一括査定サイトの利用法
さて、昨今、多くの不動産一括査定が勢いを増している。
その数、一説によると30、否 50サイト以上もあるようだ。
ただ、一言でいえば、
この一括査定サイトから依頼した査定額を鵜呑みにしてはいけない
なぜ、一括査定サイトから依頼した査定額を鵜呑みにしてはいけないのか...
決して一括査定サイトが悪ということではない。
査定結果を鵜呑みにせず情報を集める視点でみれば
とても良い情報サイトである。
ただ、この一括査定サイトの仕組みは
おのずと査定額を通常よりも2割も3割も高く査定され報告が届くことが多い。
まずは、一括査定サイトの仕組みについて理解頂きたい。
なぜ、そうなるのか?
それは、一括査定サイトの構成に問題が有るからだ。
一括査定サイトは、基本的にエンドユーザー(一般消費者)が利用する際には
無料で気軽に査定依頼を行えるサイトになる。
エンドユーザーから費用を請求しない代わりに
サイトの会員となっている不動産業者へ
査定1件につき『5000円~2万円』で情報提供し利益を出している。
しかも、サイト運営会社は、1回の査定情報に対して平均5社へ情報を提供している。
仮に査定依頼情報が1万円だった場合、
5社に情報提供すれば5万円がサイト運営会社に入る仕組みとなる。
この仕組みがあるからこそエンドユーザーは無料で気軽に査定依頼することができる。
しかし、この仕組みが査定額を高値付けしてしまっている実情の確固たる原因だ。
仮にあなたがエンドユーザー側ではなく、
不動産会社の経営者視点で感じて欲しい。
1件の査定情報に対して1万円も払ったのであれば、
どうにか売却依頼を取得したいと思わないだろうか?
単なる査定だけして1万円も払うのは正直不動産会社側からすると高すぎる。
そのため、この情報をもとに利益をあげる必要があるのだ。
そのような状況の中、他社へ取られず依頼をものにするには
少しでも査定額を上げて報告し、
他社よりも高く売れるアピールをすることが一番の近道と言える。
相場が3,000万円なら、3,500万円や3,800万円とその金額では売れないであろう金額を
普通に報告されることもザラであるのだ。
利用者としてはその沼にはまると成約しなくなるので気を付けて欲しい。
されに言えば、一括査定サイトへ依頼した場合、
査定結果をメールで返答希望したとしても
基本的には不動産会社からエンドユーザーへ電話返事が来る。
これは、一括査定サイトの運営会社から査定依頼をものにするには、
『査定依頼が来たらなるべく早めに電話して下さい。』と促されているのだ。
因みにその電話の中で、他社がいくらで査定したかも聞かれるので
この点も注意が必要である。
もし他社が3,200万円と査定している場合、
その会社は必ず3,200万円以上の査定額で売れると営業されるので注意するべしなのだ。
ゆえに電話が来た際には、他社の査定額がいくらだったと聞かれても黙っておくべき。
もし伝えてしまった場合には、
100%その数字よりも高い金額提示をされるのだ。
この価格で成約できるなら問題ないだろう。
しかし、そう世間は甘くない!
騙した不動産会社は責任をとることは無い。
最後に、一括査定サイトの賢い使い方を解説。
一括査定サイトはこれまで解説したように、
おのずと高額な査定額になりやすい。
金額確認するだけであれば問題ないが、実際に販売活動に入るのであれば、
一括査定サイト以外からも複数社査定を行い、相場を見極める必要がある。
その中で、やたらと高い金額提示している会社があれば要注意と思って頂きたい。
無謀な金額で売却していても高いものは高いため売れません。
特にマンションであれば、
アットホームやSUUMO、ホームズなどや、
マンションなどの口コミサイトなどネットで調べれば相場は直ぐに分かるはず。
これらは、不動産が高額取引のため購入者もチェックするアイテムでもある。
不動産屋は『千三屋(千個に3個しか本当のことを言わない人)』という事を忘れてはいけない。
また、そのかと棒を担ぐ者が一括査定サイトなのだ。
不動産の価格値付けには細心の注意を払って進めて行きましょう!
そうしないと、あなたが後悔する事になるのだから。