窓には建築士からのメッセージが詰まっている!

皆さん、こんにちは!
街歩き、モデルルーム巡りが大好きな主婦、ヤマダです。

こちらで物件についてのもろもろを書かせていただいているからなのか、私は人さまの家を眺めるのが好きです。

いや、もちろんじーっと眺めたりしませんよ?そんな不審者みたいな、ねえ?
ワンコとの散歩の途中に風景の一つとして眺める程度です。

で、そうやって眺めていて思ったのです。

「家って、窓一つでずいぶん違ってみえるなあ」と。

家には外からの顔と中から見える顔があります。

たとえば、目立つ場所に大きな窓ガラスが見えれば、

「ああ、なんか社交的なイメージ。訪ねていったら快く迎えてくれそう」

なんて感じますし(実際に突然訪ねて行ったら「誰やねん!」となるので行きませんが(笑))、細長いデザイン窓が連なっているのを見れば、

「アーティスティックな感性を持った方が住んでいるのかな?」

とかとか。

一方、中から見ると、社交的なオープンな家なのかな、と外から見たときは感じていた窓が、

「家族みんなで陽だまりの中、のんびりくつろぎたいな」に変わって見えたり、

デザイン窓も、
「眩しすぎずゆったりとコーヒーを飲みたくなる部屋だな」と感じられたり。

もちろん、個人個人の感じ方はありますが、外からと中からの印象が大きく変わって見えるという意味で、窓とは実に人間性豊かな建材だと思います。

そしておそらく、窓の形状、位置や大きさを計算、設計した建築士、設計士にとっても窓は特別なはず。

実際、建築士の方が書かれた本を読むと、窓へのこだわりを述べている方も多く見受けられます。

たかが窓かもしれません。
でもまったく同じに見える家を建て、窓の形状だけ変えたら、やっぱりその家の印象は全然違ってみえるでしょうから、そう考えると窓って侮れませんよね。

しかしそれだけ見る者の印象を大きく左右する窓について、私は驚くほどなにも知りません。

もし知っていたのなら、実際に家を探すとき、建てるとき、窓を効果的に使うことで生活も豊かにできるのではないでしょうか。

ということで本日は、住宅にとってなくてはならない窓について、その役割、種類など調べていきたいと思います

窓

1. そもそも窓とはなにか

窓とは!

調べてみると窓というのは「窗」が本字であり、現在一般的に使われている「窓」はその略字だそうです。

「窗」の下の「囱」は煙突を表す漢字で、その形から窓枠を表すとされ、そこに穴冠をつけることで、天井に穿たれたもの、天窓を意味するようになったとか。
ここに心がついて略字化されていった結果、今の「窓」になったんですね。

天窓にせよ、煙突にせよ、どちらも空気を入れ替えるために必要なものです。

そう考えると住宅に住む私たちの心にとって空気は大切なものですから、窓に心がついているというのは納得がいく成り立ちだと思います。

なお、日本には当初「窓」という概念はなく、扉以外の開口部を「間戸」と呼んでいました。
これは日本建築が柱を建て、そこに壁や扉を作っていく建築方法だったことが大きかったようです。
西洋の石材に開口部を開けていくという考え方とは違い、木材で柱と梁を建て、開口部を塞いでいく考え方から間を塞ぐ戸、間戸とされていたんですね。

現代の日本ではどちらかというと窓は作ろうと思って作るものなので西洋の「窓」といえますが、柱と梁で作っていった結果間戸となる、というのも自然と共にあることを大切にする日本らしさがあって素敵ですね。

2. 窓の役割とは

窓には大きく分けて三つの役割があります。

① 換気(通風)
② 採光
③ 眺望

一つずつ役割をみてみましょう。

① 換気

コロナ禍の今、窓が果たす換気の役割は本当に大きいです。
換気、というからには部屋の中と外の空気がしっかり入れ替わらなければ意味がありません。
そのために換気、または風の通りを考え、窓は対角線上に位置することが望ましいとされています。
換気や通風がしっかりされた部屋は、熱気もこもりにくくなりますので熱中症にも効果があります。
実際、私も対角線上に窓がある家とない家、どちらも経験しておりますが、対角線上に窓がある家は夏でもエアコンを入れる回数を押さえることができました。
反対に同じ壁面に窓が二つある部屋だと、窓付近で空気の交換がなされるだけで、熱気を逃すことも空気の入れ替えもなんだか不十分・・・。夏も大変暑かった覚えがあります。
換気の面を考えると窓の位置にも留意してお部屋選びはしなければなりませんね!

② 採光

考えるまでもないかもしれませんが、一片の光も差さない部屋なんて1日だっていられません。
外からの明るい光を取り込むこと。それは窓にとって最大の使命といえるでしょう。

仮に日光がまったく届かない部屋で過ごした場合人間がどうなるのか考えてみました。

日光が届かない、ということは日光によって体内で作られるビタミンDが作られなくなる、ということになります。
ビタミンDが不足することでまず考えられるのは、骨密度低下、うつ病などの精神疾患の発症、自律神経の乱れによる睡眠障害などです。
それ以外にも、ビタミンDは本来、免疫機能の向上、がんの発生防止、糖尿病の抑止にも効果があるとされています。しかしそのビタミンDが不足したら・・・。
考えただけで恐ろしい・・・。

もちろん紫外線は当たり過ぎると毒になりますが、まったく当たらないというのも病気を招いてしまうという現実。

しかも今はコロナ禍です。在宅勤務が増え、日光に当たらない生活が日常的になっていることから、ビタミンD不足を問題視する声も上がっています。

こうした日光不足を防ぐためには、自宅でも積極的に窓の傍で日光を浴びることが大切です。

窓がない部屋は光が取り入れられず気がめいる、というだけではなく、我々の健康にも大きな影響を及ぼしかねない、ということがよくわかりました。

③ 眺望

眺めの良い部屋と悪い部屋。家の中の設備がしっかりしていれば眺めなんて別にどっちでもいいのでは、なんて若いときは思ったこともあった私です。

が、今はやはり窓から見える景色を気にするようになりました。

理由はやっぱり、窓は心のオアシスだったりするから。

わかりやすい例としてドアと窓を比べてみましょう。

扉は完全に出入りするためのもの。扉の外へ一歩でればそこは外です。外は中とは違い、あんまり変な格好でうろうろもできません。誰に見られるともしれませんし・・・。

でも窓は、開けて外を眺めると、中にいながら外の気配を感じられます。
外に出るときのような緊張感を感じずにです。

家の中で守られながら、外を感じリラックスできる。

心の置き場所を中から外へ手軽に変えられる、とでもいいましょうか。

実際、私もこうして記事を書きながら実によく外を眺めます。
どうしても言葉が浮かばない。わかりやすい表現が出てこない!そう悩んだとき、窓の外を眺めます。

すると少し気持ちが目の前のことから離れ、頭の中に余裕が生まれます。その状態で再び目の前の仕事に向き直ると驚くほど仕事がはかどります。

つまり、窓からの眺望が私たちの心の中のスイッチを押してくれて、気持ちの切り替えがすんなりできるようにしてくれているわけですね。

やっぱりコロナのことが浮かんでしまいますが、在宅勤務が続くとどうしても心が疲れてしまいます。そんなとき窓からの眺望に気持ちが一瞬、救われる方も多いのではないでしょうか。

3. 窓の種類を見てみよう!

と、前章では窓の役割について考えていきましたが、「窓」と一言に言っても、形状によって実に多くの種類があります。

ということで、よく住居に取り入れられている窓の種類、その窓を設置するのに適した場所をご紹介したいと思います!

① 引き違い窓

もっとも一般的で目にする機会が多いのがこのタイプの窓ではないでしょうか。
2枚のガラスで構成され、上下の桟にガラスを入れて水平に滑らすことで開閉します。1枚を開けると2枚が重なった状態になるタイプですね。
この窓のメリットは開放部を大きく取れること。つまり大きく窓を開けられるので、採光にも換気にも、眺望にも力を発揮するところです。また水平に開閉するので体積を取らないのも嬉しいところ。
大きく開くことが可能なことから、庭やベランダに面した場所、リビングや寝室、子ども部屋のメインの窓に適しています。布団のような大きなものを干すときなど、このタイプの窓であれば引っかからずに外に出せて便利ですね。

窓2

② 縦滑り出し窓
縦が長く、横が短いひょろ長い形状の窓で、横辺の途中に付けられた金具を軸に窓を外へ押し出すようにして開けます。イメージとしては忍者屋敷の隠し扉のようなイメージですね。自分の開けたい角度で左右どちらにも開放部ができるので換気に適していますし、窓の外側を掃除するのにも便利です。
また、開口部が小さくなるタイプならば、外からの侵入が難しいので、侵入が気になる場所の窓として設置するのに適しています。
横滑り出し窓というものもあり、その場合は左右の桟を軸に横向きに窓を倒して開く形になります。

窓3

③ ルーバー窓
複数枚のガラスが上から下へ水平に連なるようにして形成された窓です。イメージとしてはエアコンの吹き出し口が上下に連なっている形、という感じでしょうか。開口部は一枚一枚のガラス分の隙間の高さ分しか開かないので人の通り抜けはできませんが、換気はスムーズにできる窓です。湿気が溜まりやすいトイレ、浴室などに設置すると力を発揮するタイプです。

窓4

④ はめ殺し窓

名前に殺しが入っていてちょっとどきどきしますが、その名の通り、はめられたら最後、一切開かない窓です。ホテルの高層階、新幹線の窓などに使用されているタイプですね。この窓は採光や眺望は可能ですが換気はできません。なので、開いてしまうと防犯上心配な場所や、そもそも開けるのが難しい場所、開いたら危険な場所で明り取りが欲しい場所、たとえば吹き抜けの天井付近などに設置すると効果的です。

窓5

⑤ 両開き窓・片開き窓
窓を外に弧を描くように押し開けるタイプの窓です。両開きは2枚のガラス戸をそれぞれ外に押し出して開き、片開き窓は1枚のガラスを外に押し開く形となっています。海外の住宅に多いタイプの窓ですね。両開き窓のうち、右と左の窓ガラスの大きさが違う窓の場合は親子窓と呼ばれます。開き方は内開き、外開き、どちらもあります。
デザイン性が高い窓ですが、風にあおられて破損することもあるので注意が必要です。

窓6

⑥ 内倒し窓、外倒し窓

窓の下の枠を軸に外側に倒して開くタイプが外倒し窓、内側に引っ張って開けるタイプが内倒し窓になります。
外倒し窓は空気を外に出すのに向いているので、台所などで使われやすいですが、雨が降ってくるとガラス面がずぶぬれになってしまうので要注意です。内倒し窓は天井付近にたまった蒸気など、換気のしやすさからお風呂の窓としてよく採用されていますね。うちのお風呂も内倒し窓です!

窓7

⑦ 上げ下げ窓

2枚のガラスを上下にはめ、下のガラスを上に持ち上げることで開閉する窓です。下の窓だけが開き、上の窓がはめ殺しになったタイプのほか、下の窓を持ち上げると上の窓が下がって、上下に開閉できるタイプもあります。
デザイン性が高いですが、ガラスの重量が重くなりやすいのが難点です。またガラスが重なる部分ができるので、ガラス窓の外側の掃除が難しいという問題もあります。親戚の家がこのタイプの窓でしたが、子ども部屋においてメインの大きな窓を引き違いにし、サブの小窓にこの窓をつけていました。窓の外側の清掃は諦めた、と言っておりました(-_-;)

窓8

4. 終わりに

今日は窓についていろいろ調べてみ増した。

昭和に建てられた建物だと引き違い窓がどの部屋にもついていたものですが、最近は窓の形状による効果も考えられて設計されているな、と感じています。

それだけ窓の役割について建築士の方も重要視している、ということなのでしょうね。

今回、この記事を書いていて、自分の家の窓がもしも引き違いだったら、外開きだったら、など今とは違う形状の窓だった場合を想像してみました。

たとえば、ベランダの窓が大きな外開き窓だったら?と。

布団を干しに行くたびに引っかかりそうだし、外開きされた窓がベランダの面積を狭めてしまって洗濯物を干すスペースも小さくなっちゃう・・・と憂鬱になりました。

ぶっちゃけ、絶対住みたくないとまで思ってしまいました(笑)

たかが窓だけど、その窓が生活に及ぼす影響を建築士の方は考えて窓の形まで決めているということなんでしょうね。

これから家探し、部屋探しをする際は、窓の形状にも気を配って探してみたいと思います。
窓の使い方にまで気を配って作られた物件であれば、おそらく他の設備だってちゃんとしているんじゃないか、そんな風に思うので。

ということで!今日は窓についてお話しました。
この記事がこれから新たに家を買う方、借りる方の参考に少しでもなれば幸いです!

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