かくれんぼから考える住まい

こんにちは!
夫とおじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです。

先日モデルハウスへ行ってまいりました!
モデルハウスというものは、実際にあのままのサイズ感で建てたらとんでもない費用がかかってしまいそうですが、あれは最大数の考え方で建てられているものなんですよね。あのままの家を建てるということではなくて、あそこから引き算して自分たちのベストな基準のサイズへ絞り込んで決めていく、そのための参考資料のようなもの。
だから正直、全体を見て「この家に住みたい!」と思うよりは「この設備が素敵!」と設備ごとに見学していくのが正しい見方なのかな、と思いながら見ておりましたが、なにせ面積が広いですから、見学している家族も一組じゃなかったりすんですよね。
私と夫が見ていたときも別のご家族がいて、とても楽しそうに見学されていました。ご両親とお子さんふたりのご家族で、お子さんはまだ小学校に入る前かな? とにかく元気な男の子ふたりでモデルハウスを堪能していました。
そして、モデルハウス、いいえ、家の中でする遊びといえば、まあこれですよね。

「かくれんぼ」!
私にも覚えがあります。幼いころ、妹と共に家の中でかくれんぼしまくりました(笑)小学生のころは、学童保育にもお世話になっていたのですが、団地の一室にも関わらず、ひしめきながらかくれんぼをしたりして。
実家でのかくれんぼも、団地の一室でのかくれんぼも、すごく楽しかった覚えがあるのですが、ふっと思ったこと。
まあまあ、かくれんぼって危険な部分もあるかな、と。
ということで、今日は住まいの中でかくれんぼする際、考えておくべき危険性と、自宅でかくれんぼをする際の注意点を考えてみたいと思います。

かくれんぼ



1. そもそも子どもはどんなところに隠れるのか

家の中でかくれんぼをする場合、子どもはどんなところに隠れたがるのか。
小学校低学年のお子さんがいる友人にリサーチしてみました。

・クローゼットの中
・カーテンの陰
・階段下の収納棚
・リビングの机の下
・ソファーの陰
・書斎の本棚の陰
・ベッドの下

などなど……。
家の中なんて隠れる場所はそれほどないと思っていたのですが、案外そうでもないなあ、と感じます。
子どもならではの体の小ささももちろんあるでしょう。大人ではなかなかこうもいかないかもしれない。しかし、それにしても「ここなら身を隠せるかも」を見つけるのが子どもはうまい!
話を聞かせてくれた友人Aちゃんがこんなことを言っていました。

「まあさ、付き合いで私も一緒にかくれんぼやるのよ。でも同じ場所に隠れても私はすぐ見つかっちゃうのよね。体のサイズの違いもあるけど、子どもって気配を消す天才だって思うの。見つからないようにするための情熱がやばいっていうか」

確かに、モデルルームで見かけたお子さんたちも隠れ方が様になっていて、どこ行ったの〜、とご両親に随分探されていまいたね(笑)
子どもにとって家の中は単なる住まいではなく、テーマパークになり得るのかもしれません。
ちなみに、西洋的な要素も多く含まれる、現代の住宅において、子どもが隠れたくなる場所は上記のような場所ですが、昔ながらの日本家屋だとどうだったか。
実家の日本家屋において、幼少期、自分がどんな場所に潜んでいたのか、思い出してみました。

・押し入れの中(上段・下段)
・押し入れの天袋の中
・浴槽の中
・下駄箱の中
・掘りごたつの中
・縁の下
・床の間

この辺りですね……。
いや、今思い出してもどうかと思う隠れ場所がいくつかありますね。天袋といえば天井板のすぐ下。あんなところ、大人になった今は絶対! 上がりたいと思わないです……。虫とかネズミとか出たら怖すぎて泣いちゃう……。
また下駄箱の中も嫌だなあ(笑)
実家の下駄箱はかなり広い設計になっていて、棚板を外せば子どもひとりくらいするっと入れる感じだったのでよく隠れてました。親に見つかると、ものすごく叱られましたけど……。
ちょっと異質なのが床の間ですね。床の間といえば、畳部屋の壁に設けられたあそびともなる場所で、掛け軸や一輪挿しなど、飾りを施し、客人へのおもてなしの気持ちを示したり、調度として楽しんだりするための場所になります。扉もなにもない、完全に開けた場所。そんな場所でどう隠れるのか。
答えは、ずばり! 隠れないのです。もともとそこにあった置物であるという顔で、微動だにせず、気配を消し、調度の一部として部屋に同化するという、斬新すぎる身の隠し方!
……いや、無理だろ! 
正直、過去の自分自身に激しくツッコみを入れたくなります(笑)しかしそれを子どもの私はガチで実行していたという……。
なんでしょうね。こういうのも若気の至りというのでしょうか。
まあ、私の若い頃の痛いかくれんぼの経験はよしとして、現代様式の住宅と日本家屋における隠れ場所を見比べていて思ったことがあります。
日本家屋のほうが、隠れる場所、多いな! と。
たとえば、押し入れについて。
押し入れとクローゼットの大きな違いとして私は内部の段の作り方にあると思っています。もちろんものによると思いますが、押し入れのほうが上段、下段、天袋の区分けが明確なような。(↓こんな感じで)

かくれんぼ2

クローゼットの場合、入れるものを限定されないよう、広く高くスペースを取っており、棚板がある場合も、後から棚板の位置を変えられるようになっているものも多いです。対して押し入れにはその自由度はありません。もともとベッドではなく布団を床に敷いて眠ってきた日本人にとって押し入れは布団を収納する場所であり、布団とそれ以外の物を入れておくための場所なんですよね。洋服メインのイメージが強いクローゼットとはちょっと違うポジションというか。
ちなみにクローゼットの語源を調べてみると、いろいろ仕舞える空間、なんて意味もあることから、明確な仕切りのない、がらんとした空間をイメージできます。

かくれんぼ3

あくまでイメージの話ではありますが、クローゼットと比べると、押し入れはそもそも布団とそれ以外を入れる場所、という位置づけでそこにあるために、棚板がしっかりしているんですよね。布団の重量にも耐えられるように。
かくれんぼのとき、押し入れに複数人で隠れたことがあります。確か小学1年生くらいのときだったと思いますが、5人で押し入れの上段にぎゅうぎゅうになって隠れたことが(笑)
今思うとよく棚板壊れなかったな、と思うのですが、それくらい押し入れの棚板はしっかりした作りであり、かくれんぼにも適していたといえるかもしれません。
また、浴槽について。
リフォーム前の実家の浴槽の印象を一言で言うならとにかく……深かった! でした。
トイレのように浴槽にも和式、洋式、という言葉があるようですが、当時実家にあった浴槽は和式に該当するものであり、置かれている、がしっくりくる形で、風呂場に設置されていました。対して洋式は、洗い場から浴槽へ足を入れる際、バスタブの床面が洗い場の床よりも掘り下げられ、その分、またぐ部分が低くなるよう設計されています。また、寝転がって全身を伸ばせるよう、幅も広く作られているために、浴槽自体の深さも和式よりも浅いです。
かくれんぼをする際、よく浴槽に隠れていたのですが、和式は深さがありますし、湯が冷めないように蓋が備え付けられていたこともあって、まあ、隠れたらまず見つからないんですよね。洋式の幅広バスタブで同じようにかくれんぼをしたら? と考えてもみたのですが、そもそも幅広のバスタブは湯を冷まさないようにする蓋がないですよね。ホームセンターで売っているのを見かけたことはありますが、使っているお宅をまあ、見ない気が。
その意味でもかくれんぼに適したのは昔ながらの浴槽だと感じます。
あと特徴的なところとして縁の下でしょうか。日本家屋において、庭に面した縁側、そして縁の下は馴染み深い設備なのですが、現代の住宅には縁の下はあまりないと感じます。あるとするなら……ウッドデッキを備えたお宅だと縁の下のような空間が持てますね。しかし一軒家なら可能でも集合住宅では難しいのが現状。
こうしてみていて思うのは、日本家屋には現代の住宅よりも遊びの空間が多いようだ、ということです。機能を詰め込まず、あえて空間を残している、というか。
現代は都市部に人口が集中することもあり、遊びを持てるほど面積を取れるわけでもないので仕方ないのかな、と思うのですが、かくれんぼという観点から住宅を見てみると、やはりその差は歴然としているような……。
ただ、そんな現代の住宅においてもかくれんぼを楽しもうとするキッズたちはいて、面白いところに隠れるなと思った事例をちょっとご紹介します。

・ベッドと壁の隙間
・クッションの綿を外して中に隠れる
・流し台の下
・洗面台の下

・・・。忍者か!
隠れるところがないなら作ってやろうという気概を感じました……。
ただ、聞いていて少し不安にもなりました。
次章にてその不安と家の中でのかくれんぼについて注意すべき点について目を向けていきたいと思います。



2. 自宅でのかくれんぼに潜む、危険ポイント

かくれんぼを自分自身が全力でやっていたときは危険なんてあまり感じていませんでした。隠れることにしか気持ちが行っていなかったですからね。
しかし、大人になって子どもたちのかくれんぼの様子を見聞きすると、ぞおっとすることがいくつかあります。
たとえば、ベッドの下に隠れる話。
我が家のベッドの下にね、試しに入ってみたんです。床とベッドの底面の間を測ってみると19.5cmでした!
ぎりぎり私の体でも入ることはできたんですけどね……。頭を横にしないと引っかかっちゃってとても奥には進めなくて。出るときも方向転換が叶わないほどぎちぎちでしたから、這いずりながら後退するしかなく……。終わってみたらちょっと肘を擦りむいていました。
かくれんぼにて隠れるなら、まさかこんな場所に隠れているわけないよな、と意表を突けるような意外性のある場所に隠れたいとは思うのですが、狭すぎる場所に無理やり体を押し込むと抜けなくなったり、骨や筋を痛めたりといった危険があることを、身をもって体験しました。
また、かくれんぼにおいて見つからないのは「視点を変えること」だと言います。人間にとって死角になりやすい、頭上に身を隠すことで鬼の目から逃れる……というような形ですね。よくアニメでもありますよね。戦っていた敵が急に消え「どこ行った?」と探すと上から攻撃される的な。あれと同じことがかくれんぼでもいえて、目線の高さが変わる場所に隠れることで見つかりにくくなるよう。
で、住まいの中で見回すと目線の高さが変わる場所、結構あるんですよね。たとえば、クローゼットの中の天井近くの棚板の上。天袋と言い換えてもいいですが、あそこに上がってしまえば、まあすぐは見つからない気がします。しかし……これもね! 上ってみたんです!衣装ケースに足をかけながら! めちゃくちゃ怖かったけど……! 上がるのはなんとなるのです。でも下りるのがもう、怖すぎて……。下から見上げると*それほど高いとも思わなかったのに、上からだと高さが倍増して見える……。大人だから恐怖を強く感じるのでしょうか。ただ恐怖とは自己を守るために必要な感情ですから、大人よりも思い切りが良い子どもがこんなところに上ってしまったらと思うとぞっとします。
さらにもうひとつ。危険だなと感じたのは、クローゼットの中そのもの。
よくある扉の形は折れ戸と呼ばれる、扉を形成する板が複数連結されていて、それらが折りたたまる形で扉を開けることができる仕様になっています。これは子どもの力でも簡単に開くものがほとんどかと思われますが、ここに別の力が加わってしまったら? たとえば、扉の前にものが置かれてしまったら。扉は折り畳まることができず、開かなくなってしまいます。クローゼットに限らず扉の中に隠れる場合は、扉が何らかの事情で開かなくなる可能性が多少なりともあることを考えておく必要はあると思います。



3.危険なかくれんぼにならないようにする工夫

では、自宅内で危険にならない形でかくれんぼをするためにはどうしたらよいのか?
友人とも話していた結論としてふたつのアイディアが出てきました。

・隠れるだろう場所を想定し、こちらで作っておく
・隠れたら危険が伴う場所は最初から隠れられないようにする
隠れるだろう場所を想定して作っておく。この発想はなかったのですが、なるほどなあ、と思いました。

「うち、在宅ワークも多いから、リビングの角をカーテンで仕切ってるのね。あんな感じでカーテンをところどころかけておいて、部屋の間仕切り増やしたの。そうしたらかくれんぼでもカーテンの陰に隠れるようにもなってきて」

確かに、こちらが意図して作った死角であれば目も届きやすいですものね。

そうやって隠れる場所へこちらから誘導しつつ、「隠れたら危険が伴う場所は最初から隠れられないようにする」ことが本当に大事だなと思いました。
たとえば、悲しいけれど耳にすることが多い事故として、ベランダからの転落というものがあります。本来なら乗り越えることができないはずの手すりを乗り越えてしまうきっかけは、エアコンの室外機だったり、ベランダに置かれた椅子や、プランターなどです。かくれんぼの様子を見ていてもわかりますが、子どもは驚くほどアクティブにさまざまなものに上ってしまいますよね。それが思わぬ事故に繋がることもある。だからこそ、高い場所へ不用意に登れないように足がかりとなる台などは片付けておく必要があるなあと感じます。また天袋のような場所に隠れようと思わないように、上がられたら困る場所ほど、積極的に荷物で埋めておくほうがいいのかな、とも感じました。空間があるからこそ隠れたくなる、上りたくなるのでしょうから……。
そしてもうひとつ、重要だな、と思ったのはこれ。

「かくれんぼをするのはお母さんたちがいるときってうちは言ってる。四六時中、見ていることは正直難しいけれど、約束をしておけば、少しはストッパーになるから」

これも必要なことかもしれませんね。自由にのびのびと遊ばせてあげたいけれど、目を離したことで思わぬ怪我をしてしまってはいけません。家の中とはいえ、危険がまったくないわけではありませんものね。

かくれんぼ4



4. 終わりに

かくれんぼについて考えていて思いました。
現代の住宅は昔ながらの日本家屋よりも隠れる場所は少ないかもしれない。けれども住まいの中での思わぬ事故は、この様式になったことで随分減ったのではないかと。
理由としては、廊下や壁で細かく部屋を仕切られない、見通しの良い空間を大事にした間取りが主流になってきたことが挙げられます。かくれんぼをする側としては隠れる場所探しに苦戦するようにはなったと思いますが、危険から身を守るという観点からするなら、大人の目が行き届きやすいこの様式は実に素晴らしいなと。子どもが今、家のどこにいるのかがきちんと把握できれば、事故も未然に防ぎやすいですからね。

かくれんぼ5

それでも危険が皆無かというとそうではないですよね。便利になって見通しがよくなって。それでも事故が起こることはある。
今回、この記事を書くにあたり、実際に家の中で隠れられそうな場所を自分で探して、隠れてみたわけですが、そうすることで安全でしかないと思っていた家の中にも怪我をする可能性が隠れていることがわかりました。潜在的に存在する危険を察知する方法として、普段とは違う使い方で家を使ってみることで、あぶりだすこともできるのだ、と初めて知りました。
自分を、家族を守ってくれている家に、怪我をするようなポイントはないか。
かくれんぼという方法で調べてみるのも面白いのではないでしょうか?






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