『検査済証』が、売れない原因に⁉
実は、家を売るとき、最も大事な書面が有るのをご存知でしょうか?
ズバリ、建物の『検査済証』です。
検査済証とは?
先日に続き、建物の建築関係書類についてのお話をします。
建物を建築する際や、一定以上の規模の増築する際は、
建築確認申請を役所もしくは検査機関に提出して、
建築確認済証を受けてから建物を建築します。
都市計画や、建築基準法などの法令に則った建物であるかをチェックして、
OKであれば建築していいですよという「確認済証」が発行され、
晴れて建物の着工となるのです。
建築途中で中間検査に、建物が完成してから完了検査を受けて、
問題なければ「検査済証」が発行されます。
建物完成後の完了検査
さて、
中古物件の売却依頼を受ける際に、
私たちは役所にて建物の調査を行うのですが、
建物完成後の完了検査を受けていない、
検査済証が交付されていない物件をたまに見かけます。
マンションで完了検査を受けていない物件は、
今まで見たことはありませんが、
戸建てで10年以上前に建築した物件だと、
たまに検査済証未交付の物件があります。
これはどういうことかというと、
建物は完成したけど完成後の検査を受けていないということです。
建物完成後の完了検査未了の理由
なぜ、完成後の検査を受けていないかというと、
①当時は検査済未発行でも住宅ローンの融資を受けられたから
②検査済証を取得するための費用を削減したいから
③建築確認申請した建物と実際に完成した建物に差異があり、検査を受けても通らないから
というような理由があります。
③は、延べ床面積100㎡しか建てられない土地に対して、
建築確認では100㎡の建物を申請して、
実際には2階の吹き抜け部分を床にし110㎡の建物ができあがる、
という違法建築物を建ててしまうケースです。
これは検査を通らないので、完了検査を受けていないという悪質なケースなのです。
検査済証が無いとどうなる?
現在は、
検査済証が発行されていないと、
金融機関も住宅ローンの融資を実行しませんので、
ほとんどの建物が完了検査を受けて検査済証が交付されております。
今どきの新築建売住宅などは、
検査済証というお墨付きの物件となりますが、
10年以上前の中古戸建ての場合は、
検査済証が交付されていない物件もありますので、
中古戸建ての購入を検討されている場合は、
検査済証の有無を良く確認することが大事です。
①②を理由としているのであれば問題ありませんが、
③を理由に検査済証未交付のケースもありますので、ご注意ください。