東京オリンピックまでのマンション市況について考える。

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)は、毎月10日頃、首都圏の都県別・地区別の中古マンション、中古・新築戸建住宅、土地(100~200㎡)の成約・新規登録・在庫状況などを速報版として公表しています。

例えば直近2019年6月10日発表(2019年5月度の市場動向)によれば、両種別とも成約価格も成約1㎡単価も上がっていることが解ります。

中古マンション市場動向(中古マンション市況)2019年6月速報


一戸建て住宅市場動向(一戸建て住宅市況)2019年6月速報

具体的には、中古マンション市況も、戸建て住宅市況も良いということです。

へ~っ、マンション市況も、戸建て住宅もいいんだ~~って、簡単に考える状況ではありません。
5月単月診ただけではわからないのです。

いったい、今の住まいの市況はどうなっているのでしょう?これから先は?
これから上がるの、下がるの?、とても気になるところではないでしょうか。

マンション市況については、中古マンション市況だけ診ても意味がありません。新築マンションの推移、戸建て住宅の推移も考慮すべきなのです。

実は、マンション市況(中古も新築も含む)を把握するには、他の3つの、中古マンション市況に影響を与える要素(ポイント)を知っておく必要があります。
その重要な3つのポイントを知らなければ今後の価格の推移はとても予測できないということです。

マンション市況決定の3大要素(ポイント)とは

その3つの要素というものは、戸建て住宅市場動向、住宅ローン金利動向、人口動態になります。

この3要素抜きではマンション市況は把握できません。

マンション市況の直近は、2016年11月の新築マンション発売戸数は前年同月比-22.7%と大幅減退になっていました。
その前の月10月が-0.6%だったので、目を見張るくらいの減退数字となったということです。

これが何を意味するのか皆さんはお判りでしょうか?

中古マンション市況が良いのは、新築マンションが販売調整しているから、しかも新築マンションは価格高止まりしていてもう既に誰も買えない水域まで到達している状況で、首都圏の新築マンション価格は天井圏から下落トレンドに入ったことが明らかになったということなのです。

しかし、まだまだ新築マンションはとても高い状況です。

その結果中古マンションを買い求めるという状況と言えるということなのです。
2017年1月もこの状況は何ら変化有りません。

新築マンション発売戸数は前年同月比7.4%減、前月比80.2%減でした。しかし契約率は61.6%と需給ともに低調なのです。
その結果、中古マンションは概ね良好な取引推移となっていますが、新築マンションは取引が落ち込んだのです。

戸建て住宅市場動向

中古マンション市況が良い状況は、中古戸建住宅の取引がおおきく取引が落ち込んだ(前年比-10%以上)原因にもなっています。

中古戸建て住宅市況が大幅に落ち込んだ主原因は、ドーナツ化逆流現象による都心回帰にあります。

生活便から見た場合、都心のマンションがその満足度は高い傾向にあります。その結果、郊外の戸建て住宅を売却して都心中古マンションを買うとう現象が起きています。

また、戸建て住宅政策も中古戸建市況が大幅に落ち込んでいることを助長させています。

戸建て住宅を形式的に価格を求める場合、20年後には無くなってしまうこととなります。

新築時から20年経過した戸建て住宅は土地価格のみの価格とみなされ、販売時における状況改善もまだまだな状況なのです。
そのことにより銀行の住宅ローンも融資額に制限が掛かる場合が有るため、買いずらいという現状は拭い去れていません。

最近では、建物の品質などが上がってきたことにより、木造でも、建物によっては耐用年数を25年程度まで伸ばす方向にありますが
しかし、まだまだ浸透していないのが状況です。
戸建て住宅市況の悪化は何も20年経過後の残存価値にあるばかりではありません。

世帯構成変化による影響もあります。

郊外型のマンションや戸建て住宅は都心と違い少々広めの間取りが多くあります。これは家族構成に合わせられていました。

今、この家族構成が大きく変化しているのです。

20年前は4人や5人の家族構成が主でした。今は子供1人と夫婦2人の3人が多くなりつつあります。
その結果、広めの間取りは必要なくなってきているのです。
この傾向は郊外にあるマンションにも当てはまります。

不動産価格(住まい用住宅価格)を決めるのは先程も説明したように、需要と供給の関係です。
見方を変えれば、重要4要素(マンション市場動向、戸建て住宅市場動向、住宅ローン金利動向、人口動態)で決まります。

住宅ローン金利動向

これから先にかけては、住宅ローン金利は横ばいか微増するだろうと予想できます。
それは、実際にマイナス金利政策がトランプショック以降の米国債金利上昇につられてゼロ金利程度に引き上げられてしまっていることからも伺えます。
したがって銀行はお金が余っている中で、投資型ローンは見直しがされている状況なので、どうしても住宅ローンに積極的にならざる負えなく、その結果一段の、マンション市況活況化へ進む可能性があると言えるのです。

毎月、東日本レインズが首都圏の中古マンションの発売数と販売数や㎡数などの統計情報を発表していますが、それを元に分析すると2017年1月現在では成約件数は前年比で7.8%増加、成約㎡単価は前年比で5.4%上昇、成約価格は前年比で5.1%上昇と良い数字となっているのです。
しかし、在庫価格は高止まりして、しかも在庫数は積み上がっているような状況になっているので、いつ上記3数字が悪化するかわからない状況なのです。

また、今、新築マンションの需給は大きく変わろうとしています。上記の中古マンション市況に大きく影響を受ける状況なのです。

中古マンション市況は、2017年1月から始まった補助金や優遇税制でリフォームもし易くなり、その結果中古マンションが買いやすくなっています。
しかも、住宅ローン金利側はまだまだ借りやすい状況。
2017年に入り、銀行は投資型ローンの見直しを図っているあおりで、もし、もう一段の住宅ローン減税などが出てきたりしたら、まだまだ価格的に上がると予測できます。
しかし、今現在でも住宅ローン金利は実質1%を切っている状況なので、ここからさらに金利が下がるというのは考えにくいでしょう。

人口動態

不動産価格に大きな影響を及ぼす人口問題も外せません。

日本全体で見れば人口減少、世帯構成変化時代です。
この状況の中、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に関して言うと他県からの人口流入があるため上昇傾向にあります。

単純に人が増えればマンション需要も増えるわけではありませんが、しかし確実に住宅実需は上がります。
東京圏も2015年以降の相続税の増税によりアパート建築大幅増で住宅は単純に増え、その結果空き住戸が徐々に増え始めています。
自治体によっては、すでに全住戸の30%が空いているという状況もあります。
従って、これから先のマンション市況は横ばいか下がる可能性の方が高いと思われます。

さて、どうなるマンション市況

以上から見てきた結論は、東京オリンピックまでのマンション市況は、やはり5つの区域別けで考えるべき結論されます。

①成約数、販売開始数、販売在庫数とも増えている地区。

②成約数、販売開始数は増え続けていながら在庫数は減っている地区。

③成約数は増え続けていながら販売開始数と在庫数は減っている地区。

④成約数は減っている中で、販売開始数、販売在庫数は増えている地区。

⑤成約数、販売開始数、販売在庫数とも減っている地区。

上記5区域の中では③が一番理想な区域と言えます。
この区域は、とても人気がありこれからもマンション価格は上がり続けるのではないでしょうか。
例えば、港区、文京区などがこの区域に該当します。

反対に、④はもしこれから先いずれ売却することが考えられているのなら早急に売却すべき状況と言えるでしょう。
例えば、既に人口が減っている市区町村と言えます。
この場では敢えてそれを特定することは差し支えさせていただきますが、もしどうしても知りたい方は、ぜひコーラルまで査定依頼してみてください。
上記①~⑤にいづれに該当しているのかコメントさせて頂いております。



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