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住民税や国民健康保険料の滞納による資産(マイホーム)の差押えと住宅ローンとの関係

更新日2021-04-05 (月) 00:33:19 公開日2013-6-1

住宅ローンはちゃんと払っているのに・・・・・、税金滞納を続けていたら銀行(金融機関)から住宅ローンの一括返済を迫られてしまう可能性があります。

「えっ、どうして?」って思っておられる方もおられることでしょう。

「税金の差し押さえ」が「住宅ローンの一括返済」を誘発するのか?関係あるのか?!
じつは、残念ながら、大いに関係があります。

それもとても大きな関係です。
と言うことで、今回は、その切っても切ることができない住宅ローンと税金の関係についてお話をしたいと思います。

税金滞納と住宅ローン一括返済ってどんな関係?!

★目 次★【税金や国民健康保険料滞納と資産の差押え&住宅ローンとの関係】


住宅ローンの事実!

税金や国民健康保険料の未納があり、不動産に差し押さえ登記がつけられてしまった!
もし、そのような方がいらっしゃいましたら、今回のこの関係に該当していることになりますので、ぜひご確認ください。

実際のところ、該当される方で「税金や国民健康保険料の未納で差し押さえられているけど、住宅ローンの返済はまったく遅れてないからぜんぜん大丈夫!」と思い込んでいらっしゃる方が、大変多いのです。

しかし、残念ながら、これは正しくありません。

大丈夫!× 

税金の滞納による差し押さえがつけられると、住宅ローンの支払いがいっさい遅れていなくても「住宅ローンの残額を全額一括で払ってください」と言われる可能性があるからです。

税金滞納で家の差し押さえ?

なぜなのか・・・

それでは、その理由についてご説明します。

まず、住宅ローンを借り入れされた時に、住宅ローン契約書の控えを受け取っていらっしゃると思います。
具体的な書類名で言うと金銭消費貸借契約書という名前です。

金銭消費貸借契約とは
住宅ローンの借入に際して金融機関と締結する契約のことです。
この契約書に、融資条件(融資金額、返済方法、返済期日、利率、返済額など)や抵当権設定に関すること、繰上返済や期日前全額返済に関すること、遅延損害金に関することなどが盛り込まれています。
金融機関から住宅ローンを借りる場合は、購入する住宅に抵当権を設定するのが一般的で、金銭消費貸借契約と同時に抵当権設定契約を締結します。
(不動産用語集より)


その金銭消費貸借契約書の中に、『期限の利益の喪失条項』という条項は必ず有り、また『期日前全額返済』という項目も大多数の契約書にあります。

「期限の利益の喪失」はどういうものかと言うと、例えば、「12月31日が支払期限の約束でお金を貸した場合、貸主は12月31日が到来しないと借主に対して返済を請求できない。但し●●●●の場合はこの限りではない。」というものです。期限が到来しないことによって当事者が受ける利益を「期限の利益」といいます。(民法135条)。
…」の部分は違約の状態を表していて、この…が有った場合は即返済せよということでもあります。

住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)には必ずこの期限の利益喪失に関する条項があり、税金の差押えは●●●●に該当し条項中に必ずあります。

もし税金を滞納し、そのうえで差押えまでされてマイホームにその旨登記されてしまったら、銀行は住宅ローンの期限の利益を喪失したとして、一括で返済してほしいと言えるのです。
ただ、税金未納により差押えされたからと言って、即全額一括返済してほしいなどどは言ってきません。差し押さの時点では、どうしようかと様子見しながら判断を先延ばしにしている事がほとんどです。

税金差押えを緊急を要する事案であると判断すれば、一括返済を要求し、できなければ競売に入ることもできますが、そうしないで様子を見ることもできるわけです。

「期日前全額返済」とは何かと言うと、この…に該当する場合の約定で、たとえば、『35年のローンを組んで分割で払っている状況であったとしても“●●●●した場合”は、その途中で一括返済しなければならない義務があります』という意味の規定です。

“●●●●した場合”というのは上記以外に何があるかと言うと
たとえば、破産宣告が該当します。
「1公租公課・租税の滞納処分や不動産の(仮)差し押さえがなされた時など」と書いてある場合もあります。
そのように、「いちじるしく信用が悪化してしまった場合は、期限前であっても、全額一括返済しなければならない義務があります」と言っているわけです。

とても怖い契約条項の文章ですね。

「不動産の(仮)差し押さえがなされた時など」と言うことは、税金未納で不動産が差し押さえられることがありますので、“税金未納”これも含まれることになるのです。

ここで疑問に思われることでしょう。
【(仮)差し押さえられていることが他の人にわかるのか?!】って。

差し押さえがされていることは、登記簿(現在では「登記事項証明書」と言っています)の権利部(甲区とも言います)と言う箇所に記録されます。

実は、この登記簿は、誰でも確認することが可能なのです。

今は、インターネットなどでも誰でも簡単に取得することもできます。
ご注意して頂きたいのですが権利書ではありません。あくまでも登記簿(登記事項証明書)です。

わずかな料金は発生しますが、そのお金さえ払えば誰でも登記簿を取得することが可能なのです。
ということは、当然、銀行も、差し押さえ状況を確認することが可能です。
だからと言って、銀行が、貸出先について毎日毎日登記簿をとって確認しているかと言うと、それはさすがにコスト的に不可能ですのでおそらくしないと思います。
ただし、抜き打ちで行っている可能性は十分にあります。

【差し押さえられているけど何も言ってこないからいいのでは?】

何も言ってこないから大丈夫と安心されないでください。

差し押さえられていることが銀行など金融機関(住宅ローン借入先)にわかってしまうと、一括返済を求めてくることがあります。

差し押さえされていても、金融機関の動きが何もないと言うのは、たまたままだ見つかっていないだけと思っていただいた方がいいです。

【銀行員が“住宅ローンさえ払っていれば大丈夫”と言ってくれた!】
そのようにおっしゃる方もいらっしゃいます。

しかし、それはあくまでも口約束なのです。

銀行員が、差し押さえをわかっている状況で「住宅ローンさえ払ってくれたら、一括返済しなくても大丈夫です。」と書面でだしたわけではありません。

書面ではない以上、少し表現が適切ではないかもしれませんが、しょせん口約束でしかありません。

その口約束が、どうなるかと言うと、銀行は言った、言わないの世界にもっていくはずです。

その言った銀行員がずっといればまだ良いのですが、銀行というのは春と秋に人事異動があります。

銀行はちょっとでも不正を嫌う機関なので、不正が出来ないように3年に一度や4年に一度行員異動をします。
それも異動が命じられたら、遅くても一週間以内に異動しなければならない所ばかりなのです。

銀行の担当者が異動することで、方針がコロっと変わるというのは珍しいことではありません。

心理学的に、人間というのは、自分に都合のいい言葉だけを理解しようという特性があります。
その銀行員の言葉を信じたいと思うことが間違っているとは言いませんが、銀行員との口約束は、何の保証もないということを認識し、行動すべきなのです。

口約束だけで、約束を交わした書面がない以上、銀行の方針により、どうにでもなってしまうということなのです。

「差し押さえられていても何も変わらないから平気!」と安心しがちなポイントではありますが、実はかなり足元が危うい状態で立っているということをご理解いただけたらと思います。

【税金が納められないと言うことは・・】

ふぅ‥生活が・・

また、本来であれば、将来のために、収入から支出を引いて貯金していくというところですが、貯金どころか、税金が払えないという状況の場合、そこで言えることは・・・

誰もが認めたくないことではありますが、それは、生活がすでに破綻しているということの裏の表れでもあるのです。

税金は3桁、つまり100万円代を超えると本当にリカバリー(回復、復旧、とりもどすこと)が、かなりむずかしくなります。

100万円代以上になる前に、家計を見直し、「本当にこれから解消できる余地があるのか」「いつまでに解消できるのか」「解消できないのであれば、どうすれば家計が正常化するのか」というところに視点を変えなければいけません。

解決するのに一度には無理だから、税金滞納先の機関(税務署や市区町村など)と話し合い、その結果少しずつ毎月可能な金額を払っているというパターンもあるかもしれません。

しかし、月の支払いの金額が3千円、5千円であれば払っていても、なかなか解消することはできません。

【それならいったいどうすればいいのか?!】

いったいどうすればいいの!

先ほどの銀行員との口約束の場合、口約束ではなく「今、税金で差し押さえがついているけれども、住宅ローンを払っている間は銀行としては何も動きません」という内容を、銀行の名前(頭取の名前)で一筆だしていただけたら、それは安心して良いと思います。

まっ、ほとんどの場合、そんな書面は難しいと思いますが。

しかし、もっと遡り、「差し押さえられた後どうするか!」ではなく「差し押さえられる前にどうするか!」ということだと思います。

本記事のように、差し押さえられたことが原因で、住宅ローンの一括返済をしなければならないことのないように、差し押さえられる前(税金の未納で税務署から何らかの連絡があった時点)に、とにかく迅速に納付の相談に出向いてください。

別のページでもでも書きましたが、担当者の印象を良くすることがとても重要になる場合もあります。

そのためにも、早い動きがとても重要です。

できれば、納期限前、遅くとも、督促状による催告がきた時点で税務署や市役所(納税課)に出向き相談されることをおすすめします。

税金の納付期限に遅れていても、納税義務者に支払いの意思が確認できて、その背景がちゃんとしたものであれば(現状を把握できるものを提示できればいいでしょう)、ほとんどの場合、分割納付は可能になると思います。

そして、分割納付の約束「金額、回数、期日」をきちんと守れば、差し押さえ処分になる可能性はまず可能性は少ないと思います。

ただし、この約束を守らなかった場合は、たとえ分割納付をしていても、差し押さえ処分になることがありますので十分注意が必要です。

別記事、
『【あるある!】未納税金を分割で払っているから差し押さえられることはない!!』

こちらも関連記事となりますので、ご確認いただけたらと思います。

いかがでしょうか。

今回は、「税金の差し押さえ」VS「住宅ローン一括返済」の関係についてのお話でした。

これは、ほんとうに嫌な関係です。

税金の支払いは、ついつい後回しにしがちです。
しかし、税金の支払いを後回しにすると、想像以上に、とても怖いことになります。

差し押さえ登記がなされていると、いつ、住宅ローンの一括請求を要求されてもおかしくないのですから。

そのことを理解していただくと、「そのとき何をどうするべきか」という疑問に対し、その答えはでてくると思います。

いろいろご事情があるかもしれませんが、その答えは「一日でも早く納税しよう!!」 ということです

1日でも早い納税を

とても恐ろしい税金の差押え!

実は、税金の差押えはいつでもできるのです。
しかし、住宅ローンは期限の利益の喪失が無ければ、急に差押えすることはありません。しかし税金滞納はそそうではないのです。
シャレにならないほど税金滞納は急に差し押さえられることがあると知っていてください。

ここでは過去にあった、【任意売却の売買決済前の土壇場の税金差押え】についてみてみましょう。

【お支払いができなくなった理由】

私のお勤めしていた会社は社長ご夫婦と社員が2人という小さな金属加工の会社でした。
その会社が倒産したことにより、その後、なかなか思うようなお給料の仕事が見つからずアルバイト生活になりました。
倒産した会社からは社長も頑張っているんだからと思っていたので、給料も思うようにはもらえなかったのですが、しかし家族のような関係の間柄の関係だったので我慢していました。
しかし、自宅の固定資産税、都市計画税と市民税は滞納し始めていました。
しかし、会社が倒産し、しかも、その倒産した会社は私の社会保険料を2年もの間、納付していなかったのです。
また、私を2年前に辞めたことにして社会保険事務所に書類提出していました。
これにはびっくりしましたが、社会保険事務所は届け出があれば受理して処理するのが通例との事なのです。
その結果、半年後になりますが私の住む市役所から国民健康保険税と国民年金の合計額五十数万円を収めるように言われていました。
ただ住宅ローンも滞納し始めていたので、自宅をあきらめ、コーラルさんにお問合せして今回の売却をしていただいた次第です。
無事、購入者も見つかり、売買契約も滞りなく済ませ、住み慣れた自宅を離れ、アパートに引越しその後決済を迎えるだけとなっていました。
ですが、売買契約時には無かった市役所の差押え登記がされてしまいました。
コーラルさんからその市役所の差押え登記がされていることを教えて頂いたのは決済前3日です。
コーラルの担当には、「差押えについて何も市役所からは連絡無かったんですか?』と聞かれたので、何もなかったと伝えましたが、ただ、まさかと思った私は妻に確認してみました。
妻は、差押え登記の前に市役所からは赤い封書が届いていたというではありませんか。
それをもう大丈夫って思い、その封書をぞんざいに扱い、放置されていて何も私は知りませんでした。
その旨、コーラルさんにお伝えしました。

【売主の希望】

身勝手かもしれませんが、このまま売買を済ませたいと思っていました。

【結論】

無事、市役所の差押え登記も解除され、売買契約は終了しました。

コーラルの売買決済解決までの流れ

売主さんからお問合せ頂いた際には、市役所から差し押さえはされていない状態でした。
この時点では税金の滞納額(固定資産税・都市計画税・市民税)は30万円ほど有るとお聞きしはしており、分割納付の話し合いも終え、分割納付しているとの事でした。当社もそのことは確認していました。
しかし、後日まさか国民健康保険税と国民年金の合計額五十数万円の滞納の為に仮差押えがされるとは思ってもみなかったです。

売買契約も終え、決済を1週間後という時になって市役所から差し押さえが入りました。
当社も任意売却事案については何かある事もありますから、その時の事も考え、事前に現在事項証明書を取得して市役所から差押え登記がされていることを知りビックリ致しました。

差し押さえを解除できなければ任意売却は成立しませんから。

売主様と市役所に赴き、解除要件について話し合い、こんな時の為にコーラルが特別に用意しているある方法を用い最終的には差し押さえを解除することが可能となり、無事ご決済と物件の引き渡しを完了することができ、売主さまにはとても安心して頂くことが出来ました。


そのコーラルの用いたある方法とは・・・・・。

話し合いとウルトラCで無事差押え解除に成功!

実は、コーラルの任意売却担当は、任意売却が始まった当初(約15年前)から現在までい約1000件以上の任意売却の実績がありまして、この実績は他社を凌駕する実績なのです。

もう今では行われていませんが、昔、今の住宅金融支援機構も任意売却を積極的に不動産業者と組んで自ら情報を整理し推し進めていた時代がありました。
コーラルの任意売却の担当は、その時代、住宅金融支援機構がまだ住宅金融公庫と言っていた時から任意売却をその公庫からの依頼で活動していたのです。

そんなコーラルの任意売却の担当ですから、今回の市役所の差押えが行われても冷静に対応し解決することができたのです。

コーラルだからできることがあります。

任意売却は今ではどの不動産業者も『当社も対応しています!」って言っておりますが、しかしその実、何もできない事の方が多いんです。

任意売却とは、専門性を持った領域の仕事なのです。

まとめ

税金は多種あるため、ついつい収めたつもりが滞納していたなんてことは誰もが経験するもののようです。
また、環境の変化により税金納付時期に収めようにも納められなかったかのしれません。

つまり、誰にでも起こり得るということです。

住宅ローンも税金も、滞納してしまった時に大切なのは、「この先、どうすれば良いんだろう…?」とは考えながら、しかし、ついつい後回しになり放置していたり、誰にも相談できず悶々としていたりでいる状態を無くすことなのです。
家族に相談しても解決できないことは多いもの。そんな時は、一人で悩まず、一刻も早く専門家へ相談して、現実的な対策を取ることなのです。

住宅ローンの返済滞納も、税金の未納も、ご相談のタイミングが早ければ早いほど、様々な解決手段がとれる可能性が有るのですから。
まずは専門家へ相談することですね。

任意売却は、ぜひコーラルにお任せください。

お問い合せは・・・フリ-ダイヤル 0120-987-907

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