スリッパを履く意味がわからないと言われたので

みなさん、こんにちは!
毒舌夫とおじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです!

実は私には悩みがあります。
それは・・・。

夫がスリッパを履いてくれない!!

我が家は全面フローリングなので汗がついて汚れたら嫌だし、できれば履いてほしいんですけどね・・・。しかしなかなか履いてくれない。
なんとか頑張って履いてくれたとしても、トイレに行ってトイレに入って、出てくるときに履かずに帰ってきたり、お風呂に入ってこれまたスリッパだけ置いてきぼりになっていたり・・・。なんてことが日常的に起こっています。

ぽつねんと残されたスリッパのなんと哀れなことか・・・。
ただ、彼がスリッパを忘れてしまうのもわからなくはないのです。
私もときどきスリッパ君を置きざりにしてしまうことがありますから・・・。
しかし、夫からは思いもよらぬ一言が。

「そもそもなんだけどさ、わざわざ靴を脱いで部屋に上がってきたのに、なんでまた靴みたいなものを履かないといけないんだ? 意味がわからなくないか?」

・・・・。
いや、スリッパは靴じゃないよね?!
と瞬間的に思ったものの、彼の言うことも一理あるのかもしれない、などと思えてしまいました。
欧米では家の中でも土足ですよね。しかし日本は靴を脱いで生活する。
なのに、なぜまたスリッパという履物を履くのか。
考えたこともなかった。

ということで、今日はちょっと変化球な内容ですが、スリッパを履く理由、履くメリット、スリッパを使うなら気をつけたいことを考えていきたいと思います!

スリッパ



1. 日本におけるスリッパの始まり

日本におけるスリッパの始まりは江戸時代末期から明治時代初期といわれています。
なぜそこなのか。
明治時代と江戸時代の違いは多々ありますが、大きな相違点として江戸時代は「鎖国していた」という点が挙げられるでしょう。
つまり日本に外国の方が訪れる機会もそうそうなかったわけです。
しかし、ペリーが来航し、鎖国が解除され、外国から多くの方が日本へ訪れるようになりました。
ここで問題となるのが、そう、海外と日本における生活習慣の違いです。
数多ありますが、欧米では家の中でも土足だけど、日本では靴を脱いで室内へ上がる、という点はその最たる違いと言っていいかもしれません。
なぜこの違いは生まれたのか、と調べたところ、湿気の多い日本の気候が靴を脱ぐ習慣を生み出すきっかけとなっているようです。
試しに靴を脱ぐ習慣が日本に生まれず、欧米と同じく土足で生活していたらどうなっていたか想像してみました。
湿気が多い。雨も多い。どっぷりと水気を含んだ靴を履いたまま家の中に入る・・・。

想像してぞっとしました。
たとえ話がおかしいかもしれませんが、我が家のチワワのことを思い出してしまいました。うちのチワワ、結構なおじいさんなのに散歩が大っ好きなんですよ。
それこそ雨だろうと雪だろうと関係なく(あ、いや雪の日は出たい!って騒ぐから外に連れ出しのにどっさり積もった雪を見て『もういいで〜す』って回れ右していましたが)。
で、とにかく道が湿っていようとがんがん歩くわけですよ。水たまりもなんのその!
そして、家に帰ってきて、ドロドロになった足を洗ってあげようとしたとたん、私の手をすり抜けて家の中へ!汚れた足で駆け込んでいく!!!!
これは・・・萎える。可愛らしい足跡が点々とフローリングに刻まれてしまうのです。
と、話は逸れましたが、要するに日本のように雨や湿気が多いと、チワワの泥足のような汚れた靴で家の中に入ることで、床がかなり汚れてしまうのです。また、夏暑く冬寒い日本の気候に適した床材として用いられている畳は、土足には弱いです。畳の目の間に泥汚れが入り込んでしまいますし、靴の底で表面に傷がついてしまいますからね。
以上のことから、日本においては、土足禁止は理にかなった一般常識なのですが、気候も生活習慣も違う外国の方に理解してもらうことはなかなか難しいです。
今のように交流がある時代ならまだしも、初めて日本を知った外国の方にわかってもらうとなると、ハードルはかなり高かったでしょう。実際、開国後、日本へやってきた外国の方に屋内へは靴を脱いで入ってもらいたいとお願いしたものの、なかなかうまくいかなかったとか。
さて、どうしたものか。当時の外交担当者たちもかなり頭を悩ませたようですが、そこで救世主として誕生したのがスリッパでした。
もういっそ、靴の上からなにか履物を履かせて、畳を汚させなければいいのではないか。
そんな発想から、1863年、仕立て職人の徳野利三郎氏によって、靴の上から履くことができるスリッパが誕生しました。形状としては、かかとはなく、靴のままするっと履けるものだったとか。
なお、スリッパという名前は、英語のslip(スリップ)=滑るから来た言葉で、「slipper(スリッパ―)」が元だそう。

スリッパ2

その後、外国の方向けだったスリッパは、日本国内に西洋建築や西洋の生活習慣が持ち込まれるようになっていったことで日本人にも浸透していきます。しかし、来日された外国の方が靴のまま履いていたのと違い、日本人は靴を脱いで、それからスリッパに履き替える習慣が定着したようです。
やはり、外の土埃や泥で汚れたものをスリッパ越しとはいえ、家の中に持ち込むのは日本人には抵抗があった、ということのようですね。
そもそも靴のまま過ごすというのも日本では暑そうですし・・・。

調べてみると思いもよらない歴史があって面白いですね!



2. スリッパを履くメリット

さてさて!ではいよいよスリッパを履く意味、と申しますか、メリットについて考えてみましょう!

① 床を皮脂で汚さない
② 足が汚れない
③ とっさのときに足を守る
④ 足を保温、保湿してくれる
⑤ 足音を階下に届きにくくする

では一つずつみてみましょう!

① 床を皮脂で汚さない
   
前章で日本におけるスリッパの始まりは、床を汚さないためだったことをお話しました。そう!スリッパのメリットって家の中を綺麗に保てるってところなんですよね。
調べてみたら人間の足の裏から出る汗とは、一日で200mlくらいだとか。うちで使ってる計量カップ一杯と同じ量?!と驚いたのですが、それだけの汗をかく足で、一日頑張って帰ってきて素足でフローリングを歩くとなると・・・・。

おおう・・・。正直嫌だなあと思ってしまいます。頑張って帰ってきた夫のものとはいえ、やはりべたついた足でフローリングに足跡をつけてほしくはない・・・。実際、べたついたフローリングを掃除するのって結構大変で、我が家ではモップで水拭きをしています。素足でフローリングを闊歩されやすい夏場は水拭き頻度も高くなります。
しかし!スリッパがあればその心配はありません。
明治初期、家の中を清潔に保つために使われていたスリッパを、現代の私たちもしっかり取り入れて室内を清潔に保ちたいものです。

② 足が汚れない

先ほどは室内を汚さないでいられる、というお話でしたが、今度は逆。
スリッパがあれば足が汚れない、というお話。
床掃除、皆さまはどれくらいの頻度でしていらっしゃいますか?
周囲の方にリサーチしてみると、1週間に1度のご家庭が多いようですね。お仕事がある日は日中家におらず、夜に掃除機をかけることもできないので、休日の昼間にまとめて掃除するという回答をいただきました。ただ、本音を言えばもう少し短い間隔で掃除をしたいという友人もおりました。目に見える埃がどんどん増えていくのがストレスだ、と。
そうなのです。家の中ってなにをしているわけでもないのに、すぐに埃が溜まります。埃たちは知らず知らずフローリングにも付着していて、素足で歩くと足の裏が汚れてしまったり・・・。白い靴下で床の上をうろうろ一日歩いたとき、靴下の裏がびっくりするほど汚れていたことを思い出し、ああ、床ってこんなにも汚れているのね、と悲しくなったことを思い出します。
けれど、スリッパがあれば足の裏も靴下も守れますよね。やはりスリッパ、大事!

③ とっさのときに足を守る

これ!私、スリッパに救われたことがあって。
少し前のことなのですが、外出先から戻ってきたときのこと。
玄関を開けてただいま〜とダイニングに入って衝撃を受けました。
なんと・・・床の上にガラスの破片が散乱していたからです。
なにゆえ?!と見てみて、そのガラス片が壁掛け時計の表を覆っていたものだと判明しました。どうやら留守の間に時計を壁に固定していた金具が破損して、時計が床に落下して壊れてしまったようなのです。
いや、もうびっくりしました。床一面にガラス片が飛び散っていて、とてもではないですが裸足でなんて入れる状態ではありませんでしたから。
そのとき私の足を守ってくれたのがスリッパでした。もし履いていない状態でダイニングに入ろうとしていたら、入り口近くまで飛び散っていたガラスのかけらで怪我をしていたかもしれません。思い返すと寒気がします。
防災の備えとして、枕元に靴やスリッパなどまずは足を守れるものを置いておく、という心得をテレビ番組などでよく目にしますが、あれは本当ですね!地震となれば壁掛け時計の比ではないくらい物が床に散乱します。足を守ることを考えたらスリッパはメリット云々よりもはや必需品だな、と思います。
ちなみに、キッチンで料理をするときもスリッパは絶対必要!と感じます。油跳ねや熱湯など台所は危険がいっぱいです。スリッパがあれば足を怪我せずに済みますものね。

スリッパ3

④ 足を保温、保湿してくれる

このメリットを強く感じるのはやはり冬場ですね。私は冷え性な上に、かなり乾燥肌で、冬ともなるとかかとがすごく乾燥して割れちゃって痛いのです。
でも、かかとまであるタイプのルームシューズタイプのスリッパを履いて過ごすようにしたところ、随分症状が軽減されました。
よくお風呂から出たらすぐ化粧水、乳液をしないと水分はあっという間に肌から逃げていく!なんてことを言いますが、足も同様で、むき出しにしておくと水分が逃げる一方になります。その点、スリッパがあれば安心。水分も逃げず、かかとも割れずに済みました!

スリッパ4

⑤ 足音を階下に届きにくくする

集合住宅におけるご近所トラブルの原因となりやすいのは「騒音」。中でも階上から響いてくる足音が耳障り、という話はよく聞きますし、自分自身思ったことがあります。
自分が思うということは、私が住まう部屋の階下に住まれる方も同じように感じられる可能性がある!ということ。
そう思ったら、足音にも気を使います。
そこで役に立つのがスリッパです。
スリッパの種類にもよりますが、スリッパを履かずじかに床を歩くのと、スリッパ、特に底がソフトな素材でできているスリッパで歩くのとだと足音はスリッパ履きの方が明らかに小さくなります。
これはスリッパの大いなるメリットといえます!
ちなみにですが、足音繋がりでいうと、愛犬の足音を原因とした騒音トラブルも珍しくありません。我が家もチワワと共に暮らしていますが、彼の爪がフローリングにかしゃかしゃ擦れる音が密かに気になっています。
そんな愛犬の足音対策として、犬用靴下が売られていることを知りました。しかもフローリングで滑ってしまわないよう滑り止めもついている!これはいい!
と、思って導入してみました。確かに足音は随分響かなくなりました。が!うちの子は靴下がお気に召さなかったようでものすごく嫌そうにしています。ということで我が家では靴下は諦めて、彼が通ることが多い場所には分割して洗えるカーペットを敷くようにしました。
少し話が脱線しましたが、なにか一枚間に入れるだけで防音効果がみられるというのは、このワンコの靴下事件でもはっきりしましたから、音を防ぐのに床と足の間にスリッパを挟むことは効果的なんだなあ、と実感いたしました。

スリッパ5



3. スリッパにも弱点はある!

前章でスリッパ素晴らしい!とスリッパのメリットをお話しましたが、そんなスリッパにも弱点はあります。

① カーペットやマットに汚れをつけてしまう。
② 蒸れて臭う。

こちらも一つずつみてみましょう。

① カーペットやマットに汚れをつけてしまう。

履くだけでフローリングのお掃除ができるモップのついたスリッパご存知ですか?底面にマイクロファイバーの房がついていて歩くと床の埃をからめとってくれるもの!これ実に便利で!歩くだけでお掃除できる!とうきうきで私、使っていたのですが・・・。
うっかりね、やってしまったのですよ。そのスリッパのまま、ラグの上を歩いてしまったのです。振り向いて驚きました!茶色いラグの上に足跡よろしく、埃がわっさわっさ落ちているんですもの・・・。
ヘンゼルとグレーテルが残した道標かと思うくらいの埃のつきっぷりでしたよ・・・。
今回、私が失敗したモップ型のスリッパはもちろんですが、底面の素材が布など、埃を吸いやすい素材だとカーペットやマット、ラグに埃や汚れを付着させてしまう原因になりやすいです。
そうならないためには、カーペット類の上をスリッパで迂闊に歩かないこと、スリッパの底面の埃を定期的に粘着テープなどで除去しておくことが大切です。

スリッパ6

② 蒸れて臭う。

これ、書くの少し嫌だなあ、と思ったりして(笑)
だってこれ弱点と書くってことは自分の家のスリッパ、リアルに臭いんです!と言っているようで・・・(笑)いや、その、すみません!手入れを怠って臭かったこともあります!はい!
靴下はちゃんと毎日洗濯するのに、なんでスリッパは平気なんだ、と自分で言いたくなりますが、ついつい放置してなんとも言い難い香りになったことも・・・。
お伝えした通り、足の裏からは汗がたくさん出ますから、そりゃあスリッパも汗を吸い込んで香りを放つようになります。それだけ保湿力に優れている証明と言ってもいいかもしれません。いや、正当化しても臭いものは臭いんですが。

なので!臭くならないよう、これも定期的に洗濯することがとても大切です。型崩れが気になるならば手洗いで、気にならないなら洗濯機でも洗えるスリッパはあります。(とはいっても手洗いモードの方が良いと思います。一度通常モードでやったら、可哀想なスリッパができてしまったことがあるので・・・)

どちらの弱点においても言えることは、「お手入れって大事!」ということですね。
住まいを快適に保ってくれ、健康的で衛生的な生活をさせてくれるスリッパに敬意を払うためにも、きちんとお手入れをしたいと思います!



4. 終わりに

スリッパのメリットや弱点について、記事を書くことで自分自身、整理ができましたので、夫にも話してみました。
すごく不満そうでしたが「わかった」と言ってくれました(笑)
ああ、一安心です。

ただ、最後にそんな夫から一言、
「俺足小さいからスリッパでかいのはやめてな」とのこと。

そう!確かにスリッパもサイズが合わないものを履いてしまうと転倒などの事故のリスクが生まれるので、サイズをちゃんと確かめて履くのって大事ですよね。
ワンサイズ小さいスリッパ、すぐに買い求めようと思いました。

ということで!本日はスリッパに着目してみました。
今後も住まいに関する疑問点にどんどん迫っていけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。






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