風景が人に及ぼす影響って

みなさん、こんにちは!
暇さえあれば空をぼーっと見てしまうちょっとメルヘン主婦、ヤマダです。

え、なんで空を見るって?
いや、なんでだろ。でもありませんか? なんとなく空を見てしまうとき。
晴れた空。雨の空。曇り空。雪舞い落ちる空。
いろんな顔があって全然飽きないっていうか。

おい、ヤマダなにをメルヘンなことを延々と・・・と思われてしまいそう。
すみません、つい、こういうことを語らせるとそれこそ止められるまで際限なく語っていまうんですよ。昔から。なぜなのでしょうね。そんなに空が好きならもう屋根の下で生活するのやめたらいいのに、なんて自分でときどき思いますがそれはさすがに無理。
特に今みたいに暑くて命の危険すら伴うような温度が日々続く屋外で暮らすことはできません。

いやいや、またおかしなことをいろいろと呟いてしまった。
けれど実際のところ、外から受ける刺激ってとても大きいですよね。
だから住宅を買うにしろ、借りるにしろ、窓から見える光景ってとても大切だと思います。

でも……思うのです。
景色が良い一軒家、夜景が良く見える高層マンションの上層階にどうしてこれほど価値があると思われているのか。
景色が良いことは人にどんな影響をもたらすのか。

そもそも良い景色ってどんなもの?

なんてまたしても疑問がぐるぐるしてきました(笑)
ということで、今日は家の中ではなく、家の外に広がる世界に着目し、風景が人に与える影響などを考えてみたいと思います。

風景



1. 良い景色を見ることで得られるものとは

そもそもですが良い景色とざっくり言っておりますが、良い景色とはどんなものでしょうか?
はい!では困ったときの辞書調査!

景色についてまず調べてみます!

” 〘名〙 (「気色(けしき)」から)
① 山水、風物などの趣、有様。また、物事の有様。光景。(以下略)“
引用:コトバンク 精選版 日本国語大辞典「景色」の解説
https://kotobank.jp/word/%E6%99%AF%E8%89%B2-488813

うーん。風物の趣。この辺りが今回私の求めている意味に近いと感じます。「風物」。季節ごとの眺め、のような意味ですね。

この辺りをキーに良い風景によってもたらされる利点を考えてみました。

・季節の移ろいが感じられる
・目に優しい
・俗世を忘れられる

では、一つずつみてみましょう。

・季節の移ろいが感じられる

調べていて思ったのですが、景色とは移り変わるもの。窓から眺める景色は静止画ではない、というところ。ここが大きいように私には感じられます。
何言ってんの?と思われそう……。でもね、大事だと思うのです。だってもしもただ綺麗なものを見たいのであれば、景色じゃなくて綺麗な風景画をかけておいたっていいわけで。けれど私たちは風景画を飽きずに永遠に見続けることはなかなかしない。確かに美しい絵画は心を潤しますし、感動を呼び起こします。けれど絵画と風景の間には大きな差があるんですよね。

そう。動いているか否か。

絵画の美しさは永久の美しさ。風景の美しさは、一瞬の美しさ。

なぜなら、時間もそうですが、その一瞬はそのときにしか存在せず、そのときの風景はその一瞬にしか存在しないから。
なんてすごくドリーミーなことを言ってしまったのですが、実際そうだと思うのです。
何の気なしに窓の外を今、私は見ています。
我が家は田舎にあるので窓の外には畑が広がっています。畑の持ち主の方でしょうか。なにやらせっせと土を掘っておられます。そこでふと思うのです。明日の今は、あるいは半日後は? 一時間後は? あの方は畑を出ていかれるかもしれない。つまり今この瞬間の風景、あの方が畑で作業をされている風景は今しかないわけです。
季節もまたしかり。今、木々は青々とした葉を茂らせています。しかし、季節が進むと木々を覆っていた緑は色を変えていきます。赤や黄色に。そして冬となると落ちて土へと帰っていく。
その移ろいはその一瞬にしか見られないもの。私たちが素敵な風景だと感じられるのは、移ろいそれ自体を楽しめるものなのではないでしょうか。
と、季節の移ろいの話をしましたが、一日の中でも移ろいは存在しますよね。高層マンションからの風景はその一日の移ろいを顕著に感じられる最たるものかもしれない、などと私は思います。
昼はどこまでも続く空の下広がる街並みを、夜は太陽の沈んだ空の下、瞬く星々のような夜景を。昼と夜でまったく異なる顔を見せてくれる。高層マンションの上階に価値が見いだされる理由はその移ろいが顕著に楽しめるからかもしれませんね。

風景2

・目に優しい

現代人はとかく目を使います。パソコンしかり、スマホしかり。
ご存知でしょうか。最近、若者の間でも老眼が進んでいる、という話を。今、スマホの普及率がどれくらいか。Yahooニュースにその記事が載っておりましたが、総世帯単位で見たスマホ普及率は88.6%だそうです。世帯単位ではありますが、これはなかなかの数字ですよね。
参考:Yahooニュース スマートフォンとタブレット型端末の普及率の推移を詳しくさぐる(2022年公開版)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20220508-00292053

ご家庭でもお子さんに何歳からスマホを持たせるか悩まれているご家庭も多いのではないでしょうか。スマホを持つ年齢自体も随分引き下がってきているようですものね・・・。となるとスマホにまったく触れない、スマホでなくとも何らかの電子機器の画面を見ずに生きるというのはなかなか難しい時代になってきたわけで。目にも負担がかかることが多くなってきています。
そんなとき、目を癒すにはどうしたら良いか。
昔から申しますね。緑を見ると目に良いと。
これはまんざら迷信というものではないらしく、調べてみると、緑という色の持つ波長が目に優しいものだからというようなのです。
色にはそれぞれ波長があります。
赤外線、紫外線というものがありますよね。人にとって目に見えるのは、この赤外線と紫外線の間にある色と呼ばれています。これを可視光線といいます。
赤から始まり、紫で終わる。じゃあ真ん中は? 何色だと思いますか?
そう!緑なんです!

風景3

人は色を見るときに瞳のレンズを調節して色を判別しています。赤や紫の場合はその調節も顕著になります。
しかし緑はあまり調節せずとも自然に認識ができる。言い換えるなら、見ようと頑張らなくてもすんなり目に入ってくる、と言ってもよいかもしれません。
緑が目に優しい、というのはこうした目にかかる負担が少ないから、というのも理由のようです。
また心理的にも緑という色による効果は大きく、緑を目にすることでリラックス効果、鎮静効果があるとされています。
なんとなく緑は落ち着く色、という印象を持っていましたが、波長のことから考えても科学的に見て緑には心を穏やかにする効果があるのかもしれませんね。

全然関係ありませんが、私はガチャピンが好きで。あのガチャピンの緑色を見ると妙にゆったりした気持ちになります。眠そうなあの可愛い目も影響しているのかもしれませんが(笑)

と、話が逸れてしまいましたが、窓の外に緑がある状態であれば、疲れやすい現代人の目にも癒しを与えることができます。
目に優しい風景、それこそ現代人に必要な良い風景と言えるのではないでしょうか。

・俗世を忘れられる

仕事をする。家事をする。そういうとき、どうしても目線は手元にありますよね。自分が今行っていることに集中するため、視野も狭くなります。目に映るものは自分の周りのものだけ。テレビやパソコン、スマホなど電子機器ににまみれて。
そんな狭い世界に閉じ込められているとときどきふっと息苦しくなったりしませんか?
私は実は結構あって。こうして記事を書くことも家事をすることも好きだけれど、日々の営みをこなしているとふっと遠くに行きたくなるときがあります。
もう疲れたなあ、面倒臭いなあ、というような心にずっしり重しが乗ったようなそんな感じ。
そんなとき救いを求めるのが外の世界なんですよね。
すなわち、窓の外。
このとき、どんな風景だったら心安らぐでしょう。作業に疲れた自分の心にどんな風景が響くのか。
と、響くものを考える前に響かない風景を考えてみました。

まず思いつくのが、窓の外に壁がそそりたっている、というような、目の前を塞ぐ建造物がある風景。これはかなりきついです。現状から抜け出たいのに、目の前に見えるのが行き止まりを思わせる建物の壁では少しも気が休まりませんね。
また、現実を乖離できないものとして人工物が多い、というのもそうでしょう。いわゆる生活感を感じさせるようなものが間近に見えてしまうと気分転換にもなりません。
そう考えると、目の前にスーパーがあるとか、騒がしい店舗が見えるとかは良い風景からは遠く、そうしたものがない、人臭さのない風景が良い風景といえそうです。

ただ、一つ、夜景に関しては良い風景と思う向きもあります。
あれだって人工物。なぜに?とも感じます。が、夜景をみたとき、つい出てしまう言葉。
「星空みたい」←言わない? 言わないかしら💦
まあ、現実には星空なんてものではなく、明かりの一つひとつの下に人がいるわけではあるのですが、俯瞰してみることでそうした人臭さが薄れて感じたりもします。
そう考えると、現実に広大な草原が広がっていなくても、星空を思わせるような、あるいは光る草原みたいにも見える夜景が広がっているような場合も、現実を一時忘れられる良い風景といえそうです。

風景4




2. 景色が良くないところに住んだ話

さて、できるだけ景色が良い部屋に住む方がリラックス効果は高いということはわかってきましたが、景色の良くないところに住むことはそれほど悪影響があるものなのか。

実際に景色が悪いところに住んだときの実話を2つお話しますね。

1つ目はまだ若いころ、3階建てアパートで1階が駐車場という物件の2階に住んでいたときのお話。

このときの風景がまあ、最低で。
窓を開けるとぎりぎり日は入るのです。しかし私の住むアパートを囲むようにして三方向、つまり前方、右側、左側にそれぞれマンションが立ち並び、窓を開けたすぐ先は右側のマンションの所有する駐輪場になっている。なんていうか……「閉じ込められた!」みたいな気持ちになったりしたものです(笑)
ただ、私も昼間は仕事に出ておりましたし、日当たりはぎりぎり確保できる。とすればまあそれほど気にしなくても……と思っておりました。けれど違うんですよね。やっぱりなんというか窓を開けても見えるものが人工物ばかりだと窓を開けて掃除をしていてもなんだかすっきりしない。そもそもそこまで建物に近接していると風の通りも悪くなります。結果、換気にも影響を受けてしまいました。
家なんて寝に帰るだけ、なんていっても引っ越して一度も窓を開けないということもなかなかないもの。風景にはこだわりたい、とこのとき強く感じました。

また、こんなこともありました。
住宅街の一角に立つマンションの3階に住んだときのこと。目の前には大きな道路があったので向かいの部屋との距離もそこそこあり、そこまで風景が悪いという印象も受けなかったのですが、そこで私を悩ませたのは……信号でした。
そう!窓の前直ではないのですが、ちょうど交差点の角にマンションが位置していたため、メインの窓から信号機がばっちり見えるのです。見えるだけならまだいいのですが、電気を消してカーテンをしめても、赤や青が透けて見えるという……。
夜の明かりの印象が強いせいでしょうか。朝起きて窓を開けてもなんだか信号機が気になってしまって。
そのとき思いました。あまりにも印象的なもの、目立つものが窓の外にあるというのも気が休まらないものだな、と。実際、あの家では万年寝不足に悩まされていました・・・。



3. 終わりに

と、風景って実は意外と生活するうえで大事かも、なんて話をしてきましたが、そうはいっても都会だとなかなか風景に恵まれることもありませんよね。
ただ、そんな状況でも綺麗な風景を楽しめる物件も実はあったりして。
それを可能にしている考え方として「借景」というものがあります。

借景。借りる景色。
遠くの風景をまるで自分の家の庭のように見ることなのですが、これを都会でもできる場所がときどきあります。
公園や学校など緑が多い施設が見える場所です。

以前住んでいた家がまさにそれで、公園でも学校でもないのですが、豪邸がすぐ隣に建っておりその庭が窓を開けるとちょうど見えたのです。そこ以外はなんの変哲もない町並みでしかないのに、その窓からだけ自然を感じられる、という(笑)

自分好みの百点満点の風景が見える家、部屋を探すことはとても難しいです。
しかし、どこか一つの窓からでも癒しを感じられる風景が見られると、心はとても落ち着くもの。現にその部屋で暮らしているとき、仕事をしながら隣家の庭木を眺めるとその後、面白いほど仕事がはかどりました。

人それぞれ好みの風景はあります。しかし「風景なんて別に悪くても」と思っても住んでみると案外不具合があることもありますから、住まい探しの際はぜひ、風景にもこだわっていただけたらと思います!

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