不動産を親族間で売買するときの物件価格の決め方(適正価格とは⁉)

親子や兄弟姉妹、親戚、身内など親族間で不動産売買するとき、最も注意すべきことに不動産の売買価格の妥当性があります。
売買するに妥当と思われる価格を適正価格と言っていますが、この適正価格についての理解がイマイチ漠然としている方も多い事でしょう。
ここでは、親族間での不動産売買時における適正価格について解説していきます。

★目 次★【不動産を親族間で売買するときの物件価格の決め方(適正価格とは⁉) 】


売買時の一般的な適正価格とは

まず、適正価格とは何だろうって疑問がわきます。
『三省堂大辞林』によると、「原価・利潤などを考慮に入れて、適当と思われる価格」と解説されていますが、この解説を不動産に充てはめてみると、何だかチンプンカンプンで分からなくなってしまいます。
ただ、例えば、不動産会社が売主となる新築マンションや新築一戸建ては、不動産会社にとっての適正価格は割とわかりやすいでしょう。

新築マンションや新築一戸建ての適正価格

不動産会社の考える新築マンションの適正価格は『土地取得費+建築費総額+販売管理費(広告費・販促費)+不動産会社利益』でマンション全体の価格を出し、それを基に一戸一戸に割り振られた価格を出して、この価格をマンション一戸の適正価格としています。
但し、この価格はあくまで売主である不動産会社が適正な価格であると決めた価格であって、この価格で購入者がいなければ独りよがりな価格とも言えるのです。
これは新築一戸建ての場合も当てはまり、『土地取得費+建築費総額+販売管理費(広告費・販促費)+不動産会社利益』が適正価格を決める根拠となります。この場合も購入者がいなければ独りよがりな価格とも言えます。

新築マンションも新築一戸建ても、その適正価格とは、不動産会社の売りたい価格と、買い手の買いたい価格とが折り合った時の価格、つまり利益相反関係にある売り手(不動産会社)と買い手(一消費者)が売買で合意がなされた価格と言えるでしょう。

●利益相反とは、
対象となる行為の結果、一方にとっては利益となると同時に、もう一方にとっては不利益になってしまう行為であり、一方にとっては利益になるけれど、他方にとっては不利益になることを言います。

では、中古物件(中古マンションや、中古の一戸建て)の適正価格とはどういう決め方をすればいいでしょう。

中古マンションや中古一戸建ての適正価格

中古物件の場合も基本は新築マンションや新築一戸建てと同じで、売り手と買い手が売買の合意がなされた価格と言えます。
ただ、中古物件の場合、売り手も買い手も売買素人な側面が有り、この売買合意価格が適正かどうか判断が難しいと言われています。
そのため、不動産会社が仲介者として売買に介在するときに、根拠のあるデータを基に物件査定し売買価格の適正さを売主買主にアドバイスすることが求めれています。(国土交通省が定めた標準媒介契約約款・宅地建物取引業者の義務)

●宅地建物取引業法第34条の2
宅地建物取引業者は、当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

不動産会社が、この義務を遂行するために用いるデータとしては、

〇マンションの場合、
・同地区過去1年間のマンション成約事例及び査定時販売中事例
・当マンションの直近成約事例及び査定時販売中事例
・当マンションと比較的条件の近いマンションの成約事例と査定時販売中事例

〇土地、一戸建ての場合、
・同地区過去1年間の土地、一戸建て成約事例一覧
・当該土地の路線価
・当該土地の近隣地価公示価、地価調査価
・当土地、建物の固定資産税評価額
・当該建物、建物の固定資産税評価額

などがあります。
但し、上記データはあくまでおおよそとしての枠とした価格でしかありません。
適正価格とは、利益相反関係にある売り手(不動産会社)と買い手(一消費者)が売買で合意がなされた価格ということから考えなければなりません。
親族間の不動産売買時の対象は中古の不動産(中古マンションや、中古の一戸建て)が主でしょう。
この中古不動産の適正価格は、買い手が親で、買い手がその子であったとき、利益相反関係に無い場合が考えられ、売買価格の適正(妥当性)が問題視されるのです。

適正価格と時価の関係

通常の不動産売買では、その売買価格において利益相反関係となり、売主の少しでも高い価格での売却希望と、買主の少しでも安い価格での購入希望を調整して売買が行われるため、価格が安すぎるとか、反対に高すぎるとか、どちらか一方に偏り売買がされることは考えづらくなります。
この売買の価格を、一般的に時価と言い、適正価格とも言って税金課税における基準として税務署は判断しています。

しかし、親子間や兄弟姉妹間など親族間で不動産を売買するときは、上記のような通常の不動産売買と違い、利益相反関係にない買主となる子供や妻、兄弟などの負担を軽減するために売買価格を時価より低く設定してしまうケースがあります。
親子間や兄弟姉妹間など親族間売買での売買価格はどうしても市場の原理が働きづらく、その結果、時価が基準となる不動産売買の原則から大きく外れる傾向があるのです。

適正価格と税金の関係

時価より著しく低い価格だと、「みなし贈与」の対象として買主となった妻や子供、兄弟などに贈与税が課税されてしまうことがあります。

また、売主の住宅ローンの残債を全額返済しなければ、買主は新しく住宅ローンを組んで不動産を買うことは出来ません。そのためこの売買適正価格である時価を大きく上回る売買価格を設定して売買した場合、今度は売主に売却益が生じる結果となり譲渡所得税が課税されてしまいます。

親子間や兄弟姉妹間など親族間の売買では、このようなみなし贈与にも譲渡所得税を納める事もない適正価格である時価の設定が一番重要となるのです。

参考:みなし贈与とは
国税庁のHPでは、みなし贈与について次のように規定しています。

著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。
引用:【国税庁HP・No.4423 著しく低い価額で財産を譲り受けたとき】より一部抜粋

解りやすく言うと、時価よりも著しく低い価格で売買した場合では、通常取引が有ったと仮定される価格【時価】と低い価格との差額が贈与が有ったものとみなされ贈与税が課税されるということです。
親子間や兄弟姉妹間など親族間売買では、代金授受のある売買なので、一見すると贈与には該当せずに問題ないように思えます。
しかし、時価よりも著しく低い価格で売買してしまうと、時価で売買したときに本来は受領すべき価格との差額を税務署は買主である子供や妻、兄弟等が贈与を受けたこととみなします。これを「みなし贈与」とされ課税対象になるという事です。

参考:時価の定義と適正価格の決定方法について
親子間・親族間売買で基準となる時価とは、実際に市場で売買が行われている取引価格とされています。
ただ税金課税をする国税庁では「著しく低い価額」であるかどうかは、個々の具体的事案に基づき判定としており、これに関して明確な基準が設けられているわけではありません。
※国税庁HP「著しく低い価格で財産を譲り受けたとき」より一部分を抜粋

時価に関するひとつの目安として、東京地方裁判所の判例(平成19年8月23日付)で時価のおよそ80%の親族間売買価格は著しく低い価格での売買(低額譲渡)ではないと判断され、みなし贈与税は発生しないという裁断を裁判所が下しており、この判例を基に親族間の不動産売買は適正価格である時価を決めることとなります。

◎裁判判例:東京地判平成19年8月23日(行ウ)第562号
「著しく低い価額」とは経済合理性のないことが明らかな価額であり、取引の実情を勘案し、社会通念に従い判断すべきものである
相続税評価額が時価の80%程度の水準であり、譲渡価額が相続税評価額同程度かそれ以上であれば、「著しく低い価額」での譲渡とは言えない
「著しく低い価額」での譲渡でなければ、時価との差額について贈与税課税はされない
「著しく低い価額」に当たるかどうかの判定において、実質的に贈与を受けたか否かという基準が妥当なものとは解されない

土地や建物の取引価格は、土地の形状や前面道路の幅員、接道間口や方位、隣地環境や建物仕様、築年数によって変わるため、適正価格の決定は下記のような公的価格や計算式を参考にして算出することになります。
なお、実際の税申告時には『譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)】を用いています。

●取引価格
所在地から近隣の過去取引事例、公示価格や基準地価、相続税評価額(相続税路線価)、固定資産税評価額(固定資産税路線価)の5つを指標として物件調査をおこない、物件の特性である方角や道路幅員、土地の形状や周辺環境などの客観的データと、建物の管理状況や室内の利用状況を調査して比較算出します。

●路線固定資産税評価額
固定資産税額の基準となる評価額の事で、土地は不動産鑑定士が正常価格と評価した価格に70%を乗じてから画地補正を施して求めるものとされ、建物は全く同じものを新築した場合の建築費から、築年数の減価をして求めるものとされています。

親族間の不動産売買価格(適正価格)・まとめ

親族間の不動産売買価格(適正価格)は、前述しました国税庁の時価の定義として「実際に市場で売買されている取引価格」となっているので、不動産会社2社以上から価格査定書を取得しておくと万全でしょう。
実際、認知症など売主自身の意思表示のできない場合などの成年後見人が行う不動産売買時において裁判所の判断する売買基準時の適正価格を求める時には、不動産会社2社以上からの価格査定書を基に取引価格の決定は下されています。

※売買時価格についてはこちらもご参照ください。

親子間、兄弟姉妹間など親族間の土地売買と路線価、公示価格の関係

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