瑕疵あり、について調べてみた

皆様、こんにちは!
映画、ドラマが大好き主婦、ヤマダです!

私はまあまあホラー映画が好きです。
中でも物件ものが大好物です。
今、こうして住まいの記事を書かせていただけているからでもありますし、もともと住まいというものは生きていく上で切っても切り離せないものだと思っているからでもありますが、身近なものを題材にしてくださっているために、感情移入しやすいというのが一番大きな理由ですね。
さて、そんな物件ものの映画で目にすることが度々あるシチュエーション。
それは、「住んだら死んでしまう部屋」。
いや……もう、想像しただけで怖すぎます……。住んだだけで死んじゃうとか、不条理にも程があるでしょ……。
リアルではできる限りそうした家とは無縁で過ごしたい、と願うわけですが、そこでふと思ったこと。
敬遠される物件にもいろいろありますが、心霊絡み以外にも「この物件はちょっと」という物件はたくさんあるはず。具体的にどんな物件があるのか。
気になってきました!
ということで本日は、問題があるとされる物件、いわゆる「瑕疵あり物件」について調べてみたいと思います!

瑕疵



1. やっぱりお化けが出そうな物件は嫌……

冒頭でもお話しましたが、ドラマや映画で取り上げられるシチュエーション、「住んだら死ぬ部屋」だの、「不幸が降りかかる家」だのに実際に住むというのは、絶対勘弁ですよね。まあ、そこまで過激ではなくとも、「毎晩着物姿の老婆が家の中を徘徊する家」や「寝ている顔をじっと覗き込んでくる女が出る物件」なんていうのもご免こうむりたい……。
このように、物理的な設備の不具合がないにもかかわらず、心安らかに暮らすことが困難な物件は「事故物件」と呼ばれ、心理的瑕疵あり、などと住宅案内に表記される物件となります。

瑕疵2

が、心理的な不安は科学的に証明が難しいものでもあります。それなのに、なぜに「心理的瑕疵あり」や「告知事項あり」などと表記せねばならないのか。そもそも表記基準とは定められているのか。
疑問にも思ったのですが、仮に表記されていない状態でうっかり契約した場合、自分がどう感じるのかを振り返ってみると、表記の理由は明白だな、と思いました。
これはひとえに物件の貸し手、売り手側と借り手、買い手間で無用なトラブルを避けるためなのですね。借りるにしろ買うにしろ、不動産とは大きなお金が絡むこと。そして住宅とは、生活において決して軽くないウェイトの要素であり、お互いが納得した形で契約を結ぶ必要がありますから。
ただ、心理的瑕疵というのは主観によるところが大きいものではあると思います。霊感が極めて鋭い方からしたら、告知されていようといなかろうと、その物件は絶対に住めない場所ですが、そうした目に見えない脅威に対し、普段から感じない人からしたら、聞いていなければ穏やかに住み続けられるかもしれませんものね。
とはいえ、感じないからといって黙っていていいものかといえばそうでもありません。人の口には戸は立てられぬ、などと言います通り、心理的瑕疵、と表現されてしまう物件であれば、近隣の住民をはじめ、事故物件検索サイトなどでその存在は知られるものであり、噂が耳に届くことは皆無ではありません。結果、住み心地に影響が出てしまうケースも多々あるからです。
じゃあ、告知義務の範囲はどれくらいなのか。調べてみると、2021年10月に国土交通省より策定された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に行き当たりました。
これは心理的瑕疵、とされるものの中でも人の死が過去にそこであったことによる瑕疵に対するガイドラインであり、不動産業者がどこまで借り手、買い手に伝えねばならないかの判断基準も示されています。

参考:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました 通知ページ
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00029.html

これによると、不動産業者は以下の場合を除き、告知義務が生じることになっています。
・自然死
・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)
このふたつについて告知義務が生じない理由は、住居内でこれらの死は充分に起こり得る事態だからです。
とはいえ、長期にわたって遺体が発見されず、特殊清掃が入った場合は告知義務が生じるそう。

なるほど……。

で、上記は告知義務がない死因ですが、じゃあ、伝えられるべき死因とはどんなものかというと、予測不能な事態による死については告知義務があるようです。
殺人、自殺、通常の生活では想定できない事故死、原因不明の死……。
書いているだけで恐ろしくなってきましたね……。

が、確かに借り手、買い手からするとちゃんと教えておいてもらわないと困るな、と思う理由のオンパレードですね。
ちなみに賃貸と売買では、告知義務が生じる期間が違うそうです。
賃貸の場合は当該事件が発生してから3年間は告知義務があるそうですが、売買には明確な期限の定めがないらしい。
これも納得かも。心理的瑕疵がある物件は敬遠されやすいもの。賃貸となれば、借り手が途切れることなくあってこそ利益も生まれるのですが、3年以上、告知義務があるとなると、価値は下がりっぱなしになり、借り手もつきにくくなります。オーナーを守る措置としては必要なものかもしれません。もっとも、「この家5年前に事件があったって本当ですか?」などの問い合わせがあった場合は、不動産業者は告知しなければならないとされています。借り手からすると有難いですね。
売買について明確な期限がないというのも買い手側からすると助かります。賃貸物件と違い、売買契約によって取引される物件というのは、長い付き合いになる場合がほとんどです。そう簡単に手放すこともできない物件に過去とはいえ、いわくがついていたら……。やはり悩ましいですものね。
ただ、オーナー側からすると、厳しいガイドラインともいえるかもしれないなあ、と感じました。



2. 設備に不具合がある家は嫌……

心理的瑕疵、に対し、設備に不具合があって住みにくい状態を、物理的瑕疵、といいます。
具体的にどんなものを物理的瑕疵と呼ぶのか。
調べてみました。

物理的瑕疵は大きくふたつに分けられ、ひとつは建物に起因する瑕疵、もうひとつは建物が建っている土地に起因する瑕疵のようです。
それぞれみてみましょう。

建物の物理的瑕疵例
・壁のひび割れ
・雨漏り
・シロアリ被害
・水道管の不具合による水漏れ
・床の傾斜
・耐震強度不足
・アスベストなど人体に有害な建材の使用
など。

うーん、確かにどの状態の物件もきつい……。
では土地に関する瑕疵というと……?

・地盤沈下
・地中障害物がある
・土壌汚染
など……。

こっちのほうがハードに感じますね……。
地中障害物ってなんだっけ、と調べてみると、井戸が残っているとか、不発弾が埋まっているとかいった状態のことのようです。
かつては井戸を皆が当たり前に使っていたのですから井戸が埋まっていることもあるとは思いますが、自分が住もうとする場所の地下に残っているとなると不安になります。井戸があったということは地下水もあったというわけで、地下水があるということは、地盤の強度にも疑問が出てきますものね……。もっとも井戸は各地にあるものであり、大概はきちんと埋め戻しの処置がされているので、問題はそこまでないそうですが……。
不発弾も怖すぎます。昔住んでいたマンションの近所で不発弾が見つかり、その撤去を自衛隊が行ってくださったことがありますが、近隣住民に避難が呼びかけられていて、まさに「事件」でした……。
建物、土地に瑕疵があるとなると、正常な状態に戻すには時間も費用もかかります。ゆえに物理的瑕疵に関しても不動産業者は告知義務があるとされています。
不動産というものが人の人生を大きく変える可能性のあるものであることを、こうした告知義務があるという事実が示してくれているようにも感じました。

瑕疵3



3. この先が不安になる部屋は嫌……

心理的、物理的瑕疵のほかに「法的瑕疵」という瑕疵もあるそう。
これは言葉通り、「法律的に自由な取引が困難となる事案」のことをいうそうで、具体的には、建築基準法、消防法、都市計画法に違反している、あるいは権利関係が複雑な状態にあることをいうようです。
端的な説明だけだともやっとしますね……。
どういうことなのか、具体的な例を調べてみたところ、以下のような状態だとわかりました。
たとえば、建築基準法という法律。これは何度も改定を繰り返し、より安全性の高い建築基準へと刷新され続けています。しかし、それは裏を返せば、過去の基準と現在の基準には大きな差が生じている、ということ。当時の基準であれば問題はなかったけれど、現在の基準と照らし合わせると違法になり得る物件の場合、取引に困難が生じやすいということのようなのです。
また、もともとの物件は違法ではなかったけれど、増改築を勝手に行った結果、建築基準法に定められている建蔽率や、容積率を逸脱してしまい、法律違反になっているケースもあるよう。そうした家を購入してしまうと、後々手放したいと思ったとき、買い手がつかないというデメリットに繋がることも。
他にも、消防法に定められている基準の消防機器が設置されていないことから、消防法違反になってしまっている物件は、法的瑕疵あり、となります。
都市計画法違反についても調べてみましょう。
都市計画法というのは一言で言うと「街づくり」のための法律となります。街は多くの建物、施設などで形作られていくもの。ゆえに各個人が自分勝手に建物を建ててしまうことで、そこに住む住民の安全が脅かされてしまうケースもあります。そうしたことが起きないよう、この土地にこれは建ててはいけない、建てるならこの範囲で、など細かく制限が設けられているわけですね。その制限を逸脱した建物は「都市計画法違反物件」となって、処分を受ける対象になってしまいます。低層住宅しか建築が許されていない場所に、規定の高さを超えた物件を建ててしまった、住居としての使用しか認められていない住宅を改築して店舗付き住宅にしてしまった、などは違反となり、法的瑕疵あり物件になる、というわけですね。

建築基準法、消防法、都市計画法など存在は知っていても、その法律が自分の住まいにどう関わってくるのか、わかっていない部分が私には多くあります。住まいを探す場合、目に見えない法的部分に関しても問題がないかどうか、きちんと知識をつけてあたるべきだと感じました。

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4. この家はよくても周りに問題ありの家は嫌…

「環境的瑕疵」。これは、物件自体に問題はなくとも、周囲の環境に住み心地に影響が出てしまう土地、施設が存在する状態、ということ。
具体的にどのような状態をいうのか。
調べてみると以下のケースが環境的瑕疵物件に該当するようです。

・騒音、異臭が生じる住宅、土地、施設、設備が近隣にある
・近くにあることで安心感を損なう、あるいは嫌悪感を覚える住宅、土地、施設、設備がある
・高層ビルなどにより日照が阻害される
など。

騒音、異臭のある住宅、土地、施設、設備については、工場、ゴミ屋敷、駅、繁華街などが該当します。
確かにどれも近くにあるとデメリットに働いてしまいそうな……。
騒音に関しては時間帯にもよりますが、昼働きに出て夜休む生活をしている場合、深夜まで営業している店が数多くある繁華街の近くでは安眠が難しくなることが充分考えられます。
カーテンの隙間から繁華街の人工的な光が漏れてくる……というのもストレスですものね。
けれど私自身の話をしますと、音よりも厄介だなと感じるのは臭いかもしれません。自分の家でもなにかものを腐らせてしまったとき、そのもの自体をちゃんと処分しないと臭いは消えないもの。それが近隣の住宅に影響を及ぼすレベルの臭いを発する住宅や施設、設備となると、消臭作業も生半可な方法では難しいでしょう。となれば、長期的に異臭にさらされる可能性があります。まあまあ鼻が良い方なので、異臭だけは無理だなあと感じます。

騒音や異臭については五感によるところが大きいのですが、個人の感覚によるところが大きいなと感じるのはふたつ目の項目かもしれませんね。
近くにあることで、安心感を損なう、あるいは嫌悪感を誘う建物。
これはたとえば、墓地、火葬場、反社会的組織関連施設などが近くにある状態ということのようです。
悩ましいですよね……。確かに個人の感覚によるところは大きいでしょうが、気になる人はとことん気にしてしまう部分ですから。まあ……私は墓地の近くも反社会的組織の施設近くにも住んだことがありますが、幸いにも住んでいる間、困ったことには遭遇せずすみました。相場より安く借りられたので、その面ではメリットだったとも感じています。けれども、家は心を休める場所であるべきなので、安らぎを捨ててまでコスト重視でこうした場所を選ぶことはオススメできないな、と感じます。
日照が阻害される物件についてもそうですね。昼間は家にいないし、別に気にしない、という方にとってみれば、特段困ることではないと思いますが、長い人生、転職などで在宅する時間帯が変わらないとも限りません。本当に自分にとって太陽光はなくても大丈夫なものなのか、住宅購入をする際は特に深く検討すべきだな、と感じました。

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5. 終わりに

今回、住宅における瑕疵について調べてきて思ったことは……住まいと人間は似ているなあ、でした。
人間でもそうですが、建物にも個性や弱点は存在します。住宅だって歳を取るし、住人が変わればそれぞれ住まいが背負うドラマも変わる。
ある意味、人と住まいは二人三脚の状態といえるのかもしれませんね。
共に歩くパートナーとなり得るのならば、よりよい相棒を選びたい。けれど、人の人生を見ただけで丸ごと知ることができないのと同じように、住まいもまた、ぱっと見てすべてを見通すのは難しいもの。
だからこそ、信頼できる不動産業者を見つけ、しっかりと連携して探していくことが大事なのかもしれません。
ということで、本日は物件の瑕疵にはどんなものがあるのか調べてみました。許容できるものできないもの、様々ですが、自分が想定していたものとは違う部分にも弱点とは存在するのだと知識として知っておくことは大切だな、と今回感じました。
今後も住まいに関する「これは知らなかった」「こういうものもあるのか」などをどんどん調べていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!



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