Top / QBlog / 2016-11-05

サステナブル社会とレガシ-

少子高齢化が進む日本

このままの不動産政策を続けていると、少子高齢化や若者の減少で不動産価格は下落します。
今、日本の地方で起きているのが、不動産価格の絶望的な価格下落です。
これは非常に単純な話です。
新築は造り続けるのに、人口は減るのですから、不動産価格が下落するのは当たり前ですね。
インフレターゲットを掲げて誕生した安倍政権は、ここ数年、新築政策を推し進めていました。
代表的なものが、新築マンションや新築戸建て購入時の手厚い減税政策や住まい給付金などの補助金給付などです。
それは、インフレターゲットのために特効薬となりえるということで施策されてきたわけです。
しかし、足元で同時に進んできたことが少子高齢化や若者の減少でした。
その影響が最も顕著に表れているところが、日本の地方で起きている不動産価格の絶望的な価格下落なのです。
しかも、新築政策を推し進めてきた影響は、われわれの資産にも暗い影を落とすことになっています。
それは空き家の増加です。

全国の空き家率のランキングをみると

3位 和歌山県
2位 長野県

1位 山梨県

となり、1位 山梨県に関していえば住宅総数の約20%近くが空き家になってしまってるんです。

ちなみに東京でもっとも多いのが豊島区。
色々な問題が言われていますが実家の空き家問題ということも深刻な問題のようです.
そもそも空き家って何が問題なの??

というとおおきく分けて3つの問題が言われています

3つの問題とは「景観」「治安」「災害」

建物が管理されずに長期間放置されてしまうと、建物の老朽化はどんどん進んでしまい、倒壊の恐れが出てきます。また建物に不審者が入り込むことによる治安の悪化、放火の誘発など、様々な問題を引き起こしてしまいます。

別な角度で見た場合、違法薬物の取引や性犯罪などの現場になる可能性に加え、未成年の喫煙などによるたばこの火の不始末から火災発生の心配もありえます。

そして、
災害時に周囲に危害を及ぼしかねない存在になってしまいかねない。

そこで、政府も動き出したわけです。

家の寿命は20年~消えた500兆円

日本では、新築購入直後から急速に価値が下落する独特の慣行が有り、住宅品質の価値を認めないいびつな中古マーケットがあります。
その結果、家の寿命は20年と言われ、新築から20年経過すると資産価値がないものと十把一絡げにくくり続けてきたのです。おおよそそのことで約500兆円もの個人資産が消えたと言われています。
500兆円です。物凄い金額です。
なぜこんなことが起こったのか?
それは、終戦後の住宅政策が今も続いていたからです。
そのことはここでは言いませんが、問題が大きくなったことは事実です。
その問題を解決するためにやっと政府は思い腰を上げました。
住宅ストック循環支援事業補助事業が平成28年10月11日に第2次補正予算で成立して、中古住宅やエコリフォームに対する支援が実施されることになりました。

住宅ストック循環支援事業とは

住宅ストック循環支援事業は、若者の住居費負担の軽減、良質な住宅ストックの形成および既存住宅流通・リフォーム市場の拡大を図るため、 耐震性が確保されたエコリフォーム、一定の省エネ性能を有する住宅への建替えの取組に対して、国がその費用の一部を補助する制度です。

住宅ストック循環支援事業は、下記の3つの事業から構成されています。

「住宅のエコリフォーム」
「良質な既存住宅の購入」
「エコ住宅への建替え」

具体的には、下記にてとても詳しく制度について説明しているのでご参照下さい。
住宅ストック循環支援事業補助金・国土交通省サイトへ

サステナブルとレガシ-

今、時代が大きく変わろうとしています。
どう変わるか、それはこれからは量より質の時代へと、言い換えればハード面よりソフト面が重視される時代がきます。
住宅政策は特にそのような状況です。

平成28年10月12日午後、東京都内で広範囲に渡る大規模な停電が発生しました。
東京電力のホームページによると、千代田区や新宿区などで約22万戸が停電したとのことです。原因は、東京都豊島区の変電所と埼玉県の変電所を繋いでいるケーブルが壊れたこととのことですが、いつこのようなことが再発するかわからないと言われています。
このようなことが起こるたびに持続可能なインフラや設備を整備する重要性がクローズアップされ、大掛かりな箱物を造って後々に莫大な維持費を税金で負担することに、都民だけではなく多くの国民が懸念を抱いてきました。

今回のこのような停電が、首都圏におけるサステナブルな都市機能の重要性に目を向ける機会となっています。
消えた500兆円を負のレガシ-にしないためにも、もっとサステナブルな社会作りが急務なのかもしれません。

終わり。



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