基本性能を無視した『デザイナーズ住宅』
本日、浦和区皇山町の戸建ての業者さんのご案内があったため、約束の時間の一時間前に到着し、物件の室内で日向ぼっこをしていた。
本当に静かで陽当たりが良く気持ちのいい物件だ。
H13年に注文住宅で建てられた家でフローリングは無垢材を使用、屋根も洋瓦で外壁はレンガ調サイディング、ホワイトサッシュの洋風な外観はこの頃流行ったデザインで今も女性からかわいいと好まれる外観だ。
庭にはオーナーさんが自ら作ったと思われるウッドデッキがあったりとこの家に対する思い入れや、ご家族の成長をこの家とともに見届けてきた情景が目に浮かぶ。
2階の窓から上を覗いてみると30センチくらいは出幅があるとおもわれる『ひさし』が目に止まった。これが建て売り住宅との違いで、最近の新築住宅(もう20年くらい前からだが)は屋根が片流れで先が尖った形状のものが多く、ひさしがほとんどない。
デザイン重視とコストダウンを兼ね備えた設計だが、これが結構問題で、雨漏りが発生している家はこのひさしがほとんどない屋根形状や複雑なかたちの屋根形状によるところがとても多いのだ。
ひさしがないので、雨が直接窓枠や出窓などにあたり、防水が劣化してきて雨が侵入してくるといういたって簡単な理屈なのだが、こういった基本性能を無視した『デザイナーズ住宅』がとても多い。
その点この皇山町の戸建ては作りがしっかりしており、建具などの建付けが悪いところや、床なりなどもほとんどない。
築20年経つと建物評価はゼロ円とされ、すぐに解体されてしまうことが多いですが、このような良い中古物件もあるので、購入者は目先のきれいさやデザインばかりに目をとられず、良質な中古住宅をもっと見直してほしいと思います。
戸建ての見るポイントは建物だけでなく、立地(土地)の見方もありますが、これはまたの機会に書いてみたいと思います。