下駄箱の世界を調べてみた!

こんにちは!
夫とおじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです。

先日、夫とこんな会話をいたしました。


「下駄箱のさあ、消臭剤、買いに行かないとねえ」

「…………」

「良いやつCMでもいろいろ出てるじゃん。試してみたいんだよねえ」

「…………」

「(なんでなんも言わんねん)ねえ、ちょっと聞いてる? 下駄箱の……」

「うちに下駄はない」

「む?」

「下駄はないのに下駄箱というのはおかしいだろう!」

・・・・はあん?
話は聞いていたようです。聞いていたようですけども……。

そこかい!!!


「下駄もあるよ。お祭りのとき履くじゃん」

「それにしたっておかしいと思わないか。我が家には俺の分と君の分、2足の下駄しかない。あとはすべてスニーカー、革靴、サンダル、パンプス、ブーツたちだ。なぜ、多様な靴たちが寄り集まっている中で、下駄だけが優遇されているんだ?」

・・・知らんがな!

いや、もう、なにを言い出したんでしょうか。この人は……。
猛烈に面倒臭くなったのですが、冷静になって考えてみると確かに……となりました。
昔から下駄箱に入れるのは下駄ばかりだったのか。
そもそもですが、下駄箱とはいつから日本に存在しているのか。
はたまた……下駄箱は臭くなるけれど、あれはもう宿命なのか。
いろいろ気になってきました。
ということで、本日は現在も家庭に存在し続けている下駄箱について調べてみたいと思います。

下駄箱



1. 下駄箱の歴史

歴史を紐解くうえで気になったのは、そもそも日本人はいつから靴を履くようになったのかという点です。
調べてみると、農耕が始まった時代から履物を履く習慣はあったそう。が、それも今のように足の裏を守るためやファッションのため、というよりも、作業を効率的に進めるため、作業によって足が汚れないようにするため、寒い場所を歩くため、などの作業ありきでの始まりだったようです。
また、貴族、上流階級には作業関係なく、履物を履く習慣は根付いていきましたが、庶民にとって履物が現代のように100%の着用率になるのはもっともっと先、明治時代に入ってからでした。
しかも自然に履物が根付いていったというわけではなく、とあるお触れが出されたことから、庶民の履物着用率が100%になったのだとか。
それが1901年に警視庁によって出された「裸足禁止令」です。
このお触れが出された理由は、ペストの大流行。ペストとは死に至る恐ろしい感染症です。日本にはもともとなかった菌が海外から入ってしまい、ネズミによって爆発的に拡大してしまいました。そのため、衛生面を鑑み、裸足で外を歩くことが禁止されたとされています。
明治といえば、文明開化が進み、日本も諸外国に追いつこうとやっきになり始めていたころです。対諸外国への体裁もあったのではといわれてもいるようですが、いずれにしてもこの裸足禁止令があったからこそ、ファッションとして靴を楽しめる、現在の私たちの靴文化もあるといえそうですね。
さてさて、履物を履いたはいいとして。じゃあ、下駄箱のルーツはどこなのか?
下駄は、弥生時代、田んぼにおいて足が沈みこまないようにするための田下駄と言われるものがはじまりといわれています。その後、作業用ではない下駄が流通し始めますが、履物が大衆に根付いたのとやはり同じで、当初は上流階級の使用に限られており、江戸時代、町民文化の活発化と共にようやく、民衆にも広がりを見せるようになりました。

下駄箱2

けれど、下駄箱として下駄を入れるなにかがあったかというとどうもはっきりしません……。
上流階級は長く履物と縁があったんだし、下駄箱あったんじゃ……と思うのですが、それも不明。まあ、現在のようにたくさんの種類の靴から今日どれ履こうかな、と選ぶことは少なそうだから入れて保管しておく必要もなかったのかもしれませんね。
そこで行き当たった言葉が「草履取り」と言う言葉。これは武家などで主人の履物を持って外出時には揃えて出す役目を担っていた人のことだそう。有名なエピソードとしては織田信長の草履取りをしていた豊臣秀吉が、信長の草履を懐に入れて温めていたというお話ですね。そう考えると、そもそも上流階級では履物の出し入れを自分ですることもないのだろうから、下駄箱がなかったとしても不自然ではないように思います。また「下足番」という言葉もありました。これは、芝居小屋や寄席など、大勢が集まる場所において、入り口で靴を預かる係のことだそうです。今でいうホテルのクロークのようなものですね。
じゃあいつから「下駄箱」は名実共に登場したのかというと、どうやら、明治時代のようです。裸足禁止令によって皆が履物を履くようになって以降、安価な下駄もたくさん出てきて、大勢が集まる場所に下駄を入れる場所が必要になったことから生まれたようです。
銭湯や病院などですね。
と同時に、各家庭でも下駄箱が備え付けられた家ができてきました。
冒頭で「下駄を履かないのに下駄箱は変じゃない?」という話がありましたが、下駄箱が生まれてきた状況を見ると、ルーツを感じさせる言葉が今も生き残っているのはなんだかうれしいようにも思いますね。
まあ、そうはいっても下駄箱という言葉に違和感を持つ方も現代はやっぱり多くて、「靴箱」「シューズボックス」「シューズラック」などへ言葉もシフトしていっているようです。下駄箱と言ったことで「下駄箱ってなんですか?」と聞き返され、ジェネレーションギャップに戦いたという話も結構聞きます。
設備の進化と共に、言葉も変わっていくんですね……。



2. 現代の下駄箱にまつわる悩み

さてさて、そんな下駄箱、靴箱、シューズボックス。
住まいにも取り入れられるようになったこれらですが、使ってみると悩みは結構いろいろありますよね。
ここまでさまざまな集合住宅を渡り歩いてきた私が感じた、下駄箱にまつわる悩みを振り返ってみました。

・備え付けてある下駄箱と家族の人数が釣り合っていない
・どうにも臭いが取れない

この2点に関しては本当に悩ましいと感じます。
「備え付けてある下駄箱と家族の人数が釣り合っていない」は、正直、毎回悩まされています。どの集合住宅でも付きまとってくる悩みといえるかも。
勝手ながら思うのは、下駄箱というのはあまりにも「ついで感」がするのですよね。
下駄箱があるならまだいいけれど、一人暮らしのワンルームの場合、設けられてすらない場合も珍しくないからです。
部屋の面積によっては設備を削らねばならない状況と言うのは確かにあるのでしょうが、そんなとき、「下駄箱なら後付けもできるからまあそもそも作らなくても……」が図面から見えるような物件も悲しいかな、多いのですよね。
だから、これは個人的な意見ではあるのですが、図面を見たとき、下駄箱の記載がある物件をみると、「この物件は住む人のことを考えて作られているな」などと勝手に好印象を持ってしまいます。
削ってもいい、と思われてしまう下駄箱。しかし、ないと、暮らしていて絶対に困る下駄箱。
実際、下駄箱のない物件に住んだことがありますが、三和土が靴まみれになり、まさに足の踏み場もないとはこのこと!と言いたくなるほど、ごたついてしまって、正直、玄関を見るたび、陰鬱な気持ちになりました。
風水的にも三和土に靴が出たままというのは、運気が下がる原因になるそうです。そう考えると、玄関の靴を適切に収納できる下駄箱というのは、絶対必要だなと感じます。
しかも、持っている靴に適した広さの下駄箱が。
実際のところ、どれくらい靴って所有しているものなのか。
我が家の場合ですが、自分の靴を数えてみると、まあまあありました……。
パンプス 3足
スニーカー 5足
サンダル 2足
下駄 1足
ブーツ 3足。合計13足

夫のも数えてみました。
革靴 3足
スニーカー 5足
サンダル 1足
下駄 1足
ショーツブーツ 1足 合計11足

それほど靴持ちだと思っていなかったけれど、思ったよりあるなあ、と感じます。
調べてみると、女性の保有平均数は15足から20足くらいだそうですね。男性でも10から15足くらいはあるとか。個人差がかなりあるものではありますが、下駄箱がない状態でこれらの靴をどうにかしようと思ったら、どうしたって三和土が溢れます。その点からしても下駄箱の広さは妥協せず、部屋探し、家探しはするべきといえそうですね。
現在の我が家の場合ですが、高さのない靴を入れる用として横幅70cmで5段、その横に、高さのある靴や靴ベラなどを入れる用と思われるスペースが幅20cm高さ92cmで設けられています。高さのない靴に関しては私の靴は思ったより幅がないので1段に4足入るのですが、夫のものはそうはいかず、1段に3足が限度。箱があるものもあったので、箱の上に無理やり1足入れるなどして、収納場所を増やしてみたものの、それでも6足があぶれ、玄関の片隅に簡易的なシューズラック(プラスチックの組み立て式で5足おけるもの)を置いていますが……1足はどうしても入らなくて三和土にいます……。しかも高さのある靴を入れるところも横幅20cmだとですね、靴がひしゃげてしまうのです。幅が足りなくて。このことを考えると幅はもう2、3cmあってほしかったなあと思います。
結果的に……靴の数と下駄箱の広さがあっていない状況ですね……。次に引っ越すときは、内見先の下駄箱に何足靴が入るのか、具体的な数字をちゃんと算出しながら、内見したいと思いました。少なくともあと2段あったら全部入ったので……。(↓の写真くらいあったらよかったなあ……)

下駄箱3

・どうにも臭いが取れない

下駄箱の天敵といば……やはり臭い!
い、言い訳をするなら別に足が臭いわけではないと思うんです! 多分、きっと! でもなんの対策もせず、靴を下駄箱に収納し続けていると、気が付くと臭ってきます。
あれはなんでなんだろう……。そもそも、下駄箱が臭ってしまう原因ってなんなんだろう。
調べてみました。

・靴、靴下に付着する雑菌(細菌)、カビ

やはり、これでしょうね……。
ようするにうちの靴箱が臭いのも足が臭いから……いや違う! 昔、靴が臭い人は頑張っている人、という話を聞きました。頑張っているから臭くなるんです! はい!
・・・とそれはいいとして……。
下駄箱もからっぽのままなら臭いません。臭うのはやはり中に靴があるから。つまり大元は靴ということになります。靴が臭ってしまう原因は、雑菌が繁殖しやすいから。そして臭いのもうひとつの元であるカビは湿気が大好きで、靴には湿気が含まれてしまいやすいから……。
ちなみに普段の生活習慣によっても臭いが発生しやすくなってしまうらしいです。
その行動習慣とは……

・帰宅後、靴をすぐ下駄箱に仕舞う
・同じ靴をいつも履く
・サイズの合わない靴を履く
・下駄箱の扉をいつでも閉めっぱなし

帰宅後、靴を下駄箱に仕舞うのは、風水的には大事のようですよね。靴をいつまでも三和土に出しっぱなしは駄目といいますから……。しかし、帰宅直後にいきなり仕舞うと、靴がまだ温かくて、雑菌やカビが繁殖しやすい環境が整ってしまいます。そうしないためにまずはちゃんと靴を乾かして、汚れもある程度取ってから仕舞うことが大事なよう。雑菌やカビの栄養素を靴からしっかり奪い去り、成長させない作戦ですね。
同じ靴をいつも履くのもよくないそうです。まあ……これもわかります。履けば掃くほど皮脂や汚れなどは沁みつきやすくなるし、そうなれば雑菌もカビも増えちゃいそうですものね。
サイズが合わない靴というのが良くない理由は、汗をかきやすくなるから。小さい靴は締め付けられて汗が出るし、大きい靴は踏ん張ろうと足に力を入れることで汗が出やすくなるそう。確かに! 私、実は足が小さいのです。だからなかなかジャストサイズの靴に出会えず、ちょっと大きなサイズの靴を買うことあるんですよね。大きな靴は脱げないように気を張って履かねばならず、帰宅した後、足がかなりじっとりしているのです……。
臭くなる原因、自ら作ってるなあ、とがっくりしました……。
また、下駄箱の扉を閉めっぱなしにするのもよくないよう。雑菌もカビも密閉した快適空間を満喫するものですし、空気がこもった場所では臭いも充満してしまいますものね。

下駄箱4

では、どうしたら快適な下駄箱を維持できるのか。
原因から見えてきたのは以下です。

・靴は必ず中まで乾かしてから収納
・靴箱の中は定期的にアルコールなどで拭いてから乾かす
・靴はヘビーローテーションを避け、自分の足に合ったものを必ず選ぶ
・下駄箱は換気時間を必ず取る(一週間に一度はやったほうがいいらしい)

どれも簡単なことだけれど、怠っていたなあと感じることばかりでした。
ちなみに!調べていて面白い技を見つけました。
臭いが激しい靴には十円玉を入れると臭いが取れるらしいです!
十円玉に使われている銅には抗菌、殺菌作用があると言われていて、その銅の作用によって臭い菌が分解されるというのです。大体一晩で臭いが取れるそうな!
使った後の十円玉の再利用はちょっと勇気がいりそうだけれど、洗えばまた使えそうなので靴専用にすればいいかな(笑)



3. 終わりに

普段なんとなく使っている下駄箱についてじっくり向き合ってみた今回ですが、ルーツを知ることで設備は生活を助けるために生まれたものであることが再確認でき、今ある設備に対してももう少し、ちゃんと目を向けたいなあと思える良い機会になりました。
それにしても十円玉……衝撃でしたね。
まあ、臭いが出るのは生きている証拠ともいえます。嫌だ嫌だ、と思いつつも、ああ、今日も一日頑張ったのね、と思える心の余裕を持ちたいなあ、と臭う下駄箱を見ながら思ったりするヤマダでした(笑)
ということで!
最後までお読みいただきありがとうございました!今後も住まいに関する悩みについてゆるゆると語らせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします!






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