親族間の不動産売買とみなし贈与

親子間、兄弟姉妹間など親族間の一戸建て売買時における実際の取引価格(売買価格)を決めときには、税金との関係を考慮しなければいけません。
税金との関係とは、ズバリ『みなし贈与』や『所得税』です。
買主へのみなし贈与になり課税されないような価格で、しかも売主の所得税がかからないような価格にする必要があるのです。
実は親族間売買時の銀行融資が難しいのは、この点も多大に影響しているようなのです。
ここでは、親族間の不動産売買とみなし贈与について解説していきます。

★目 次★【親族間の不動産売買とみなし贈与】


贈与とは

『贈与(ぞうよ)』とは、財産を持っている人が、無償で(ただで)他の人にあげる(与える)ことを言います。
例えば、ここにもう住まわなくなったマンションが有って、そのマンションがあなたのお父さんが所有で有るとき、お父さんから息子のあなたが無償でもらうとき、この行為を贈与と言います。
贈与の効力については民法第549条に「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をする事によって、その効力を生ずる。」と規定しています。

なお、財産をあげる人を贈与者と言い、その相手方であるもらう人を受贈者と言います。

相続と贈与

『相続』と『贈与』との関係についてみてみましょう。
相続は亡くなった場合に発生することに対して、贈与は生前に起こることが大きく違います。
更に見れば贈与は、自分たちの意思で時期を決められます。相続は人の死により発生しますから時期は決められません。


なお一般的には贈与税は高く、相続税は安いとされています。

所有権移転と登記制度

マンションや土地、一戸建てなど不動産の所有権を明確にする為に登記制度が有ります。
この登記制度により不動産に関する所有権や抵当権等の権利の取得・消滅を第三者に対して公示する事ができます。
具体的には、不動産の物的状況・権利関係の登記記録を登記所(法務局)に申請し登記として備え付けて一般に公開します。
この制度により売買や相続などの不動産の取引を安全に行なうことが可能となっています。
この登記制度のうち所有権関係の取得・消滅の登記を『所有権移転登記』と言います。
この登記は、必ずその原因(理由)が必要で、どういった原因で所有権が移転される(名義変更をする)のかによって手続きが異なってきます。
なお、日本では『所有権移転登記』を行えば、その情報が自動的に税務署が知ることができるようなシステムになっています。

所有権移転登記は税務署に筒抜け

法務局と税務署はその行政管轄は違います。
法務局は法務省、税務署は国税庁です。
ただ、この法務局と税務署は緊密につながっているため売買や贈与、相続などで法務局で所有権移転登記をしたとき税務署にも全て把握されてしまうのです。
また、この登記原因によって、税務署は課税する税金を把握しています。

所有権移転登記の原因

さて、法務局で所有権移転登記するときの一般的な原因としては、「売買」「贈与」「相続」となりますが、この登記原因により必要な書類は違います。

売買は、金銭の授受を通して不動産が移転したときに所有者の名義変更をすることになります。
通常、売買では、売買契約書が交わされますのでこの書面が登記に必要な書類となります。
ただ不動産の所有者を変える場合には、売買契約書が絶対に必要というわけではなく、所有権移転登記申請の手続きに「登記原因証明情報」の添付が必要になるだけです。
以前は登記申請の際には、「登記原因証書」として売買契約書や売渡証書などの書面をそのまま申請書に添付していましたが今は「登記原因証明情報」の添付が必要になっているのです。
この「登記原因証明情報」には、『登記の原因』と当事者として権利者(買主)、義務者(売主)双方の氏名など登記に必要な情報が記載されます。

なお、売買のときには権利者(買主)、義務者(売主)となり、相続のときは権利者(被相続人)、義務者(相続人)となり、贈与のときは権利者(贈与者)、義務者(受贈者)となります。

みなし贈与とは

『みなし贈与(みなしぞうよ)』とは、本来の贈与ではない形で不動産などの財産を受け渡しをすることをいいます。
よく親から子へ不動産を売買するときに、このみなし贈与になるケースが見受けられています。

本来の贈与とは、民法第549条に「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をする事によって、その効力を生ずる。」と規定していますから、この規定以外の形で行われた贈与ということになります。
つまり、相手に不動産(財産)を与える行為があったと「みなした行為」=贈与なのです。
ただ、当事者同士は贈与したつもりがない場合もあるでしょう。ただこの意識しない行為が問題でもあるのです。

みなし贈与の問題点(贈与税との関係)

先にも説明しましたが、一般的に贈与税は高く、相続税は安いとされていて、この贈与における税金額は相続における税金額の何倍にもなると言われています。
その状況が解っているときでも、親が子供に財産として不動産を与える人は多いことでしょう。
しかし、贈与税がかかるからと不動産を子供に時価(適正価格)よりも安価で売却した場合、購入した子供は時価(適正価格)と売買された価格(安すぎる価格)の差額について贈与税を支払わなければならないのです(低額譲受)。
この場合、不動産を安く売却した親にも「みなし譲渡所得税」という税金が課税されることがあります。

通常、不動産などの財産の親族間の移転は相続を選択されるでしょう。その理由は、移転原因で最も収める税金額が安いからです。
にもかかわらず、相続を待つのではなく贈与でも無く、売買で所有権移転する行為がなされることは、その裏に何かあると勘ぐられることになるのです。
また、みなし贈与の問題点は、不動産を無償であげる贈与でも無く「安く売る」ことで、相手に利益を与える行為があるという点です。
しかも、みなし贈与では贈与を受けた側は、その取引が贈与税の対象となっているとは気づかない場合が多く、その結果納税が滞納していることもあります。
尚、相続税法第9条は、みなし贈与を「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合」においては、その利益を受けた者は、その利益の価額に相当する金額を、贈与により取得したものとみなすと定めています。
贈与もみなし贈与もいずれの場合でも、受贈者(受け取り側)は贈与税を支払わなくてはなりませんが、しかし、みなし贈与の場合、滞納が多いという問題を含んでいるのです。

相続税法第9条の「みなし贈与」について-資本取引等を巡る課税関係を中心として-

親族間の不動産売買は、みなし贈与と切っても切れない関係にあります。
だからと言って、それでもどうしても親族間の不動産売買を執り行いたい人はいるでしょう。
以下では、みなし贈与とされない可能性の高い親族間の不動産売買について、売買価格の適正な価格としての『時価』について説明してみたいと思います。

親子間、兄弟姉妹間など親族間の土地売買と路線価、公示価格の関係

相続税や贈与税は路線価を計算の基準として用います。
この路線価とかけ離れた価格での取引には、なにか裏に問題があるのではないかと勘繰ることになり、そういった何かありそうな取引には銀行は関係したくないのです。

実際、裁判所は路線価を取引における適正価格を判断するための材料になるとして判例を出しています。

さて、私たちの実際の土地取引において、この路線価を気にした取引をしているかと言うと疑問が残ります。
実は、査定時、確かに路線価を全く気にしないかと言えば嘘になりますが、多くの売買のケースでは公示価格や路線価を気にしながら、取引事例比較法を用い割り出しているのです。
更に、実際の売買される価格は市場の需給に合わせて日々変動するものでもあります。

更に路線価は公示地価を基準として決められ相続税路線価はおおむね公示地価の8割、固定資産税路線価はおおむね公示地価の7割とされているのです。

この路線価の基準となる公示地価は毎年1月1日時点の地価で、翌年にならなければ更新されません。
ところが、土地の実勢価格は常に変わっています。
年初は公示地価が実勢価格に近くても、年の途中で実勢価格に影響を与える出来事が起こると大きく変化することもあるのです。
アベノミクス時など1年間で10%ほど上昇することもあるのです。

従って、路線価によって取引価格をしなければいけないと規定されているわけではありません。
土地の価格は極端にいえば、売主と買主が納得すれば、価格はいくらでもかまわないのですから。
但し、この点をすべて考慮し自由に任せることは銀行にも、ましてや税務署には絶対看過出来ないのです。
売主と買主が納得しさえすれば、土地の価格を自由に設定でき、また取引も自由となると、土地を極端に安く売ったり高く買ったりすることも可能で、税率の高い贈与税を回避して財産を贈与することが可能になったり、所得税を回避することも可能だからです
この自由なる取引を看過した場合、たとえば親が所有している実勢価格5000万円相当の土地を子供に1000万円で売った場合、売買なので贈与税はかかりません。
こんな売買取引を税務署は見過ごすことができるはずが無いのです。

◎親子間、兄弟姉妹間など親族間の不動産売買について
親子間、兄弟姉妹間など親族間の不動産売買方法についてはこちらを参照ください。
↓↓↓
☛ 親子間、兄弟姉妹間など親族間売買について 


みなし贈与とされない具体的な価格の求め方

では、どうやって実際にみなし贈与とされない売買価格を求めるか見てみましょう。

土地価格

多くの場合、土地の価格は実勢価格(一般的な個人間で実際に取引される価格)を想定し割り出すことになります。
通常、土地価格は、取引事例比較法とやはり公示価格や路線価を用います。
直近1年間の近隣で取引された事例を、いろいろな角度から比較検討します。
そのうえで公示価格や路線価を用いて多角的角度から割り出します。
このとき注意すべきは、土地の所在によって実勢価格(一般的な個人間で実際に取引される価格)は、公示価格や路線価以上の値段になっている場合も有ったり、否、それら以下の価格になっている場合もあるということです。

実際の取引価格にはさまざまな要因が絡んでくる

実際の取引価格はケース・バイ・ケースという面が強いのですが、あまりにも路線価からかけ離れた値段、例えば路線価から3割以上低い価格がついた土地は、なにか理由があると考えた方がいいでしょう。
特に、親族間の不動産売買は目を付けられ、おおよそ問題にならないケースの取引でも何かないかと審査されると思って良いのです。

建物価格

建物価格は、税務上のルールを考慮して割り出します。
具体的には、2つの方法があり、固定資産税評価額を用いる方法が最もポピュラーな建物価格相当額になります。
またもう一つは、建物購入代金に経過年数、減価償却率を考慮して割り出す方法が有ります。

居住用建物の減価償却費相当額・減価の額を求める計算式

減価償却費の一般的な計算方法としては定額法と定率法があり、特に届出をしない場合は定額法で計算します。
自宅建物の減価償却費相当額(減価の額)を求めるには、建物の取得価額、残存価額、耐用年数に対応する償却率、取得してからの経過年数を用います。
計算式は、次のようになります。

【減価償却費相当額=取得価額×0.9×償却率×経過年数】

取得価額購入代金と購入するのに要した諸費用の合計額です。
残存価額耐用年数がきても最低限残る建物の価値のことです。減価償却費相当額の計算では、残存価額は、取得価額の10%とされます。残存価額を10%とするために、取得価額に0.9を乗じます。
耐用年数税法上の法定耐用年数の1.5倍の年数です。
償却率耐用年数によって償却率が決まっています。
経過年数取得してからの年数です。1年未満の端数が生じたときは、6ヵ月以上の端数は1年とし、6ヵ月未満の端数は切り捨てます。

なお、もし建物取得価格が解らない場合は、固定資産税評価額を用いる方法で割り出すしかありません。

マンション価格

マンションの価格は、ほぼ近隣類似マンションとの比較(取引事例比較法)にて割り出します。
取引事例は、既に売買された取引事例(成約事例)と、現在販売されているマンション事例を用いてます。

価格計算時に用いる書面

確定申告時に用いる『譲渡所得の内訳書」を利用します。この書面は税務署に置いてあります。
この譲渡所得の内訳書は、譲渡した不動産の概要や売却金額、支払った費用などを記載した書類で、売却後に税務署から売主に送られてくるので、記入して確定申告書に添付するようになっているので、事前にこの書面を利用していれば間違いが無くなるのです。

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