リビングにおける上座、下座、意識していますか?

みなさん、こんにちは!
モデルルーム巡り大好き主婦、ヤマダです!

さてさて、冒頭でも申し上げました通り、モデルルーム巡りが私は大好きです。が、モデルルームのどこを見たとき一番テンションが上がるだろう、とふと思いました。

そう考えてみると、私、家の中の花形、リビングにておしゃれな空気を感じたとき、「うわ!やっぱりモデルルーム良いわあ!」とわくわくする気がします。

広々としていたり、暖かそうだったり、くつろげそうだったり。
リビングは長時間家族が集まる大切な部屋なので、花形らしくしっかりと顔がありますよね。

しかしこのリビング、日本においては家族の団らんの場というだけではなく、客間としても使用されるお宅が多いと思います。

そこで問題になること。

上座、下座問題です。

お客様がいらっしゃったとき、上座が我が家ではどこになるのか、恥ずかしながら私はあまり考えずにリビングのレイアウトをしてしまいました!

だからお客様がいらっしゃるときは大慌てです!

夫と二人、相当悩みます(笑)


「お義父さん、どこ座ってもらったらいいんだ?」

「腰が悪いし、そこの一人掛けの椅子で良くない?」

「おい、待て! そこは下座の席だろ! そんなところに座らせてみろ。俺がぶっ飛ばされる」

「別に良くない? 家族だし、上座とか気にしないって」

「お前はそうでも俺は気にするの!」

・・・なんて具合にもめています。

そしてもめるたび思います。実際のところ、上座や下座、一般の家庭のリビングでも考えながらレイアウトをするものだろうか・・・。 いや、そもそも上座下座ってなんで必要なんだ? と。

ということで本日は、リビングにおける上座、下座について考えてみたいと思います!

リビング



1. 上座、下座の起源とは?

今でこそ当たり前のように上座下座の考え方は生活の中にもどっぷりと沁み込んでおりますが、そもそも上座下座とはいつごろから存在したのでしょうか?

起源を調べてみました。

すると、上座下座が「床の間」と大きく関わっていることがわかりました。

床の間とは。
和室の一番奥にある掛け軸や生け花を飾る一段高くなった場所のこと。

調べてみたところ、この床の間の始まりとして二つの説があるそうです。

一つは、鎌倉時代の釈家(僧侶の家)の様式を起源とする説です。
この説では、僧侶の家において、壁に仏画をかけ、その前に台を設置して三具足(燭台、香炉、花瓶)を置いていた場所。これを床の間の始まりとしています。
仏画は僧侶の家ではもっとも大切なものであると考えられ、丁重に飾られていたよう。
今の床の間に通じるところがありますね。床の間といえば高価な掛け軸や花瓶を飾る場所というイメージがありますもの。

もう一つの説は平安時代の寝殿造りの流れを汲むとする説です。

もともと床の間は「床」と呼ばれ、身分の高い方が寝起きする場所と考えられていました。その後、室内の床より一段高いところに高貴な方が座られるようになる形が生まれ、そこからさらに時代が進み、室町時代、座敷が誕生します。座敷とは高貴な方、客人を接待する部屋と考えられ、おもてなしにふさわしいような装飾を施すようになります。これまで一段高い場所にお座りいただいていたその部分の面積を縮小してそこに装飾を施し、掛け軸などを飾るようになります。現代の床の間と同じ形になったわけですね。床の間に掛け軸を飾る理由は、訪れた客人の目を楽しませるため、あるいは自身の権威を見せつけるためだったとか。

どちらの説においてもいえるのは、床の間は「敬うべき方のためのもの」という認識です。そこから床の間を臨む位置に高貴な方、位の高い方にお座りいただくようになる、上座、という考え方が生まれてきたとされています。

リビング2



2. リビングにおける上座、下座の定義

なにやらビジネスマナーのお話みたいになってきましたが(笑)

上座、下座とはそもそもどこを指すのか。調べてみました。

まず、和室と洋室で考え方が違うようです。

和室の場合

和室には床の間がある場合、ない場合があります。
床の間がある場合、前章でお伝えした通り、高貴な方をおもてなしするために床の間は設けられています。ですから、床の間にもっとも近い場所が上座と考えられます。
なお、それにプラス出入り口からの距離もふまえて席次は決まります。
出入り口から遠ければ遠いほど上座、近ければ近いほど下座となります。

だから上座、下座で迷ったら、床の間にもっとも近く、出入り口からもっとも遠い位置に目上の方に座っていただくようにすれば間違いないということになります。下座はその逆ですね。

確かにホスト側はお茶を運んできたり、出入り口の扉を引き開け、お客様をお通ししたりと用事をこなさなければなりません。出入り口に近い方が合理的ですよね。

ちなみに、長テーブルの長辺を床の間に沿う形で配置しているレイアウトにて、三人のお客様がいらっしゃった場合は、床の間を背にして三人並んで座っていただきます。中でも一番位の高い方は残り二人のお客様に挟まれる形で、真ん中に座っていただくことになります。

また床の間がない場合は純粋に出入り口からの距離で席次は決まるので、出入り口からもっとも遠い場所を上座と考えます。

洋室の場合

基本的には和室と同様、出入り口から一番遠い場所が上座になります。ですので、お客様がいらっしゃったら出入り口からもっとも離れた場所に座っていただきましょう。

が!

和室とちょっと勝手が違うのが、リビングは和室と違って、椅子、ソファーにお座りいただく点。

実は。この椅子の形によっても上座、下座が変わってくるのです。

位の高い椅子から順にみてみましょう。

一番上座にふさわしい椅子の形はといえば、

長椅子タイプのソファー

になります。

ビジネスの世界でもそうですが、上位者には一人掛けのソファーではなく、複数人が腰掛けられるタイプのソファーにゆったり座っていただくものとされていますよね。なので、目上の方にお勧めするのは長椅子タイプのソファーがベストということになります。

リビング3

次に上座とされるのが、ひじ掛けの付いた一人掛けの椅子、ソファーですね。
これも理解できます。ビジネスの現場にて、仕事をするフロアにおいても会社によっては役職者と一般社員の椅子のタイプが違う会社もありますよね。
私の以前勤めていた会社でも、役職のある方はひじ掛けのついた椅子を使っていらっしゃいました。なので、長椅子ほどではないけれど、次に位が高い椅子としてひじ掛けのついた椅子が挙げられるのも納得です。

リビング4

その次は、背もたれはあるけれどひじ掛けのついていないタイプの椅子ですね。
前述のひじ掛けのついたタイプの椅子と比べると、こちらのタイプは格が下がる印象が確かにあります。

そして一番下座と考えられるのがスツールと呼ばれる椅子タイプになります。このタイプの椅子は、ひじ掛けも背もたれもありません。
お客様にゆったりと過ごしてもらいたいという思いから考えてもこのタイプの椅子がもっとも格が低くなるのは仕方ないかもしれませんね。

リビング5

というように、椅子のタイプによっても上座下座はあるので、リビングのレイアウトを行う際は椅子のタイプ、出入り口までの距離を考えてレイアウトが必要のようですね。



3. 実際、一般家庭では上座下座を意識してレイアウトしているのか?

私は申し訳ないのですがまったく!考えていませんでした。
しかし、やっぱり気にするべきですよね・・・。
と反省しつつ、勉強のためにモデルルームのインテリアでは上座下座を意識してレイアウトされているのかどうか、覗いてみました。

すると・・・。

意識されている!と思うレイアウトが多かったです。
けれど一方で、長椅子が出入り口から近い場所、一人掛け用ソファーが一番奥、というレイアウトもありました。

おやおや?と思ったのですが・・・。
ここで今更ながらちょっと思ったこと。

知人の家でもそういえばひじ掛け椅子が奧で長椅子が手前のレイアウトみたことあるなあ、なと。

そう考えると、上座下座をがちがちに考えてレイアウトしているというご家庭は少ないのかもしれません。
そもそも長椅子タイプのソファーだけを置かれているお宅も多いですものね。
その場合は非常にシンプルで、ソファーにお客様に座っていただいて、ホスト側はダイニングの椅子などに座る形を取ればいいわけなので悩まなくて良いかも。

ちなみに私の実家は日本家屋なのですが、床の間がある部屋は仏間でもあることから、仏間の奧の部屋を居間兼応接室として使っています。上座下座は・・・。あんまりないかな?
ただ来客時は、出入り口から一番遠い場所にお客様に座ってもらっています。

その意味ではソファーセットがある洋間より和室の方が、上座下座に関しては臨機応変に対応ができるので、勝手が良いのかもしれませんね。



4. こんな場合は例外

ここまで上座、下座について基本を調べてきました。
が、実際のところ、ルール通りにすることでかえって問題が起こることもあります。

この章では上座、下座の例外についてもまとめてみたいと思います。

・空調の状態により上座が悪環境の場合

エアコンの風が直接当たる、冷房、暖房の効きが上座の席では悪い、などの場合は、必ずしも上座下座のルールに従うのが正しいわけではありません。
ルールを重んじて座ってもらった結果、くつろいでもらえないばかりか、不快感を覚えさせてしまっては元も子もありませんものね。
ですので、空調の効き具合によっては上座下座のルールは覆ります。

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・景色、テレビなどが楽しめない場所に上座が位置してしまう場合

リビングに花型となるものがある場合。

たとえば、手入れした自慢の庭が見える窓。
たとえば、団らんの中心となるテレビ。
たとえば、居間の空気を華やがせてくれる絵画。

そんな花形があるリビングの場合、お客様にはその花型である設備をしっかり楽しんでもらいたいところです。

しかし上座、下座の法則によって部屋の出入り口から一番遠い場所に長椅子タイプのソファーを置いた結果、自慢の庭を眺めるのには遠すぎる、と感じてしまう場合などは、必ずしも上座、下座のルールに捕らわれず、お客様が楽しめるような席に座っていただくことが大切になります。

リビング7

出入り口からの距離、椅子のタイプ、そしてその部屋における花形との位置関係。
上座、下座をリビングに取り入れる際は、これらを総合的に判断してレイアウトは考えていく必要があるようですね。



5. 終わりに

ビジネスの場と違い、一般家庭においてはリビングに「応接室」だけの顔を持たせることが難しい部分もあります。
そもそもリビング、居間の存在目的が、来客目的よりも家族が団らんを楽しむことの方が強いご家庭も多いですものね。
そうすると、どうしたって上座下座よりも暮らしやすさを優先したレイアウトになります。

たとえば、ひじ掛けつきの一人掛けソファーで新聞を読むのが日課のお父さんが、窓の近く、つまり出入り口からもっとも遠い日当たりの良い場所で新聞を読みたいと思うかも。そうなってくるとソファーの位置も上座、下座の考え方とは違う場所に設置せざるを得なくなります。

なにに重きを置くかが大切なのかもしれませんね。

とはいえ、来客時は上座下座も気になります。そんなとき、これは良いのでは!と思うような面白い試みを友人宅がしておりました。

キャスターがついた家具を多用する、という試みです。

キャスターがついていれば、目的に合わせたレイアウトが手軽にいつでもできる。
据え置きタイプのソファーと違い、好きな場所に簡単に移動できる!
本来なら家族総出で行わないと大変な模様替えでも一人で楽々できてしまう!
家族団らんに特化したレイアウトになっているリビングを、お客様仕様のレイアウトに早変わりさせることも可能!

このアイディア、素敵だなと思いました。
部屋もそのときどきの顔、利用目的が出てきます。そんなとき、慌てずに目的にあった顔を部屋にさせやすい方法として、可動式の家具を使うというのは実に賢いやり方ではないでしょうか。
私も取り入れてみたくなりました!

ということで!今回は、一般家庭のリビングにおける上座、下座についてお話させていただきました。
来客が多いか少ないか、いらっしゃるお客様との親密度などにおいても状況は変わると思います。しかし、ここぞというときの参考にこの記事が少しでもなれば、この上ない幸いです。

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