税金滞納と差押えされることの恐怖

ここでは、不動産所有と税金というテーマで、もしかすると今、皆さんがとても大きな勘違いされていることについて解説していきたいと思います。

さて、家計が苦しくなると多くの方は、一番初めに固定資産税などの税金を、マンションであれば管理費、修繕積立金なども滞納され始められる傾向があるようです。
なぜ真っ先に税金の支払いを遅らせるかですが、税金の支払いが遅れても(滞納しても)それほど督促が厳しくないからなのか、大抵の方はまず税金を後回しにされるようです。

しかし、このことが後に取り返しのつかない窮地に貶める大事件になる可能性をあなたは知る由もないでしょう。

その大事件とは、『関係機関(市区町村)による自宅の差押え』⇒『住宅ローンの一括返済』⇒『返済できない時は競売へ』という流れです。

えっ、と思われる方もおられるかもしれませんが、これは事実ですから仕方ありません。

あなたは、ここでふと疑問に思われることでしょう。

なぜ、税金滞納が競売になるのか?って。
しかも税金滞納していても、未納税金分を分割で払っているから財産を差し押さえられることはない!!

税金滞納と差押えの現実

って思われている方がとても多いということなのですが、
実は、全くそんなことは有りません!

もう一度、「えっ、なにそれ?」、
って思った方が多いのではないでしょうか?

では、疑問に思った方のために以下で具体的に解説していきましょう。

税金って

マンショや一戸建てなど不動産を所有すると掛かる税金があります。また、所有していなくても所得税・健康保険・住民税など掛かるものもありますね。

ここでは、その税金を滞納すると、不動産を所有していることでとてつもなくリスクになるという事を説明したいと思います。

不動産所有時の税金の基礎知識

まず、税金には不動産を所有していなくても掛る(所得税・健康保険・住民税など)があります。
また、不動産を所有していると掛かる税金とは、固定資産税と都市計画税です。

固定資産税は原則として(一部の例外規定を除く)日本に所在するすべての土地と家屋が課税対象となり、都市計画税は都市計画法による市街化区域内に所在する土地と建物が課税対象となります。

実は、これらの税金を滞納するととても大きなペナルティが有ることを知らなければなりません。

差し押さえ

そのペナルティとは、「資産の差押え」です。

ご存知とは思いますが、これら所得税・健康保険・住民税などの税金の請求は、前年度の年収に比例して課税されますので、もし前年度と現在で、収入額に変化があり、大きく減少していたら、前年度の税金の支払いが、かなり厳しくなってくると思います。
また、固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日現在で市町村の固定資産課税台帳(土地補充課税台帳、家屋補充課税台帳など)または登記記録などに所有者として登録されている人(個人、法人を問いません)に対して課税されます。

※固定資産税、都市計画税についてはこちらをチェック
↓↓↓
☛不動産の所有・購入・売却と固定資産税、都市計画税とは

これら税金、実は、どのような状況であっても税金は支払わなければいけません。
もし前年度と現在で、収入額に変化があり、大きく減少していたら、前年度の税金の支払いが、かなり厳しくなってくると思います。しかし、これら税金の支払いは待ってはくれないんです。

支払いがされていない状態を未納と言いますが、税を徴収する関係部署(税務署や都道府県)は、わたしたちが払うつもりが有っても、生活の変化で支払いがきつい場合、相談には乗ってくれます。
その結果、完全に未納ということではなく、何とか支払うために、分割で納めていらっしゃる方もいらっしゃると思います。

しかし、ちょっと待ってください!

分割で納めているからと言って、安心してはいけないんです。
そこには、大きな落とし穴がるのですから!

例えば「税金が30万円たまっているけど、3万円の10回払いで払っています!」と言うようなお話をよく聞きます。

これ誤解なんです!!


大きな間違い その①

分割で払っているから差し押さえにならない!


と言われる方がいますが、いいえ、そんなことは有りません!
差し押さえられることが有ります。

例えば、「30万円の税金を3万円の10回払いにしてもらえるように話がついている」とおっしゃる方が、けっこういらっしゃるのですが、これは正しくありません。

なぜなら、関係役所は、「たまっている税金を3万円ずつ10回払いでいいですよ」とは言っていないのです。

ニュアンスがとても難しいと思いますが、少し具体的に言うと、役所担当者としては、「本当は一括で払わなければならないけど、一括では払えないということであれば、どうしますか?」
と納税義務者に聞いたら、納税義務者が「3万円ずつ10回なら払えます」と言ったので「それなら、とりあえず3万円の10回で納めてください」
と言っているにすぎないのです。

決して、分割で納めることを認めているというわけではありません。

役所に支払いについて相談に出向いた時、役所の担当者も既に払えないことはわかっているはずです。
それでも「すぐに払ってもらわないと困ります。いつまでに払えますか?」など、サラっと言われます。

その話し合いの中で、「分割でもいいから払ってください」という話になった場合、納税義務者としては、「分割払いを認めてもらえた!」という解釈をしてしまいます。

これは、心理学的でも、そのようにとらえてしまうのはやむを得ないことなのです。

しかし、役所はそうではないのです。

分割払いを認めているわけではなく、「一括で払うことが困難なのでやむを得ず分割で納付させている」という受け取り方です。

その証拠というわけではありませんが、もし、そのようなことがあった場合、かりに
「3万円の10回払いを認めてもらえるのなら、その方法で支払えば、他の財産をいっさい差し押さえしませんと言う念書をください」と言ったらどうなるでしょう。

役所は絶対にそのような念書は書きません。

なぜなら、税金は一括払いが基本で、「未納分を分割で払える制度」そのものが原則としてないからです。
分割払いを認める権限が基本的にないということなのです
ですから、分割で支払うなら他の財産は一切差し押さえませんというような念書は絶対書きません。

つまり、税金の分納に関する役所の考え方は、仕方なくであって約束したということではないということなのです。

分納はあくまでも例外的な取り扱いなのです。

大きな間違い その②

少しずつ払っているから差し押さえにならない!

と言われる方がいますが、いいえ、そんなことは有りません!
差し押さえられることが有ります。


   
約束どおりに分納していただいていても、財産調査等をさせていただく場合があり、調査の結果、税金に充てることができる財産が見つかった場合は、予告なく差押えなどの滞納処分を行うことがあります。

なお、分割が不履行の場合は、当然に滞納処分の対象となり
即差押えをすることがあります。

この「差押」って、ほんとうに嫌な言葉ですよね。

税金分納の制度とは

分割払いの制度がないのに、最初から分納できる税金があるのは
なぜ?
例えば、相続税は分納制度がありますが、これは税金未納分の分納とは違います。
また、固定資産税や健康保険などは、分けて払っていますが、これは分納とは呼びません。
分納ではありませんが、これも同じように納期限が来たものを払えないから1万円の10回とか3万円の10回で払うということは基本的に認められません。

では、固定資産税はどうなっているのでしょう。
ここで、少し固定資産税についてお話をします。
固定資産税は年間でボーンとかかってきます。

先ほど、税金の請求は、前年度の年収に比例して課税されますとお話しましたが、固定資産税はその年の分になります。
固定資産税について注意することは、新築で購入した場合、数年間の減税期間がありますが、減税が終了すると一気に増加するとこともあります。

ここで誤解を解消しておきましょう!

「未納ではない!少しずつちゃんと払っています!」という誤解です。

たとえば「税金が100万円たまっているけど毎月5千円ずつ払っています!」。
という場合ですが、これは、完納するまで200回(16年以上)かかります。

この支払方法は、残念ながら払っているということにはならないのです。
少なくとも役所は払っているというカウントはしません。
まったく払わないより若干ましという程度ですが、これで「納税しています!」ということにはなりません。

税金滞納後の流れ

もし税金を滞納(分納も含む)した場合、滞納後の流れはどうなっているのでしょう?
ここではその税金滞納後の流れについて見てみましょう。

まず、税金の支払いは納期限を1日でも過ぎた場合、滞納となります。
(ただし税金の種類や自治体により異なる場合があります)

税金滞納したら、

①督促状
まずは、納期限後20日以内に督促状が送られてきます。
 
②電話・文書通知・訪問 
督促状が送付されても納付がない場合、電話や文書での通知、あるいは訪問による催告となります。

③身辺調査・財産調査
滞納者の身辺調査や、差し押さえのための財産調査などが行われます。
身辺調査は、勤務先や取引先の調査、所得、家族構成、戸籍などの調査になります。
財産調査は、差し押さえる財産を決める調査です。

④差し押さえ
上記調査を基に、財産の差し押さえが行われます。

⑤不動産の差し押さえ
差押登記がなされ、抵当権者などには差押通知書が送付されます。

⑥お給料や預貯金の差し押さえ
お給料は勤務先へ、預貯金は金融機関へ差押通知書が送付されます。

⑦差し押さえ後も完納しない場合
税金の差押えの場合、裁判所管轄ではないので競売ではなく公売(インターネットや入札)が行われます。
 
換価された金額が税金の滞納分に充当されます。


差し押さえられる他の財産ってどんなもの?

財産とは、不動産や車、貴金属、預貯金、高価な家電、生命保険(解約金)、お給料(退職金も含む)などがあてはまります。

この中でも、納税者としていちばん困るのは、お給料の差し押さえだと思います。
お給料の差し押さえは、納税義務者の勤務先(会社)に差し押さえをする旨の通知が送られるため、まず、会社からの信用がなくなり、会社に居づらくなることもあると思います。
何より、お給料が差し押さえられたら、おおもとの収入がなくなってしまい生活が大変になります。
お給料の振り込みは、振り込まれた瞬間、預金となりますので、全額差し押さえの対象になってしまうのです。
更に、税金が完納するまで、毎月お給料から未納税金が引かれることになります。

差し押さえられる財産の順番

①お給料、預貯金
 
お給料は金額によって異なりますが4分の1まで、預貯金は全額が差し押さえ可能額となります。

②不動産、車など
お給料や預貯金がない場合、不動産や車、他に高価な家電などが差し押さえの対象になります。
ここで差し押さえられたものは、競売にかけられます。
一般的な相場よりかなり安い金額で競売にかけられてしまいます。

役所が見るポイントは1つだけです。


ポイント

この部分だけです。

しかも、完納できるという見込みはおおむね1年です。

1年以内に完納できるかどうかというところに主眼を置いて見ます。

なぜなら、また翌年になると新しい税金が発生するため、完納しない場合、ずっと加算されていくことになります。
この連鎖を断ち切るために、1年以内に終わらなければ完納できる見込みはないと判断するのです。

完納できる見込みがないと判断されてしまうと、分割払いもできなくなり、「他の財産を差し押さえます!」ということになります。

大事なのは支払う意思です!

税金の未納で税務署から何らかの連絡があった時には、担当者への印象を良くするためにも、とにかく迅速に納付の相談に出向くことが大切です。

税務署s

できれば、納期限前、遅くても督促状による催告がきた時点で税務署や市役所(納税課)に出向き相談されることをおすすめします。

そして、何より大事なのは、相談する時に、税金を払う意志がある!という態度を示すことです。
「いつ頃までに払います」というような抽象的な言い方で、安易に担当者と約束しないでください。
毎月どのくらいの金額で、何回の分割なら間違いなく完納できるかを事前によく考えて相談してください。
原則として担当者が、「分割で完納できる」と判断するのはおおむね1年です。
支払いの意思が見えれば、ほとんどの場合、分割納付は可能になると思います。

また約束したら「金額、支払い回数、納期」は必ず守りましょう。

約束を守れず、差し押さえになるようなことがないように必ず支払い可能な約束をしてください。

いざとなったら自己破産で解決できる!?

あなたは、思われているかもしれません。
それは、もう最後の最後、いざとなったら自己破産して自宅を売却(競売)し、全財産が無くなれば全てをチャラにできるはずだから大丈夫なんじゃないかと。

この考えをお持ちの、何も知らない方が実に多くおられます。
実は、自己破産して不動産などの全財産を無くしてもその後に裁判所から免責を受けなければ借金は無くなりません。
また、たとえ免責を受けれたとしても、実は支払い義務が残るものもあるのです。

それは・・・
○税金関係の支払い
○損害賠償金
○慰謝料や養育費
○刑罰による罰金
○雇用主である場合、支払うべき給与
など。

上記の中でも、税金関係(住民税、固定資産税、国民健康保険など)について、支払いを後回しにしているケースが多く見られますが、しかし、税金を滞納していると、自己破産をしても支払い義務が残り、しかも高い利率の延滞税が課せられ、たちまち滞納額が膨らんでいきます。

ですので、浅はかな甘い考えは避けるべきなのです。
当初、督促が厳しくないから税金を滞納した結果、一番取り返しのつかない窮地に貶める大事件となる事があり、一番怖いという事になるのです。

結論としては、「自己破産をすれば税金の支払い義務からも解放される」と誤解などせず、しっかり対処すべきなのです。

いかがでしょうか。

今回は2つの「税金の滞納の勘違い」についてお話しました。

絶対は無い!

税金の分割払いをしているからと言って、決して安心できません。

「分割払いをしているから、他の財産が差し押さえられることは絶対ない」

とは言い切れないのです。




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