今年もこの季節がやってきた〜今だからこそ考えたい、マンションの共用廊下の話〜

みなさん、こんにちは!
夏真っ盛り!と思っていても時折吹く風に秋を感じ、おお、今年の夏は思ったよりも短いのかも?なんて風に季節を感じしみじみしちゃう主婦、ヤマダです。

さて、季節といえば。
我が家ではこの時期ならではの光景、と申しますか、アクシデントが起こります。
いや、我が家だけではないのかもしれない。結構あちこちで同様の光景、あるのではないか。

それは・・・・。
セミファイナル問題!

セミファイナルとはなにか。
準決勝のこと?はい!もちろんそれが一般的な意味合いでしょう。
しかし、SNSなどでは別の意味でよくこの言葉が使われています。
セミファイナル。すなわち、セミが亡くなっているのかな、と思って触ろうとしたとたん、「ミっ!」と鳴きながら突然飛び立ち、人間をぎょっとさせる、しかしセミにとっては最後の力を振り絞って飛び立つちょっと切ない、夏の終わりの光景です。別名、セミ爆弾ともいうらしい・・・。

我が家はこのセミファイナルによく遭遇します。
なんたることか、玄関先で! あるいはベランダで・・・。

先日もそうでした。
「いってきます」と玄関を開け、暑さによろめきながら出かけようとしていた夫が突然、「うおわっぷ!」と叫ぶ声が聞こえました。
驚いて玄関の外、マンションの共用廊下に出た私が見たのは、壁に背中を貼りつかせて肩で息をしている夫。

「なにがあったの?」

まさか悪漢でもいたのでは!とぎょっとしながら周りを見回しますが誰もいません。
夫はぜいぜい息を吐くとようやく衝撃が薄れてきたようで私に言いました。

「セミ、セミがさあ、玄関前にいてさ。死んでるのかな〜、気の毒にな〜と思ってティッシュで取ろうとしたら急にミっ!って飛んだんだよ! ああ、びっくりした、ほんとびっくりした。心臓止まるかと思った」

・・・そんな大げさな。

と思ったものの、主人のその驚きもまあ、わからないこともないな、と思っておりました。

理由はまったくわからないのですが我が家の玄関先ではよくセミさんが倒れています。
ベランダでも、倒れています。
そして大体もうすでにお亡くなりになっています。セミファイナルに合わせて言うのなら、セミフィニッシュとでも申しましょうか……。いずれにしてももう動くこともなくなってしまっているのですが、四回に一回くらいの割合でセミファイナルに遭遇するのです。

・・・自分で書いて驚いたんですが、四回に一回って多くない?!

いや、ファイナルなのかフィニッシュなのかとかそんなことではなくて、玄関口にセミさんがいること多すぎない?!

これうちだけだったらどうしようと本気でぞわぞわしていたのですが、どうやら調べてみるとそうでもないみたいですね。
セミさんに悩まされている集合住宅住まいの方多いみたいです。
中には高層マンションなのに飛んでくる!なんて話まで聞こえてきて、いやいや、セミ体力あり過ぎだろ!とちょっと怖がることを忘れてあっぱれと思ってしまいました。

・・・・ってそういうことじゃない!
まあ、ベランダはしょうがないと思うのです。やっぱりね、ベランダないと困るし。セミに悩まされるのは一年の中でも少しの間で、その間だけのためにベランダのない家に住むなんて考えられないし。
でも、玄関先はなんとかならないのか?

そこで気がつきました。

共用廊下がむき出しになっているところに住んでいるからこういうことになるのでは? 共用廊下が建物の中に完全に収納されているタイプなら少なくともこの問題解決なんじゃ?と。

しかし一方でこうも思います。
そもそもなのだけれど、共用廊下がむき出しタイプか内包タイプかによって、どれほどの差があるのだろう。メリットデメリットそれぞれ知りたいかも。
などなど。

セミさんのおかげで不動産への興味がむくむくとわいてきました(笑)

ということで、本日は集合住宅における共用廊下について、むき出しタイプ、内包タイプ、それぞれのメリットデメリットを考えていきたいと思います!

季節



1. 外廊下 いわゆるむき出しタイプのメリット、デメリット

では外廊下、あるいは解放廊下とも呼ばれる外部型のむき出しタイプの共用廊下のメリットデメリットについてお話していきましょう。

① 通気性が良い
② 災害時、脱出しやすい
③ 管理コストが安価に澄む
では一つずつみてみましょう!

① 通気性が良い

通気性。空気がこもりにくく、流れを作りやすいということですね。
ここ数年はコロナ禍もあり、閉め切った場所に対するリスクも叫ばれてきました。そうした観点から考えてほぼ外ともいってよい、外廊下は通気性に関しては抜群といっていいでしょう。
また通気性がよいということは湿気もたまりにくく、カビなどの発生も少なく済みます。空気の流れがない場所は肌にまとわりつくような湿り気のある空気や、かび臭さを生みます。
そうした不快感が外廊下においては無縁ですからこれは大きなメリットといえそうですね!

② 災害時、脱出しやすい

建物における災害はいくつかあるものの、やはり怖いのは火災ではないでしょうか。先ほどの通気性にも通じるところはありますが、火災が起こると煙が発生します。内部型の共用廊下、内廊下と呼ばれる共用廊下の場合、煙が廊下に充満してしまうリスクがあります。しかし外廊下であればそうした心配は少なくなります。
また脱出をしなければならない、となったとき、建物の形状にもよりますが、外廊下の方が脱出口は確保しやすくなります。
確かに時折考えます。万一火災なり地震なりが起きたとき、どう脱出するかということを。我が家は外廊下タイプかつ低層階ですから外廊下からの脱出もなんとかできそうな気がします。
住居を探す際、災害時どう逃げられるのか、その辺りも気にしながら内見しないといけないかも!と共用廊下について考えながらひしひしと感じました。

③ 管理コストが安価に済む

調べたところ外廊下はそもそもにおいて建設時から少し安く済む傾向にあるようです。理由はなぜか。ずばり、壁がないだけあって建材コストが押さえられるからです。なるほど!という感じですね。また、外廊下と内廊下の大きな違いとして換気システムや空調システムの有無があります。外廊下には当然空調システムも換気システムもありません。つまりそれらのシステムの管理費用も不要となります。
マンションの部屋を買ってそこに居住する際かかってくる、維持管理費や修繕積立費などが安く抑えられる、ということになりますね。
最近、中古マンションが人気という話を聞きますが、築年数の経った中古マンションほど外廊下タイプも多いといいます。お部屋探しの際は廊下タイプにも着目しておいた方がよいな、と感じました。

季節2

では半面、デメリットはどんなものがあるのか!これも考えてみましょう

① 温度差、天候の影響を受けやすい
② 防犯上問題がある物件も
このあたりでしょうか。
一つずつみてみましょう!

① 温度差、天候の影響を受けやすい

これは・・・冒頭のセミファイナルに通じる部分なのではないか、と私は思っています。外廊下はほぼ外。暑い日は暑く、寒い日は寒い。雨の日は雨が降りこみ、雪の日は廊下が滑り夫も転ぶ。
そして、夏の終わりにはセミが飛んできて悲しく果ててしまう・・・。
いやもう、あまりにもセミとの遭遇率が高いので我が家が呪われているのかと思って今回ご近所にリサーチしてしまいましたよ。玄関前にてセミファイナルに遭遇したのは今年何回くらいあるか。かるーく聞いて回ったところ、どの家も2回はあるみたいです。しかしこれだとうちのマンションが特別セミに好かれているからという可能性がある。と思って友人にも聞いて回ったところ、遭遇したことがないという子はいませんでした。ほっとしていいものやらどうなのやら。
と話が逸れてしまいましたが、外廊下はほぼ外であるためにどうしても自然からの影響が色濃く出てしまいます。言い換えれば季節を感じられて風流ともいえますが、風流もものによっては辛いもの。外の環境に居心地が左右されるという面は外廊下のデメリットといえそうですね。

② 防犯上問題がある物件も

近頃の集合住宅はオートロックがあるのが普通になってきました。ただ以前オートロックの記事をご紹介したときにもお話しましたが、外廊下タイプって1階はロックがかかっていて簡単に入れないようになっていても2階より上の外廊下はむき出しの物件も多いんですよね。このタイプだと外廊下からの侵入が可能になってしまいます。しかも一度入りこんだら内部は自由に階数移動できる物件も多いです。こうなってくるとオートロックも意味をなさないことになります。
防犯意識も高くなってきた現代において、オートロックは最低限ほしい設備となってきました。しかしオートロックがついている、という安心感から外廊下による危険を霞ませてしまうこともあります。
ほぼ外といっていい外廊下タイプの場合、侵入しようとすればできるリスクがあるということは知っておかねばな、と思いました。

季節3



2. 内廊下 建物内包タイプの共用廊下、メリット、デメリット

では、内廊下、いわゆる建物の中に共用廊下が組み込まれているタイプの廊下のメリット、デメリットを考えてみましょう!

① 温度差、天候の影響を受けにくい
② 防犯に優れている
③ 格式高く見える

ではこちらも一つずつみてみましょう!

① 温度差、天候の影響を受けにくい

外廊下がほぼ外なら内廊下は中。壁に囲まれていますから、雨が降っても雪が降っても問題ありません。また、共用廊下にも冷暖房などエアコンがついているタイプのマンションも多いです。当然! セミファイナルを玄関先で食らうこともないわけです!
これはめちゃくちゃ大きなメリットだと感じます!
ってセミファイナルのことばっかりで本当に申し訳ないのですが、正直、冷暖房が完備とか雨が降りこまないより、セミが飛び込んでこない!の方が私には重要です(笑)

② 防犯に優れている

外廊下のデメリットでもお話しましたが、むき出しになっているとどうしてもつけこまれやすくなりますよね。その点、建物の中に廊下が内包されているタイプであれば早々簡単に侵入できなくなります。オートロックが本来の意味で効力を発揮できますし、セキュリティ面を重視したい!と考えた場合は、内廊下タイプのマンションを選ぶ方が良いな!と強く感じました。

③ 格式高く見える

外廊下タイプと違って内廊下タイプは風雨の影響を受けません。ゆえに廊下の汚れの程度が外廊下タイプと比べると格段に低くなります。汚れていたり濡れているとどうしてもうらぶれてみえるもの。それがないだけでも格式高く見えるものですが、実際のところ、共用廊下にもエアコンが効いていたり、共用廊下上の照明や観葉植物に気を配った物件もあり、高級感をここから感じることも多いです。この高級感という感覚は大事で、おうちを売りに出すとき、内廊下タイプの方が価格が高くなる傾向があるそうですから、おうち選びの際は将来のことも考えて購入が必要だな、と改めて感じました。

季節4

それでは、内廊下タイプのデメリットとはなんでしょうか?

① 防災面で不安がある
② 管理コストが高くかかる可能性も
では、確認していきましょう。

① 防災面で不安がある

先程外廊下タイプのメリットとなった防災面が、内廊下だとやはりデメリットに働く物件もあるようですね。ただ実際のところ、マンションごとに差はありますが、消火設備は設置されておりますし、定期的な点検を行うことも消防法にて定められています。ですからよほど問題はないと思いますが、やはりそれでも万が一、ということは考えておくべきこと。お部屋をお探しの際は、検討中の物件においてどのような消火、防火設備があるのか、きちんと確認しておくことをおすすめいたします。

② 管理コストが高くかかる可能性も

外廊下におけるメリットの真逆のことがここでは言えます。壁がある分、建材コストは当然かかりますし、空調設備等あればその分の管理コストも当然かかってきます。逆にいえばそうした細かな管理によって格式や快適さが保たれていると思うと必要なことかもしれません……。



3. 夏の終わりに

今年も実に多くのセミファイナルを目撃しました。ってこの記事で一体何回セミファイナルと言ったでしょう。言い過ぎだ。確実に言い過ぎだ。
しかしそれくらい悩んでいたのです!
けれど、今回、この記事を書いて思ったことがあります。
セミファイナルは確かに驚くし、気持ち悪いし、なんだか切ないし、やっぱり好きになれないけれど、もしかしたら飛んで来たくなるくらい私の家は居心地がいいのかもしれない、なんて思ったりしています。
なぜなら、虫の習性には明るいところに引き寄せられる、というものがあるからです。
外廊下だから外気にさらされ、雨も降りこんで、とデメリットも多く感じるけれど、外廊下に灯された蛍光灯の明るさは、虫でなくても帰ってきたときに安心感を与えてくれます。
そう思うと、セミが玄関にいるのも仕方なかったのかなあ、なんて。
まあ、怖いは怖いんですけど(笑)

ということで!本日は集合住宅の共用廊下について考えていきました。
今後も住宅の疑問や感じたことなどをお話していけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

季節5






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