友達と家を買う選択
皆様、こんにちは!
主婦ライターのヤマダです。
結婚して、子どもを産んで、家を建てて。
それが立派な大人だと教えられた時代もありましたが、今は立派な大人がどんなだとか、普通の人生とはなにかとか、そんなものを定義すること自体がナンセンスな世の中となりましたね。
結婚も、子どもも、家を持つことも。それぞれの自由意志で行える。
もちろん、これまでだって自由がなかったわけではありません。しかし社会全体の無言の圧力のようなものが強く、自由な道を選べなかった方も多かったのではないでしょうか。
その意味で今はあらゆる可能性が見えてきて、生きやすくなってきたなあと感じます。
私自身、子どもはいませんが、そのことを咎められることも減りましたから。
ドラマを観ていても時代背景を色濃く感じさせます。
BLドラマや、夫婦という形態に囚われない関係性を描いたドラマが実に多くなりました。
そしてそうしたドラマで描かれるテーマとしてよく出てくるのが、「同棲」「同居」「生涯を通して共に暮らすということ」。
「歳を取ってからひとりで暮らすのは不安も多いから、友達同士で一緒にみんなで家を買って暮らすのはどうだろう。そうしたら多分不安もなくなる」
こう言ったのは、友人のAちゃんです。
確かにそうかもしれません。厚生労働省の調べでも2024年時点の統計で単独者世帯の割合は全体の34.6%になり、夫婦だけ、夫婦と子どもひとり世帯よりも多い割合とされています。若いうちはひとりで暮らすことに抵抗はなくとも、歳を取るとやはり不安ですから。その意味で、友人同士で家を買うことだってこれから増えてくるかもしれない。
ただ実際のところ、友達同士で家を買おうとしたとき、どんなことを注意しなければならないのか。
気になります。
ということで調べてみることにしました。
友達と家を買うメリット、デメリット、注意しなければならないこととはなにかについて!

1. 友達と家を買うメリット
まず考えてみたいのは友達と暮らすとどんなメリットがあるのかについて。
調べてみたところ、以下のようなメリットがあるようです。
・気心が知れた友達同士だからこそ安心
・掛け捨てになっていた家賃を資産に変えられる
・ひとりでは手が届かないような良い条件の物件に住める
ひとつずつみてみましょう。
・気心が知れた友達同士だからこそ安心
冒頭でもお話しましたが、やはりね、ひとりで暮らして歳を取っていくことは不安ですよね。
以前、一人暮らしの不安を語るというテレビ番組を見たのですが、著名な大学教授さえも「もしも明日具合が悪くなって倒れて誰にも気付かれなかったらどうしよう」とおっしゃっていました。家は他者に侵されない絶対の聖域ですが、だからこそ外部から内部を窺うことができない場所です。その意味で一人暮らしには不安が常につきまとうといえるのかもしれない……。
それもあって結婚や同棲に踏み切る方ももちろんいらっしゃると思います。正直いえば……私自身も夫と結婚することで大きな安心をいただきました。一人暮らしをしていたころ、私には悪癖があって、お酒を飲んで帰ってきては風呂で寝てしまうというのがそれで……。運がよかったからかなんとか死なずにいられましたが、あんなことを今も繰り返し続けていたとしたら多分大変なことになっていたのではないかと思います。この話を妹にしたところ、「姉ちゃん! あんた、もしそれでぽっくり逝ってたら全裸で発見だったよ! それでよかったの?!」と本気で叱られました。妹よ……問題はそこじゃない気もするが。でも確かに!
というのは余談ですが、まあ結婚や同棲はその意味で安心をもらえるものではあるのですけれども、考え方はそれぞれ。恋愛感情やそれに通じる感情なしで暮らした方がうまくいくことだってある。
冒頭にも登場した友人のAちゃんがこんなことも言っていました。
「夫婦やカップルと違って友達だからこそドライに関係を築いていけるってのはあるよ。愛情が絡むとこうしなきゃって自分を押さえなきゃいけない場面は多いと思うけど、友達にはそれがないし、ちょうどいい距離の取り方ができるんだよね」。
なるほど……! もちろんこれはAちゃんが思う友達像であり、友達の定義、心地よい関係性はそれぞれだと思います。ただもしも「この子となら長時間一緒にいても疲れない。どんな自分でもわりと見せられる」みたいな関係の友人がいるのなら、共に暮らすことも考えられるかも。

・掛け捨てになっていた家賃を資産に変えられる
実際のところ、家賃ってここまでどれくらい払っているんだろう、と考えてみたこと、ありませんでしょうか。やってみると戦いて目玉飛び出そうになりますよね。
以前都心に住んでいたころ、2DKで約10万円でした。今は地方にいるので2LDKで7万円。地域によってずいぶん差がありますが、仮に都心にいたころの家賃を20年間払い続けたとしましょう。
10万円×12か月×20年=2400万円!
地方の中古マンションなら買えそうな額じゃん……! しかもこれ、更新料除いてですからね……。そう考えるとですよ、賃貸で生活していた年月がなんとも悔しくなる。
これは多分、一人暮らしをしている方だと「ああ……」と共感いただけるところかもしれない。だからといって「よし買おう!」となるかというと、やはりそれなりの覚悟が必要になりますよね。
しかし、それぞれが仕事を持って収入もある友達同士ならば、金額的にも手が届きやすくなります。
収入に対して家賃支出は基本的に25%から30%くらいに押さえるのがよいとよく耳にしますが、それは裏返せば収入の3割ものお金が住まいにはかかるということですよね。友達同士で暮らすとこの辺りの割合も下げられて生活も楽になる可能性があります。
なにより賃貸ではないということは手元に資産として物件が残ることになります。それは将来における大きな安心に繋がるのではないでしょうか。
・ひとりでは手が届かないような良い条件の物件に住める
前項に通じるところではありますが、収入がそれなりにある友達同士がそれぞれに支払いをする場合、ハイクラスの物件を購入することも可能になってきます。共に買う人数が増えれば増えるほど、良い条件の物件に手が届くようにも。
自分の収入だけでは厳しい物件に住めるというのはやっぱり大きいですよね。
理想の住まいって上を見たらきりがないですけれど、物件探しをする際、妥協しなきゃ予算的に合わなくて条件を緩めたりすることもあると思います。まあ住めば都なんて言いますから条件のひとつを諦めても馴染んではいくでしょうが、自分の持ち家となると妥協って後々まで心に残ってしまいそうですもの。しかし購入者が自分だけでないなら金銭的な面で譲らなくてもよくなることも。

2. 友達と家を買うデメリット
さて、メリットについて考えた後はデメリットも。
調べてみると友達同士で物件を買うにはそれなりのハードルがつきまとうようで……。
・住宅ローンが組みにくい
メリットで収入がお互いにあれば購入しやすいとお伝えしましたが、実はそう手放しで喜んでもいられないのが住宅ローンの部分のようなのです。
友達同士で住宅ローンを組む場合、以下の方法が考えられます。
・連帯債務型ローン
・ペアローン
・どちらか片方による単独ローン
なるほど…。ローンに詳しくないのでさらに調べてみました。
まず、連帯債務型ローン。これはひとつの物件に対して1本のローンを組んで、主債務者と連帯債務者、ふたりで借り入れるという方法のようです。
夫婦だと夫が主、妻が連帯債務者という形が多いようですね。ひとりの収入では借りられない額をふたりで借りられるようになるというメリットがあるそうな。
これ、夫婦ならわりとポピュラーなローンのようですが、友達となるとまず民間ローン会社では友達同士で組める連帯債務型ローンを扱っている会社が少ないそうなのですね。
そしてもうひとつ、このローンについて知っておかなきゃいけないのが、団体信用生命保険に加入できるのが主債務者ひとりのタイプが多いということ。
団体信用生命保険とは、ローン時に加入する生命保険で、簡単にいうと、契約者が死亡、病気になったとき、ローン返済に困らないよう備えるための保険です。しかし、連帯債務型ローンで支払者はふたりでも、団体信用生命保険に加入できるのはひとり。となると、主債務者が死亡して連帯債務者だけが残された場合、連帯債務者は団体信用生命保険に入っていないから、保険金は入らず、残額をひとりで払わなければならなくなるということ。
これはなかなかに厳しい……。
じゃあペアローンはどうか。ふたりでローンを支払うという意味では連帯債務型ローンと似ていますが、連帯債務型ローンと違うのは、ローンの本数が2本になるということ。ひとつの物件に対して2本のローンが組めるということですね。どちらもが主債務者となるわけだから、団体信用生命保険にも入れるし、住宅ローン控除も受けられる。これはいい! のですが……友達同士というのがやはりネックなようで、友達同士でも大丈夫なペアローンを扱っている会社が少ない。
じゃあ、誰かかひとりが単独でローンを組み、組んでいるほうに残りの友人が別途お金を支払うという単独ローンにしたらどうか。
これはわりとシンプルで、友達同士で家を買うにしても審査も通りやすいようです。ただ、契約者の責任が重くなるし、契約者じゃないほうは住宅ローン控除も受けられない。将来を見据えて考えると不安要素も多いですね……。

って……ここまでローンのことを考えていたら不安要素ばっかりじゃん! と戦きたくなりますね。不条理な世の中だと思ってもしまうけれど、実際のところ、友達同士で家を購入する場合、以下の問題が浮上することもあるようです。
・相続の問題
・売買をしたくても共有名義だと全員の承諾がないとできない
法律上、相続ってまずは親族から権利が発生しますよね。友達に相続させるという法律は今のところない。権利を主張するには圧倒的に弱い立場といえるわけです。
また、今はよくても後々、共同購入者のうちのひとりが「家を売りたい」と言い出したとき、共有名義になっていると、全員の合意なしには売ることができず、時間ばかりが過ぎてしまうということにも。

なんだか考えれば考えるほどハードルばかりが多くて憂鬱になりましたが、それでもね、一緒に住みたいって思うことだってあると思うのです。
夫婦や恋人だから別れない、離れないとは言い切れないように、友達だからって一生一緒にいられないわけじゃないとも思う。友達だって、生涯を通して共に生きられることだってある。
私個人としての考えではありますけれど、友達だって気持ちや覚悟があれば家を買って、それに応じた控除や、相続ができてもいいのではと思っています。
ただ、それがスムーズにできないのが現状。結婚、転勤といったライフスタイルの変化があったとき、夫婦のような公的な証明がないことが、どうしても友達同士で家を買うことを困難にさせています。
じゃあ、どうすればいいのか。
調べてみると、以下の対策を事前にしっかりしておく必要があることがわかりました。
3. 友達と家を買うと決めたらやっておくべきこと
まず、友達同士で家を買ったとき、問題になってくるだろうことを洗い出します。
大きく分けてみっつ。
・名義、ローン返済に関する項目
・維持費の負担について話し合い(固定資産税、修繕費など)
・どちらか一方が住めなくなる、死別するなどした場合の家の処分方法
どれも考えたくなくなるような内容ですね……。
しかし、現実問題として、家は資産になるので、この辺りを曖昧にしたままだと後々トラブルになることも多いよう。
だからこそ、これらについては口約束ではなく、しっかり公正証書にして残しておくことが大事なようです。

友達同士なので、夫婦のような法律の縛りも恩恵もありません。そこを補うために自分達できっちり宣言、明文化しておかないと、いざというとき、一緒にローンを払ってきたのに最終的に別の人が相続してしまって、自分の手元には債務しか残らないなどというトラブルが起こることだって考えられる。
自分の身は自分で守るという意味で、しっかりと法的な手段を自分主導で取っておくべきかと思います。
しかしいきなり公正証書といわれてもなかなか難しいですよね……。なので、餅は餅屋! 専門家に相談することが肝要です。
ローンについてはファイナンシャルプランナーや銀行窓口、公正証書の作成、法的な契約書の取り交わしについては司法書士や、弁護士といった具合に。
いきなりそうした専門家は敷居が……ということであれば、まずは不動産業者の担当者に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
何事も自分達で全部解決しようとせず、専門家の意見や手助けを得ながら進めること。
それが友達同士で家を買う際、一番心に留めておくべきことかと思いました。
4. 終わりに
この記事を書きながらふと思い出したのは、2024年から始まった相続登記義務化についてでした。
これは土地や建物が誰に相続されるのか、されたのか、登記しないと罰せられるというもので、放置される土地が減ってクリアになるという利点がある一方で、今までなあなあで放置されていた土地の行く末を本腰入れて相続対象者が決めなければならない、まあまあ重たい制度でもあります。
そして、友達同士で家を買う場合も、相続については当然考えていかねばなりません。
自分達が手放した後、誰に残したいのか。夫婦や家族とは違う関係性だからこそ、悩ましい部分ですよね。
正直言うと……友達同士で家を購入した場合、この制度はかなり重くのしかかるようにも感じます。けれど、やっぱりね、思うのです。夫婦や家族のように、血や制度で繋がることができないからといって、不利益をこうむるのは違うな、と。多様化が進んだ現代に合う形で法の整備は行われていくべきだし、関係性が複雑化していることを社会全体で考えていくべきじゃないかな、と。
住む、という一番身近な部分をこの社会に暮らすすべての人が思い悩まないでいいようにできたらいい。
今回、この記事を書きながらそんなことを思いました。
ということで! 最後までお読みいただきありがとうございました!
また次の記事でお目にかかれたら幸いです♪
