実はいろいろ 地震から身を守るための住まいの建て方

皆さん、こんにちは!
転勤族の夫とおっとりおじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです。

皆さん、突然ですがこんな言葉、聞いたことありませんか?

「地震、雷、火事、おやじ」。

怖いものとはなにかを表す標語みたいなものですね。

最近はおやじもそれほど怖いおやじがいないので、もはや昭和の遺物になりそうな勢いのある言葉ではありますが、最初の3つ、「地震、雷、火事」については笑い事では済まされません。

どれも人命が失われかねない恐ろしい事態です。

特に地震についてはこの日本に住む以上、忘れたくても忘れられない災害だと思います。

ゆえに私たちは家を探すとき、「地震に強い家がいい」と考えますよね。

マンションを探すときもそうです。賃貸だろうと分譲だろうと、いつ訪れるかわからない地震災害に備えがある住まいを選びたいと願いますし、地震に強い工法で建てられている、と表記があるだけで建物の資産価値が上がったりします。

ということで、今回、地震に強い家ってどういう家なのか、調べてみました。

すると、これまであんまり知らなかったことがいろいろ見えてきました!

今日は私と一緒に「地震に強い建物」について見ていきましょう!

地震



1. 実はいろいろ。地震に強い建築構造

地震に強い家、と聞いてまっさきに浮かぶ言葉として「耐震構造」というものがあります。
けれど実は耐震だけじゃなくて、こんな言葉もあることをご存知ですか?

免震(めんしん)構造
制震(せいしん)構造

ここ最近、この2つについても認知が進んでおり、免震、制震を意識した建物も建ち始めています。

では実際に、耐震、免震、制震とはなにがどう違うのでしょうか?

① 耐震構造

耐震とは、言葉の通り、震えに耐える、つまり、地震が起きたとき、壊れずに耐える丈夫さを持つ性能、ということです。
建物を形作る、柱、梁、壁、床などそれぞれのパーツ自身の強度、および、その組み方で地震に耐えるという考え方ですね。
耐震については建築基準法で耐震基準も定められており、もっとも認知度が高いといってもよいでしょう。まずは揺れに対して人命を損なうような壊れ方をしない、それを第一にした工法です。

ちなみに耐震基準は、建築基準法の改正によって、より具体的に基準を改めていっており、1971年、1981年、2000年と改正を続けています。
特に1981年の建築基準法の改正は大きく、それまでの耐震基準が根底から見直されることとなりました。よく築40年以上前に経っている建物は建築基準が旧耐震で建てられているから危ないなんて話がありますが、それはこの改正ゆえにいわれるようになったことです。

② 免震構造

免、とついた免震。免の意味を調べると、「逃れる、害を受けなくて済む」という意味があります。つまり、「震えから免れる」という考え方ですね。
地震はその名の通り、地面の震えです。免震は地面からの震えを建物に伝えないようにする構造なのです。
具体的にどうなっているか、というと、建物と地盤の間に、ゴム素材の免震装置を取り付けることで、地面からの揺れを建物に伝えないようにしています。また、ダンパーという車のサスペンションにも使用されているオイルシリンダーを利用して揺れを吸収するための装置も使用されています。
こうした技術は、高層ビルなど、揺れが大きくなりやすい建物にはすでに多く採用されています。
素晴らしいですが、弱点があるとすれば、地盤との間に入れるので、台風などの強風、豪風といった横からの揺れには効果が出ないというところですね。

③ 制震構造

こちらも漢字からみてみましょう。
制、とは、「おしとどめる、おさえる、やめさせる」といった意味があります。つまり震えを制止するという意味ですね。
建物で考えてみると、地面からの震えが伝わったとしても、その震えを吸収し、震えを長引かせないようにするための構造になります。
具体的にどのようにしているか、というと、制震ダンパーという免震にも登場した揺れを吸収する装置を地盤だけではなく、各階のつなぎ目や最上部などにとりつけ、揺れを吸収させ、できるだけ早く揺れを収める構造となっています。
地面の揺れが終わっても、共振(地震の揺れと建物自体が揺れる固有周期が合致してしまい揺れが増幅され震えること)でビルが揺れ続けたりしますがそれを短時間で収めることができるわけですね。ちなみに免震と違い、地面から離れた部分にもダンパーが入るので、強風や豪風にも効果を発揮します。

免震、制震、共に実に素晴らしい構造ですが、地震への備えをした建物は、耐震プラス免震、制震となっているようです。
震えを逃がしたとしてももともとの建物が柔過ぎては、建物の中にいる人間を守れません。
よく地震のとき頭を守るためにヘルメットをかぶるよう言われますが、あのヘルメットがまさに耐震といってもいいのではないでしょうか。強固なもので人を守る、ということですからね。

地震 2



2. 剛構造と柔構造

前述の耐震において、「建物が壊れないこと」を目的に建物を建てる場合、表題の二つの建物の建て方が考えられます。

① 剛構造
② 柔構造

それぞれどんな構造なのかをみてみましょう!

① 剛構造
まさに言葉通り、強くて固い構造、ということですね。
壁や柱などを頑丈に、かつ数を増やし、ちょっとやそっとの力では折れたり割れたりしないように丈夫な建材を頑丈に組み合わせて作るものです。
こう聞いて私が思い出したのは、毛利元就の3本の矢の逸話です。
1本では折れてしまう。でも3本にすると折れない。
これはみんなで協力すれば困難なことも容易に成し遂げられる、というような意味合いですが、剛構造の建築においてもこれと同じことがいえるのではないでしょうか。

② 柔構造

剛構造がとにかく固く、与えられる力に折れないようにできているのに対し、柔構造は最初からしなることを前提に作った建物構造のことをいいます。
具体的には剛構造にあるような斜めの筋交いなどは入れず、梁や柱のような骨組みメインで作ります。柱と柱を繋ぐ結合部分も揺れに対して柔軟に動くタイプのものを使います。揺れに対してどう建材が動くのか緻密に計算して組み立てることで、建物が自らしなり形を変えて揺れをやり過ごせるようにするやり方ですね。
これは人間の背骨に近いかもしれません。
人間の背骨は複数の骨が連なって形作られています。見た目はまっすぐでも、動きに対して柔軟に曲げたり、伸ばしたりができます。動くこと前提で骨が形作られているわけですね。
超高層ビルがぽきっと折れないのは、この柔構造を採用されているからのようです。
ただ、これだと揺れすぎるので制震構造を取り入れるようにもされているとのこと。

地震 3



3. 地震に強い建物の形

デザインを重視したお宅も数多くありますが、家の形において、地震に強いとされる建物の形とはどんなものでしょうか?

答えは、

正方形、長方形の建物です。
当たり前といえば当たり前なのですが、街中を見回してみると意外とそうでもない家が多いことに驚きます。

たとえば、建物自体がL字になっていたり。

あるいは1階の一部がへこんでいて、2階の床が1階のへこんだ部分にかぶっているような形になっていたり。(よくあるのは1階部分に駐車スペースと玄関を作ったタイプですね)

また、全体的な建物の形は長方形なのだけれども、2階があるのが1階の床に対して真ん中ではなく片側に寄っていたり。

なぜこうした建物が地震に強いとはいえないのか、といえば、やはりバランスが取れない家だと揺れに対して耐え切れないからでしょう。

ケーキを想像して考えてみました。
正方形のケーキなら簡単には横に転がらないけれど、食べていって欠けてきたケーキだと横に倒れちゃったりしますよね。
また、ケーキの上にいろんな飾りが乗っている場合、下のスポンジを先に削ると、上の飾りが落っこちてきたり、重さに耐えきれず倒れたりします。
建物もこれに近いのかもしれません。

風水において、張り欠け、いわゆるでっぱりや欠けた部分がある家はあまりよくない、といわれるのも、建物の弱さを指摘しているようにも思えて深いなあ、と感じました。

地震 4



4. 古い地図を確認してみよう 土地名から地盤の強度がわかることも

建物自体が丈夫でも建物が建っている地盤が弱いと、地震の際の被害も大きくなりやすくなります。
それゆえ、家を建てる、部屋を買う場合は地盤にも注意が必要です。
が、地盤の強度といっても・・・と困りますよね。その際の一つの指針として地名から推測することができるといわれています。
具体的にどんな地名なのか。以下に引用させていただきました。

軟弱地盤の可能性が高い土地名
「低・下・久保・窪・溝・沢・谷・田・野・新開・原・稲・泥・川・河・海・池・沼・津・浜・砂・芦・萩、井草・菅・浦・蓮・柳・葦」の漢字を地名に持つ土地。

良好地盤の可能性が高い土地名
「高・台・岡・丘・上・山・峰・岳・森・林・根・滝・竹・速水・杉・猿・鶴・鷹・龍」の漢字を地名に持つ土地。“

引用:一般社団法人全日本防災計画協会
https://www.bousai119.or.jp/media/kiji.php?n=328

もちろん、地名はときとともに移り変わるものですし、土地名に「川」や「田」がついているからといってすぐさま危ない地盤というわけではありません。

ただ、地名とはその土地の古くからの状態を表す言葉が多いことも確かです。
ですので、家を建てる、家を買う、借りる、など住居を決める際は、変更前の地名や地図にも着目して探してみるべきだな!と感じました。

地震 5



5. やっぱり2階以上が良いとされる理由

住宅が倒壊する場合、さまざまな要素によって倒壊します。
地盤のせいかもしれないし、建物自体の強度かもしれない。前述した通り、建築基準法の改正前の物件であれば耐震基準を満たしていないこともありますから。
ですので、一概にはいえません。
が、地震の際、1階部分が崩れ、閉じ込められるケースも多いそうです。
物体の重さは上から下へと圧がかかるため、どうしても1階が2階の圧に耐え切れず、崩れてしまいやすいのですね。特に木造住宅やアパートではこのケースがみられることがわかってきています。
あくまでもそうした可能性もあるということで心に留めておいていただければと思います。

6. 終わりに

地震は本当に恐ろしいです。
が、日本に住む以上、地震からは逃れられません。だとしたら今できることを自分自身でやることも大切ですよね。

地震 6

とりあえず自分でできること。
たとえば、地震で出入り口が大型家具でふさがれることがないよう、家具の配置を今一度見直してみるとか。
たとえば、地震で薄型大型テレビが倒れてこないよう、転倒防止のストッパーを購入して設置してみるとか。
たとえば、食器や花瓶など割れ物が扉のない棚にむき出しに保管されていないかを確認する、とか。
たとえば、床に窓ガラスやコップなどの破片が飛び散ったとき怪我をしないように普段からスリッパ履きを意識する、とか。

そして。
これから部屋を探そうという段階であれば、引っ越す家が地震に対してどんな意識で建てられているかを知っておく必要も当然あると思います。

築年数は何年なのか。建築確認、いわゆるその建物を「建てても大丈夫」と確認された日付は1981年6月1日の建築基準法改正の前なのか、後なのか。これによって耐震基準が古いのか新しいのかも変わりますからね。
また、建物の形状は地震にもふんばれる形状になっているか。
などなどなど・・・・。

気にしなければならない部分が多すぎて憂鬱になりますね。

まあ、大変ではあるけれど、少なくとも地震を気にかけて建てられた建物であれば、地震以外の部分にも気を使って建てられた建物であることは予想ができます。地震といういつ起こるともしれない災害に備えるくらい、現在も未来をも見据えて建てられた建物なのですから。

そう考えると、まずは地震に対してどう考えて作られたのか、それを知ることが大切ではないかと思われます。

ということでいよいよお時間になりました!

これからお家を建てよう、部屋を買おう、借りようとお考えの皆さまにとって、この記事が少しでもお役に立てばこの上なく幸いです。

これからも建築、不動産、住み方などの「これ、どういうことだろう?」を調査していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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