オフィス兼自宅のメリット、デメリット
皆様、こんにちは!
ホットカーペットの上だけで生きていきたい主婦、ヤマダです。
さて、この記事を書いているのは2月3日。節分を終え、立春も過ぎた日、のはずが、猛烈に寒いです……。やはり春はまだ遠い……。
と寒さを嘆きながらテレビを見ておりまして、ふととあるドキュメンタリーが目に留まりました。
それは日本に存在する企業の、実に99.7%が中小企業であるということ、そしてその中には後継者がおらず廃業の危機にあるところも多い、というものでした。
日本はこれからどんどん高齢者が増えてくる、高齢者大国になるといわれていますよね。そうなれば、こうした跡継ぎ問題は避けては通れないとは思います。が、経営の難しさはあるものの、ひとつの技術を極めた企業がこの国には数多くあり、それらの企業がそれぞれに支えてくれているからこそ、日本の技術は世界に誇れるものになったのだと強く感じています。だからこそ、廃業せずにどうにか続けられる道が見つかってほしいと思いますし、新しく生まれてくる企業にも末永く存続してほしい、と強く願いました。
正直、課題も多く、見ていて悩ましさも覚えた番組だったのですが、全体の99.7%が中小企業という数字に関しては、希望を感じるものでもあるように、私には感じられました。なぜなら、大企業が林立する欧米とは違い、技術、アイディアがあれば、一国一城の主として起業しやすい空気がこの国にはあると言い換えることができるわけですから。
ひとりでだってなにかをなすことはできる。胸躍る現実といえるかもしれません。
そしてもうひとつ、中小企業であり、従業員が社長である自分ひとり、あるいは家族などごく少数人数で完結する場合、オフィス兼自宅という形で、公私をひとつの建屋で完結している会社も多いのではないか、とも、番組を見ながら考えておりました。
オフィスと自宅を兼用すると、どんなメリット、デメリットがあるのか。
今のところ起業の野望はないにせよ、気になってまいりました。
ということで、本日はオフィス兼自宅住宅について調べてみたいと思います。
1. オフィス兼自宅にすることでどんなメリットがあるのか
会社と家がゼロ距離の状態なわけですから、働きやすそー! が第一印象です。
実際のところ、どんなメリットがあるのでしょうか。
調べてみました。
① 通勤時間に時間を取られなくてよい
② 自分の都合の良い時間帯に自由に働くことができる
③ オフィスにかかる賃借料、光熱費などを抑えられる
④ 自分らしい環境で働くことができる
ひとつずつみてみましょう!
① 通勤時間に時間を取られなくてよい
都市部で働く人ほど通勤時間が長い印象がありますが、全国平均はどの程度なのか。気になって調べてみたところ、総務省統計局が5年ごとに調査している、社会生活基本調査による統計に行き当たりました。
直近は令和3年。2021年の調査のようで、それを見ると通勤時間の全国平均は1時間19分とのこと。ちなみにもっとも通勤時間が長い県は神奈川県で、1時間40分でした。もっとも短かったのは山形県、宮崎県で56分。
参考:令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf
知らなかった……。通勤時間は1時間前後に押さえたい、と思っておりましたが、1時間以内に収めることはやはりなかなか難しいようですね……。
これは平日における1日あたりの通勤時間の調査となりますが、1週間あたりだとどれくらいの時間が往復かかるのか。
1時間19分(79分)×2=2時間38分(158分)
2時間38分×5日=13時間10分(790分)
13時間?!平日1日8時間勤務の企業だとして、通勤時間で1日以上の時間がかかっている……。これはなかなかゆゆしき事態……。
時は金なり、なんて言葉がふっと過りました。
これを見てしまうと、オフィスを都市部に構えることの意味ってなにかね?と首を捻りたくなります。
通勤時間を有効に活用する方法は巷に溢れてはいるけれど、自分が主として会社を運営している立場であるとするなら、無駄を削減し、時間を有益に使う手段として、オフィス兼自宅とするのはとても有益な手段だと感じました。
② 自分の都合の良い時間帯に自由に働くことができる
業種によってそれぞれ始業時間、定時、営業時間などは異なるので一概には言えないですが、会社勤め、という言葉の響きにおいて、一番多い始業時間は8時30分開始、9時開始、といったところでしょうか。開始時間に応じて定時も早くなったり、遅くなったりしますよね。
顧客とのやり取りがスムーズであるために、営業時間は相手の活動時間に重なるように設定されているのが一般的でしょうから、仕事をするなら一日のうち固定された時間帯、ということになります。ただ、言い換えるならば、決められた時間以外で働くことはしにくい、とも言えそうですね。
その点、自宅をオフィスにできたなら、そのあたりの縛りはフリーになります。
人生において、仕事をしている時間とは全体の約3割を占めるそうです。
3割……!睡眠や食事、家族との時間などすべてを外してまるまる30年を仕事に当てている。そう考えると仕事って人生でかなりのウェイトを占めているものといえますよね。
そのかなりの割合を占めるものを一日のうち、都合が良いと思える時間帯に割り振ることができたなら。気持ち的にもかなり楽になるように思います。
たとえば、介護をしながら仕事をしているという場合。介護はまったなし、とよく耳にします。食事や排せつなど、時間帯をずらすのが難しいことに取り組みながら、仕事においても時間帯に囚われるとなると、常に時間に追い立てられ、心の安定が崩れかねません。家事育児もそうですよね。仕事は大切。と同時に家庭における自分の役割だってきちんと果たしたい。けれど決められたスケジュールによってどちらもうまくいかなくなっていく。
とてもしんどいです……。
そうした時間にまつわるしんどさを、オフィス兼自宅にすることができたなら、華麗に解消できそうです!
③ オフィスにかかる賃借料、光熱費などを抑えられる
会社を興し、運営していく。ボランティアではないため、当然維持費というものがかかります。とあるドラマで「人は生きているだけでお金がかかるのよ」などという台詞がありましたが、まさにその通り。
生活するだけでも、仕事をする場所を確保するのも、お金ってかかるんですよね。
特に事務所可の物件って、それなりの広さが確保された物件が多いせいか、高額な印象が私にはあります。
ただでさえ、住宅費用も光熱費もかかるのに、この上高額な事務所費用+その光熱費を払うのはしんどい!
しかしオフィスと自宅が一体なら……! 余分な賃借料、光熱費といったランニングコストをカットできます。賃貸オフィスであれば、当然更新はあるでしょうから、更新料についても考えなくてよくなる……。
さまざまな悩みがあるのが人生ですが、お金についての悩みは皆、なにかしらあるのではないでしょうか。けれどオフィスと自宅を一体化することで、重大問題にもなり得るお金の部分の悩みが軽くなるというのはめちゃくちゃ大きなメリットだと感じました。
④ 自分らしい環境で働くことができる
会社といえば、この色、みたいなファブリックってありますよね。
ロッカーやデスクなどオフィス家具のカタログを見ているといつも思います。色彩が偏っているな……と。もちろん、ユニークな色遣いの家具も存在はしています。各メーカーによって個性はありますし、カラーバリエーションが豊富に取り揃えられた事務椅子も見たことがあります。
ただ、やっぱりオフィスといえば、みたいなところがあるのか、それほど奇抜なカラーリングのオフィスに訪れたことが私はあまりありません。
けれど、誰でも好きな色や落ち着くインテリアってありますよね。
会社にいても本当はもうちょっとピンク系の椅子が好きやねん、などと思った記憶が私にはあります。
その意味で、自宅をオフィスにできれば、好きな場所に家具配置もできますし、ベースとなるカラーも自分が落ち着く色を設定できます。なにより、やはり仕事場でありながら家である、というのは、落ち着きが半端なく違いますよね。
実は少し前から夫が在宅勤務をしています。在宅でなにがよかったか訊いてみると、こんな答えが返ってきました。
「仕事はしているけれど、いる場所が『家』だから、体が自然とリラックスできて気持ちがすごく楽」。
なるほどなあ、と思いました。
ちなみに、我が家で夫は在宅勤務中着る毛布、と呼ばれているフリース素材の上着を着てもこもこの状態で仕事をしています(笑)
このような服装、オフィスではなかなかできませんよね。
仕事をする場所を好みの形に整えることも、リラックスした空気を作ることも、オフィス兼自宅であればできる。
とても自由度が高くて、魅力的ですね。
2. オフィス兼自宅にするデメリットとは
さて、メリットだらけに見えるオフィス兼自宅ですが、なにかデメリットはないのか?
調べてみたところ、以下が出てきました。
① オンオフの切り替えがしにくくなる
② この会社大丈夫かな、と思われることも……
③ 経費計上が面倒……
ひとつずつ見てみたいと思います!
① オンオフの切り替えがしにくくなる
メリットでは自分の時間を確保しやすく、ワークライフバランスがとりやすい、ともお伝えしていましたが、自由度があるということは、反面、自分自身ですべてを調整してやっていかねばならない、ということ。
オフィスで仕事をしていれば、今は仕事、今はプライベート、と強制的に切り替えることができるけれど、自宅がオフィスだとその境界線は限りなく曖昧になってしまいます。
ああ、わかる……とちょっと思いました。私もこの記事を今、自宅で書いています。が、私以外の家族がいることもあって、仕事だけに集中するって結構難しいときもあるのですよね。真剣に調べものしている傍らから、
「おい! 今日M-1やるぞ! 録画しないと! 録画♪ 録画♪」なんて声が聞こえてきたら……ねえ。もう気持ちは完全にM-1になってしまいます(笑)
逆のこともいえますよね。自由な時間に仕事ができるがゆえに、仕事がプライベートを食ってしまうこともあります。
「夜は一緒にゲームするって言ったのに!」
「ごめん、今日はこの仕事を夜中までやらないといけないから」
「お父さんの嘘つき!」
なんて会話も出てきてしまう可能性も…。
メリットにもデメリットにもなりやすい自由度がオフィス兼自宅にはある、といえそうです。
この会社大丈夫かな、と思われることも……
エントランスは会社の顔、という言葉がありますよね。テレビドラマを見ているとこの言葉を思わせる演出がされていること多いなと感じます。
繁華街の煤けたビルの地下1階……。金属のドアは錆び放題で入口にはポリバケツが……。
もう怪しさ満点な描写ですね。
これと同じことを思われる可能性が、自宅がオフィスだとあり得るよう。
確かにそうかもしれません。あまりにも自宅感丸出しの場所に会社名の看板があるのを見ても、「小さい会社なのかな?」「お仕事任せて大丈夫かな?」と一抹の不安を覚えてしまうかもしれません。
もちろん、見た目がすべてではないし、小さくてもしっかり実績のある会社は存在しています。が、取引実績がない会社からすると信用度がどうしても低くなってしまうようですね……。また、これは主観ですが、オフィス街にある会社であれば、来訪もしやすいけれど、地方のベッドタウンの自宅にオフィスを構える、となると、来訪しにくい環境で敬遠されないかな、などと感じます。対面による打ち合わせが必須の業種だと、多少なりともデメリットは生まれてしまいそうです。
③ 経費計上が面倒……
生きているだけでお金がかかる……の言葉がまたも思い出されますが、会社となるときちんと経費計上し申告も必要になります。ここでオフィスと自宅が一体化していて困るのは光熱費などの部分。どこまでがオフィスの分? どこからが自宅の……?と別に事務所を構えているときはしなくて良い苦労が発生もしてくるようなのです。
正直、確定申告も毎年アップアップの私としては、これ以上ややこしい手続きは困る……と思ってしまいます。間違ってました、てへ、ではすまない部分ですから、自宅にオフィスを構えると決めたら税の専門家にきちんと経費を見ていただいたほうがよさそうだと感じました……。
3. 自宅をオフィスにする際、注意するべき点とは?
メリット、デメリットを見ていて感じたのは、自宅をオフィスにするならば、家が見せる顔をふたつ作る必要があるな、ということでした。
オフィスでないなら、華族だけが心地よい空間であればいい。けれどオフィスとなるとそうはいきません。お客様、取引先の方の存在を無視できませんものね。
ですから、自宅をオフィスとする際、注意すべき点としては、お客様にとっても居心地がよい場所になり得るかどうかを考えて作る、のように感じました。
たとえば、玄関。
いくら自宅と一体型となっているとはいえ、あまりにもプライベートに偏り過ぎていては打ち合わせなどでお越しいただいた取引先の方を委縮させてしまいますよね。
そうならないように、せめて靴箱や傘立てなどはちゃんと来客用に別途備え付けておくことも必要かと思います。
それは室内においてもいえて、来客を迎えることができる応接スペースについても考慮する必要がありそうですね。仕事の話をするうえで、気が散ってしまうようなものはできるだけ排し、仕事に集中できる作りを心掛けるべきかなと思います。
あと、気になるのは部屋の明るさですね。家でくつろぐときの明るさと、書類など、文字をくっきり読める明るさは違います。ですからオフィスと自宅を一体型にするならば、オフィス部分の照明と自宅部分の照明は分けて考える必要がありそうですし、プライベートとオフィシャルの部分をくっきり分けられるような扉や間仕切りがあることが望ましいなあ、と感じました。
4. 終わりに
さまざまな働き方ができるようになった現代。
可能性も無限大となり、会社に行って仕事をする、がスタンダードではなくなりましたよね。自分で会社を興す方も増え、スキルを武器にひとりで戦う個人事業主の方も増えています。
ただ、調べていてわかったことですが、自宅をオフィスとする場合、賃貸だと難しいようです。確かに……そうですね。契約書に使用は居住用に限ると書いてあるケースが多いのではないでしょうか。
現在は若い方が起業するケースが増えているとも聞きます。しかし、総務省が発表している「年齢会計別持ち家世帯率-全国(平成20年)」を見ると、25歳から29歳の持ち家所有率は11.5%とのことでした。年齢が上がれば上がるほど持ち家所有率は増えるのですが、若いころは賃貸で暮らすことも多いでしょう。この辺り、賃貸物件でもオフィスとすることが許される物件が増えたら、起業という夢を実際に形にできる若者も増えるのではないか……などと思いました。
参考:総務省「年齢会計別持ち家世帯率-全国(平成20年)」
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/nihon/4_1.html#:~:text=%E6%8C%81%E3%81%A1%E5%AE%B6%E4%B8%96%E5%B8%AF%E7%8E%87%E3%82%92%E5%AE%B6%E8%A8%88,%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82
レンタルオフィスやバーチャルオフィス、シェアオフィスを利用して起業というケースもありますから、必ずしも自宅をオフィスにせねば、ということではありませんが、自宅をオフィスにするメリットは多く、家事や育児などとの両立もしやすくはなりますよね。
働きたいと願う人が無理なく働ける環境が整えやすくなっていってくれればいい、と今回、この記事を書きながら強く思いました。
ということで、今回は自宅をオフィスにした場合のメリット、デメリットなどを調べてみました。これからも生活と住居の関係など、住まいに関する疑問を調べていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします!