角地購入の注意点とは?
分譲住宅地で土地や建売住宅が売り出されると、真っ先に売れるところが「角地」だといわれます。
とりわけ南東に位置する角地は、まわりの物件より価格が高くても売れやすい傾向にあります。
それだけ人気のある角地ですが、メリットもあればデメリットもあります。
それを理解しないで購入すると「こんなはずではなかった…」と、後悔することもあります。
そこで本日は角地を購入する際の注意点をまとめてみました。
① 斜線制限
・道路斜線制限
道路の採光や通風を確保するために、面している建物の高さにかかる制限のことです。
面した道路の反対側から一定の勾配で上空に向かって直線を引いたものを道路斜線と呼び、それよりも高い範囲に建物を建てることはできません。
具体的な高さの制限は用途地域や道路の幅によっても異なります。
たとえば、斜線が同じ勾配であれば、道路が広ければ広いほど、高さの制限は緩やかになるのです。
・角地において
2方向の道路の斜線制限を気にしなければならないため、通常の土地よりも建物の高さを意識しておく必要性が高いです。
ただ、複数の道路に面した土地では、狭いほうの道路側に関して一定の緩和措置を受けることができます。
② 陽当りが良すぎることもある
・広い道路に面した南西角地等。
日中から夕方にかけて日光が差し込むような土地だと、夏場は室内が暑くなりすぎて過ごしにくい家になる可能性があります。
この場合、西日が差し込む方向に長い軒を設けたり、窓の位置を工夫したり、断熱性能に優れた建材を使ったりするなどの対策が必要です。もちろん、その分の建築コストが高くなるおそれもあります。
③ 外構費用が高くなる
2方向以上の道路に接していることから人目に付きやすい角地は、敷地内や家のなかの様子が外から見えやすく、プライバシーに配慮した設計が求められます。
◎対策として
・敷地の周囲に塀やフェンスを設ける
道路に一面しか接していない土地よりも長くなるため、外構工事の費用が高くなることもデメリットの一つです。また、車の通りが多いところであれば、万一車が突っ込んできても被害を軽くするため頑丈なものにする必要があるでしょう。
・植栽にする
手入れなどの管理に手間やコストを要す場合もあります。
④ セットバックに要注意
接している道路が共にセットバックが必要な場合、建築するする際に利用できる面積が大幅に減少することがあります。
先日、都心の商業地域で60㎡の土地に建築されている戸建の査定依頼を頂きました。
駅から徒歩5分程の角地でしたのでお客様は高額な査定額を期待されている様子でした。
しかし調査をしたところ両方の道路に対してセットバックが必要な為、実際に利用可能な面積が30㎡強となることが判明しました。お客様が購入された際には建て替える場合は建築面積が減少するという説明が無かったそうです。
査定額としては購入額よりも大幅な減額となってしまいました。
角地であれば、明るい室内や風通しのよい開放的な住環境を得やすくなります。
土地の条件によっては建ぺい率が緩和され、居住空間が広がることも期待できるでしょう。
その一方で、土地の価格や建築コストが高くなる場合がありますし、隅切りや斜線制限などの建築制限が厳しい土地もあります。こうしたデメリットを軽減する対策を考えることも、角地で快適に過ごすためには必要です。
土地探しを進めている方は、メリットとデメリットを比べつつ、建築制限もしっかり確認したうえで、理想の家が建てられるかを判断しましょう。