深刻な、空き家問題

空き家の現状とは



これからの不動産問題で一番深刻なことは、実は空き家問題です。

この問題は、みなさん地方の問題のように考えられていることでしょう。
しかし、この空き家問題、実は都心部こそ深刻なのです。

『深刻な問題としても空き家問題』、そのことを表すような数字がここにあります。

今、実は、およそ7軒に1軒が空き家 なのです。

今年7月末、総務省が5年おきとなる「住宅・土地統計調査」を公表しました。
ここで公表された数字が驚きなのです。
2013年の日本全国の空き家は約820万戸、総住戸に占める割合は13.5%といずれも過去最高を記録したとのことです。

また、東京都の空き家率は2013年で11.1%。全国平均は下回っていますが、それはあくまで「率」の話なのです。
総住戸が多い分、空き家の実数でみると全国でダントツの多さになることになるのですが、そのうちの約7割が都心部の東京23区に集中しているになるのです。

空き家は、実は賃貸の空き家が多いので、多くの人はこの多さに気付くことが無いのが現状なのです。

しかしながら、この賃貸が多くを占める空き家問題が、これから先の不動産売買現場でもっと深刻になってきます。

それは、売出しても成約しないまま残ってしまう中古住宅が多くなることが予想できるからです。
中古住宅を売却するには、それを購入する人がその価値に見合う住宅であると認識してくれるかどうかに有ります。
しかし、多くの売主様はその価値を市場価値よりも高くしたいと考えるものです。
反対に購入者は安く買いたいということを考え、利益相反の関係に有ります。

ここに賃貸の空き家問題が影響すると考えられているのです。
空き家問題と中古住宅の価値は切っても切れない問題であると思います。

中古住宅に価値 とはどういうことか?

私は、不動産流通近代化センターでの既存住宅価格査定マニュアルの意見交換会に首都圏約4万社のうちの30社のうちの1社として
呼ばれたことが有ります。
その意見交換会は『既存住宅価格査定マニュアル』を不動産業者がどうしたら使ってくれるのかというものでした。
不動産業者がこの『既存住宅価格査定マニュアル』を利用するようになるには精度の高い価格査定が簡単にできることが必須ということで意見がまとまりましたが、それ以外で、そもそもこの査定マニュアルを使って、売却依頼を売主から取れるのかが不動産会社の最検討要素であることも言われていました。
この再検討課題は次回にしますが、今日は建物評価の適正さについてを見てみたいと思います。

建物評価の適正さについて

中古住宅流通市場を活性化させなければ、建物の評価を適正に行っても、建物のコンディションを把握するホームインスペクションを行っても意味をなさない。

どうすれば 中古住宅流通市場の上での建物に価値がつくようになるのかが問題なのだと考えます。

9月から当社コーラルでは既存住宅売買瑕疵保険を売買仲介の中で積極的に導入していくことにしました。

この保険の適用には、まず一級建築士等の建物検査資格者がホームインスペクションを行い、その結果としてのお墨付きを頂けなければなりません。

築20年でも30年でもの建物に、どうやって価値をつけるかなのですが、しかしながら、それは言い換えれば、購入者がその価値を認めてくれなければ決してその価値額で買ってくれることはないことでもあるということです。

建物を評価するのはとにもかくにも“購入者”なのです。
購入者がその価値を認めてくれなければ決してその評価額で買ってくれることはないのです。
購入者は多くの場合“住宅ローン”を組みますが、最終的にはこの“住宅ローンの評価”との整合性を考えなければならないことと言えます。

購入者にとって、より有利に中古住宅を購入する流れができ、こうした市場動向を受けたうえで建物の質に応じた査定を行うこと。
言いかえれば、この検査を受け、質の保証をすることがこれからの中古住宅流通市場の上での税務上などでの購入の有利性を発揮できること。

私は、中古住宅流通市場でのこうした中古住宅の質の保証が、売主にも購入者に有利になる施策が出来ることが必要であると思います。
建物評価の適正さとは、最終的にはこの“住宅ローンの評価”と“中古住宅流通市場での評価”の整合性と言えるのではないでしょうか。

これから先、20年、30年後には日本の総人口は、今のままであれば確実に1億人を切り、8000万人、7000万人になると予想されています。
その時に空き家はどうなっているのか、
資産価値を失った空き家の未来はどうなってしまうのでしょう。

しかし、このような深刻な空き家問題の中で起こっている、もう一つの問題、それは東京での住宅のミスマッチです。

今の深刻問題は実は・・・

実は単身世帯の増加に住宅供給が追いついていないということなのです。
その中でも特に顕著なのが一人暮らしの高齢者です。
東京では全世帯の約46%を単身者世帯が占め、そのうち約4軒に1軒に65歳以上の居住者がいるが、一人暮らしの高齢者が安心して住めるすまいは少ないことになっています。空き家が増え続けているにもかかわらずです。
次回はこの問題についてです。



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