家に住む妖怪たち

みなさん、こんにちは!
オカルト大好き主婦、ヤマダです!

少し前になりますが、私のオカルト欲を満たす素晴らしい番組がフジテレビで放送されておりました。

それは、2022年2月13日に放送された、
「妖怪ランキング大百科」!

この番組、日本の伝統的な妖怪をさまざまな部門、たとえば、「女妖怪ランキング」とか、「最強の鬼ランキング」とか名付けてランキング形式で紹介する番組だったのですが、私の周囲ではあの番組直後、妖怪ネタで大盛り上がりしました。

中でも大ウケだったのは、「犯罪妖怪ランキング」で、妖怪の行動を法律にあてはめて考えるとどれくらいの罪になるのか、といった内容のもの。この着眼点、実に素晴らしいと、興味深く拝見しました。

その妖怪ランキングを見ていてふと思ったのです。

家の中に出る妖怪って結構いるものなのだな、と。

もちろん、今は令和の世。妖怪の目撃談は激減しているでしょうし、信じている人もそれほど多くはないかもしれない。
家の中に出る妖怪がいるからと言って、今私の住んでいる家にいきなり妖怪は現れないとは思います。(現れないでほしい)
けれど、それでもテレビ番組になって放送されるほどに、知識として妖怪は今も存在し続けているのだなあ、と感慨深くなります。
リアルにいるかいないかは別として、です。
そんな妖怪について調べてみると、面白いくらいに行動がパターン化されているんですよね。
取る行動もそうですが、出る場所がきちっと決まっていて。
妖怪というものはなんとも生真面目だなあなどと思ってしまいます。
本当になぜ彼らは家の中に出るのだろう。なぜここに出ようと思ったのだろう。
そこにはなにか意味があるのかもしれない。

ということで!本日は家の中に出る妖怪を通し、住まいを考えてみたいと思います。

妖怪たち



1. 座敷わらし

もっともポピュラーかつ、いまだに私たちにも馴染み深く愛されている妖怪ですよね。各地に似たような伝承はありますが、主に岩手県で言い伝えられている妖怪で、座敷や土間、藏に住むと言われています。
見た目は3歳から12歳くらいの子どもの姿をしているそう。
というか・・・。座敷わらしを妖怪として捉えていいものか、実はかなり悩みます。
なぜなら座敷わらしを見た者には幸運が訪れる、または家に住んでくれるとその家は栄え、いなくなると衰える、などと言われることから守り神としても有名だからです。
もっとも栄えさせようという気持ちが座敷わらし側にあるかどうかはわかりません。出てきた座敷わらしの行動が、走り回って遊んだり、眠っている布団に入ってきてくすぐったり、物の置き場所を変えるというようなちょっとした悪戯をしたり、など子どもらしい無邪気な行動だからです。なので、座敷わらしの意図はわかりませんが、楽しんでそこにいてくれると感じる行動なので、いてくれれば家が栄えるのならぜひ迎え入れたい!と思ってしまう(笑)
そんな座敷わらしですが、岩手県には座敷わらしが出るということで有名な旅館もあったりしていまだに密やかに存在し続けているように思います。
もっとも都会のマンションに出たなんて話は聞かないので、やはり奥座敷のあるような畳敷きの家がいいのかな。
ここ数年続くステイホーム、在宅ワークの普及から、都会を離れ、地方で古民家を買い求め、リフォームして住むというケースも珍しくなくなってきましたし、座敷わらしを求めて日本家屋を住処にしてみるというのも面白いかもしれませんね。

妖怪たち2



2. しょうけら

しょうけらとは「笑輾」や「精螻蛄」とも書き、主に瓦屋根の上に住み着いて、天窓、明り取りの窓から覗く妖怪とされています。
そんなしょうけらの行動目的を調べてみたところ、実におっかないことがわかりました。
そもそも、人間の体には三尸(さんし)の虫という虫が潜んでいるそうで(もうこの時点で震えがきそう)、その虫が庚申の夜(60日に一度巡ってくる日)に人の体から抜け出し、天帝にその人の悪事を報告にいく、という民間信仰があるようなのです。で、寝てしまうと虫が体から出て悪事を報告してしまい、悪事に応じて寿命が削られてしまうので、この庚申の夜は寝ずに徹夜をしなければならないといわれています。
この辺りまでは怖すぎます。虫が怖すぎます。
しかしここからがしょうけらの出番です。しょうけらは窓から覗くもの。その覗く目的はなにか、というと、庚申の夜、人がうっかり眠ってしまわないように見張っている!ということのようなのです。
おっと!しょうけらすっごく良い働きしているってことじゃないのか?!とちょっとわくわくしてしまいました(笑)
とはいえ・・・覗くのはその日だけではなく、また屋根の上で動き回って音がすることもあるようなのでありがたいような迷惑なような・・・。
なお、しょうけらは古い瓦屋根に住み着くため、退散させるためには瓦を新しく変えると良いそう。
覗くだけで大して害はないとのことですが・・・。いや〜、日本の住宅形式をモデルルームから鑑みるに天窓を配置しているモデルルームも実に多いです。明り取り用にトップライトが効果的とは自身も記事で書いた覚えがあります。瓦は随分減ってきてはいますが、庚申の夜の話が現代まで伝わってきているところをみると、しょうけらも瓦じゃないところにも住めるようバージョンアップしている可能性は皆無ではないわけで・・・。となるとしょうけらからしたら覗き放題な造りに現代住宅はなっている、ともいえるわけで(;^_^A
ひとまず屋根の上で大騒ぎされないために、定期的に屋根を綺麗にする必要はあるのかもしれません。そもそも屋根というものは永久的なものではなく、瓦同様定期的な点検、整備が必要な建材ですものね。
若干気持ち悪い部分もあるしょうけらですが、屋根を安全な状態にしておくことを振り返るきっかけをくれるという意味で、人間に貢献してくれている素敵な妖怪といえるのではないでしょうか。

妖怪たち3



3. あかなめ

わりとこれもポピュラーな妖怪ですね。冒頭でお話したテレビ番組「妖怪ランキング大百科」でも犯罪妖怪ランキングに見事ランクインしていました。
漢字だと「垢嘗」と書くこの妖怪は、大きさは人間の子どもくらいで全身赤いそう。家人が寝静まった後に風呂場に出現し、風呂桶についた垢や汚れを長い舌でなめるとか・・・。

気持ち悪すぎるわ!

絶対に会いたくない・・・。
しかし風呂場というのは普通に髪を洗っているだけでも背後に気配を感じる気がするところでもありますし、案外本当にいるかもしれませんね。いてほしくないけど。
この妖怪を寄せ付けないようにするには風呂場をとにかく清潔に保つことだそうです!
まあ、現代のお風呂ではさっとこするだけでするする汚れが落ちてしまう強力洗剤も多数販売されていますし、汚れがつきにくいバスタブもバスメーカー各社が開発していますよね。
そう思うとあかなめはもはや自宅には出ないかも?けれど、いくら設備や洗剤があっても、綺麗にしようという気持ちがないとお風呂にしろお部屋にしろすぐ汚れてしまうものなので、あかなめがいるかも!というぞわぞわ感は心の内に残しておきたいとも思います。主婦的に。

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4. 天井なめ

天井なめ。もう名前を聞いただけでやばそうな妖怪が出てきましたね(笑)
調べてみたところ、この妖怪はたいそう背が高く、また舌も長く、その舌を伸ばして天井をなめるとか。場合によっては壁や柱もなめるとも。

気持ち悪いわ!(笑)

その目的はまったく不明ですが、なめるだけでこれもあかなめ同様悪さはそれほどしないようです・・・。いや、なめるだけで十分悪さかもしれませんが。
なめた跡は汚い染みが天井に残り、その染みを見て発狂してしまった人がいた、などという逸話が残ってもいるようで、ただなめるだけ、と簡単に捨て置けないところもやはりありますね。
実際のところ、現在の住宅において天井に染みがある、というのはよっぽど築年数が経っている物件でなければお目にかかれません。つまり天井なめも出てきていないということになります。しかし、天井や壁に染みがある、というのは浸水しているなどなんらかの異常のサインである可能性が十分あります。
天井なめは出ないかもしれませんが、住宅を内見する際、特に中古物件は天井、壁のクロスの状態をきちんと確認する必要があるな、と改めて考えさせられました。

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5. 家鳴(やなり)

さて、お次の妖怪は家鳴。
ん?家鳴?ってあの家鳴り?
と思って調べたところ、この家鳴、妖怪そのものを表したり、現象自体を表したりする言葉のよう。
家鳴は小鬼のような姿をしているとされています。風もないのに家がみしみし音を立てたり、揺れたりするのはこの家鳴の仕業だそうです。
家鳴の歴史は古く、日本書紀において鼎=鍋が突然音を立てた、という表記があるほか、江戸時代の「太平百物語」にも家全体が激しく揺れ始めた、などの記述もあることから、時代を問わず連綿と続く怪異のようです。
実際のところ、私も家鳴りにはかなり悩まされています。夜中になるとバキ、ミシ、とあちこちから音がしてなかなか寝つけなかったりして。
こうした不気味な音がする、という現象は「ポルタ―ガイスト」ともひっくるめて考えられてもいるそう。こうなってくると妖怪というよりは幽霊かな?ポルターガイストって日本語だと「騒がしい霊」ですものね。
いや、しかし家に幽霊がいるとなると妖怪よりも地味に怖くてたまらないので、科学的見地から家鳴りが起こる原因も調べてみました。

・温度湿度により建材が伸び縮みするため
・地震、風など外的要因
・建物の歪みのため
・新築物件のため

建物を形作っている建材は、種類にもよりますが温度湿度によって収縮します。その伸び縮みする際の音が聞こえてくる、というのが一番大きな要因のようです。
特に最後に書かせていただいた「新築物件のため」ですが、新築物件は特にこの収縮が起こりやすいといわれています。作ったばかりの建物に使われている建材は水分を多く含んでいて、それが乾燥していくことで建材が収縮して音が出てしまうからというのです。
古い建物程家鳴りが多いのでは!と思っていましたが、これは意外でした。
地震や風による音はまあ、納得ですね。
ただちょっと気になるのが、建物の歪みのため!これは建物の重心がずれてしまっていて傾いているから音がするということのようです。無理な態勢で長時間いると人間も体がギシギシいうことを思うと、これも納得です。が、怖い・・・。
いずれにしても科学的に説明できる理由ばかりのようでほっといたしました。
いや幽霊とか妖怪だとさすがにねえ・・・。

妖怪たち6



6. 終わりに〜家に出る妖怪を調べてみて感じたこと〜

妖怪、怪異。
こうしたものが今も語り継がれているのには二つの理由があるように思います。

一つは、自分達にとって理解不能なものに対してなんらかの理由づけをするため。
なぜそんなことが起きるのか。なぜ染みがあるのか。
なぜを解消したい欲求が人間にはありますよね。もやもやするより原因をはっきりさせたいという。
そうした思いが妖怪や怪異と結びついていったのかもしれません。
しかも今よりも科学技術が未発展だった時代となれば、人ならざるものによって起きたことと結論づけるのはそれほどおかしなことでもなかったのでしょう。
陰陽道が政治にも影響を及ぼしていた時代もありましたものね。

そしてもう一つ。
戒めや注意を伝えていく手段として妖怪、怪異を使って意志を残した、というもの。
しょうけらにしろ、あかなめにしろ、天井なめにしろ、人の行いで退治することができる妖怪が実に多く家には出ます。
家を綺麗に保つ、危険がないように保つ、これは住む人が心を配るべきことであり、昔も今も忘れてはならないことです。
きれいな家にはきれいな心が宿る、なんて言葉があります。
整理整頓、清掃を促す言葉ですよね。
この言葉に科学的根拠があるかというと明確にはいえませんが、美しい絵画や音楽に人が心を癒されるのと同じことと考えても良いのではと思います。
しかし絵画や音楽をたしなむことと違い、住居を清潔に保つには努力が不可欠です。その努力を忘れぬために、妖怪や怪異は言い伝えられてきているのではないでしょうか。
実際にお目にかかることはなくてもその存在を知っていることで教訓を得られる存在ですので、私も彼らのことを後世に語り継いでいけたらな、などと思っております。

ということで!今回は趣味全開でお話してしまいました(‘◇’)ゞ
にもかかわらず、最後までお読みいただき本当にありがとうございます!
今後とも住まいに関する、なぜ、どうしてなどを探っていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします!






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