をこじ開けようと格闘する事15分。

窓が開くや否や我が家の中には大量の水しぶきと風が襲いかかってくる有様。

まるでポルターガイストが目の前で起こっているかのようでした。その後なんとか我が家の洗濯物は無事に捕獲されました。
「どこぞの知らない人に、我が家のおパンツ達を見られなくて良かった。」

ほっと一息ついたあの時の安心感は、昨日のことのように、人生初のリアルポルターガイストの光景と共に、私の心と脳裏に未だなお鮮明に焼き付いています。
それからは洗濯物を外に干すことを諦め、室内に物干しスペースを設けて「室内干し生活」になりました。広いはずのリビングに突如、洗濯物という同居人が我が物顔で居座り始めた瞬間でした。

広い間取りの3LDKが、なんとも使い勝手の悪い4LDKの間取りになりました。

暴風雨といえば、もう一つ。
風の強い日は換気扇が逆流します。他人様のタバコの匂いや、お外の花粉や埃など、換気扇から容赦なく入り込んできます。
ひどい花粉症の方、埃アレルギーの方などは、タワーマンションでの生活が、命を脅かすアナフィラキシィーショックにつながらないように注意をする必要があります。

外見に惹かれて、憧れて、購入したタワーマンション。もっと事前に聞き込み調査をしていたなら、もっと事前に構造について問い合わせをしていたなら、我が家はこちらを購入しなかったかもしれません。

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その他の設備的にはコンシェルジュも居て一見便利に見えるのですが、皆様、最後にここを見落としてはいけません!

基本中の基本!
朝の混雑時には、1回でエレベーターに乗ることはできません。
諦めましょう。
特に下層階の方は要注意!あなたが乗りたい時間のエレベーターは、皆さんも同じように乗りたい時間。
上層階から来る人でもうすでに満員御礼で、ドアは開くが乗る事は出来ない。ここで明らかになる勝ち組と負け組の構図。
エレベーター内に乗車中の住人との気まずい対面を幾度となく繰り返さなくてはならなくなります。
そんな切ない葛藤を抱え、尚且つ遅刻の恐怖にさいなまれながら、エレベーターをお見送りし続けるか?非常階段を駆け下りるか?さあどっち?自問自答の二者択一に迫られます。
もしも1回でエレベーターに乗りたいと強く堅く心に決めたなら、混雑する時間帯の最低15分前からエレベーターホールで待機し始めましょう!

昔、母親に言われた一言「人間は外見じゃない。中身よ。中身の良さで結婚相手は選びなさい。でないと後々、後悔するわよ。」幼い頃からの母の教えをきちんと守っていれば、きちんと親の言うことを聞いていれば、今回のように、憧れのタワーマンション生活がホーンテッドマンションでの生活に変わる事はなかったことと思います。

皆さんがマンションを選ぶ時には、くれぐれも外見に騙されず中身重視で選んでください。

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今回はここを見落とさないで!タワーマンション(構造編)でした。

次回はまた、違った観点からご紹介します。

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