昭和型板ガラスが人気?!

みなさん、こんにちは!
趣味はモデルルーム巡りの主婦、ヤマダです!

今日のお話はガラス。
窓やドアに使われているガラスのお話です。
ガラスはどんどん進化していて、防音、防熱、遮熱、さまざまな能力を有したガラスが各メーカーにより日々開発されていますよね。
そんなガラスの中で今日、私が注目したいのは、新たに開発されているものではなく、古くからあるもの、「昭和型板ガラス」についてです。

昭和型、なんてついているからさぞやレトロなものだろうと思われると思います。
ええ、レトロです。
しかしこれがひそかに熱いらしいのです。

ということで本日は昭和型板ガラスについて、どんなものか、それが人気を集める理由、取り入れるとどんな効果があるのか、などを調べていきたいと思います!

板ガラス



1. 昭和型板ガラスとは

ではまずここから。
そもそも昭和型板ガラスってなんぞや?

これね、最初聞いたとき、「昭和型」「板ガラス」という二つの言葉が合わさってできたものかと思っていたのです。
しかし調べてみると違うようで、「昭和」「型板ガラス」のようです。
板ガラスというものは厚みが均等な板のような形のガラスの総称で、窓に一般的に使われる透明なガラスや向こうが透けてみえないようになっている磨りガラスなども総じて板ガラス、というそうです。なので、型板ガラスというものも板ガラスの一つといえます。
その型板ガラスとはどんなものか、というと、ガラスの片側に凸凹、模様などが施されたタイプのガラスになります。工法としては、片方は模様のない平らなもの、もう片方に凸凹、模様のあるもの、という一対のローラーの間を通すことで、仕上げるロールアウト製法という工法で作られたものとなっています。

その型板ガラスに昭和がついた昭和型板ガラスとは昭和の時代に使われていた型板ガラスということなのですね。
具体的にどんなものか、一番想像がしやすいのは、昭和に建てられた住居において台所と居間を仕切るためなどに設けられたガラス戸です。
昭和の時代に建てられた家屋で目にされたこと、ありませんか?ガラスに模様が入った、向こうが見えにくいガラス戸です。

私にはこの昭和型板ガラスがとても懐かしくて。
実家の台所と居間の仕切り戸がまさにこれだったのです。他にも縁側と部屋を仕切るガラス戸も昭和型板ガラスでした。
当時はそれほど思い入れもなく、むしろ、
「この模様なんやねん? なんの意味があんねん?」
なんて思うような情緒も介さない子どもだったのですが、今になって思うとなんて趣があるものだったのかと思っております。

板ガラス2



2. 昭和型板ガラスのメリット

さて、では実際のところ昭和型板ガラスにはどんなメリットがあるのか。
まとめてみました!

① ガラスの向こう側が見えにくくでき、プライバシーが守れる
② 汚れが目立ちにくい
③ 趣がある

では一つずつみていきましょう!

① ガラスの向こう側が見えにくくでき、プライバシーが守れる

昭和型板ガラスだけではなく、いわゆる型板ガラスというもの全般、表面が凸凹したガラスになっています。この凸凹が光を乱反射させ、ガラスの向こう側の像を視認しにくくしてくれます。
ガラスに求められる効果として、光を取り入れる、というものがありますが、光を取り入れられたとしても透明過ぎて中を見られるのはちょっと・・・という場面もありますよね。
そんなとき型板ガラスを使うと、光を遮らずに視線だけ上手にシャットアウトできます!
ちなみに、同じように視線を遮るガラスとして「磨りガラス」があります。磨りガラスと型板ガラスを同じように思われることも多いみたい・・・って他人事みたいに言ってますけど、調べるまで私も磨りガラス=型板ガラスだと思っていました(;^_^A
けれどこの二つは違うもので、磨りガラスの方が型板ガラスより滑らかな表面をしており、ガラスの向こうもより見えなくなっています。透明度が高いガラスが凸凹しているために見えにくくなる型板ガラスと違って、元々のガラス自体の曇り具合が強め、という感じですね。
なので、完全に視線をシャットアウトというよりは、見えすぎるのをちょっと遮る、みたいな場合に型板ガラスは適しているようです。

板ガラス3

② 汚れが目立ちにくい

これは実はすごくわかります!!!
実際、透明なガラスと比べてみるとよくわかるのですが、透明なガラスって汚れていると一目瞭然なんですよね。特に指紋!いやもう……しばらく放置した窓ガラスを見ると、まるで稲川淳二さんの怪談か!怨霊ひしめくジャパニーズホラーか!と思いたくなるくらい、指の跡、手の跡がついているんですよ。ぞっとします……。掃除ができない自分にも。
けれどその点、昭和型板ガラス、型板ガラスについてはそれをあまり感じずに済むんですよね。
今、私が住んでいる家にも昭和、ではない型板ガラスが室内の仕切り戸に使われているんですが、窓ガラスと比べ、「やば!拭かなきゃ!」って慌てる頻度が……というか、拭かなきゃ!と感じたことがない(笑)
それくらいほとんど汚れが見えないのです。いつもきれいに見える。もちろん窓ガラスと仕切り戸ですと汚れる度合いは違うでしょうが、それにしたって汚れがここまで気にならないというのは実に素晴らしいと思います。
ただ、拭いてみるとびっくりするくらい汚れているので、汚れが見えにくいだけで汚れはするんですけどね(;^_^A

③ 趣がある

数年前から、昭和レトロな写真を撮影することが密かに熱いこと、ご存知ですか?
昭和レトロな雰囲気の町並み、建物、ホテル、ダイヤル式電話、パンが飛び出すオーブントースター・・・そんなもろもろの昭和を感じるものがエモいと注目されているようなのです。
確かに令和の今、昭和を感じるものを目にする機会も減ってきて、これまで昭和を感じるものを目にしたことがない若者にとっては新鮮に映るのかもしれません。
というようなこともあり、昭和レトロな昭和型板ガラスもひっそり人気のようです。
ではどこがエモいのか、と考えてみると、最大の特徴である模様にあるのではないかと思われます。
どんな模様があるか、というと・・・。

夜空

紅葉
いろり

歌留多
イチョウ
などなど。

和を感じる柄が多いように思いますね。中にはサーキットなんて名前の柄(平行に引かれた線が曲線を描きながらガラス面の上を走るような柄)もあったりしますが、ガラスの上に表現されると不思議としっとりと日本家屋にもなじんでくれます。
凸凹によってふわっと向こうが見えにくい型板ガラスが模様と融合して柔らかい空気に繋がっているのでしょうね。
私の実家にもこの昭和型板ガラスがあって、模様は確かいろり、井の字みたいな柄でしたが、そのガラス戸の横に電話があって、友人とよく長話をしておりました。そんなとき、なぜかそのガラス戸の井の字をなぞりながら話したりしていたものです。型板ガラスに施された模様は、とても立体的でなんかついなぞりたくなるんですよね。
というように昭和型板ガラスには平面的な楽しさだけではなく、触って楽しむ、立体を味わえるという魅力があります。また、ガラスですので光が差し込むことで描かれた模様の顔が違って見えるところも魅力の一つです。
昼間はきらきらとその模様自体が光を反射して輝き、夜は光がなくなったことで静かながらくっきりと陰影が刻まれて造形美を楽しめる、というように。
いろいろな角度から楽しむことができる、という意味で昭和型板ガラスは趣があるといえますね。

板ガラス4



3. 昭和型板ガラスは現代住宅にもマッチする?

昭和型板ガラス、と昭和が全面に出ていると、現代の洋風建築に果たして昭和型板ガラスがマッチするのか。気になりますよね。
しかし心配ご無用。調べてみると、住宅や、店舗、オフィスなど各所で取り入れられている実績があるようです。
実際、どのような形で取り入れられているのか調べてみました。

・パーテーション、間仕切りとして使う

昭和型板ガラスの魅力は、視界を適度に遮りつつ、明るさを損なわない点です。部屋の中を間仕切りする場合、光をうっかり遮ってしまい、室内が暗くなってしまいがちですよね。しかし、昭和型板ガラスを取り入れることで、光を妨げることなく、部屋を上手に区切ることができ、なおかつ間仕切りを挟んだ向こうとこちら、双方の詳細を視認できなくなるようになります。人がいるくらいはわかるけれどなにをしているかまではわからない。プライバシーが守られるということですね。
またガラスに模様があることで部屋にうるさすぎないアクセントを与えてくれます。透明なガラスゆえ、色彩が他の家具ともけんかしなくて柔らかさを部屋に与えてくれるようです♪

・リビングと廊下を繋ぐ内ドアとして使う

住宅において廊下って窓を必ず設けないといけない場所でもないために暗くなりがちなんですよね。対してリビングは家の中でもっとも光を重要視する場所といってもいいでしょう。そのため、リビングと廊下を繋ぐ扉は、できれば光を通すものがよく、なおかつ中を簡単に覗かれないようなタイプのものが好ましいとされています。
その点!昭和型板ガラスならばっちり!光は磨りガラスより通しますし、中もそこまでくっきりは覗けません。
ちなみに玄関全面は微妙ですが、玄関の一部に昭和型板ガラスを入れるというのもありかな、と私などは思っています。
内ドアに使うのと同じく、人の視線を妨げられますし、昭和を思わせるレトロな柄が訪れるお客様の心を和ませてくれるように思うので。

・明かりが乏しくなりやすいが人の目線を遮りたい窓ガラスに使う

窓ガラスは外が見たい人にとって大切な建材。しかし必ずしも透明がベストというわけではありません。
特に隣家との距離が近く、隣家からの目線が気になるような家、あるいはお風呂の窓などは透明すぎて向こうからもこちらも見えすぎるタイプのガラスは不向きといえます。
そんな見えすぎては困る場所の窓に昭和型板ガラスを使ってみてはいかがでしょうか。実際、我が家のお風呂も集合住宅の共用廊下にお風呂が面しているため、昭和型ではありませんが型板ガラスが窓にはまっております。おかげで安心してお風呂に入れます。欲を言えば昭和型板ガラスだったらもっといいなあ、なんて今回調べていてすごく思います。見ているだけで和みますし、お風呂タイムも楽しくなりそうですから。

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・食器棚のガラス、ランプ、お皿など部屋を飾るアイテムとして使う

調べてみたところ、昭和型板ガラスを使った小物が多数流通していることがわかりました。
食器棚においてガラス戸に使われていたり、ランプのガラス部分に昭和型板ガラスを再利用して使われていたり、あるいは、お皿としてリメイクなんていう例もありました。
型板ガラスと名付けられている通り、一枚の真っ直ぐなガラスに模様が入っているもの、という認識が強いけれど、作り直してこうしたガラスアイテムとして生まれ変わっているということに驚きです!
部屋のガラス戸を変えるとか、パーテーションを取り付ける、となると大がかりでちょっと取り入れるのが難しいかな、と思われることもあると思います。
しかし、こうしたアイテムであれば、取り入れようと思った際の敷居も低くなりますし、もし「これちょっと部屋の雰囲気と合わなくない?」と思った場合の修正も簡単です。また、大きなものと違って小物であれば、部屋の一角を情緒あるカラーに染めることも可能となります。お皿というアイテムも、食事用として使うだけではなく、お部屋に飾ってみることで、インテリアに早変わりします。
さまざまな可能性を作ることができますから、昭和型板ガラスを使用したアイテムはぜひ、チェックしてもらえたらなと思います。



4. 終わりに

ここまで昭和型板ガラスについてお話してまいりましたがいかがでしたでしょうか。
イギリスなど、西洋では建物を新たに建築というよりは古い建物を大切に使い続ける習慣があると聞きます。日本は地震の多い国であることもあり、西洋のようにはなかなかいかず、空き家が増え、廃屋も多くなってきています。
しかし、古いものが必ずしも廃れていくばかりかというとそうでもなく、今回ご紹介した昭和型板ガラスのように、時代を感じさせるからこそ良い、エモい、趣がある、などなど、良さを見直す動きも増えています。
また、経済的な面などから新築マンションより中古マンションに注目が最近は集まってきていることから考えても、中古のマンションでこうした昭和型板ガラスを用いた建具が使われている住宅が逆にエモいとして注目される可能性もあると思います。

古いかもしれない。でも古いからこそ、今、新しく感じられる。

そんなものがこれからもっと増えていったらよいな、などと今回、昭和型板ガラスについて調べながら感じました!

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