売れていないマンションや一戸建てと比較されても
物件を売りに出そうとしている方は、よくSUUMOやアットホーム、ホームズなどの不動産系ポータルサイトに掲載されている同じような物件をチェックします。
なかなか売れない場合も、よくチェックされていますね。
例えば、同じマンション内で売りに出ている他の部屋と比べたり、近所にある売り物件と比べてみたり。
そして、勝ち誇ったように、
「あの10階のお部屋はウチより下の階でしかも西向きで条件悪いのに、こんな金額で売っている。だったらウチは・・・・」とか、
「あの一戸建て、あんな場所にあるのにこんな金額で売っている。ウチより駅から遠いし、買い物も不便なはず。だったらウチは・・・・」とか、
この・・・・の後に続くのは、「おそらくもっと高く売れるに違いない!」
ということでしょう。
そのお気持ちは分かります。
本当によくわかるのです。
私も同じく思ってばかりですから。(^^♪
私も、東京都足立区にマンションを所有し、今は母が住んでいるのですが、
このマンションを何度も売ろうと思い、よくSUUMOやアットホーム、ホームズなどの不動産系ポータルサイトに掲載されている同じような物件をチェックしては、
そっか~、あれがその金額なら、うちは・・・・とか思ってしまいますから。
その金額を想像すれば想像するほど、薄ら笑いが出ている顔が有りますから。
でも、はて、これって良いのでしょうか?
こう思ってしまっている場合ではないかもしれないのでは?
だって、まだ成約しているわけではないのだし。
何か意味ない競争しているように毎回思える自分が居たり。
なぜ、そう思うのか?
それは、
売れているわけではなく、成約しているわけではないからに他なりません。
近隣の同様な物件を見て「あそこよりは良い物件だから、高く売れるはず」などの気持ちは良くわかりますが、
冷静に考えてみればそれほど物件状況的には変わらないのがほとんどだからです。
比べている物件が、どんぐりの背比べ的なところがとても多いのです。
まだ売り出したばかりの物件と比較しているのなら、贔屓目にみて笑っていられます。
しかし、これが何カ月も売れていない物件と比較していようものなら、笑っている場合ではないのです。
まだ売りに出していないから、優越感に浸る気持ちはそれはそれでいいでしょう。
しかし、もしこれが既に売りに出している場合なら、
笑っている場合ではないのです。
長期間、例えば中古マンションでは4カ月以上、一戸建てでは8カ月以上売り出でている(掲載されている)物件は、市場から相手にされていない物件なのです。
良い物件なら今でもすぐ売れてしまいます。売り出してすぐに掲載ストップされ売却中ではなく成約された物件としてサイトから消えるのです。
比較するならそんな良い物件と比較すべきですが、どうしても私たちは4カ月以上掲載のマンションや、8カ月以上販売中の一戸建てと比較して、優越感に浸っているのです。
この状況が良いわけありません。
売れていない、否、売れない金額の物件と比較していても良いことなど何もないのです。
売主心理として自分の物件はよく目えますし、他人の物件は自ずとあら捜ししてしまうのは心情ですし、自分が住んだ家ですから当然と言えば当然でしょう。
しかし、この場合、親ばか丸出しのダメ親ばりの比較検討をしているだけなのを知らなければなりません。
親ばかにならず、比較していい物件とは、もうすでに成約している物件なのです。
ただ、この成約金額は、SUUMOやアットホーム、ホームズなどの不動産系ポータルサイトに掲載されてはいません。
では、その成約金額はどこにあるのか?
最も近い金額は、レインズ成約登録情報に有ります。
ただ、この金額も一番近い金額かもしれず、本当に成約した金額ではないかもしれません。
本当の成約した金額は、売主さんとその物件の買主さんしか知らないのかもしれません。
でも、レインズ成約登録情報が公表されている中で最も成約価格に近しい事例であるという事は間違いないでしょう。
しかし、このレインズ成約登録情報は売主さんは見ることはできません。
不動産屋しか見れないのです。
従って、不動産業者の出番となるのですが、この不動産屋が事もあろうに、このレインズ成約登録情報(データ)の利用の仕方を間違える場合がとても多いのです。
否、データのとり方を故意に間違え売主に伝えることをしている場合もあります。
データはその利用の仕方で、示す相手を生かすこともできれば殺すこともできてしまいます。
もし、ちゃんと今を表すデータさえ知れば、売主さんはが間違う事は無いのでしょう。
売主さん自身が見ることのできるデータ(SUUMOやアットホーム、ホームズなどの不動産系ポータルサイトに掲載されている売却中価格)と、不動産業者しか見る事のできないレインズの成約登録情報(データ)。
売主さんが判断を誤らないためにも、不動産業者はしっかりと生きたデータを届けなければならなのです。
売れない物件と比較していても、何の意味もなく、時間は過ぎ去り、今度はあなたの物件が売れない、どうしようもない物件になるのだけは止めましょう。
コメント