みんなで家事を自然にできる住まいの作り方

皆様、こんにちは!
主婦ライターのヤマダです。

先日、とある本を読みまして。
「やってもやっても終わらない 名もなき家事に名前をつけてみたらその多さに驚いた。」という本で、コピーライター梅田悟司さんが書かれているのですが、これが面白すぎて!
家事といえば、で思いつくことと言ったら、「トイレ掃除」とか、「夕飯づくり」とか、「食材の買い出し」とかじゃないですか。この本は違う。そんな大雑把なくくりで家事を見ていない。ネタバレになってしまうから内容を紹介するのは控えますが、「確かにあるある! こういう作業ある! しかも地味に時間取られるやつが!」とうならされる家事がこれでもかと紹介されているのです。しかもその細かく、名前もつけられていなかった家事にぷっと吹き出しそうになる、ユニークなネーミングがされている。
着眼点がめちゃくちゃ素晴らしいと思いましたし、これまでなんとはなしに行ってきた作業に名前をつけられたことで、いかに雑多、かつ、無数の家事をこなしてきていたのかとはっとさせられました。何事もそうですけれど、言語化され、リスト化されると、茫洋としていた作業の輪郭がしっかりして、「自分頑張ってる!」と認められるような気がしますよね。
と、この本がいかに面白かったかはともかくとして……読んでいてふと思ったことがあります。
家事ってやっぱり誰かひとりに負担がかかりやすい作業なのだな、と。
向き不向きもあると思います。時間的に空いているほうがやる、というご家庭もあると思います。それぞれだけれど、「私がやらなきゃ!」「俺がしっかりこの家を綺麗にしなきゃ!」など誰かひとりが頑張るのはやはり違いますよね。
我が家も私のほうが家事をやっている比率が高い家です。まあ、まだ私のほうが家事スキルあるほうというのもあるし、夫は私より仕事における拘束時間が長いという事情もあるので、いいといえばいいけれども! それでもできるだけ分担はしたい。
というか、自然な形で家事を皆で分担できる工夫をできないだろうか?
ということで、今日はみんなで家事を自然にできる住まいの作り方、考えてみたいと思います!

住まいの作り方



1. 私がすべき、ではなくて

前述の本を読んでいて、ものすごく腑に落ちたことがひとつあって。
それは家事って「すべき」って思いこんでやっている部分、結構あるなということ。
洗濯表示を見ながら洗濯物を仕分けして洗濯すべき、アイロンはかけるべき、ペットボトルはキャップとラベルを分別してそれぞれのごみ箱に捨てるべき。
やらなきゃいけないからやる。仕方ないからやる。楽しんでやれるものならそうしたいけれど、ペットボトルの分別は自治体のルールに従ってやるべきだし仕方ないじゃん、と思いますよね。私もそうだと思います。
ただ、その「すべき」に、「私が」がくっついてしまって、苦しくなることがある気がして。
私がすべき。私がやらなきゃ。
ここがやっぱり一番問題なのかも、と。そして、そのすべきだと思っていることが、実は思い込みであり、もしかしたらすべきことじゃない場合もある。
先程例に挙げた「アイロンをかけるべき」。これなんかはまさにすべき、と思い込んでしまっていたことでした。それを私が感じたきっかけは、実に単純なことでした。
そう、形状記憶タイプの服だったらアイロンなんてかける必要なかったんだってことを、ワイシャツ売り場を通りかかったときに気が付いたんですよね。ああ、愚か。
これまで形状記憶のものも、そうじゃないものも、ワイシャツと名がつくものはすべてアイロンをかけるようにしていたのです。しわが少しでもあったらやっぱり気になるもので。
でも、それは必要のない、思い込みの「すべき」だったなあ、と。そもそも形状記憶かどうかはワイシャツを買った本人ならわかるけれど、アイロンかける側の私にはわからないこともあったりして。いちいち夫に確認するのも面倒だし、しわっぽいかな? と思ったらアイロンかけていたんですけれども、その判断そのものがいらなかったなあ、と。
というように、洗濯物ひとつとっても、ひとりが都度判断するより、洗濯物の持ち主が判断するほうがいい場合もありますよね。
あるいはこんな場合もある。
「キッチンペーパー切れたよ~。新しいの入れておいて」
これは夫に実際に言われたことです。うん、別に新しいのをホルダーに設置するのはそれほど大変でもなんでもない。だから別にいいのですが、彼がこう言ったのは私にも問題がある。
おそらく、彼にはキッチンペーパーの予備がどこにあるのか、わからなかったのでしょう。
そう、なにがどこにあるのか。これが明確になっていないのも、私がすべき、と家事を頑張ってしまうことの要因ではないかと思われます。
自分だけで全部の情報を抱えてしまう。ビジネスの世界だと絶対だめな一点集中型に完全になっている。

住まいの作り方2

こうした、「自分にしかわからない」が結構ある。それが家事の複雑さに繋がっているようにも思います。
家族皆で自然な形で家事をできる住まい。その作り方の第一歩はこんな、「自分しかわからないことを誰もがわかるように明確にする」ことではないでしょうか。



2. 家事中心に考えられた住まいにはこんな工夫がある

さて、前章で「一点集中をやめることが大事」とお話しましたが、じゃあ、具体的にどうするのがいいのか。
考えてみました。

・自分のものは自分が管理するが実現できるようにする
・収納は適材適所、かつ家族全員が手に取りやすい位置にする
・ゴミの日に通り道にゴミ箱を作る

ひとつずつみてみましょう。

・自分のものは自分が管理するが実現できるようにする

実際、悩ましいのです。なにをどうすればそうなるのか。そのヒントを先日、モデルルームへ行ったときに見せていただきました。
そのモデルルームではランドリールームが備え付けられていました。
ランドリールームとは、洗濯に関するすべての作業をひとつの部屋で行えるように集結させたお部屋のことです。つまり、洗濯し、干し、畳む。それがすべて一か所でできるということ。確かに洗濯ってあっちこっちへ移動しなきゃいけない、家事においてもウェイトが重めの作業ですから一所で全部できるのは実にいい。物件情報を見てみるとこのランドリールームを備えた物件も結構あるのです。

住まいの作り方3

もうこの時点でかなり家事がしやすい形なのだけれど、ここからがそのランドリールームのいいな!ポイントでした。というのも脱いだ洗濯物を、下洗いが必要な洗濯物、手洗いが必要なもの、ネットに入れるべきもの、など洗濯の仕方によって家族が仕分けしてもらいやすい多層式のバスケットに入れるようになっていたのです。
かごをいくつも置くのは大変かもしれないけれど、籠を縦に配置できるよう、脱いだものを入れるための棚が備え付けられていて、そこにそれぞれの用途別にバスケットが差し込まれている。これなら見た目にもすっきりして見えるし、脱ぎながらぽいぽいと分別できる。実にいい!
あと、ランドリールームのいいところは、洗濯物を干しやすい環境にもあるんですよね。わざわざベランダに出なくても、中干しもしやすいよう、日当たりや換気が考えられた設計になっている。
だからぽいぽいっと干して、ぽいぽいっと取り込める。これも家事を皆でしやすいポイントではないでしょうか。
また、取り込んだ後の洗濯物を畳むのも比重としてはまあまあ重い家事ですが、それを避けるため、家族それぞれ用の衣服ボックスを用意し、取り込んだものをボックスに分類だけして、あとは各々が畳んでしまうまでさせるような仕掛けも、私が見たランドリールームには施されていました。
誰かがやってくれる、ではなく、自分がやらないとたまる一方、とやるべきことがわかるように作業工程を細分化した試み、すごく素敵ですね!

・収納は適材適所、かつ家族全員が手に取りやすい位置にする

ビジネスパーソンが探し物にかける時間はどれくらいか、という話があります。調べてみたところ、社内で探し物をしている時間は年間約150時間だそうな。衝撃ですね……!
まあ、会社というのは自分以外の人も大勢出入りするし、しまう場所が周知されていなくて、探すしかない場合もあるでしょう。じゃあ、家なら? 残念ながら具体的な数値は調べても出てこなかったのですが、探し物を一生しないという人もきっといないはず。なぜなら家庭だって自分以外の家族がいるし、自分自身だって完璧ではない。片づけた場所を忘れてしまうことだってある。
我が家はまさにそうで、
「おい、あれ、どこ行った? ほら、あのあれ……」
「(あれあれってなんや! 新しい詐欺の名前かなにかか!)」なんてことは日常茶飯事。
でもこの「あれ地獄」こそが家事を増やし、時間を浪費する会話のキャッチボールなんですよね。
じゃあ、どうするのか。
答えはシンプルです。周知徹底を家族全員にできる環境を作ること。
我が家を振り返ってみると、「ものを片づける人が限定されている」こと、さらに「とりあえず空いたスペースにものを片づける癖があること」が「あれ地獄」が生まれる原因なような。
これを解消するためにはどうしたらよいか。まずはやはり、「とりあえず空いたスペースにものを片づける癖」を直す必要がありますよね。言い換えるなら、しまうべき場所が誰の目にも明らかな形にする、という感じ。それはただ場所を明確にするだけでは足りない。なぜなら、家事動線上にない場所に「ここにあります!」と言ってもなかなか覚えてもらえないから。トランプの神経衰弱と同じで、適当な場所にあると覚えられない!
ということで、まずは家事動線から遠い場所に収納しているものがないか確認してみました。
調べて愕然としました……。
たとえば、ティッシュペーパー。使うのはリビングだったり寝室だったりするのに、しまってある場所はトイレの物置。遠すぎるし、そもそもボックスティッシュに適した保管場所って、湿気を避けた冷暗所がベストらしいです。にもかかわらず我が家、保管場所が水場! 誰だ、こんなところに保管しようって言ったの! いかん、私か!
他にもキッチンタオルの予備がなぜか納戸! もう自分で自分があり得ません。完全に宝探し。これは家族に「あれどこ?」と迫られる、あれ地獄になるのもわかるわ……。
こうならないための方法は使う場所とストックの場所を近接させること。
だからこそ住まい選びの際、大切になるのって、ストックを備えられるくらいの収納が各設備にあるかなんですよね。内見のとき、収納の大きさをざっくりとした広さで見て、「いいな」と思いがちだったのですが、現在、ストックを含めて備品がどれくらいあるのか、ざっくりとでも面積を把握した状態で内見することってすごく大切だし、そうした住まいであれば、その備品を使う場所の付近を探せばいいだけなので、「あれ地獄」は解消できます。
また、お子さんがいるご家庭の場合は特にそうだと思いますが、トイレットペーパーなど、家族全員が使う備品に関しては目線より下にストック場所があるほうがよいと感じます。

住まいの作り方4

子どもの背丈では届かない場所にストックされていると、お手伝いもしにくいし、自分でしまう、自分で出す、の習慣もつきにくいですよね。
とはいえ、住居だって広さはそれぞれですから、難しい場合もあります。けれど、目線よりも上に棚がある場合でも、ボタンによって自動的に昇降できるタイプの昇降式、ダウンキャビネットがあるような物件であれば、お手伝いもしてもらいやすいかも!

・ゴミの日に通り道にゴミ箱を作る

ゴミ捨てって実はまあまあ大変な家事ですよね。以前、ゴミ箱に焦点を当てた記事を書かせていただきましたが、各部屋にゴミ箱がある場合、それを回収し、一か所にまとめ、分類し、ゴミステーションに持ち込める状態にするというのは時間も労力もかかります。しかしゴミを生み出すのは家族全員。だとするならば、ゴミ捨てこそ全員でやるべき!
じゃあそのゴミ捨てを全員でしやすい状態って? というと、やっぱり、各部屋にゴミ箱を置かないということだと私は思います。こうすることで、なんでもかんでもとりあえずゴミ箱に捨てるというのを防げますから。もしも各部屋にゴミ箱を置く場合も、ひとつのゴミ箱の中に仕切りをつけ、(ペットボトルと燃えるゴミなど)ルールをテプラなどで貼ってきちんと設定することが大事かも。
また、自分で分類させる癖をつけるため、家族の通り道である場所にゴミ箱を設置するというのも効果的かと! イメージ的には駅やコンビニのゴミ箱のような形ですね。ペットボトル、缶、紙ゴミなどを自分で分別して捨てさせる習慣をつける。

住まいの作り方5

調べてみたところ、玄関のそばにゴミ箱を設置するという方法がありました。
なるほどー! 帰宅後、使用済みマスクもすぐ捨てられる。しかもこれなら通り道も通り道。ゴミステーションへ運ぶのも楽々です!



3. 終わりに~ハンガーの色を変えるといいらしい~

先日、友人と話していてこんな話を聞きました。
「家族ごとにさ、ハンガーの色変えたの。で、自分の色のハンガーの服は自分でしまうってルールに決めたんだよ。そうしたらなんかみんな自分で洗濯物しまってくれるようになったんだよね」
すごく面白い取り組みだと思いました。干すときはひとりでまとめてのほうが早い気もしますが、取り込んで畳む、しまう、については分担が可能な作業。それをより分担しやすい形にするという意味で、ハンガーの色で洗濯物を分けるのというのはすごく賢い。私も真似しよう。

住まいの作り方6

という具合に、一工夫で家事ってずっと分担しやすくなるんですよね。作業工程を見直すことでもそう、そして、家事を自然にできるよう住まいを工夫することでも。
これから家を建てる、買う、借りるとき。誰一人他人事ではいられない家事について、考えられた家かどうか、それを基準に内見するというのも、大切なのかもしれません。






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