Top / QBlog / 2018-12-04

相場は生きている!

コーラルでは、1か月最低でも50件以上、多ければ200件以上のマンションの査定やセカンドオピニオンでの売却調査をしています。

その査定やセカンドピニオンサービスは当社サイトを通して依頼を受けるのですが、その時のご希望欄に売却希望を入力される方もたくさんおられます。

その価格は、査定では売却希望額になり、セカンドオピニオンサービスでは今現在の販売中価格になります。

その価格で約半分の方にまず思うのが、『えっ、高い!」、この価格だと売れないだろうな~って思ってしまっています。

セカンドオピニオンサービスは基本、他社で売却中のお客様用で、どうして売れないかを無料診断することになるのですが、

その、なぜ売れないのかをデータにしたものが下記の通りです。

① ・・・・・・・・  40%
② アピール不足    20%
③ 囲い込まれている  18%
④ タイミングが悪い  12%
⑤ 売主が原因     10%
  n=790 有効数(コーラル調べ)

さて、上記①になる原因は一体どんなんことでしょう?

既に分かっておられる方はおられるかもしれませんが、販売価格です。

2番目の売れない原因の2倍にもなり、この割合は去年より今年の方が高くなりつつあります。

実は売主原因で売れないのは実に10%しかありません。

その10%は、内覧のタイミングが取れなかった、室内が売れるような状態ではなかったなどになります。

その他の90%は、アピール不足も、囲い込まれていることもタイミングが悪いことも、販売価格も全て不動産業者が原因になるのではないかと言えます。

ん、販売価格は売主の判断ミスと思われた方がおられるかもしれませんが、そうではありません。
この販売価格の設定も不動産業者がダメなための結果と思えるのです。

なぜ販売価格が不動産業者の責任なのか?
それは、販売受注したしが為に売れもしない査定額で売主さんを勘違いさせてしまっているという事が言えるからです。

不動産売却時の売主さんは素人です。それも『ド』が付くほどの。

しかも、どうしても自身で所有されているわけですからそれなりの愛着があります。
その為、物件を色眼鏡で見てしまい、市場性の価格より良く見てしまう事は当たりまえなのです。

しかし、不動産業者はそうではありません。
不動産業者は専門家として査定額に責任を持たなければいけません。
売却時に売主と交わす国土交通省告示の宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款の条項にも、下記の通り価格意見を根拠を示して助言しなければならないこととされているのですから。

(宅地建物取引業者の義務等)
第4条
乙は、前項に掲げる義務を履行するとともに、次の業務を行います。
一 媒介価額の決定に際し、甲に、その価額に関する意見を述べるときは、根拠を示して説明を行うこと。
(媒介価額の変更の助言等)
第5条 媒介価額が地価や物価の変動その他事情の変更によって不適当と認められるに至ったときは、乙は、甲に対して、媒介価額の変更について根拠を示して助言します。

不動産業者は指定流通機構の成約データも確認することができます。
この成約データーはどんな価格より売却価格としては正確なのです。

しかし、このデータは売主は見ることができないのです。

その為、売主が市場の価格を知るためには、SUUMOやアットホームなどの不動産系ポータルサイトを見るくらいになり、その掲載価格を市場価格として認知することしかで来ません。

しかし、その掲載価格は成約価格とは違い、売れればいいな!的な価格でしかないのです。
また、ハッキリ言ってSUUMOやアットホームなどの不動産系ポータルサイトに掲載されている物件の掲載登録が直近の物件を比較対象としていればいいのですが、素人の売主さんは一番高い掲載価格の物件と比較して自身の物件の価格を計算してしまう事がほぼ99.9%なのです。

でも、その過去の一番高い掲載価格の物件は既に掲載開始から半年、長くて1年も掲載されたままの売れない物件でしか有りません。
そんな売れない相場を引き合いに出してもムダなのに、どうしても盲目的な売主さんはその価格と比較してしまうのです。

昔の高かった値段や、近隣で高く売れた物件を引き合いに出して比べる売主さんは、沢山います。

「あそこのマンションの何階は幾らで売れられいる」とか「このマンションの何階が半年前いくらで売れていた」などのSUUMO価格を言っちゃってしまっているのです。

それで成約するはずもないことを知っているのに、不動産屋は売りを任せてほしいから、その売れない価格よりも更に高い破格値を査定額として提示してしまっているのです。

アベノミクスの始まった頃なら、それでも半年たてば半年前の5%から10%上乗せした価格で売れていたので良いのかもしれません。

しかし、もうとっくにそんなときは過ぎ去ってしまっているのです。
今は、そんなことしたらほぼ成約しないどころか、見向きもされなくなっているのです。

こんなことが話のネタなら構いませんが、そんな価格を引き合いに出しても、まったく無意味になりつつあるのです。

今売れる金額が重要なのです。

売れる金額と売りたい金額とは違うんです。
しかし、不動産業者は本当の事は絶対言いません。言えないのかもしれません。

だからこそ、売主は現状をきちんと把握しておく必要があります。

不動産業者は千差万別、仲介の場合、不動産業者は責任を取らなくても良いのですから売主の喜ぶ価格を言って売却受任だけまずは欲しいのです。

コーラルの場合は、査定時に売主の喜ぶ価格を言って売却受任だけ取ることはしませんから、机上査定時の受任率30%、訪問査定にお伺いすれば30%のうち80%以上の方がコーラルも一般媒介契約に入れられています。

これもハッキリいますが、コーラルは査定はとても多くても販売受任率は低いかもしれません。
それは、嘘が言えないからなのです。

他の不動産業者の場合、コーラルとは反対に、何も知らない売主だった場合、売れない現状を殊更にアピールして低い価格で買取業者に誘導してしまう事もあるのです。

高く売りたい気持ちはわかりますが、そのことにとらわれ過ぎると判断を誤ります。
過去の相場よりも未来の相場が重要ということを認識しましょう。

市場は株価と一緒で常に変化しています。
市場価格が上がることもありますし、下がることもあります。
アベノミクス時のように、地価が右肩上がりに上昇する時はもうすでに終わっています。
今は、市況に応じて上下する欧米型になりました。

今後の市況観については、コーラルは査定時やセカンドオピニオンへのお問い合わせ時に詳しく述べますが、今からは一部地域を除いてほぼすべての地域が下落すると考えています。

またデータでもその事の数値が出始めています。

今の市況を敏感に察することは、なかなか難しいかもしれませんが、しっかりした不動産業者のアドバイスを聞いてじっくり考えるべきなのです。
 
建物などは、建てた時の建築価格で言う人もいます。散々長年住んで使い切って償却して価値が下がったことをわかっていても、どうしても口にだしてしまうのでしょう。
それが愛着を持つという事なのかもしれません。

ただ、その話が自慢話なら構いませんが、それを根拠に価格を決めたいとされることは無謀っていうものもわかってください。

買主さんは、絶対昔の相場など口にしません。

昔の相場なんて関係ないからです。

常に今の価格なのです。

そして今の価格でも買われなくなりつつあります。
メディアでは空き家問題や、新築マンションの売りゆき悪化などが度々言われています。
そんな時、マンションなら相場よりも低い価格で交渉されてきます。

また一戸建ての場合も相場が坪100万円だったとすれば、坪100万円で買う人は、余程どうしてもその一戸建ての環境が欲しい人です。
そんな人は隣接地の人などです。
今の買主さんは、坪100万円の土地なら、坪90万円からが検討のスタートなのです。
これから下がろうとしている土地を、今買うということは、将来価値も含めて買おうとしているのです。

不動産の価格とは生き物です。
そのため、市況はめちゃくちゃ早く動いています。

しっかり不動産業者の話を聞いて、データも生きたものを利用して納得いくまで確認しましょう。
不動産業者はあなたを騙すことなんて朝飯前なのですから。

まとめ

過去の相場を引き合いに出してもムダなことです。
常に市場は動いているのですから!



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