ワンコ飼いにとって畳は敵なのか?

皆さん、こんにちは!
旦那さんと13歳おじいさんチワワと暮らす主婦、ヤマダです!

突然ですが、最近の私は「和風」にはまっています。
和紙とか、漆器とか、日本茶とか。
できるなら京都に住みたい!旦那さんの転勤先が京都にならないかな!などと密かに祈るくらいに和風ブームです。

なんてことを言っていたら、友人が誕生日にお抹茶と茶筅をくれました。嬉しくて、

「よし、一服立てるぜ!」

と張り切ってお茶を立て、旦那さんにふるまったのですが、

「なんかさ~、やっぱりお抹茶と言えば、和室だろ?
フローリングの上でしゃかしゃかしてもなーんか様にならないよね」

などと、言われてしまいました・・・・。
相変わらず毒舌のむかつく夫です(笑)

まあ、それはおいといて。

確かに我が家には畳はありません。
ペット可の物件を渡り歩いている関係上、なかなか畳敷きの家に住む機会もなく、ここ数年もっぱらフローリングの家に住んでいます。が、正直、畳に対する憧れはあります。

だって畳って最高じゃないですか!
気兼ねなくごろごろできるあの開放感。
さっぱりとした肌触り。
それになんだか妙に落ち着くイグサの香り!

実際、旅行先で泊まりたいのは洋室より断然和室です。
自宅が洋室なんだからこういうときは和室よね!と和室にこだわり続けています。

ペット可のお部屋①

けれども、それだけ畳が好きなのに自宅に畳を、とはなかなか思えません。
そもそもお手入れが大変そうだし、ワンコの場合、粗相をしないとも限らないし、臭いもついちゃいそうだし、などと敬遠してしまうのです。

ただ、つい先日、ペット可の旅館に泊まったときのこと。

普通に畳敷きのお部屋で、ペット可のお部屋でも別にペットの臭いもしなかったんですよね。ワンコも珍しくはしゃいで部屋の隅から隅まで走り回って、ま~楽しそうで♪
メンテナンスの賜物なのかもしれませんが、そのとき少し思ったのは、

「もしかして畳ってワンコと暮らすのに案外、向いているんじゃ・・・」

ということ。

考えてみれば漠然とした知識しか持っていなかったこともありますし、今回は畳について詳しく調べてみたいと思います。

1. 畳の基礎知識

第一に気になったのは、畳って一体どんな構造になっているの?という点。
ということで、畳の成り立ちについて調べてみました。

その1 畳の構造について

畳は三つのもので成り立っています。

畳床(たたみどこ)

畳の芯、つまり中身です。
今はいろいろな素材を組み合わせて作られていますが、「稲藁」、いわゆるお米の収穫後に残る藁を大量に重ねて圧縮して作る畳床が古くから伝わる伝統的な畳床です。
一般的にこの「稲藁」がたくさん入っていればいるほど、また丁寧に稲藁を重ねていればいるほど畳としてのランクが上がり、コストも上がると言われています。

ペット可のお部屋②

畳表(たたみおもて)

私たちが畳として触れられる畳の表面のこと。
厚みは薄く、畳床の外側を挟み込んでいます。
原材料はイグサと経糸(たていと)と呼ばれる麻や綿、あるいはその両方の糸を使って編まれています。
この編み方でも畳のランクは左右されるようで、イグサが多く編み込まれている方が、上質とされているそう。
畳の目を数える、なんて言葉もありますが、この目というのが連なってできているのが畳表というわけですね。

ペット可のお部屋③

畳縁(たたみべり)

畳の縁にある、布の部分。
畳の縁が擦り切れないように保護する役割と、装飾の意味から着けられています。
原材料は古くは麻で作られていましたが、今は化学繊維も使用されるようになりました。
色や柄については多種多様で、お部屋のアクセントとして大切な役割を果たしています。
ちなみに、
「畳の縁は踏んではいけない」という教えを耳にされたことはありませんか?
あれは縁に家紋をあしらっている畳もあり、その縁を踏むことは不敬に値するというようなことから言われているという説も。

ペット可のお部屋④

なかなか歴史的にも深そうですね~。
というか、そもそも畳って元からあの形なのかしら・・・。
と思ったので畳の歴史についても調べてみました♪

その2 畳の歴史

畳は古くは古事記に記述があることから、そのころには存在していたようです。ただ、当時は今のような厚みのある畳ではなく、薄いござのような形状で、それを何枚か重ねて使っていた模様。
畳の語源が、使うときに広げて使って、使わないときは「畳んで」いたことからとされていることからも当時の畳が今とは大きく異なっていたことが推測できます。
なお、現存する畳としては、奈良時代に聖武天皇が使用されたというものがもっとも古く、東大寺の正倉院にて保管されています。

畳が今の厚みを持つようになるのは平安時代。
けれど当時の畳の使い方は、今のように部屋の中に敷き詰めるのではなく、座る部分や寝る場所などに部分的に置く形で使われていました。
使用できるのは身分が高い方で、まだまだ一般的に普及していたとは言えなかったようです。

現代の和室のような敷き方が確立してくるのは室町時代。
けれどまだ庶民には畳は広まっていません。依然として武士や貴族を中心に使用されていました。
さらに時代が進み、安土桃山時代になると茶道が急速に広まり、その結果、茶室への畳利用が進みました。

ペット可のお部屋⑤

そして江戸時代半ば。
ようやく町民の住宅に畳が取り入れられるようになりました。
畳を手入れするための畳職人と言う職業ができたのもこのころとか。
そういえば、映画「花よりもなほ」で、岡田准一さん演じる若い武士が父の仇を探してひっそりと住んでいた長屋はすでに畳敷きだったような。元禄15年が舞台ということでしたから、畳が一般的に普及してしばらくしてからというところでしょうね。

畳って誕生から民間に浸透するまでに、千年以上かかっているんですね・・・。
そう考えると感慨深い・・・。

2.畳は実は多機能である!

畳の歴史を見ていて衝撃なのは平安時代にはほぼ現在のような形に辿り付いていた、という点です。
これは、現在私たちが使用している形が畳としてベストであり、シンプルなこの形状に思わぬ機能があるからこそ、現在まで受け継がれて来たということの証明にも思えます。

ここからは畳に隠された機能について調べていきたいと思います。

その1 畳で室内温度、湿度が快適になる!

日本の夏はねっとりと蒸し暑く、冬は髪が軋みそうなほど寒い。
現代は冷暖房がありますのでなんとか乗り越えられるものの、そんなものがない時代においては気候の変化に対応するのがどれほど大変だったことか。

ここで、先ほど畳の構造の説明の中でお伝えした畳床について、思い出していただければと思います。
畳床の原料は稲藁です。

藁、と言えば?

アルプスの少女ハイジの藁のベッドですね!!←強引(笑)

たくさんの藁を敷き詰めてその上で眠る。雪山でも寒くない!
藁って暖かそう!私もあそこで寝てみたい!と思ったものです。

まあ、ハイジのベッドは牧草を乾燥させた干し草で、畳に使われている稲藁と同じものではないわけですが、ハイジのベッドが暖かいのと同じように畳にも実は保温機能があるのです。

どのように保温されるかと言うと、畳の主原料である稲藁とイグサは、どちらも空気を吸い込んで内部にため込む性質があります。
このため込まれた空気が、夏の暑いときは外部からの熱を、冬の寒いときは忍び寄る冷たさを遮断し、室内の温度を保つ役割を果たしてくれるとか。

さらに畳のすごいところは日本の四季につきものの湿度まで調整できてしまうという、いわゆる「調湿作用」があるということ。

仕組みとしては、空気中に水分が多く含まれる夏には、その水分を吸い取る「吸湿」が行われ、逆に水分が不足し、乾燥すると内部にあった水分が外部へと漏れ出る「排湿」が働くというもの。

エアコンのない昔から畳が使われ続けてきたのは、少しでも夏の暑さ、冬の寒さから身を守ろうとした先人たちの知恵だったのですね。

ちなみに畳を敷くと、断熱材のような役割を畳が果たすので、エアコンの効きも良くなるとも言われています。
ワンコは夏の暑さも冬の寒さも苦手でエアコンは必須・・・。
フローリングより畳の方がエアコンの効きに差が出るなら、畳もありかも。

その2 不衛生と言うのは嘘? 畳には消臭、抗菌作用がある!

畳の部屋に入ったときのイグサの香りが好き、と言う方、いらっしゃいませんか?
私はその口で、旅館に行ってイグサの香りがすると、とてもほっとします。

それもそのはず、畳表に使われているイグサには、「リラックス効果」があるそうな。
確かにそうだな、と感じます。郷愁を誘うというか、妙に落ち着きますものね。
さらに調べていくと、香りにまつわる部分で驚くべき発見がありました。

イグサには、「消臭効果」「抗菌作用」があるらしいのです。

事実、北九州市立大学国際環境工学部、森田 洋教授により、イグサにはさまざまな効能があり、サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌、O157のような食中毒の原因菌を始め多くの菌に対し高い抗菌作用があることが発表されています。
また、菌以外にも、嫌な臭いの元となる有害物質の除去も可能で、足の臭い消しに効果が期待できること、そして現在も問題視されているシックハウス症候群の原因となる有害化学物質についても内部に吸着することで浄化する、空気清浄力まで兼ね備えているらしいことがわかってきています。

なぜ私は今までフローリングで何年も暮らしてしまったのか・・・と絶望したくなるような、すごい結果ですね!
今すぐにでも畳の部屋に引っ越し、のびのびと足を伸ばしたい!

ペット可のお部屋⑥

ワンコと暮らすということは、ワンコ臭と暮らすということ。
消臭効果まであるのなら、畳はむしろ選ぶべき床材なのかもしれません。

その3 ワンコや子供がいる家庭に最適。畳に備わった弾力性と吸音性

畳は稲藁を幾重にも重ねて、ぎゅっと圧縮して作られます。元が柔らかい藁たちを何層にも重ねてできるわけですから、確かに弾力性はありそうです。

強い力で投げ飛ばされて転がっても怪我をしにくい床材であるとして、柔道場に畳を使用していることから考えても、畳の弾力性は証明されていると言っていいでしょう。

同じ理由で、吸音性というのも納得ですね。
フローリングの床にスーパーボールをぶつけてどれだけ跳ねるかを競う、という遊びを子供時代、友人の家でよくしたものですが、友達の家ではボールが床に当たる「ボーン!!」という音が響き渡っていたのに、畳敷きの自分の部屋でやってもそれほど音はせず、面白くなかったことが思い出せます。

ペット可のお部屋⑦

私のようにワンコを飼っているご家庭や、小さなお子さんのいらっしゃるお宅では走り回る足音がご近所トラブルに発展することも珍しくありません。
畳にすることでそのトラブルを回避できるかも?

良いことずくめの畳ですが、やっぱり気になるのはメンテナンスの面。
続いてはどんな手入れが必要なのかをお話したいと思います。

3.畳のお手入れ

畳には日々のお手入れと、季節のお手入れと2タイプあります。

日々のお手入れ

・掃除機をかける
 かけるときは畳の目に逆らわず、目の向きに掃除機をかけることで、埃やダニなどを吸いだせます。

・雑巾で乾拭きをする
 濡れた雑巾だと、カビや黒ずみの原因になるので、乾いた雑巾、もしくは固く絞った雑巾で拭きましょう。

・湿気の多い日はエアコンで除湿を
気密性の高い現代の住宅の中に調湿作用のある畳を置くことで、畳の中に湿気が止まってしまい、カビが生えてしまうことも珍しくありません。ですので、梅雨時などは除湿を心掛けてあげると良いかと思います。
なお、畳の上に絨毯を敷くのも、湿気がたまりやすくなる原因になるそうですので、避けるようにしましょう。

季節のお手入れ

・春、秋の二回、畳をはがして天日干しをする
正直、私の実家はやっていなかったように思いますが、本来はやるべき。
理由はやっぱり敷きっぱなしにするとカビやダニの発生の原因になるからです。
考えてみれば、平安時代は寝る場所に敷布団みたいに畳を使っていたわけですし、布団を干すのと同じように畳も干さないとそりゃあ、湿気たまっちゃいますよね。
畳を上げるときは、畳の間に尖ったものを差し込んで持ち上げると畳が浮き上がります。
干すときは面ではなく、裏が日に当たるように干しましょう。
これは面を日光に当てることで畳が日焼けしてしまって色味が落ちるのを防ぐためです。
なお、畳を上げるのが難しい場合は、畳の一辺を持ち上げて物を挟んで風を通すだけでもかなり効果があるそう。
一辺だけでいいなら、なんとかやれそう!

ちなみに・・・。
ワンコ飼いをしていて気になるのは、畳で粗相をしてしまったら!というところ。

これにはいろいろな方法がありますが、実家でワンコが粗相してしまったときに母がやってくれた方法が効き目ありそうに感じました。

① まず、小麦粉を尿の上に撒きます。尿を吸うくらいに。
② それを掃除機で吸い込みます。
③ その後、水拭きをします。このとき、ぐいぐい横に拭くのではなく、上から濡れた雑巾をぎゅっと押し当てる感じで。
④ そこに酢を少量垂らし、再び水拭きします。
⑤ ドライヤーで乾かします。
⑥ 最後に乾拭きをして完成

うーん・・・やっぱり結構手間かも・・・。
ただ、ここまですれば臭いも染みも目立たなくなりました。さすが母!

とはいえ、母と離れて暮らしている今のこの環境ではなかなか難しいのか・・・と思っていたのですが、実は畳も進化しています!

なんと「洗える畳」が売られている!!

この洗える畳、肌触りも弾力も断熱性も変わらない上に、丸洗いが可能とか。ただ、材料はプラスチック素材が主で、イグサや稲藁を使用していないので、調湿作用は期待できませんが、丸洗いできるというのは、ワンコと共に暮らす身としてはかなり嬉しい機能です。
重さも軽いようなので、手入れは簡単にできそう!
この利便性が受けて、温泉施設や介護施設などで需要が高まっているとか。
確かにどこだったか旅館でお風呂場に畳が敷かれているのを見て、
「風呂で畳?!」
と驚いた記憶があります!

ここに来て畳もまた新たな変化を迎えたというわけですね♪

まとめ

今回いろいろ調べてみて、畳に対する憧れはますます高まったように感じます。
手入れの大変さへの懸念は晴れていませんが、それ以上に畳を使うことによる効果がこれほどあるのだとしたら、畳のある生活に飛び込んでみるのも賢い選択かもしれません。
健康に勝るものはやはりありませんからね。

ちなみに、ここ最近の住宅では、部屋の全体に畳を敷くのではなく、リビングの一部に畳を敷くというスタイルも増えているようです。
エコ住宅に注目が集まっている今、温度調節にも一役買っている畳への期待が高まっているというところでしょうね。

うちのワンコはかなり老齢になってきたので、足腰を守るためのカーペットを敷いて現在生活しています。けれど、フローリングにカーペットを敷くよりも畳の方が床に厚みが出て肉球に負担がかからないのか走りやすそうにしていたし、思い切って次に住む家は畳敷きの家にしようか、そんな風に思っています。

皆さんは畳についてどのようにお感じになられたでしょうか?

ペット可のお部屋8

近頃は畳表が和紙でできている和紙畳もあって、見た目にも楽しめる畳も多いですから、いろいろご覧になってみて、ご自身に合う畳を探してみられるのも楽しいかなと思います。
皆さんの住まい選びのお役に少しでも立てれば幸いです♪



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