相続した不動産をどうしますか!?

相続した財産の中で一番多いものが不動産です。
あなたは、この相続した不動産をどうしますか?
もうすぐ、地方の不動産は売りたくても売れない時代が来ます。
待った無しな状況にある地方の不動産。地方の不動産と言ってもあなたのご実家も該当しています。
ただ同然でも買い手がいない状況になる前に手を打ちましょう。


★目 次★


日本の相続の現状を知りましょう。

国税庁が平成28年分(平成28年1月1日から平成28年12月31日)の相続税の申告状況(相続や遺贈などにより財産を取得した方についての相続税)について平成29年12月公表しています。

これによれば、被相続人数等(平成28年中に亡くなられた方)は約131万人(平成27年約129万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万6千人(平成27年約10万3千人)で、課税割合は8.1%(平成27年8.0%)となっており、平成27年より0.1ポイント増加しました。

課税価格の合計は14兆7,813億円(平成27年14兆5,554億円)で、被相続人1人当たりでは1億3,960万円(平成27年1億4,126万円)となっています。

税額の合計は1兆8,681億円(平成27年1兆8,116億円)で、被相続人1人当たりでは1,764万円(平成27年1,758万円)となっています。

相続財産の金額の構成比は、土地38.0%(平成27年38.0%)、現金・預貯金等31.2%(平成27年30.7%)、有価証券14.4%(平成27年14.9%)の順となっています。

もし不動産を相続した場合、そのまま放っておいてもいいのですが、不動産は維持しているだけで固定資産税などの諸費用がかかります。

今の生活をしながら、相続した不動産の諸費用をただ払い続けるのは本当に大変なことです。

しかも空家条例というのができたため、老朽化している古家を管理せずにそのまま放置しておくと、行政から指導を受け、倒壊などの恐れがある場合は、行政の判断で取り壊しをされ費用を請求される場合もあります。

古家の大きさにもよりますが、取り壊しの費用は、一般的に木造戸建て(20坪)の取り壊しには200万前後かかるといわれています。

ですから、不動産はきちんとした管理が必要です。

管理するのはお金がかかりますので、もし遠方の場合は、本当に大変です。

ではどうしようかということですが、不動産の活用は大きく分けて3つあるといわれています。

それは売る、貸す、建るの3つです。

それぞれ具体的にどういうことなのか説明いたします。

相続税を注意しよう!

相続した不動産を売却する場合は税金がかかるので注意が必要です!

不動産を売却する場合は、いろいろな税金がかかります。

相続後の保有期間によっても税金が変わるため、売却前には税務署や税理士に相談しましょう。

特に相続した土地を購入した際の売買契約書がない場合は、取得費が売却時の金額で計算されるため、かなりの税金がかかります。

ただし同居をしていた不動産の場合は、3000万円の特別控除がありますし、同居でない場合でも、2019年末までの特例で一定の条件を満たすと3000万円の特別控除が受けられますので、同居でない場合で不動産を売却検討中の方がいれば、控除対象かどうか確認しましょう。

売却の場合は、税金をきちんと計算すれば、後は維持費や管理等の問題は解決されますので、特に遠方の不動産の場合には、おすすめです。

相続した不動産を貸す場合は?

貸すといってもそのまま貸すのか、更地にして駐車場にするのか、建てて貸すのかと様々です。

建てて貸す場合につては、後ほど詳しくご説明します。

まだ建物が住める場合は、綺麗にして科すという方法もあります。

ハウスクリーニング等で貸せるのであれば、数万円の費用で済みますが、リフォームが相当かかりそうな場合は、まず見積りしてその金額をかけても貸した方がよいかを考えましょう。

貸す場合は、どのくらいの家賃で貸せそうか近隣の相場を調べる必要があります。

人に貸す場合は、リフォームローンは適用外で、事業性のローンということになりますが、借り入れができるかも問題です。

事業性のローンの場合は、年収での判断ではなく、事業計画を立てて収支がどのくらいになるかが重要となります。

1戸で収支がプラスになるのはかなり難しいため、借り入れができない場合があります。

また、更地にして駐車場に貸す場合ですが、30坪くらいの地ですと、土地の形状や道路の接道状況にもよりますが、2~3台くらいがせいぜいです。

まずは近隣の駐車場の料金を調べてみるのが良いかと思います。

建物を壊した場合は、固定資産税が上がります。

住宅が建っていると固定資産税が1/6に軽減されていますが、壊すとそれがなくなります。

更地の場合は固定資産是の評価が7割に下がるので、実質は4倍程度固定資産税が上がります。

相続した不動産を建替える場合は?

古家を建替えて自分が住む場合は、住宅ローンが使えます。

もし今、賃貸住宅にお住まいでしたら、建替えて住むのは1つの方法ですが、その場合は、今の住まいから近いのか、引っ越ししても家族の生活に不便が生じないのか、例えば通勤、通学等のことが問題です。

お近くであれば、土地代がかからないため、住宅取得のコストは通常の半分くらいになるかと思われます。

35年の住宅ローンの場合、大体1000万円の借入約4万円の返済となるため、それを基準に考えて、今の家賃と比較してみるといいでしょう。

土地が100坪以上ある場合で、市街地であれば、アパート経営も検討できます。

アパート経営は、節税のメリットがあるため対策としてはいいかもしれませんが、大きな借り入れが必要なためリスクも伴います。

自分の土地にどんな建物が建ち、どれだけの家賃が残りそうかといった収支計画を見て検討するのがいいかと思います。

また市街化調整区域(※1)であっても、ドライブインや公共施設など一部建てられるものもありますので、専門家に相談してみましょう。

受け継いだ資産を継承したい方はやはり何らかの方法を考えなければ、維持するのは難しいのが実情です。

土地は持っているだけでは資産ではなく、経費がかかるものとなります。

ただしお子様が複数人いて、他に資産がない場合、アパート建築をすることで相続時には節税効果は得られても、分割、売却等が難しくなるデメリットもありますので注意が必要です。

相続した不動産がマンションの場合は?

マンションの場合は、売却か賃貸か自分で住むかの選択になります。

マンションは築年数が古くなれば、管理費、修繕費が上がっていくため維持費がかります。

今が賃貸ならば、売却費を頭金にして、築浅のマンションを購入するか、当面貯金するというのもいいかもしれません。

貸すといってもリフォームしてまで貸して利益が出るのかも不安ですし、現在賃貸でお近くならご自分で住むという方法もあります。

結局どれが一番お得なの?

どれがお得というのは実は無くて、どれを選択するかということになります。

それぞれメリット・デメリットがありますが、売却は現金化できるため当面の生活にゆとりが生まれますがその時だけとなります。

賃貸は、とりあえず経費だけでも生み出したいと思うのであれば悪くはないです。

土地の場合の建て替えも、節税対策としては有効ですので、対策が必要な方にとっては効果的ですが、借入してする事業ですので不労所得で生活するとまではいかないかもしれません。

やはりアパート賃貸業というので、経営は人に任せっきりで大丈夫というわけにはいきません。

活用は、資産背景を含めてどうした方がいいのかを考えていくのがいいですね。


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